日本共産党が提出した意見書


平成15年第2回定例会 
(提出年月日)平成15年5月29日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 NO.1

教育基本法の「改正」は中止し,教育行政の充実を求める意見書(案)

 教育基本法「改正」の動きは重大な段階となっている。その内容は,中央教育審議会の答申に基づき,「教育基本法の改正と教育振興基本計画の策定」を行うとして,教育内容等への国の関与を強調した「教育振興基本計画」の施策を教育基本法に加えようとするものであり,これは,現行法が国による教育への「不当な支配」を禁じ,教育行政の任務を「教育の条件整備」に限定していることに反するものである。教育基本法は,戦前の「臣民の育成」を目的とした教育への深い反省のうえに,平和と民主主義を基調とする日本国憲法の理念に立って制定されたものであり,日本弁護士連合会も会長声明で,「国家に有為な人材づくり」を目指すという「看過することができない」問題点があると批判しているのである。
 今日の教育をめぐる諸問題は,教育基本法に起因するものではなく,むしろ教育条件を欧米並みに整備することこそ求められているのである。学力の低下,いじめ,自殺,不登校や相次ぐ少年事件は,子どもたちに責任があるのではない。家庭では,不況によるリストラ・失業の不安が蔓延し,競争原理の押しつけや不正・腐敗が横行する社会のもとでは,子どもは大人を信頼できず,また,情操豊な子どもが育つはずがない。
 だからこそ,教育行政は,すべての子どもたちが安心して学べる教育条件の整備に努めなければならないのである。
 よって,本市議会は国に対し,教育基本法「改正」は中止し,現行法を教育のすみずみに徹底して生かすよう求めるものである。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年  月  日

千 葉 市 議 会 






平成15年第2回定例会 
(提出年月日)平成15年5月29日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 NO.2

重症急性呼吸器症候群(SARS)対策の強化を求める意見書(案)

 重症急性呼吸器症候群(SARS)が,アジアをはじめ世界各国で猛威をふるい,大きな衝撃を与えている。日本におけるSARS対策では,何よりもウイルスの侵入を水際で阻止することであり,侵入した場合は,直ちに二次感染を最小限に食い止めることや,市民への情報公開,プライバシーの保護と正しい予防対策の徹底で混乱を防止することが重要である。SARS感染していた台湾医師への対応では,感染情報や連絡が遅れるなどの問題が表面化しており,今後,世界保健機関(WHO)との機敏な連携や緊急連絡体制の確立,情報公開など迅速に行われることが求められている。
 よって,本市議会は国に対し,SARSに対する国民の不安をなくすため,次の対策を強化するよう求めるものである。
1.国内へのSARS侵入を水際で防ぐため,空港・港湾などに人的・物的配備を強化し,あらゆる対策を講じること。
2.SARS侵入後は,二次感染を最小限に食い止める対策を講じること。
3.市民への情報公開,プライバシーの保護の徹底で混乱の発生を防止すること。
4.医療機関や救急車などへの感染防止機材設置をはじめ,必要な対策と財政的支援を行うこと。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年  月  日

千 葉 市 議 会






平成15年第2回定例会
(提出年月日)平成15年5月29日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 NO.3

清潔で公正・公平な住民奉仕を貫く公務員制度確立を求める意見書(案)

 政治と行政・企業との不透明な関係が,これまで多くの不正・腐敗を生み出す温床となってきた。今,「政・官・業」の癒着構造を正して国民に信頼される清潔で公正・公平な政治や行政を確立することが強く求められている。こうした声に押されて,政府は平成13年12月に「公務員制度改革大綱」を決定し,「公務員制度改革」をスタートさせている。しかし,この「改革」案は,官僚の「天下り」を規制緩和するなど,「公平・公正」を求める国民の願いに背いたものとなっている。さらに,「公務員制度改革」では,肝心の公務員の意見が反映されず,「合意と納得」のないまま進められ,国際労働機関(ILO)が「再考」を求める勧告を行ったほど,国際的なルール(ILO条約)に反するものとなっているのである。
 よって,本市議会は国に対し,「公務員制度改革」が国民はもとより関係者の意見や要望を反映し,真に国民が求める「改革」となるよう,以下について求めるものである。
1.現行の「公務員制度改革大綱」を撤廃し,ILO勧告に基づく改革を進めること。
2.「天下り」禁止など,政・官・業の癒着をなくし,公平・公正・清潔な行政を保障する改革を進めること。
3.改革にあたっては,すべての関係者と全面的な協議を行うこと。
4.地方公務員制度改革は,住民自治・団体自治のもとで関係者の意見を反映し,自主性を尊重すること。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年  月  日

千 葉 市 議 会






平成15年第2回定例会
(提出年月日)平成15年5月29日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 NO.4

労働基準法の「改正」に反対する意見書(案)

 労働基準法は,国民の生存権を保障した憲法に基づき,「労働者が人たるに値する生活を営む」ことを保障した,労働者を保護するための法律である。ところが,今国会に提出されている「改正」案では,これまで労働側から出されていた「解雇規制」への要望には触れず,使用者に「労働者を解雇することできる」と,原則解雇自由を明記する重大なものとなっている。さらに,契約社員等の有期雇用契約を1年から3年に延期することによって,正規社員から契約社員への転換を進め,国民を不安定雇用に置くこととなり,契約更新を盾に「サービス残業」や「過重労働」が横行する危険さえ懸念されている。
よって,本市議会は国に対し,労働者保護を本旨とする労働基準法の改悪はやめ,働く国民の暮らしと雇用の安定のための,政府の責任を果たすよう強く求めるものである。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年  月  日

千 葉 市 議 会 






平成15年第2回定例会
(提出年月日)平成15年5月29日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 NO.5

難病患者の公費負担制度「見直し」の中止を求める意見書(案)

 難病患者の公費負担制度は,原因が不明で治療法も確立していない病気になり,長期に苦しんでいる患者の自己負担を解消・軽減する命綱に等しい制度である。1998年の一部自己負担導入によって,患者の受診日数が8%前後減ったことを厚生労働省は明らかにしている。現行制度でさえ,難病患者は必要な医療を受けられずにいるのである。にもかかわらず,厚生労働省が示している「見直し」案では,就労等を含む日常生活を営むことができると判断されれば「軽快者」として公費負担対象から外し,一般医療と同じ3割自己負担にするものである。
 公費負担の対象から外すことは受診抑制につながり,検査や治療が遅れ,再度症状が悪化することは必至で,「悪くなったら再認定」する前に必要な医療を受けられるようにすべきである。今回,厚生労働省が示している「見直し」案は,難病の研究促進と医療費の負担軽減を目的とした「特定疾患治療研究事業」に逆行するもので,難病患者とその家族に大きな不安と困難をつくり出すものであり,認められないものである。
 よって,本市議会は国に対し,難病患者の苦しみを増やす,公費負担制度の「見直し」は,中止するよう強く求めるものである。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年  月  日

千 葉 市 議 会






平成15年第2回定例会
(提出年月日)平成15年5月29日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 NO.6

深刻な雇用・失業情勢に対応し,労働行政体制の整備を求める意見書(案)

 日本経済は深刻な不況が続き,総務省の労働力調査では,2002年の年間平均完全失業率は5.4%,完全失業者数は359万人と,いずれも統計史上最悪の水準となっている。また,千葉県では,2003年3月の有効求人倍率が0.53倍と,全国水準の0.60倍に比べて一段と低く,千葉県内の雇用情勢はさらに厳しい状況となっている。このような雇用・失業情勢の深刻化が進むなかで,公共職業安定所の窓口では,企業の倒産やリストラ等による非自発的離職者を初めとした求職者が大幅に増加しており,新規学校卒業者を取り巻く就職環境も求人の大幅な減少等で,厳しい状況となっている。また,深刻な雇用・失業情勢のもとで,企業の倒産等による賃金不払い・解雇や出向・配置転換・長時間労働など,労働基準監督署への解雇や労働条件の相談・申告,職場での男女差別など雇用均等室への相談・申告も大幅に増加するなど,労働行政に対する需要は,質・量ともに大幅に増大している。しかし,これら機関は,国の定員削減計画が進められる中で,近年,職員数や業務体制は厳しい状況となっている。そのため,利用者の要望に十分対応できない困難な状況になりつつあり,行政サービスの質の低下は避けられない事態となっている。
 よって,本市議会は国に対し,市民の暮らしと雇用の安定のため公共職業安定所,労働基準監督署等の体制・機能を充実・強化し,労働行政体制の整備を早急に図るよう求めるものである。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


平成15年  月  日

千 葉 市 議 会