中村きみえ議員の反対討論


2003年9月19日
 提案されました23議案のうち、議案95号、101号、103号、104号、105号、115号に反対し、さらに発議第10号が否決されたこと、請願第6号が不採択されたことについて討論を行います。
 議案第95号は、一般会計補正予算・都市計画費「主要幹線事業委託整備費」のうち(新港横戸町線)京成電鉄交差部工事委託料8億3,500万円の補正予算についてです。
 地域住民からは「道づくりについての市民の意見・要望が反映されず、大気汚染対策、騒音問題生活道路の分断箇所などもあり、工事だけはどんどん進んでいる」と、不安や疑問の声が寄せられています。この道路建設により、突然、生活道路を拡幅するからと用地の買い上げを切り出された住民もいます。「住民との協働で進める道づくり」これが、この道路建設のキャッチフレーズですが、実態は「情報公開・説明責任・市民参加」が果されているとは言えません。事業計画を見直すよう求めます。
次に、議案第101号 千葉市勤労市民プラザ設置管理条例の一部改正についてです。
 当局から「千葉市勤労市民プラザ設置管理条例の一部改正は、千葉勤労者総合福祉センター及び千葉勤労者体育センターを、現在所有する雇用・能力開発機構から取得し、本市の公の施設として設置し、使用料を定めるとともに、既存の蘇我勤労市民プラザ及び長沼原勤労市民プラザとの料金体系の整合を図り、勤労者の団体が多目的ホール等や体育館を使用する場合に、割引制度を設けるもの」と説明されました。改正の内容として、使用料金は、(1)取得以前に千葉勤労者総合福祉センター及び千葉勤労者体育センターで設定していた多目的ホール等や体育館の専用使用料金を廃止して、3施設共通で労働組合や会社内サークル、勤労者が50%以上で組織している地域のサークルや団体などが使用する場合に、一般料金から約2割減額する。(2)取得以前に千葉勤労者総合福祉センター及び千葉勤労者体育センターが設定していた勤労者の個人使用料金120円を、3施設とも一般として150円に引上げる、としています。この改正は、団体割引を拡げることでは市民サービスの向上につながるものです。しかし、一方で勤労者の個人使用料金を条例改正の機会に、120円から150円に引上げることは遺憾です。団体料金は引下げ、個人使用料金は引上げるというのは、整合性のない市民サービスの均衡を欠く行政ではないでしょうか。日本共産党市議団は、個人使用料金は3か所の施設で一般120円に設定するよう求めます。
 次に、議案第103号千葉市心身障害者扶養共済条例の一部改正についてです。
これは社会福祉、医療事業団が独立行政法人福祉医療機構に設置されることになったため規定の整備を行うものです。心身障害者の将来に対して保護者が抱く不安の軽減を図るために一定の掛け金を納付し、残された障害者が一口2万円を終身一定の年金として受け取ることが出来る制度です。これは障害者の自立にもつながる制度として収入認定をしないという最高裁判決もあり評価されているものです。しかし、1990年頃より共済事業が給付者の増大や資金運用の利率の低下で年金の支払いに支障が出る状態です。独立行政法人化で公的な責任が薄まれば財政運営は更に深刻化します。また、法人化が目的とする効率的な運営には全くなじまない制度です。
 障害者の自立を図るための共済制度を改革の名のもとに、独立行政法人化を進めることは障害者のためにはなりません。制度の拡大・充実を求めます。
 議案104号日本体育・学校健康センター共済掛金徴収条例の一部改正は、独立行政法人日本スポーツ振興センターに業務が移行されるとしています。学校災害共済事業は子供達の学校での事故に対する補償を行うものです。効率性導入は学校・保護者の負担増につながらざるをえません。行政が責任を持って子供達の安全を保障することを求めます。
 次に、議案105号千葉市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例についてです。
 そのうちの千葉中央第6地区整備計画区域の改正についてです。これは、土地代約200億円、建物199億円合計399億円をかけての整備される中で改正しようとするものであり、容積率も最低でも300%最高で650%と際立ったものになっています。その中味についての議論も市民に十分情報公開もされず財政厳しい中、なぜこの場所に建設されるのか市民に十分理解を得るだけの議論もされずに進めていくことには納得できるものではありません。計画そのものについても改めて再検討すべきです。
次に、議案115号工事請負契約の蘇我特定地区北側横水路改修工事その1についてです。
 今回の横水路の工事は国が所有していたものを市が譲り受け、川崎町東西1号線の整備、国道357号の拡幅する工事です。これは蘇我臨海開発の一部でありJFEも当然利用する道路ですが国が121億円、千葉市が124億円の負担となりJFEの負担はなしで整備しようとするものです。市民に親しまれていた道路整備をしても今後、渋滞解消どころか大気汚染問題がさらに深刻化するのではないでしょうか。そのうえ、この地域に環境省のレッドデータブックに掲載されている貴重な野生植物が生息しているにもかかわらず、開発優先で他の地域に移植をしてよしとするやり方はいかがでしょうか。環境問題の視点から言ってもこのような進め方は納得できるものではありません。
 発議第10号千葉市身体障害者補助犬支援条例についてです。
 全国で初めての条例提案です。国の法律が制定されそれにもとづき地方自治体、市民の責務などを条例でより明らかにして補助犬と市民が共生できるまちづくりを求めるものです。
 千葉市にはすでに介助犬オリーブが全国初めて行政機関で働いています。すでに盲導犬も市内で活躍しています。聴導犬はいないようですが、これから補助犬を必要とする市民は大きく増えると思います。「国の法律があるから十分」だとの反対がありました。そのほか、理由も無く条例提案が否決されたのは残念です。しかし千葉市は、私どもの議会での要望や今回の条例提案を行う中で要綱を改正しました。市は補助犬を必要とする市民に対してハードルを設けることなく障害者の自立と社会参加を求めるためにいっそうの努力が求められます。私どもも障害者の方々といっしょに奮闘することを改めて表明するものです。
 また、請願第6号乳幼児医療費無料制度の拡充と制度の見直しについての請願は「新制度が始まって間もない」「財政負担が大きい」などの理由で不採択されたことは市長の子育て支援を最重点施策にするということからみても矛盾するものです。長引く不況の中市民の子育てを積極的に支援するために先進都市に学ぶべきです。
 以上で討論を終わります。