ふくなが洋議員の一般質問に対する答弁 (概要)

 
2002年12月13日

下水道のあり方と経営について

【下水道局長】
○都市型洪水や集中降雨対策

 市内の市街地は、一定の市街化が進んでも5年に1回の確率で発生する降雨まで排除できる水準を目標に、排水路・雨水ポンプ場などの整備を進めている。土地利用の変化などで浸透面が減少し、排水施設整備が一度済んだ箇所でも、浸水が発生しやすくなっている。浸水被害の軽減は、排水施設の整備拡充を基本に、水環境の保全等も視野に入れ、H12年度に全庁的な「雨水の貯留及び浸透に関する指針」を策定、雨水の貯留・浸透を促進することで、下水道・河川施設等の負荷を軽減し、地下水を涵養する総合的な雨水対策を図っている。H10年4月、汚水処理している農業集落排水・合併処理浄化槽・公共下水道の事業者や関係部局での「汚水処理施設整備連絡調整協議会」で、地域に最適な整備手法等の検討を行った。H12年度に区域分担を行い、各施設の整備を進めている。今後も協議・調整していく。
 廃棄物の再資源化は、費用と環境影響を考えて、下水道汚泥焼却灰は民間施設を活用してセメント原料と人工軽量骨材に有効活用している。今年10月までの焼却灰有効利用は、81%で、H15年度以降には90%を目標にしている。残土の再資源化は、砂質土の場合、現場内で埋め戻し材に利用。関東ロームなどの粘性土の場合は、プラントで改良し、埋め戻し材に利用し、廃棄物削減と建設コスト低減に努めている。処理水の活用は、これまで中央・南部両浄化センター内や隣接する衛生処理場に送水して利用している。水質上の課題があったが、南部浄化センターで高度処理施設が完成し、高度処理水量が増えるので、市内河川・水路など水量回復、浄化のため環境用水で活用する方策を検討する「水環境創造基本計画」の策定へ調査している。光ファイバーケーブル等の下水管利用は、H14年1月に「千葉市下水道暗渠の使用に関する規則」を制定し、公共下水道暗渠への布設が可能になった。事業用地上部の活用は、駐車場への活用が南部浄化センターでは将来可能になる構造で、増設を進めている。
 情報公開については、排水区域の設定をH12年11月に「市政だより」で広報を行い、都市計画決定・下水道事業認可の際に、縦覧し意見聴取、区域や事業費など公開している。工事着手前に工事説明会の開催、供用開始後の宅内排水接続、受益者負担金、使用量の徴収は、機会を捉え市民に説明を行い、意見を聞きながら進めている。有機塩素化合物等の排出での指導は、公共下水道を使用する特定事業場が市内に525社、その内、有機塩素化合物等を排出している事業場は53社ある。これら事業場に対し、立入検査要領に基づき平均年4回立入調査し、指導・監視している。2001年度包括外部監査で、「下水道事業の管理」を対象に監査が実施され、8項目指摘された。監査結果に対し、「基本方針」「改善計画」を策定、「下水道事業の管理」の改善に取り組む。市域の総合的な水処理を進める委員会として、関係各課で組織する「汚水処理整備連絡調整協議会」を設置。総合的水循環システムは「水環境創造基本計画」でも検討していく。

蘇我臨海開発について

【都市局長】
○球技場建設問題

サッカーをめぐる状況は、@本市でも愛好者が小・中学生から社会人まで大勢いる。A6月のW杯開催に際し、本市がアイルランドチームのキャンプ地になったのを機に関心が高まっている。B市原市とジェフ市原からホームタウン広域化の要請があった。千葉市で建設する球技場は、市民が気軽に集い、利用できる「市民球場」をめざす。単に、サッカー競技だけでなく応援したり、球技場下の会議室で講習会やボランティア会議をしたり、家族で楽しく過ごせる場所として飲食や歓談の場も検討している。サッカーファンだけでなく一般市民も喜ぶ施設で、市としても必要な施設だ。
区画整理事業地区内の具体的な商業展開は、土地所有者の川鉄が行っているが、市の情報公開条例に従い適切に処理している。大型ショッピングセンターの出店は、商圏人口の拡大や就業の場の創設、民間党市の誘発などで、蘇我駅前商店街や千葉都心の経済に刺激と活力を与える相乗効果が期待できる。全国で、中心商店街から大型店舗が撤退する際、地元商店街が反対している事例から、共存共栄の関係の表れではと考える。稲毛海浜公園サッカー場は、区レベルの大会が開催できる施設として整備した。多目的広場は、整備前の利用形態を継承した芝生広場に改修整備したが、両施設ともW杯キャンプ地に活用するため条件に合わせて改修したもの。利用状況はW杯キャンプ地終了後の7月から、一般の利用を開始し、7月から11月末で36日間、多目的広場は自由使用だが、団体利用は46日間だ。両施設とも公園施設なので、ハード管理は公園管理課。管理運営は、スポーツ施設に位置づけた有料施設は(財)スポーツ振興財団に委託、他の一般施設は、花見川・美浜公園緑地事務所が行っている。管理費は、14年度W杯の練習場としての管理を含め、球技場が約2,600万円、多目的広場は約1,200万円だ。
防災公園は、「蘇我特定地区整備計画」策定の中で検討し、H13年10月25日に公表・決定した。11月に公表した総合スポーツ公園の整備計画は、H7年1月17日の阪神淡路大震災後に、国土交通省作成の「防災公園計画・設計ガイドライン」に基づき策定したもの。今後、都市基盤整備公団と協議し、広域的な防災拠点として「防災公園街区整備事業」を整備していく。

斉園建設について

【都市局長】
○地域環境対策

 看板は、屋外広告物条例の基準内では認められるが、申請が出された場合、周辺の環境に配慮した看板になるよう協力要請する。施設は、斎場周辺が市街地調整区域のため、都市計画法で以前に既存宅地確認された土地以外は、葬儀場等斎場に関連する施設は建設できない。近隣市街化区域は、都市計画法にもとづく用途地域制限で、建築は認められない。

【保健福祉局長】
○斎場建設問題

 斎場建設は、7月から本体工事に着手しており、工事内容は地元町内会に周知し協力を得ながら実施している。交通・騒音対策は、周辺交通への影響を最小限にするため、工事車輌の誘導にガードマンを適正配置し、車の運行時間やルートに配慮している。騒音対策は、低騒音の建設機械や工法を採用している。施設供用の対策は、斎場侵入路付近の道路拡幅や左・右折レーン設置で、スムーズに流れるようにする。進入路出入口交差点に信号機の設置で警察署と協議中で、市道磯茂呂町線も、関係各課と協議し交通渋滞の緩和に努める。施設から出る騒音等は、周辺に騒音と感じさせないよう最新設備を備え、防音材・防振材を適所に用い対応している。蘇我駅周辺に建設中も含め4か所の葬儀場は、都市計画法・建築基準法に適合しているもの。

○桜木霊園問題
 桜木納骨堂はS39年開設し、納骨壇1,088基、納骨棚628基、合計1,716基の収納能力だ。一時預かりが基本だが、長期間の利用者が多いことから、数か月ほど待つ状況にある。老朽化の問題もあり、桜木霊園再整備事業の中で検討していく。バリアフリー化については、今年11月に待合室へ車椅子が入りやすく出入口の段差を解消、ドア部分を拡張した。障害者用トイレは、構造上、気候の影響を受けやすく、年度内に天井を遮光性材質に交換し、使用環境の改善を図る。トイレのエアコン設置と待合室の自動ドア設置は、現在考えていないが、改善の効果を見てみたい。

福祉行政について

【保健福祉局長】
○障害者問題

 アスペルガー症候群への支援策は、社会生活上特有の困難を持つとされながら、現行法制上「障害」に該当しないため、障害者施策の対象にならない現状がある。近く各議決定される予定の障害者基本計画で、以前は施策の対象でなかった障害への対応が入る見通しなので、国の動向を注視する。

○障害者のスポーツ
 バリアフリー化されたスポーツ施設は、ポートアリーナ以外で、こてはし温水プール、北谷津温水プール、稲毛海浜公園スポーツ施設がある。整備予定の花島公園スポーツ施設と若葉区競技場も予定している。その他の施設は、検討していく。
 障害者への専門指導員の配置は考えていないが、支援方法は検討していきたい。

【教育長】
○アスペルガー症候群対策

 学習障害(LD)や多動性障害(ADHD)等の子どもへの対応は、学校訪問や教養教育センターの研修講座、啓発リーフ、指導の手引きなどを活用し、教職員の理解を深め、学校全体で支援するよう指導助言している。養護教育センターでは、配慮の必要な子どもや保護者・担任との教育相談・学校を訪問し相談している。保護者には、家庭での接し方など生活全般にわたり助言している。

【保健福祉局長】
○高齢者問題

 基本検診でC型肝炎の抗体検査は、40歳〜70歳まで5歳ごとに、過去肝機能異常と指摘された人、広範な外科手術を受けた人を対象に実施している。この検査は、感染者の早期発見・早期治療をめざすものだから、これで薬害による感染者の把握は困難だ。感染の可能性が高いと判定された人は、かかりつけの医療機関等で精密検査を受け、自らの状態を知り必要な治療を受けるよう勧めている。また、保健所・保険センターで、患者や家族から肝炎に関する相談に応じている。肝炎ウイルス検査対象者に、受診券を送付しているが、肝炎への正しい知識や早期発見の重要性を記載したパンフや説明書を送り、肝炎への誤解解消と啓発に努め、検査を勧めている。保健所や保険センターで、専門医を講師に肝機能、肝臓の病気や治療方法等の講演会を開催、市民に肝炎の知識普及を図っている。
 総合的相談支援センターの設置は、現在、高齢者や障害者の相談・支援を社会福祉協議会で、判断能力の不充分な痴呆性高齢者・知的障害者等に福祉サービス利用や財産管理、財産保全サービスの相談・援助を行う地域福祉権利擁護事業を実施している。法的援助や助言の必要な人には弁護士紹介をしている。障害者に関しては、権利擁護のため障害者専門相談事業を障害者福祉団体に委託し、必要に応じて弁護士などの相談チームによる相談を実施している。各区の保健福祉総合相談窓口でも、保健福祉サービスの相談や成年後見制度、地域福祉権利擁護事業の紹介も行っている。今後も、関係機関と更に連携を深め、ニーズに即した相談・支援体制を充実させたい。事業者責任の明確化については、介護保険法・障害関係各法で規定され、第3者委員の設置はじめ、苦情処理の体制整備が義務づけられている。市は、各施設に監査指導を通じて整備状況を確認・指導している。社会福祉法に基づき都道府県社協に運営適正化委員会が設置され、利用者からの苦情を解決するための制度が用意されている。施設評価制度は、利用者評価、事業者の自己評価、第3者機関の評価などの中で、国・県の動向や他都市の事例を参考に検討したい。
成年後見制度では、経済的理由で制度が利用できない身寄りのない痴呆性高齢者への支援策を検討している。地域福祉権利事業の拡充は、実施主体が都道府県社協で、一部を市区町村社協に委託しているが、実施主体を指定都市社協へ拡大する検討を行っている。これができれば、地域特性にあったサービスが提供できると期待している。

【選挙管理委員会事務局長】
○障害者の参政権の保障

 選管としては「障害者及び重度の在宅療養者等に対し、選挙権の行使が容易にできるよう」にすることは重要課題だ。現行の公選法下では、ALS患者や寝たきり高齢者・障害者は利用できないため、政令市選管連合会を通じ在宅療養者等の郵便での不在者投票の適用範囲拡大を総務省に要望している。視覚障害者向けの「選挙公報の点字版」は、昨年6月の市長選で「市長選挙のお知らせ」として配布した。来年4月の市議選では、候補者が多く同様の対応は困難なため予定していない。選挙人本人が投票用紙の識別が可能な点字投票用紙に、選挙名の印刷は予定している。投票所のバリアフリー化は、10月の参院補選で148か所の投票所の内132か所で既設スロープや仮設ロープで段差解消を図った。施設の構造上、仮設スロープ設置が困難な投票所では、職員が介助等を行うよう指導している。

【総務局長】
○市役所屋上の喫茶室問題

 来庁者に低価格で喫茶サービスの提供と職員の福利厚生を目的に、市職員互助会が行政財産の目的外使用許可を受け、市遺族会に委託し運営している。利用状況は、1日60人程度、年間総売上額は約340万円だ。車椅子の方には、利用しづらい状況だが、関係部局と協議したい。各階の案内表示板とエレベーター内に、屋上喫茶室を表示しているが、改善に務めたい。

まちづくりと地域経済活性化について

【経済農政局長】
○おゆみ野ミスターマックスの出店

 店舗概要は、敷地面積64,000u、店舗面積15,000u、店舗数はミスターマックスを核に飲食店など20店舗、駐車場台数1,200台、年間売上予定額90億円だ。影響があると思われる商店への支援は、市産業振興財団でアドバイザー派遣等を行いたい。出店後の影響度調査は検討したい。環境対策は、法の指針で関係機関と関係課等で協議し、交通・騒音・廃棄物など周辺生活環境が保持できるよう調整に務める。学童の安全確保は、設置者に指導しており、扇田小学校と子どもルームには設置者が説明し、工事期間中の車両誘導や出入口の安全確保について理解が得られたと報告を受けている。

○千葉ポートタワーについて
 ポートタワーは、千葉市のシンボルとして大きな役割を果たしているが、年々入館者が減少している。リピーターや新規入館者の増加策を協議するため、県や千葉ポートパーク関係機関・団体と近隣施設、港湾関係者からなる「千葉ポートパーク利用促進連絡協議会」が設置された。協議会は、周辺施設との連携やポートパーク内各施設の魅力を高めるため検討し、入館者への観光遊覧船の割引制度や毎月実施のフリーマーケット・モノレールと連携した割引制度などで集客の方策を実施している。その結果、今年度の入館者が増加している。さらに、経費節減にも努力している。

子どもの権利条約について

【教育長】
○少年自然の家のPFI事業問題

 子どもの意見の反映は、アンケートで要望を聞き、基本計画や設計内容へ反映させた。少年自然の家では、自主的に体験活動に取り組めるよう、子ども自身でつくる活動プログラムや活動計画を奨励し、計画作成段階から子ども達を支援する。利用者から出された意見・要望は、利用者代表や事業者等で構成する事業運営協議会に反映させる。地域に根ざした環境学習のため、子ども達とスタッフが、復元する里山の景観を維持管理するプログラムを実践的に学ぶ。環境学習プログラムでは、様々な環境問題を、子ども達自ら考え体験し、社会参画の1つのボランティア活動ができるよう支援する。少年自然の家には、自然環境学習センターがあり、学習を支援する施設整備も予定している。事業運営は、教育施設なので民間と公共の長所を生かし運営する。SPCの事業運営は、もっぱら千葉市のサービス購入費で賄われ、独立採算部門はなく、利潤追求は発生しない。PFI導入のメリットは、公共施設の設計・建設・維持管理・運営等、民間事業者の資金、経営能力、技術的能力を活用し、市民サービス向上と総費用の縮減で、効率的な行財政運営の実現が期待できる。導入にあたり、事前に十分な調査と検討を行い判断した。事業者の提案書には、建設業務と維持管理業務に関する協力会社として、地元企業の活用を明記している。施設の維持管理業務に、地元住民を採用することも明記している。市PFI審査委員会は、審査結果で得点差が開いたため、今後の企業活動を配慮し、2位以下の事業社名の公表をしないことにした。

○子どもの読書推進計画
 今年度中に「子ども読書活動推進計画」を策定し、子どもが本と親しみ楽しめる環境づくりを、これまでの取り組みに加え、充実する方策を検討している。
 学校図書館の蔵書は新学習指導要領に沿い、調べ学習等に対応できる「学習・情報センター」としての機能充実へ、蔵書の拡大を検討中だ。図書館を広げることは、文科省の指導基準で建設しており難しいが、余裕教室やワークスペースなど他の施設の有効利用を含め検討する。市内の学校では、実情に合わせ教育課程に「図書館利用の時間」や始業前に読書活動の時間を位置づけている。学校図書館支援サービスの設置は、これまでも中央図書館や公共図書館は各学校と連携しており、新たな設置は考えていない。

公正な行政について

【環境局長】
○清掃工場の管理業務

 清掃工場建設は、「施工発注」ではなく「性能発注」方式を採用している。運転管理も単なる機械の運転操作ではなく、設備の能力を発揮させる「性能発注」方式が最良と考える。施工プラントメーカーや施工プラントメーカー系のメンテナンス会社は、清掃工場の設計方針を運転に反映できる技術者を有し、設備の最適な運転操作が出来る体制にある。清掃工場の機械、電気等諸設備を熟知しているためトラブルの未然防止ができ、安定した施設稼動が期待できる。運転管理業務委託の契約内容は公開していない。

【代表監査委員】
○監査のあり方について

 住民監査請求は、地方自治法に規定する対象要件に合致する場合できる。市民オンブズ千葉の監査請求については、審査のため監査委員会議を予定し、審査資料の収集をしているところだ。

【財政局長】
○市民オンブズ千葉の監査請求について

 指名停止に関する措置内容や時期の決定は、国や全国の発注機関が加入する中央公共事業契約制度運用連絡協議会の申し合わせ事項で、「排除勧告応諾後速やかに措置する」ことになっている。個別的に調査し、事実に基づいて措置をとのことだが、指名停止期間は、これまでの他の公共団体と同様に、同一の措置要件で、初めての指名停止になる場合は、最短の期間を適用している。今回も同様に、勧告応諾期限の翌日11月15日に指名停止を行った。指名停止措置期間は、今年4月の入札・契約適正化法の付帯決議に基づき、2倍と厳しく改正されたもの。