木田ふみよ議員の意見書への討論 


2003年6月20日
 発議9号「税源移譲による地方税財源の充実強化を基軸とした三位一体改革の実現を求める意見書」に反対の意見を申し上げます。
 地方財政の確立と地方分権の推進のため、国の税源を地方に移譲することは当然であり、全国の自治体が求めています。日本共産党も一貫して要求してきました。これに対して、小泉内閣は「三位一体」ということで、一定の税源移譲と引き換えに、国庫補助負担金削減、地方交付税縮減を行い、地方に新たな負担を押し付けようとしています。税源移譲については、増税と一体で行おうとしており、すでに政府税調は、年金や雇用保険の失業給付にまで課税することや、消費税率10%への引き上げも提案しています。6月18日に開かれた政府の経済財政諮問会議は、国と地方の税財政にかかわる「三位一体改革」の具体案を了承しました。その中身の特徴は、税源移譲案では、国庫補助負担金は4兆円をめどに廃止・縮減する代わりに、その8割程度の税源を移すとしています。これでは、単純に見ても2割は地方に新たな負担が強いられることになります。国が基準を定める社会保障や教育など義務的事業は全額移譲するとしていますが、「徹底的な効率化」を図るとしており、総額を削減する方針です。税源委譲の対象になっている所得税は、自治体間に格差があるため、税源委譲で税収が増えるのは大都市圏で、人口が少ない地域では税収より補助金の削減額が多くなる可能性が高いものです。これでは、自治体間における税源の遍在を調整する十分な仕組みがないと、かえって格差が広がりかねません。一方で削減する国庫負担金は、義務教育費国庫負担金など法令で国の支出を義務付けているものであり、国の責務を放棄するものです。
 以上、明らかにしたように、提案されている意見書では、地方財源の充実も強化もできません。地方分権も進みません。それどころか、地方自治の財政危機をいっそう深刻にしてしまいます。その「三位一体改革」の促進を求める意見書には賛成することはできません。
 地方交付税は自治体間の財政力を調整し、どの自治体でも標準的な行政を行えるよう財源を保障するものです。日本共産党は、必要な国庫補助金や地方交付税を堅持・充実したうえで税源委譲を図ることを求めるものです。
以上、日本共産党の立場を表明いたします。