ゆうき議員の議案質疑に対する答弁(概要)

2002年9月12日

議案84号・補正予算について

○新港新清掃工場余熱利用施設基本計画策定事業費
【企画調整局長】
 諸般の事情により企業庁の応分の負担を条件に、千葉市が建設と管理運営を一体的に行って欲しいと要請があり、本市としては余熱利用施設の早期実現を図るため、やむなく要請を受け入れることにした。過去の経緯を踏まえ、県に全額負担を強く求めている。アイススケート場を含む施設の内容や規模、事業手法、利用者推計等を含む運営予測等を総合的に検討し、市民要望等についても計画策定の中で検討したい。

【環境局長】
 余熱利用施設で必要な熱量は3ギガカロリーを想定していたが、今回、改めて必要なエネルギー量を算定していく。その量は、新港新清掃工場でのごみ処理及び併設するスーパーごみ発電方式で発生する電気量、熱量で賄い、発生する余熱の最大活用を図る。

○債務負担行為の追加
【都市局長】

 宇部三菱セメント、千葉菱光の2社は事業計画に基づき、他に移転し営業を継続する予定だった。その条件に合う移転先を探していたが、土地の取得が可能となったものだ。移転補償額は、公団・関東地区用地対策連絡協議会等の補償基準で積算したものだ。
 支出予定額の26億4,800万円は、H15年度10億円、H16年度10億円、H17年度6億4,800万円を予定している。市のこれまでの負担額は、約132億円になる予定だ。市債の総額は、H13年度までで約104億円、今回は約7億円の予定なので、合計約111億円となる。利子はH13年度で約31億円となる。土地の所有者は、三菱マテリアルだ。土地利用は用途地域に合った利用がされるものと考える。
 本事業は土地区画整理事業で、他の地権者は新しい用途地域に合わせた土地利用転換での事業展開を検討している。事業地区の海側に沿った区域は、埋立で緑地及び旅客船用等小型桟橋2基整備する港湾計画が定められた。

○メタン醗酵ガス化施設建設費補助事業
【環境局長

 メタン醗酵ガス化施設に係る環境対策は、法令の基準に基づき十分審査した結果、本施設は環境に配慮され万全な対策が講じられているものと考える。具体的には、臭気については廃棄物受入ピットや脱水機などで薬剤洗浄方式及び生物処理方式の設備で処理を実施するため、敷地境界で条例の規制基準を満たすよう計画されている。騒音も、送風機・破砕機等は建家内に設置されており騒音規制法の規制基準を満たしている。大気汚染では、ばい煙、ダイオキシン類を排出する施設はない。産業廃棄物である食品廃棄物のリサイクル施設であり、食品加工業の製造過程で排出される廃棄物が対象のため、市民にとってのメリットと言うよりは、食品間連業界にとって従来焼却していたものをメタンガス化するもの。食品リサイクル法が求める再利用等の実施率向上が図れる。食品リサイクル法は、再生利用について飼料・肥料・油脂製品・メタンとして利用することを規定しており、資源循環に寄与し、有効利用率引き上げの手段の一つだと考える。メタン醗酵後の残さは、既設ガス化溶融炉で高温溶融処理し、発生するガスは施設内で再利用され、大気中への放出はない。付属施設も、排ガス量は現状と変らず、環境上の問題は生じない。産業廃棄物は、事業者の自己処理責任が原則で、公共は直接処理の立場にないが、このような施設を誘致することでしない中小企業にとっても、運搬コストなどでメリットがあると考える。

議案第88号専決処分について

○老人医療費助成68・69歳に所得制限を導入
【保健福祉局長】

 68.69歳の人数は15,500人、そのうち6,200人の方が該当しなくなると見込まれる。市民税非課税者の年所得額は125万円以下である。年金収入のみの場合は年金額266万3,000円以下、給与のみの場合は204万3,000円以下が非課税となる。9月11日現在の申請者は5,539人で、申請のない方には再度周知したい。これまでの制度を継続した場合は、H14年度分で更に1億7,700万円必要となる。これにより、高齢者の患者負担は、1月当たり3,000円を超えない場合が8割以上あり、増加するとは考えていない。今回の制度改革は、我が国の皆保険制度を維持するために必要なものと考える。

議案第89号・控訴の提起の専決処分について

○地裁判決を不服とした控訴
【企画調整局長】

 契約交渉過程で作成された文書表記は、あくまでも斡旋であり、代替地の取得を確約したものではない。結果的に3万uの土地を斡旋できなかったのは、県の土地利用計画の見直しという、契約締結後に外的にもたらされてやむを得ない状況変化によるものだ。原判決は、これを契約締結時の本市の過失と認定しており、「契約締結上の過失」の解釈・認定等に誤りがあると控訴した。新しい事実や証拠に基づくものではない。

議案第91号・条例の制定について

○千葉市男女共同参画ハーモニー条例の制定
【市民局長】

 男女共同参画社会の形成は、男女共同参画社会基本法に位置づけられた21世紀の最重要課題であり、議員や市民の貴重な意見をいただき、男女共同参画懇話会から条例の基本的な考えの提言を受けた。こうして、基本理念を定め、市・市民及び事業者それぞれの役割を明らかにし、施策の基本的事項を定める「千葉市男女共同参画ハーモニー条例」を策定するもの。条例策定で、「自立」「協働」「参画」による真の男女共同参画社会の形成を確実なものとし、女性・男性が共に豊かに暮らせる千葉市を実現したい。「家庭中心」や「女らしさ、男らしさ」の文言について、「懇話会」の提言や「男女共同参画社会基本法」の趣旨にそぐわない表現として受け取られる恐れがあり、既に策定している他の政令市の条例では記載されていないことを考慮し削除した。懇話会の提言にあった千葉市を取り巻く変化と課題は、高齢化・少子化・世帯の小規模化・家族形態の変化・人々の意識や社会的慣行の多様さ・女性の意思決定過程への参画・外国人の増加・配偶者等からの暴力の8項目があった。これらの変化・課題に対応し、男女が互いに人権を尊重し責任を分かち合い、性別にかかわらず、その個性と能力を十分発揮できる男女共同参画社会の実現が必要という基本的な考えに基づき策定するものだ。

議案第100号から106号の工事請負契約案件について

○スーパーサイエンスハイスクール研究開発事業費
【教育長】
 事業の背景は、経済協力開発機構(OECD)や国際教育到達度評価学会(IEA)の調査では、算数・数学や理科の成績は国際的にトップレベルを維持しているが、青少年の科学技術離れ、理科離れの指摘がある。資源の乏しい我が国で、将来を担う青少年の科学技術に対する興味・関心を喚起し、学ぶ意欲を向上させることは、科学技術創造立国を目指す上で急務の課題だ。
 文部科学省から指定を受けた市立千葉高校では、これまでの理数科の野外実習や海外科学技術研修等の実績を踏まえ、学校での手作り国際科学教育実践の研究開発を行い、将来有為な科学技術系人材の育成をめざすもの。対象生徒は、学科を問わず新1年生全員から募集し、45名の応募があり、そのうち20名にした。20名には集中講義をするが、対象生徒以外にも海外研究者の講演受講や設備機器の利用はでき、本事業の教育効果が多くの生徒に波及するよう配慮している。この研究開発の成果は、今後の科学技術系人材育成や高等学校における理科・数学の振興に資するものだ。したがって、教育基本法や学校教育法の主旨に違うことなく、むしろ高校教育の拡充に資するものと考える。

○工事請負契約
【財政局長】
 工事請負契約案件7件のうち2件は基準価格を上回っているが、他の5件は下回る低入札価格調査対象案件になっている。これら7件は、いずれも設計図書に基づき、業者の技術力を生かし、企業努力で諸経費や利益率等を勘案して見積積算を行い入札に臨んだ結果と推測する。低入札の5案件は、最近の経済状況を反映し、公共工事や民間工事の発注が減少傾向にあるなか、少ない入札機会を確実に受注したいとの意欲からの結果だと考える。
 設計金額の公表は、希望型指名競争入札対象工事以外の案件ごとに、工事概要や入札参加資格要件などと併せて契約かの掲示板に掲示し、公募型指名競争入札対象工事以外の案件はインターネットで公募している。低入札価格調査の基準価格は、国土交通省の基準と同様、公示価格すなわち予定価格算出の基礎となった直近工事費と共通仮設費及び現場管理費を基に工事ごとに算出し、事前公表はしていない。最低入札価格が基準を下回ったことから、落札決定を保留し、契約内容に適合した履行が可能か、検査マニュアルに基づき調査した。
 その結果を低入札価格審査委員に審査依頼したところ、施工監理の徹底と技術力を駆使することで、設計内容に合致した目的物の完成は可能との結論を得たため、落札者として決定した。元請業者には、下請けへのしわ寄せがないよう、入札契約適正化法及び下請負の適正化指導指針に基づき、業者からの施工体制台帳・施工体系図等を確認し指導している。施工上の監理も工事担当課と連携し適正な施工管理を行っている。元請業者には落札決定後「公共工事実施にあたっての留意点について」の文書を配布し、下請負の適正化に関する指導指針に基づき下請業者選定通知書、施工体制台帳及び施工体系図等の下請業者に関する届け出を行うよう指導している。下請に関する報告は、原則として元請業者から契約後1ヶ月以内に工事所管課に、施工体制台帳及び下請業者選定通知書を提出させ、下請状況等の施工体制を把握している。今後も工事担当課と連携し施工体制の適正化の指導及び把握に努めたい。
 設計金額は、国土交通省の定める建築工事積算基準で算出している。なお、資材単価・労務単価は地域性や流通経路等を考慮し決定している。工法・機器仕様等の工事内容が設計図との整合性が図られているか、下請に関する報告書通り執行されているかなど、工事監理に注意を払い適切な工事執行に努めている。建築管理課で定めた積算標準価格に基づき、各工事ごとに工事課で算出し、事業所管で決定している。