ふくなが洋議員の一般質問 


2003年6月20日
日本共産党のふくなが洋です。一般質問を行います。

1、蘇我臨海開発について
 JFE跡地問題についてです。歴史的経過を今一度確認したいと思います。
これは、千葉市史、当時の新聞、あおぞら裁判・関係雑誌の資料から私なりにまとめたものです。そもそも千葉市臨海部は遠浅の干潟のため優良な海苔場・漁場でした。第2次世界大戦が激化する中、1940年内務省土木会議は「臨海工業地帯造成方針」を発表、千葉を重点地域に定め、憲兵隊のもとに反対者を投獄までして、海軍省が千葉市今井地先に60万坪を埋立ました。補償金一戸わずか200円でした。1943年戦闘機「ゼロ戦」などを生産する日立航空機が立地するも、爆撃を受けて本格的な操業に至らないまま敗戦。広大な埋立地は自然に戻り、住民は海に出て一時漁業をしました。1950年に朝鮮戦争がおこりました。この年川鉄は、川鉄重工業から鉄鋼業を主要業務として分離独立し、資本金5億円、葺合、兵庫、西宮、知多、久慈の5工場を持ってスタートしました。
 1950年千葉市の宮内三郎市長が、日興工業から約60万坪の埋立地と付随施設を1,750万円で買収し千葉市の土地としました。日興工業は、敗戦により日立航空機は解散し、旧社員が設備の一部を利用して農機具などの修理をしていた会社です。
 約60万坪の土地を川鉄に無償供与することでしたが、土地評価額は約8億円で土地取得税は35%の2億8,000万円。そこで川鉄はこの税金を安くするために1坪約48円、約3,000万円で購入しました。当時ラーメン1杯30円、お風呂は10円の時代です。
 1951年11月18日の朝日新聞は、「時価百数十億円の用地をたった、7,000万円で買い取った」と報道しました。1951年川鉄は、最新設備を持つ銑鋼一貫工場としての千葉製鉄所の着工をしました。川鉄は千葉市への進出にあたって、これから述べる10項目を県と市に要求をだし、県と市はすべて承認しました。
(1)隣接40万坪の埋立て権の確保、将来の埋め立てに対する漁業権処理などの保証
(2)防波堤の2300mの延長(県と市に負担)
(3)水深9m以上の航路浚渫(建設費総額3億円−国が1億2,000万、県・市の負担額1億8,000万円)
(4)千葉市と関東配電による3万キロワットの高圧送電線の建設
(5)1日15万トンの工業用水の確保(建設費市と県の負担)
(6)従業員住宅・福利厚生施設として5万坪を近郊に低廉確保の斡旋
(7)固定資産税(市)と事業税(県)の工場完成後5年間の免除
(8)鉄道引き込み線費用の県・市の負担
(9)砂利・砂などの採取権の便宜
(10)工場予定地の敷地59万1,962坪を無償譲渡。
 こうした超優遇策を受け1953年6月着工からわずか2年4か月で第1高炉の火入れが行われ川鉄は操業を開始しました。さらにこの年隣接の埋立地に当時千葉県には製鉄所に供給できるだけの電気供給能力がなかったため、東京電力千葉火力発電所の誘致を決定。そして1955年ころから「赤い煙」の公害問題が発生しました。
 最初に伺います。この経過で間違いがないか確認します。
今回千葉市は、スポーツ公園用地を1坪約23万円、総額230億円で買い取りますが、この点について伺います。歴史的経過から見て、千葉市が当時の川鉄に坪約48円で安く売ったものです。それをまた坪23万で千葉市が購入するのは、歴史的経過から見ても透明性に欠け市民感情からしてもまったく納得できません。これまでの経過を踏まえてお答えください。
 次に、土壌汚染の問題です。
 土壌は、生態系維持に欠くことのできない重要な役割をはたしています。土壌中の地下水は日本中の国民の4分の1約3,000万人が飲料水としています。土壌は人間にとって極めて大切なで資源であることは言うまでもありません。しかし、人間が金属などの地下資源を利用し始めた古代文明以降の鉱山開発、別子鉱毒、足尾鉱毒、土呂久砒素、イタイイタイ病、千葉県君津市の東芝工場での揮発性有機化合物による地下水汚染、最近では茨城県神栖町の旧日本軍の化学兵器の砒素が原因とされる地下水汚染があります。
 全国的にもリストラによる遊休土地売却に伴い工場跡地で重金属や揮発性有機化合物など有害物質による市街地の土壌・地下水汚染が多発しています。そして、土壌・地下水汚染は「製造業の不良債権」といわれています。アメリカ、ドイツ・オランダなどの国では土壌保護法が制定されて土壌浄化対策が進められています。日本ではやっと2002年5月に土壌対策法が制定されて、今年の2月から施行されています。
 川鉄は2002年1月11日に「千葉製鉄東工場土壌調査結果について」を発表しました。鉛は、含有量参考値の最大5.3倍。六価クロムは、環境基準の3.0倍。フッ素は環境基準の3.3倍。との結果が出されています。この土壌の上にサッカー場、ショッピングセンターなどを建設することになっています。そこで伺います。
1に、以前もお聞きしましたが、土壌汚染は市民の健康被害に影響はないのか、調査はどこの機関で行ったのか。
2に、土壌汚染対策法は、今年の2月から施工されたわけで、それ以前の調査結果です。この土壌対策法に照らし合わせて見ると、この調査で十分なのか
3に、心配されているのが構築物の下にあり調査ができなかった20地点の調査が構築物解体後速やかに行うことが必要です。これはいつ行うのか。
4に、汚染対策は覆土(盛り土)ではなく根本的な土壌浄化が求められますが汚染対策について。
以上、お答えください。

2、福祉行政について
 まず、福祉施設の運営についてです。
 今日、国や自治体で「脱施設論」や「施設解体」などの理由で知的障害者の施設などの福祉施設を建設しない、または施設の縮小の方向が出されています。厚生労働省は、「入所希望者があることと施設が必要なこととは判断しない」という姿勢です。「施設では人権が守れない」「脱施設は世界の流れ」が脱施設論の意見です。これらの主張は一面での実態を反映しています。北欧型の脱施設は、国民一人一人のニーズを充足して最大限の人権を保障する中でのノーマルな生活を保障するものです。一方、北米型の脱施設は「少数者」の障害者を「多数者に同調させる」ものです。自由を「最大限」保障し、個人の生活に介入をしないことになります。一人一人の違いを認め合うことはとても大切なことです。これは民主主義の根幹であり、21世紀の大きな流れと言えます。しかし、北米型は専門家の関与を否定し、個人の自由を保障するだけでは解決されない社会問題があることを認めない態度は、社会的不平等を容認することになります。日本の場合はこれら2つの形と違って根強い「家族依存」で成り立っています。それは社会資源の絶対量が不足している。サービスの利用に様々な制限がある。利用するための家族への支援体制がない。家族の扶養義務が明治時代から引き継がれている。等々です。障害者施設、介護保険、支援費制度が家族依存を基本にしていては、本来の自立には程遠くなります。人権に配慮した、家族依存をなくすための社会資源として現在入所施設が必要です。こうした点から伺います。
 市内の福祉施設の利用について人権はどう守られているのか、施設のありかたをどう進めようとするのか。脱施設論についてどう対応するのか。
次は、福祉の街づくりについてです。
 自治体は公的空間に対して車椅子の配慮をするバリアフリー歴史が始まり、スロープづくり、車椅子対応トイレの設置、リフト付バスの運行などを通じて「福祉の街づくりを条例」が進められてきました。点字ブロック、障害者専用駐車場などの設置が1970年代福祉環境整備の視点で進められて今日では当たり前になっています。1994年に全国統一のハートビル法(高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建設の促進に関する法律)が制定されました。2000年に交通バリアー法(高齢者、身体障害者等の公共機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律)が制定されて建物の整備や交通・移動ための整備が進められています。一方、アメリカでは1968年「建築障壁に関する法」(世界で初めてのバリアフリー法といわれています)1990年障害を持つアメリカ人法「ADA法」が制定され、ユニバーサルデザインが誰に対しても安全で使いやすいデザインとの考え方が広まりました。背景はノーマライゼーションという理念がありました。ノーマライゼーションは「障害のある人が障害のない人と同じ生活条件をつくる。自分が障害を持ったときにしてほしいことをする」として障害はノーマルの中のひとつの条件です。1995年にアメリカのノースカロライナ州立大学でユニバーサルデザインの7原則が公表されて世界的に注目されてきました。1、公平性 2、柔軟性3、単純性 4、認知性 5、安全性 6、効率性 7、アクセスしやすいスペースと大きさの確保が原則の内容です。日本では、高齢者・障害者向けの文字が大きい携帯電話などがデザインを重視して開発されてユニバーサル商品として売られるようになりました。
 地方自治体では、静岡県が全国で初めて1999年ユニバーサルデザインを県政の基本に位置づけ施策・事業を進めています。高山市では観光客の減少対策としてバリアフリー化・ユニバーサルデザイン化を進め町並みは残し段差のない町を作ったり、こまめに雪かきをして水路に流し歩きやすい町にしています。こうした状況のもと、誰もが安心して自由にいきいき生活できる社会が求められています。そこで伺いします。
1に、千葉市としてユニバーサルデザインに対する考え方について伺います・
2に、ユニバーサルデザインの社会作りを障害者や関係者の意見を聞いてどう進めていくのか。
3に、福祉の街づくりでは補助犬が大きな役割を果たします。介助犬さらに聴導犬が市原市で正式に活動を始めています。福祉の街づくりも多方面から推進しなければなりません。補助犬の法制化に伴いもっと千葉市が補助犬に対して市民の理解を広げ、支援することを求めます。そして補助犬のアフターケアーや犬のためのドックランを整備してはどうか。
4に、ユニバーサルデザインと福祉の街づくりでは、色彩の理解の差があります。点字ブロックの色を黄色とこだわらないとすることです。これに関連して東京の地下鉄路線図は13色の色で路線が分けられていますが、全国で300万人いるとされる色覚障害者にはわかりづらいとされ、美しさよりわかりやすさをと要望しています。このようにバリアフリーの考え方との間に様々な問題があり協議されています。こうした問題の解決をどのように図るのか。
 次は、こころの通う福祉サービスについてです。
 私は、これまで市の各種申請書や証明書へ印鑑の押印の廃止、必要のない記載をなくすことを求めかなり改善されました。心と体の性が一致しない性同一障害(GID)の人たちに配慮して性別の記載を配慮している自治体が増えてきました。市川市では、8月1日から性同一障害の人たちに配慮して各種申請書や証明書などから性別記載欄を削除することになりました。全国でも東京の小金井市、埼玉県の新座市などで削除されています。そこでうかがいます。一定の時期を得ましたし千葉市においても不必要な性別の記入は削除すべきではないのか。さらに、公用書類においても、法律上出来ないものや、事務上削除できないものを除いて、合理的かつ簡素な書類にすべきではないのか。また、性同一性障害の悩みを持つ市民への対応を求めます。

3、地球温暖化対策について
 EUの一部の国や経済が破綻した東欧諸国を除いてほとんどの国が温室効果ガスの排出量を増加させており、世界の平均気温も上昇の一途をたどっています。実効性のある対策を実行しなかったのがアメリカと日本と指摘されています。温暖化の日本への影響では環境省の検討委員会の報告でも、日本の平均気温は過去100年で約1℃上昇しています。
特に都市部では2〜3℃上昇し、桜の開花時期が早まり、蝶や蝉などの分布域が北上する、など温暖化が着実に進行しています。市民団体(CASA)では、技術対策・電源対策・需要対策の3つの対策を総合的に実施することで、CO2の排出量を2010年までに1990年レベルから約9%削減することが可能としています。
 技術対策は最もエネルギーの消費効率のよい技術の導入。電源対策は石炭火力と原発の新規建設の中止、LNG火力発電、再生可能エネルギーの導入。需要対策は公共事業の半減、自動車走行量の抑制、家庭・オフィスの省エネ行動への支援・促進。を提案して実際運動を展開しています。長野県では市民が主体となって温暖化対策をまとめました。再生可能エネルギーの活用、マイカー通勤の半減、コンビニの営業時間の短縮など画期的といわれています。そこで伺います。
1に、長野県の温暖化対策についての評価を
2に、千葉市として地球温暖化対策の改善や具体的な対応は、今日無駄な公共事業を半減することで地球温暖化を削減できると環境問題の関係者からいわれています。
 その点でも熊本県の川辺川ダムの建設は無駄で環境破壊といわれており温暖化を考える上でもいろいろな示唆を与えています。その川辺川ダム事業に地元農民が意義を唱えて利水訴訟控訴審で、国は書類改ざんしてまでダム建設を進めるやり方は国民の強い批判を浴びて、国は上告断念をしました。農民の側の完全勝利です。この判決が問うものはきわめて大きいものです。説明責任・透明性・協議にもとずく地域の合意形成を抜きにしてあらゆる事業の遂行が困難な時代となったといわれています。川鉄臨海開発は、川辺側ダムの判決と照らしてどのように市は考えているのか伺います。
 つぎに、下水道における温暖化対策の問題です。
生物と人類の存亡にかかわる温暖化問題、二酸化炭素など温暖化ガス放出を抑えなければなりません。横浜市や山形市では下水処理場で「燃料電池発電」などユニークな取り組みが進められています。経費はかかりますが、地球温暖化の視点からメタンガスの発酵による発電方式を取り入れて横浜市や山形市のように地球温暖化対策を行うことは考えられないのか。
 次に、温暖化・環境の問題と関連して青森・岩手県で産廃不法投棄が問題になっています。青森県の田子町と岩手県二戸市にまたがる地域に最大規模の産廃が捨てられ全国的な問題となっています。この発端は1989年5月千葉市から突然2,300トンの生ごみが青森県田子町に運ばれ一大ごみ騒動になりました。当時千葉市は清掃工場の建設問題で暗礁に乗り上げており、生ごみを青森まで運ぶことになり私も議会で取り上げました。千葉市のごみを受け入れたのが、今青森・岩手で産廃不法投棄事件を起こした三栄化学工業です。三栄化学は千葉市を始め23都道府県の廃棄物82万立方メートルを自然豊かなこの地に埋めました。田子町は、にんにく日本一の生産を誇る美しい町です。今回の産廃問題で風評被害を田子町は死活問題と捉えています。廃棄物処理費用は、青森県だけでコンサルタントの試算でもなんと438臆円かかるとされています。現在青森県・岩手県は排出事業者の責任を追及するために関係機関と協議しています。拡大生産者責任が法的に整備されなければなりませんが、田子町を中心とする廃棄物は全量撤去、無害化が至急がれます。そこで伺います
 青森県田子町の産廃問題をどのように千葉市は考えているのか。青森・岩手県から産廃処理の協議の申し入れは千葉市にはないのか。千葉市の責任はどう考えるのか。
 次に、県内のいくつかの市では昼間ライトの点灯で事故防止を行っていますが、一方環境問題との関連で問題がありとしています。世界的には国ぐるみで昼間の車の点灯を行っている国もあります。県内では習志野市船橋市が昼間ライトを点灯して事故防止をはかり、そのことで事故の補償の削減がはかれるとしています。千葉市として地球環境や安全の問題としてどう考えるのか伺います。

4、公平な行政について
 公益通報者保護制度について伺います。
 企業や行政の違法・不正行為を告発した人を守る公益通報者保護制度について国民生活審議会が求めた内容が「内部告発を封じるものと」問題になっています。雪印食品の牛肉偽装事件、自動車のリコール隠しなどは関係者の勇気ある行動で明るみになりました。反面告発した人が不利益な扱いを受ける場合が多くあります。内部告発は「裏切り行為」ではなく、企業や行政の違法・不正を明らかにして国民の利益を守るものでありいまや社会的な要請です。しかし、国民生活審議会の報告は仕組みを作っても保護の要件が厳しく実効性に疑問がありまたハードルが高すぎるとの批判が相次いでいます。
 問題は消費者の利益を侵害する違反行為に限定していること。保護される対象者を現役の労働者に限り元労働者、派遣社員は検討対象で保護対象を狭くしています。告発をできるだけ企業内部と官庁にマスコミなどへの告発を難しくしています。外部通報を保護してこそ違法・不正行為の防止になります。千代田区では自治体独自に「公益通報制度」を作り、今年7月から実施されます。「自浄作用により行政の汚濁を防止する」目的で設置されるものです。そして内部告発者を保護するために外部組織を作り、内部のもみ消しを防ぎ、告発を受けても告発者が千代田区にはもれないようにして告発者や内容が保護されるようにしています。特に外部組織に調査を委ねるのは、初めてのことといわれています。さらに区職員以外の請負業者にも対象を広げる、報道機関への告発、通報が「自首」に当たる場合は懲戒処分の減軽も含まれています。同様のシステムは、千代田区ほどはっきりしてはいませんが、岐阜市や高知県ですでに行われています。そこで伺います。
行政の透明性をはかるためにも、千葉市も公平・公正な行政のために制度化を検討すべきではないのか。
 次は、公契約制度について伺います。
 地方自治体において発注工事における施工労働者・職人の公正な賃金などの確保そして「公契約条例」すなわち公共工事における賃金などの確保条約の制定が求められています。
 日本においては建設業では複雑な下請け構造があり、談合構造もあります。そうした中、特に公共工事では元請契約で積算された賃金が末端の労働者・職人に減額されることなく支払わなければなりません。諸外国では1949年6月にILO(国際労働機関)で採択された「公契約における労働条項に関する条約」が2001年2月現在全加盟国174か国中59か国で批准されています。公契約法は「公の機関による工事において下請業者を含め賃金・労働時間その他の労働条件を関係労働者に確保し、全ての関係者に知らしめる」というものですが、残念ながら日本はまだこの条約を批准していません。しかし世界ではアメリカ・イギリスなどでは公契約制度は当たり前になっております。
 不況になればそのしわ寄せは施工単価の切り下げ、労務費の引き下げとして末端の施工業者に向けられてきました。地方自治体が発注する工事は地方自治体が主体となってその方法を決めていかなければなりません。そこで伺います。
 千葉市として透明な公共事業を進めるために、そして一般管理費や労務費が末端業者まで行き届くようにするために市の公契約条例を制定すべきではないのか。
 次に、カルテの開示が患者の強い要望としてあります。一部の先進病院では積極的にカルテの開示を行っています。こうした中、カルテなどの診療記録の開示について協議していた厚生労働省の「診療に関する情報提供等のあり方に関する検討会」が新たな指針によって医療機関の情報開示を促すとする報告書をまとめました。東京女子医大の医療ミスを隠蔽事件などでカルテの改ざんを防ぐために訂正する場合は日時や訂正者がわかるようにすることや患者本人には開示することになっています。開示の法制化は見送られましたが、カルテ開示は当然の要求です。千葉市では、カルテ開示が行われていますが、カルテ開示について患者等にもっとわかりやすい形での取り組みをすべきと思いますが見解を伺います。
 次に、個人情報保護の問題で伺います。
先の17日に、わが党の中村議員が身体の障害を持つ児童について、人数について質問しました。この質問について教育長は「人数についてはプライバシーにかかわる問題があり、本市全体としては把握していません」と答弁をしています。これは個人情報を保護することについての重大な認識上の問題があります。人数をつかんでないことも問題ですが、人数を把握することがプライバシーにどんなかかわりを持つのか伺うものです。

5、地域経済の活性化について
千葉中央第6地区市街地区再開発事業について伺います。地域経済の起爆剤とされていますが、旧扇屋ジャスコ跡地の公共公益用地の土地代は約135億円、利子は累計で約62億円。合わせて197億円の土地です。昨年の7月の路線価格は約14億円です。その土地を中心とした公共公益施設等のほか、商業施設等の民間施設を含む総事業費199億円かけて、15階建てのビルを建設するものです。これだけの規模のものを建設するには、情報公開・説明責任・市民参画が全くといっていいほど保障されていません。パースも公開されていますが、事業を進めるには問題だらけです。
1に、事業をすすめる基本的な考え方は何であるのか。業務委託を5,700万円で全国市街地再開発協会に委託した理由は何か。
2に、土地価格が10分の一になったことや経済的収支はどう計算されているのか。
3に、千葉市の中心市街地での大型公共事業です、この地域をどう活力あるものにするのか、情報公開・説明責任・市民参画を通じて千葉市全体の合意形成を行わなければならないのでは。この中に、プラネタリウムを設置するとしています。プラネタリウムはドイツで開発されたもので、日本では1923年に初めて大阪市立電気館に設置されました。現在では世界で2番目に多い371館があります。しかし、近年プラネタリウムが採算性や予算の削減で閉鎖に追い込まれています。こうした施設は科学技術全体の教育、普及活動に大いに貢献するものです。しかし施設が多すぎるとか、問題は中身でその内容が厳しく問われているとの声もあります。プラネタリウムにかかわり伺います。
1に、施設は教育施設なのか、建設経費、座席数、メーカー名について
2に、利用人数、収支はどう予測されるのか
3に、プラネタリウムをなぜ第6地区に建設するのか
 次は、地域経済活性化とPFI事業の問題です。
 その点からも、今回の大宮学校給食センターのPFIでの建設について伺います。全体の事業費を市が直接行えば116億円かかり、PFIだと105億円で11%財政負担が軽くなるとされています。しかし、この説明はまったく信頼性がありません。それは、過日新聞報道されましたが、衆議院赤坂議員宿舎の立替工事の入札をめぐり、落札できなかった森ビルが「PFIの理念に反する業者選定は違法と」して国と発注者の衆院議長を相手に選定処分の取り消しと1億円の損害賠償求める訴えを起こしました。森ビルは「審査経過が不明朗」「PFIはこれからのインフラ整備の大きな手法。収入の多寡を反映しなければ、従来の入札と変わらない」としています。いずれPFI事業ではこの種の問題が起きるといわれていました。PFIの理念がはっきりしていないことや利益をどう考えるのかで意見が大きく食い違うことになるのです。だから千葉市がこれまでコストが安いといい続けてきたことは、信頼性が損なわれたと思います。学校給食センターのPFI事業は、全国では島根県の八雲村でスタートしています。1,000食のセンター給食にゼネコンが参入して話題となったようです。この村では相当議論して、建物と機材をPFI事業で行うことになりました。給食は、村直営で地産地消で行い、おいしい給食に責任を持っているそうです。問題は、機械が故障すると対応がよくない、儲けにならないことには反応がわるいようです。安易にPFI事業はおこなわないということではないでしょうか。
 近くでは、埼玉県川越市の学校給食センターの整備事業があります。ここでは、学校給食センターがPFIで行われる実施例がほとんどないことやPFI事業に適しているのかどうか、時間をかけて慎重に判断すべきとしてPFI事業での建設を中止しました。
 私は、これは全く妥当な判断だと思います。こうしたことに踏まえて以下うかがいます。
1に、全国的に学校給食をすべてPFIで行う自治体はどこなのか、なぜ千葉市はPFI事業でやらねばならないのか
2に、PFI事業では事業スタイルやリスク分担で業者との意見交換が必要となり癒着が懸念されるのではないか
3に、SPC(特定事業目的会社)を作れば市内業者の参入はますますできなくなるのではないか、また現在の学校給食でも地元業者の材料・品物をもっとつかうべき。
3に、契約で民間に責任を負わせても、食中毒など起こせば市民との関係で公務として市の責任は免れないのでは
4に、PFI事業そのものが衆院議員宿舎の裁判にも見られるように、これまで指摘してきた問題・矛盾が明らかになってきているのでは。
以上で一回目の質問を終わります。


<2問目>

蘇我臨海開発について
 川鉄臨海開発について、歴史的に経過を振り返って将来のあり方を考えることも必要です。1951年11月18日付の朝日新聞では、「60万坪の旧飛行機工場は、一度も爆撃を受けずに残っていた。十年前に1億3千万円かけた設備―1日2千トン給水の井戸塔、数百口の電話網、ガスタンク、鉄道、約4万坪の鉄骨工場、木造倉庫、土地など時価百数十億円にふめるものを、タッタ7千万円で残った優秀工員250名もろとも買い取った。
 千葉市史現代編では、川鉄誘致のところで「誘致の最高責任者であるべき川口知事は辞任して、柴田副知事や石橋副知事と選挙の最中であり、総務部長が知事代理をしていた。川鉄はこれらの事情を利用して有利に交渉を進めた」「川鉄は進出条件として10項目の要求を出した。その主な項目は、県・市も川鉄の進出条件は虫のよすぎる条件とし、これを承認するかどうかで県会・市会で激しい討論が行われたが川鉄の10項目の要求を承認することになった」また、「工業用地60万坪の埋め立て地の無償提供を受けたことは川鉄に大きな利点であった」こうした歴史的経過を見れば、そんな答弁はないと思います。当局はもっと市民の利益と環境を守る立場で跡地の利用を考えるべきである。
 50年を経過した今日再び同じことが繰り返されています。今年の4月8日衆議院の国土交通委員会でわが党の大森議員が明らかにしておりますが「都市整備事業にかかわり約20億円、区画整理事業で約10億円合計30億円。ほとんど公費で工場を撤去している。
 この質問に対して沢井政府参考人は「川鉄の大規模な工場跡地を一体的かつ計画的にばらばらに土地利用をするのではなく、全体を一体的かつ計画的に転換していって今後の都市の発展に必要な土地を実現していく」「撤去を支援することが、それを引き金として全体の都市再生が広範囲にすすんでいく」230臆円で千葉市が土地を買い取ることについては、「あくまでも今後の広い範囲で都市再生の起爆剤とするための観点」と沢井政府参考人は答えています。とんでもない答弁です。扇国務大臣は「千葉県からも要望されたことも多々あります」「千葉県民の要望によってあるものをいかす。千葉県民の重要な拠点になるんだということも含めて、新たな開発がされることに対しては大変有意義なことである」「民間が少なくともこれだけの大きな場所を開発する能力が今民間にはありません」「スポーツ総合センターを国が最大限支援し、千葉県と話し合ってこれを活用することはまさに県民の利益にかなう」「むざむざ分散してばらばらにして無為無策の乱立した開発をしたのではかえって千葉県民のためにならない、そういう意味では未利用地を利用することの大変大きな地域が提供されて千葉県民の有益な活用ができる」と答弁しています。
 まったく地元住民を無視した答弁をしていますが、県民全体のことを考えて扇大臣は答えていると思うのか、政府参考人の答弁と合わせてお尋ねします。また、こうした歴史的な経過を明らかにして市民に蘇我臨海開発のあり方を問うべきではないのか。

福祉行政について
 1994年のハートビル法や2000年の交通バリアフリー法は、その成立にある政党が多少かかわったかもしれませんが、これは数十年に及ぶ障害者団体や市民団体の粘り強い運動の成果なのです。ちなみに、私どもがこのハートビル法に基づいて提案した「千葉市のまちづくり条例」これは駅のエレベーター建設や車椅子利用のトイレ設置や住宅バリアフリー化など千葉市全体福祉のまちづくりを求めたものですが、わが党を除き残念ながら皆さん反対されました。
 そこで伺います、ユニバーサルデザインは、ハートビル法、交通バリアフリー法と、どういう関係にあるのか伺います。

青森県田子町の産廃問題
 青森県田子町の産廃問題は本当に深刻です。
 1989年7月7日、丁度14年前ですが千葉市の生ごみが600キロ離れた青森の田子町に捨てられていたことが当時、新聞、週刊誌、テレビなどでいっせいに取り上げられました。議会でも大きな問題となりました。私は、6月8日9日に田子町や処分場、三戸保健所、青森県庁、三栄化学など精力的に調査をしました。当時現地のわが党の職員に大変お世話になり、また処分場ではブルドーザーに追いかけられ、処分場に埋められそうになりました。それは私たちだけでなく、最近まで同じ状況であったようです。
 現地では、青森県・岩手県が三栄化学の実績報告書、県南衛生への委託書などやマニフェスト現地の大変な調査により、2002年12月24日現在、10,721の業者がここに産廃などを捨てています。千葉県は333業者、うち千葉市は35の業者がわかっています。そこで伺います。
三栄化学は当時きちんとした産廃業者と本当に思っていたのか改めて伺います。また三栄化学と同罪とされている県南衛生との千葉市の関係についてうかがいます。
千葉市が認可した35の業者は、法的にもきちんとこの処分場に排出したのかその確認が取れているのか。
 1999年には田子町の産廃処分場はさらに大問題になっております、そのことを千葉市は知っていたのか。
 現地では千葉市のごみが搬出されたことが、その後のこんな問題になったとのことで道義的責任を問う厳しい声もあります。この処分場の影響は川下の30数万人の八戸市などの水道水源の汚染につながるからです。
この問題の解決のために千葉市はどうするのか、このことから何を学ぶのか。

福祉行政について
 教育長の障害を持つ子供のプライバシーについてです。
障害に判断が難しい、障害について認めたくない知られたくないので一律に調査をすることは個人の意思に反することもあり調査をしていないとのことでした。誰も一律に調査とか、文部科学省でも調査をしていないとかという問題ではありません。
 問題は、障害を持つ子どもの権利の問題なのです。医療のケアが必要な場合、「能力に応じてひとしく教育を受ける権利」「障害や発達に必要かつ適切な教育を受ける権利」を保障するためには、必要な調査は信頼関係の中ですべきです。憲法・教育基本法に示された発達権、学習権、子どもの権利条約に示された特別な二―ズと特別なケアの権利を保障するために必要な調査まで否定するのか伺います。
 プライバシーの保護は情報公開と一体のものです。公開をすることで保護ができるのです。説明責任をはたさないで、軽々に調査をしないというのは現実を見ない対応であり、もっと人権を守る立場からお答えください。

地域経済の活性化について
 千葉中央第6地区市街地再開発事業についてです。
 事業に見通しはあるのか、蘇我臨海開発もそうですが、はっきりさせないまま事業を進めるのは問題です。財政が厳しいといいつつ、福祉・教育などの市民に必要な予算は民営化・PFI事業を進めて「コスト」を切りさげながら、見通しのない開発には多額の税金を投入する。こんなことはご都合主義ではないのか伺います。
プラネタリウムは、政令市では千葉市にないからつくるのかという声もありますがそうなのか確認します。蘇我臨海開発は県民の有益な活動、都市再生の起爆剤とのことでした。この再開発開発ビルは誰のために開発なのか伺います。
土地代、建物建設併せれば、400億円の事業です。そのことは市民に経過を知らせ、透明性を高めて十分な合意形成が必要ではないのか。
第一この基本的な構想は誰が作成したのか、地域全体の活性化のためにも、もっと市民参加を強めて計画を見直すべきではないのか。
 PFI事業についてです。
 大宮の学校給食センターのPFI事業はあまりにも拙速ではないのか。子供の命にもかかわる問題です。食中毒を起こしたとき責任は千葉市にはないとはいえません。この点はっきりお答えください。
 公的責任を果たし、もっと関係者の意見を聞いてからすすめるべきです。PFI事業の矛盾は無いとのことですが、森ビルは日本でも最大手のビル管理会社です。これには鹿島・大林の大手ゼネコンが参加したものです。その中でPFI事業の解釈をめぐる裁判ですから単純な話ではありません。PFIの理念が違うのですから大きな問題ではないのか伺います。また、千葉市はPFI事業をコスト論だけですすめることは大問題です。これまでのPFI事業はそうなっているのではないのか。