木田ふみよ議員の議案質疑


2003年9月11日
 日本共産党の木田ふみよです。議案質疑を行います。
まず最初は、議案第95号・一般会計補正予算中、生徒指導対策費についてです。
 これは、今年1月より開所している適応指導教室に続いて、2つめの教室を補正予算で行うというものです。先日、新聞報道された文部科学省の学校基本調査の中で、昨年1年間に、学校を30日以上休んだ不登校の小中学生が、1991年の調査開始以来、初めて減少したということでしたが、13万人を超えるデータは、教育現場の厳しさを今なお示しています。千葉市でも、不登校をなくすための取り組みを強めることは、歓迎されることです。そこで伺います。
 第1に、この事業への国や県からの補助について。また、この事業の今後の計画についてうかがいます。
 第2に、適応指導教室の教師の人数、またその処遇、専門の研修が十分受講できているのかについてうかがいます。
 第3に、適応指導教室に通う児童の給食や交通費の経済的負担はどうなっているのか、うかがいます。
 第4に、通っている児童や保護者の意見を反映する場は、設けられているのかうかがいます。

 次に、議案第95号・一般会計補正予算、農林水産事業費・畜産環境対策事業費1億4,159万1千円についてです。
 説明によれば、この予算は、家畜糞尿処理施設整備補助事業で、補助率は施設整備75%、乾燥ハウス、堆肥舎が対象となっています。機械整備は、バキュームカー、ホイルローダーなどで、補助率75%及び50%となっています。対象農家は56戸で、そのうち今回の対象は7軒で、総事業費が1億9,800万円、内訳は、補助金1億4,159万円、差額は畜産農家の負担です。
 一戸あたりの平均的経費は、補助金2,000万円、農家の自己負担は800万円とのことです。
 そこで、まず事業費について伺います。
 第1に、今回の補助事業を実施すれば、7軒の畜産農家は法律の要件をクリアできるのでしょうか。
 第2に、一戸あたり800万円の自己負担する7戸の畜産農家と、H16年度に予定されている畜産農家49戸は、農産物の輸入自由化やBSE(狂牛病)などの影響で経営環境は大変きびしいものがあります。その上このような負担では、追い討ちをかけることにならないでしょうか。お答えください。
 第3に、畜産環境対策事業は、国への重点要望事項であると聞いていますが、補助事業費1億4,159万1千円のうち、国庫補助金は、わずか380万円しかありません。今後の国庫補助金獲得の見通しはどうでしょうか。
 つぎに、予定されていた糞尿広域処理から個別農家の処理による補助事業への変更について伺います。
 平成11年施行された「家畜排泄物の管理適正化及び利用の促進に関する法律」により、平成16年10月までに整備することが義務づけられました。これを受けて千葉市は、H12年に「広域発酵処理施設整備」を「新5か年計画」に位置づけ、畜産農家にも「広域発酵処理施設整備」を伝えてきました。H14年度予算では、PFI方式の導入を検討する予算を組み、用地も決定しました。ところが、H14年12月5日、市は財政負担の増大などを理由に、広域発酵処理施設の見直し、補助事業で行うことで農家と協議していくと発表しました。法律による猶予期限が間近に迫ってから、突然方針を転換されたのです。そこで伺います。
  第1に、広域発酵処理施設が中止となり、当事者には大きな影響がある訳ですが、これまで市は、畜産農家との十分な説明や話し合いを行ってきたのでしょうか。
 第2に、予定されていた広域発酵処理施設から補助事業に転換する訳ですが、変更前の千葉市の財政負担と畜産農家の自己負担はいくらでしょうか。また、変更後のそれぞれの負担はいくらになるのでしょうか、お答えください。

 次は、議案99号・特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の一部改正についてです。
 「公職選挙法」の一部が改正されて、「期日前投票制度」が創設されました。従来の不在者投票の手続きが簡素化され、投票がスムーズになるということです。そこで伺います。
 第1に、この制度は具体的にはどのように変わるのでしょうか。
 第2に、今回の改正で、「期日前投票」の投票管理者、投票立会人が必要となり、報酬を定めることになりましたが、その人選について伺います。人選にあたっては、「人格高潔」な方が求められると思います。どのように選定するのか伺います。
 第3に、投票所について伺います。投票所が、より身近にあることで市民が気軽に選挙に参加できる権利が保障されると思います。区役所以外にも、投票所の設置が必要ではないでしょうか、見解を伺います。

 次に、第113号・市場谷津調整池整備工事についてです。
 この調整池は、新内陸最終処分場の計画当時より予定されていたものですが、大変大掛かりな調整池になろうとしています。私どもは、この調整池は防災上必要なものだと思いますが、環境にやさしい調整池にすべきではないかと考えます。そこで、何点か伺います。
 第1に、市内にはこれまでも開発に伴うものなど、いくつかの調整池が設置されていますが、この市場谷津調整池は、他の調整池と違う機能があるのでしょうか。
 第2に、どのくらいの調整機能があり、災害にはどれだけ対応できるのでしょうか。
 第3に、この調整池は、13億4,400万円もの予算です。地盤改良工事がされるということですが、どのような工法で行われるのでしょうか。
 第4は、市内各地にある調整池は、親水公園の1つとして、野球場やテニスコートあるいは散策路などが設けられ、市民の「憩いの場」として利用されています。この調整池にも設けられるのでしょうか。

 次は、議案第114号・花見川図書館花見川団地分館、花見川市民センター及び青少年補導センター北分室複合施設改築工事についてです。
 これは、花見川団地内に現在ある図書館分館の建替えと、いま花見川団地内の商店街にある市民センターを移転させ、青少年補導センターについては移転設置し、複合施設として建設するものです。そこで伺います。
 第1に、建設用地は、これまで都市整備公団より、無償で借りていたものですが、今後もその契約は継続されるのでしょうか。
 第2に、雨水利用、太陽光発電設備、シックハウス対策はとられているのでしょうか。お答えください。

 次は、議案第115号・蘇我特定地区北側横水路改修工事(その1)についてです。
 川崎町東西1号線と国道357号の交差部の拡幅が必要であり、そのための横水路300mの工事費、5億3,550万円と説明がありました。そこで伺います。
 第1に、この工事は、蘇我特定地区の概算事業費のうち、幹線街路工事に含まれているということですが、その総額はいくらで、その内訳をお答えください。国、千葉市、JFEは、それぞれいくら負担することになるのでしょうか、うかがいます。
 第2に、この工事の必要性についてうかがいます。
 第3に、この工事が完了すると、現在よりどんな変化があるのでしょうか、お答えください。
 第4に、これまで横水路は、県の管轄でしたが、いつから市の管理になったのでしょうか。また、その理由についてうかがいます。
 第5に、この工事にともなう、環境問題についてうかがいます。
 ここの排水路は、それなりに近隣市民から愛されています。この排水路には、環境省のレッドデータブックに掲載されている、ウラギクが自生しているそうです。また、千葉県のデータブックに掲載されているシオクグが、南側水路にあります。
 1つに、環境を守る立場から、改修工事に伴い、この2つの植物にどのように対応されたのでしょうか。
 2つに、環境省や千葉県が、レッドデータブックに掲載するということは、どんな意味を持つのか。また、ウラギク・シオクグとはどんな植物なのか、お答えください。

 次に、議案第116号・千葉外房有料道路の事業計画の変更についてです。
 これは、千葉外房有料道路の「障害者割引」について、障害者の方と福祉事務所の事務の簡略化をはかるため変更するというものです。そこで伺います。
 第1に、現在の利用人数についてうかがいます。
 第2に、車を所有していない障害者が運転する場合、知人の車を借りたり、レンタカーの運転などが考えられます。その際にも適用されるのかうかがいます。また、精神障害者にも適用されるのでしょうか。うかがいます。

 次に、議案第100号・千葉市税条例の1部改正、第103号・千葉市心身障害者扶養共済条例、第104号・日本体育・学校健康センター共済掛金徴収条例の1部改正についてです。
 これらは、独立行政法人化に伴う改正です。また、これらは特殊法人改革の一環で出されたものです。国民が本来望んでいる改革は、無駄をなくし、国民生活に必要なものは拡大充実させること、また官僚の天下りをなくし、利権と癒着構造にメスを入れることです。しかし、その中身は、国民の改革の声には応えられていません。これら多くの問題点がある中で出されていること指摘しておきます。そこで、まず第100号について伺います。
 緑資源機構は、緑や自然破壊を引き起こしてきた大規模林道事業などに、多大な浪費をしてきた公共事業を依然として引き継いでいます。千葉市には、直接関係する事業所はないとのことですが、緑資源機構など独立行政法人化について問題はないと考えているのか伺います。
 つぎに、第103号についてです。障害者扶養共済制度は、障害のある方を扶養している保護者が、自ら生存中に掛け金を納め、保護者に万一のことがあった際、障害のある方に終身一定額の年金を支給する制度です。これは、関係者にとって大切な制度ですが、近年受給者の増大や資産運用の問題で原資が不足し、支払いに支障が出ている状況です。そこで、公的な援助など制度の改革等が求められています。こうした中、独立法人福祉医療機構に移行して、障害者がこれまで通りきちんと給付が受けられ、さらに拡充されていくのか伺います。

 つぎに、第104号についてです。
 日本体育・学校給食センターは、子供たちの学校での怪我などに対する保障など、大きな役割を果たしています。これが、独立行政法人日本スポーツ振興センターに業務が移行されます。このことによって、給付水準が下げられたり、掛け金などが引き上げられたりすることはないのか。また、情報公開など関係者などの意見、要望がどのように保障されるのか伺います。

 最後は、入札にかかわり、議案第112号・113号・114号・115号について伺います。
 112号と114号は落札率85%、すなわち最低制限価格で、それぞれ1社を除き、くじ引きとなりで落札者が決定されています。千葉市は、最低制限価格でのくじ引き入札が、この間多いと聞いています。113号・115号は96.1%と96.8%で落札されています。こちらは、かなりの高い落札率です。このような、状況は異常な事態ではないでしょうか。そこで伺います。
 第1は、「全国市民オンブスマン」が先頃、全国の自治体の公共工事落札率ランキングを発表し、政令市では、千葉市が1番落札率が低いとされていました。最低制限価格を事前公表している政令市の状況は、どのようになっているのでしょうか。こうした低い落札率を、千葉市はどう考えているのかうかがいます。
 第2は、一方で、96%を超える高い入札もあります。これは、問題ないのでしょうか、お答えください。

<2問目>
 有料道路の障害者に対しての割引制度ですが、事務手続きが簡略化され障害者にとって、サービスが少し前進したものです。しかし、これら利用の拡大という点では、これまで通りの人、すなわち車を所有している障害者または家族が車を所有している人に限られています。
 本人または家族が、車を所有していない障害者にとっては、何ら改善されていない中身であり、精神障害者にとっても同様です。不景気の中で、障害者は社会保障の改悪や雇用の面からも厳しい現実です。今回は、国の制度に沿って行われる制度ですが、障害者の中に差別をつくり出している中身になっていることを指摘しておきます。

 適応指導教室についてですが、市内の不登校児童は、小中学校合わせて684人ということです。こうした子どもたちに対して、教育を受ける権利を保障するために、今回の適応指導教室を設置するわけですが、全体の数からいって、現在の計画ではまだまだ不十分という感があります。今回の設置で、受け入れ体制は約100人ですから、単純計算で584人の子どもたちの受け皿がないことになります。
 もっとも、学校に通えない子どもたちにとって、受け皿を完全に整備しても、そこに通う子どもたちは、わずかになるかもしれません。しかし、行政は子どもたちに対し、教育を受ける権利は保障しなければなりません。さて先日、ある不登校の中学生のお母さんより、こんなお話がありました。このお子さんは、登校すると気分が悪くなり、それ以来不登校気味になってしまった。それでも、教育センターや緑町中に通えるようになっていたが、教師に「何日休むとイライラするんだよね」と言われて失望し、更に不登校になってしまった。そのお子さんは「仕事としてやっている人がこんなことを言っている、悩んでいるのはこっちなのに」と言っていたそうです。
 子どもも親も、学校・教師に失望している様子が伺えました。そこで伺います。
第1に、不登校の子どもたちの受け皿づくりとして、現在の設置計画を前倒しする必要があるのではないでしょうか。また、今回設置するにあたっての全体予算はいくらでしょうか。
 第2に、先ほどの例のような教師の言動は、あまりにもひど過ぎますが、こうした事態を生まないために、対策が必要だと考えますがいかがでしょうか。
 第3に、給食や交通費の父母負担は、「教育の機会均等」「義務教育は無償」という立場から、行政が軽減することが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 第4に、不登校対策として、国に対して財政支援を求めることが必要ではないでしょうか。

 蘇我特定地区北側横水路改修工事についてです。
 今回の横水路の工事は、国の所有していた横水路を市が譲り受け、川崎町東西1号線を整備し、国道357号を拡幅するという工事であり、JFEも利用するであろう蘇我特定地区の幹線街路を、国が121億円、千葉市が124億円、JFEは負担なしで整備するものです。また、この工事は、千葉市が水路を暗渠化することにより、国が本来行うべきである国道357号の拡幅を、千葉市の負担で行うものであり、千葉市にとっては、二重の負担が課せられているようです。そこで伺います。これら一連の工事は、都市再生特別措置法の中で行われていますが、千葉市にとっては、大きな負担をもたらし、JFEにとっては大変有利な法律ではないでしょうか。

 次は、稀少植物の保護についてです。
 レッドデータブックに掲載されるのは日本で絶滅する恐れのある貴重な野生植物です。開発に伴いこうした貴重種は保存を進めていくべきものです。それなのに市民に説明もなく2級河川の生実川に移植したからよしとするのは問題ではないのか。環境局長に伺いますが、レッドデータブックの植物の取り扱いはこれでよいのか伺います。こうしたことは市民にもっと知らせるべきではないのか。市民が理解してもらうことこそ大事ではないのか伺います。

 次に、畜産環境対策事業についてです。
 国庫補助金獲得についてですが、国の補助対象要件に該当するよう、畜産農家を指導すると言われましたが、畜産農家の規模拡大が困難な中で、現実的とは思えません。国に対して、補助対象を緩和するよう求めるべきではないでしょうか。広域発行施設整備の中止については、畜産農家に対し十分な説明がされたというお話でしたが、現実は畜産農家の方々が納得できない内容だったのではないでしょうか。これまでの経過は、H12年には施設設置計画が示され、その2年後のH14年12月に中止を決定し、お知らせしていますが、H16年10月までには設備を整備しなくてはならない訳です。あと2年しかありません。今回の補助事業により、一戸あたり800万円の負担が、後に引けない状況のもとでつくりだされているのです。こうした状況をつくったのは、市の責任ではないでしょうか。お答えください。

 次は、契約の問題についてです。
 今日、市民は談合体質に厳しい目を向けています。全国市民オンブスマンでも、落札率が90%以上で談合が疑われる。95%以上で談合の疑いが強いとしています。長野県などでは、市民オンブスマンの運動によって落札率が下がったり、談合の実態が明らかになりました。こうした市民の運動による地方自治体の入札改革の取り組みは貴重です。高額公共工事落札、特に今回96%を越える入札は、高値での談合の入札と考えられます。また、入札4件のうち2件が高額、2件が最低価格の入札は適正な入札とはいえないと思います、そこで以下伺います。
 第1に、最低制限価格を公表している大阪市や福岡市では、こんなに最低制限価格に1社を除いて入札するような異常な事態にはなっていません。大阪市などは、千葉市と同じ方法でも95%程度で落札されていると聞き及んでいます。こうした点からも、千葉市の最低制限価格で入札する事態は、様々な他の問題があるとは考えないのか伺います。
 第2に、地元業者が最低制限価格で入札する「我慢大会」のような入札がつつけば、下請け業者は単価割れで仕事を取らざるを得ず、さらに経営が圧迫されます。こうした事態を市として容認していいと考えるのか伺います。
 清水、鹿島などのスーパーゼネコンが入る契約は、96%以上の高い落札であり、一方地元業者の入札は85%の最低制限価格の落札で、関係者からきわめて不自然との指摘があります。こうした入札結果は問題ないのか改めて伺います。