市職員給与改定に対する討論
(やなぎだ清議員)


2003年11月27日
 日本共産党のやなぎだ清です。提案されました議案第144号から150号までについて討論を行います。
 昨年につづいて今年も、人事院が去る8月8日に国会と内閣に対して、官民格差是正の名のもとに、国家公務員の給与改定に関する勧告を行いました。
 この人事院勧告を受けて、千葉市人事委員会が9月5日「職員の給与に関する報告及び勧告」が行われ、今議案は「人事委員会の勧告に基づき一般職の職員の給与改定を行うとともに、特別職の職員及び議会の議員の期末手当を引き下げる」ことが提案されているものです。
 この間、期末手当は4年連続して切り下げられ、昨年の給与引き下げで職員1人当り15万8,000円の減収で、多くの影響がでている中、今年も連続して引き下げられ、さらに1人当り19万1,000円も引き下げられることに賛成するわけにはまいりません。その理由は、
 1に、職員の給与引き下げの最大の理由は、公務員と民間企業との格差是正だとい
われていますが、昨年に続く給与引き下げは、公務員の給与を引き下げておいて、それを理由に民間企業の賃金を抑え、無給のサービス残業を拡大して行く。そしてまた、民間との格差があると公務員の給与を引き下げる。結局、相方で働く人たちの給与を抑えていく。賃金引き下げの悪循環サイクルがつくり出されていることです。
 2に、昨年につづく給与引き下げは、昨年の総額約14億5,700万円を上まわり、今年度の総額は約20億4,600万円で、さらに年金の減額にも通するもので、市職員の生活設計にも大きな影響を与えるものとなります。
 ある職員は「子どもの教育にも、住宅ローン返済にも響く」と言っており、4月からの医療費制度の改悪による医療費負担2割から3割への引き上げ。今年度から始まった、社会保険料の年収からの徴収などによる引き上げ。今年は、職員1人当りの負担が大きく増加している折に、給与等の引き下げはダブルパンチのように痛烈に響いています。
 また、これらは市経済への影響は避けられず、長引く不況の回復はさらに厳しさを増すことになってしまいます。
 3に、不利益不遡及の問題です。昨年の給与引き下げも12月議会に提案されながら、4月にさかのぼって引き下げが行われ、私どもは問題であることを指摘したところですが、今年の給与引き下げも4月にさかのぼって実施されることになるわけです。また、その引き下げを一時金で調整するために、その調整日のわずか数日前の議会に提案されることは、十分な審議ができず、不利益不遡及という法律まで形骸化するもので、職員など関係者に多大な影響を与えることになり、簡単に認めることはできません。
 4に、人事委員会の勧告についてです。人事委員会自身が認めているように、人事委員会の勧告制度は、労働基本権が制約されている公務員の適正な処遇を確保することが目的とされているものであります。そういう点からも、人事委員会報告にあるような人材の確保・育成をはじめ、勤務環境の整備など直ちに取組むことを求め、討論を終ります。