意見書について


 今議会では、市民自由クラブが提出した「拉致被害者の徹底した真相究明と国の毅然とした態度を求める意見書」は、市民ネットワークは反対しましたが、日本共産党も賛成し採択されました。「義務教育費国庫負担制度の見直しに関する意見書」は、日本共産党と市民自由クラブから同主旨のものが提出されました。日本共産党は市民自由クラブ案に賛同し共同提案しました。結果は全会一致で採択されました。
 「教育基本法の見直しに反対する意見書」は、日本共産党と市民ネットワークから提出されたため、調整案をつくって共同で提出しましたが、他会派が反対し不採択となりました。その他、日本共産党は9本の意見書を提案、木田ふみよ議員が主旨説明を行い、いずれも、現在の情勢から見て重要な内容であり採択するよう訴えました。
(意見書に対する各会派の態度と結果は、こちらで)
 http://www.city.chiba.jp/gikai/contents/kekka-menu.html

日本共産党が提出した意見書

(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 NO.1
アメリカによるイラク攻撃に反対する意見書(案)
 昨年のアメリカ同時多発テロ事件以降,アメリカのブッシュ政権は「テロ対策」や「大量破壊兵器の廃棄」などを理由に,イラクに対する戦争を準備し,核兵器の使用さえ計画している緊迫した情勢のもとで,戦争を回避するための国際社会の努力によって,イラクが安保理決議を受け入れ,問題の平和的解決へと動きはじめている。一方,アメリカは,イラクの安保理決議の不履行が少しでもあれば,単独でも軍事攻撃を開始する立場をくり返し表明している。しかし,他国に対する一方的な武力行使は,世界の平和と安全のルールを定めた国連憲章に違反する行為である。まして,核兵器の使用は,あらゆる人道法にも反する犯罪である。もし,核兵器が使用されたなら,引き起こされる犠牲と破壊は計り知れないものとなる。
 よって,本市議会は国に対し,世界で唯一の核被爆国であるとともに,世界に誇る憲法第9条「戦争放棄」を掲げる国として,アメリカに対して,イラクへの一方的な軍事行動や核兵器の使用に強く反対し,国連の枠内で平和的に解決するよう求めるとともに,日本として,戦争への協力を断固拒否するよう求めるものである。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成14年  月  日
千 葉 市 議 会


(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 NO.2

雇用保険制度の改悪に反対する意見書(案)

 今,国会で審議されている雇用保険見直し案は,本年10月に引き上げたばかりの保険料を平成15年6月より,さらに0.2%引き上げ,月収の1.6%にしようとするものである。これは,昨年4月と比べ2倍になるものである。そればかりか,給付率の下限の6割から5割への引き下げ,手当額上限の引き下げ,給付日数の短縮による給付半減など重大な内容となっているものである。現在,リストラや倒産で未曾有の高失業率が続き,不況から大変な就職難となっている状況下で,政府は「セーフティネットの整備」を掲げているにもかかわらず,国民の不安を一層深刻にする今回の雇用保険の見直しは,到底認められるものではない。
よって,本市議会は国に対し,雇用保険制度の改悪に反対するとともに,失業者の生活を保障することに力を尽くすよう求めるものである。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成14年  月  日
千 葉 市 議 会


 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 NO.3
仲裁法から弱者の除外を求める意見書(案)
 政府の司法制度改革推進本部の仲裁検討会で審議されている「新仲裁法」は,国際商取引の紛争を迅速に解決することを目的に改定を検討していたが,国内取引のすべての当事者に対象を広げようとしている。企業と労働者,企業と消費者,地主や家主と借り手,フランチャイズ契約の当事者などにまで適用されると,弱い立場にある人々から裁判で争う権利を奪うことになる。
例えば,労働者が雇用される際,就業規則や雇用契約の中に「争いは仲裁で」の一項が入っていても,契約を拒否できる対等の立場にはなく,不当な差別や契約違反,リストラ・解雇があった場合,裁判には訴えられないことになる。また,労働組合の団体交渉さえ雇用者側が拒否できるようになるなど,憲法で保障された団体交渉権・争議権を実質的に無くすものとして,法曹界からも「労働者など弱者は適用除外すべきだ」と批判されているものである。圧倒的に弱い立場の労働者・消費者などから「公正な裁判を受ける権利」(憲法第32条)を奪うことになる「新仲裁法」は認められるものではない。
よって,本市議会は国に対し,新仲裁法から労働者や消費者などの弱者を除外するよう求めるものである。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成14年  月  日
千 葉 市 議 会


 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 NO.4
年金制度改悪の中止を求める意見書(案)
 政府・与党は,年金財源が厳しくなったことを理由に,国の負担はできるだけ減らし,そのしわ寄せを国民に押しつけようとしている。この間,年金の受給年齢の引き上げを行ったばかりか,来年度は,年金受給額の物価スライド凍結を解除し,事実上の年金給付引き下げを実施しようとしている。物価が下がったからと年金額を減らせば,高齢者の暮らしを破壊するだけでなく,不況を一層深刻にするものである。さらに,2004年の次期年金制度の改定に向け,年金保険料の引き上げ,年金受給者も含めた年金額の切り下げ,厚生年金65歳支給の繰り上げ実施,などが検討されている。国連では昨年8月,年金を人権の問題として取り上げ,最低年金制度をつくり,男女の年金格差を無くすよう日本政府に勧告している。
よって,本市議会は国に対し,誰もが安心して生活できるよう,年金制度の改悪を中止するよう求めるものである。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成14年  月  日
千 葉 市 議 会


 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 NO.5
不良債権処理の加速策中止を求める意見書(案)
 政府が進める,「不良債権処理の加速」策は,銀行の自己資本や貸し出し査定の計算方法を格段に厳しくし,これまでの「要注意先」とされていた企業を「破綻懸念先」として処理せざるを得なくなるものである。さらに,銀行の自己資本比率を高めるため,これまで「健全」「優良」とされていた中小企業への,金利引き上げ・貸し渋り・貸しはがしが一層強まることになり,与党内や大手銀行関係者からも異論が出ているものである。この間,小泉内閣は強引な不良債権処理を進めてきたものの,不良債権は減るどころか逆に増えているのである。それは,現在の不良債権の発生原因が,不況による業績悪化によるものであり,中小企業を倒産に追い込めば「景気の悪化で不良債権が増大」の悪循環を劇的に進めることになる。
よって,本市議会は国に対し,「不良債権処理の加速」策をやめるよう強く求めるものである。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成14年  月  日
千 葉 市 議 会


 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 NO.6
有事関連3法案の立法化に反対する意見書(案)
 与党は,継続審議となっていた武力攻撃事態法案,安全保障会議設置法改定案,自衛隊法改定案の有事関連3法案の「修正」案で合意し,今国会で成立させようとしている。
前国会で,有事関連法案の強行ができなかったのは,憲法第9条があるにもかかわらず,日本を戦争する国に変え,国民を強制動員する戦時体制づくりの内容が明らかになり,広範な国民の反対にあったためである。日本が直接攻撃されていないのに,首相の判断で「予測事態」として,遠い海外で米軍が戦争を開始すれば,支援中の自衛隊も武力を行使し,参戦する危険な内容は,この「修正」案でもなんら変わるものではない。そればかりか,テロ・不審船に対し警察が処理すべきことまで軍事力で対応すれば,アジアに軍事的緊張を強めることになる。また,「国民保護」といいながら,罰則付きで土地・家屋の明渡し,私権の制限まで打ち出すものとなっている。
世界中が,イラク問題をはじめとする軍事的緊張は,国連憲章に基づいて平和的に解決するよう願っている時に,日本が外国の戦争に参戦するための法案を強行成立することは,絶対に許されないものである。
よって,本市議会は国に対し,有事関連3法案の立法化は止め,憲法第9条を生かした平和外交を貫くよう強く求めるものである。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成14年  月  日
千 葉 市 議 会



 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 NO.10
労働基準法に「整理解雇4要件」を明記するよう求める意見書(案)
  今,厚生労働省内では,解雇のルールを労働基準法に盛り込む素案が論議されている。現行の労働基準法では,労働災害・産前産後で休業中の解雇を禁じている以外,解雇の規制はない。素案に「正当な理由なく行った解雇は無効」との規定を盛り込もうとするのは当然のことである。
 しかし,この素案は企業が経営上の理由で行う整理解雇を規制する「整理解雇4要件」の法制化を避けた内容となっている。また,裁判で解雇は無効と判断された場合でも,企業は労働者を職場復帰させずに,金銭で解決できるとされている。これでは,企業再編が目的のリストラは「正当な理由」として,これまで以上の解雇が容認され,問題があっても金銭で決着をつけ辞めさせる事態となりかねないものである。?人員削減の必要性,?解雇回避の努力,?解雇対象者の選定が客観的・合理的か,?労使協議など手続きの妥当性,等を問う「整理解雇4要件」は,日本の労働者が長い間,無法な解雇に抗して裁判を闘い,判例として確立してきたものである。今ほど,企業の一方的なリストラ・解雇から,労働者の雇用と暮らしを守る効力のある,解雇ルールの法制化が求められている時はない。
よって,本市議会は国に対し,労働基準法に「整理解雇4要件」を明記するよう求めるものである。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成14年  月  日
千 葉 市 議 会



 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 NO.11
国民健康保険制度の充実のため国庫負担増を求める意見書(案)
 2002年10月から実施された医療制度改革によって,重病患者を中心に医療費の一部負担金が増大している。また,2003年4月には,サラリーマンの窓口3割負担が実施されることになる。医療だけでなく,年金給付の削減,介護保険料や雇用保険料の引き上げなど,合わせて
3兆円余の国民負担増となるものである。これらは,住民福祉の増進に努める地方自治体の運営にも大きな影響を及ぼすことになるのは明らかである。深刻な不況の時こそ,社会保障制度の充実のため,国の負担を増やすべきである。
よって,本市議会は国に対し,すべての住民が必要な医療を受けられる国民健康保険制度とするため,国庫負担を総医療費の45%水準に戻すよう求めるものである。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成14年  月  日
千 葉 市 議 会


 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 NO.12
介護保険制度の充実を求める意見書(案)
 2000年4月にスタートした介護保険制度は,3年毎の見直しが定められ,現在,来年4月に向けて各自治体は,「介護保険事業計画」の改定と,65歳以上の「第1号被保険者」の介護保険料の検討を進めている。このことにより,65歳以上の介護保険料は,来年度には厚生労働省の調査(6月)で,平均月額3,241円になるとされている。まま実行されれば,11.3%もの引き上げとなり,総額1,100億円の負担増となる。介護保険導入前の措置制度では,国庫負担50%,自治体負担を含めて75%が公費負担だった。しかし,介護保険制度の導入により,国庫25%・自治体25%の公費負担50%,保険料50%という費用負担構造は,そのまま介護保険制度の抱える矛盾となり,利用が増えれば,保険料や利用料の負担が利用者を直撃することになるのである。また,ケアマネジメントについては,基本的役割から見れば,特定の事業者に所属し活動する現在の方式は,現状に合わない欠陥を持っており,公平・中立の立場に移し,専門性の明確化と水準を大幅に引き上げることが求められている。
よって,本市議会は国に対し,介護保険制度の充実のため,以下の実施を求めるものである。
1 自治体独自の介護保険料・利用料軽減対策(減免)事業に,国庫補助金制度を新設・拡充すること。
2 介護報酬単位改正に当たり,介護労働者が安心して働くことが保障されるよう改善すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成14年  月  日
千 葉 市 議 会