やなぎだ清議員の代表質疑


2004年3月2日
 日本共産党千葉市議会議員団のやなぎだ清です。新年度予算に対する質疑をおこないます。

【1】市長の政治姿勢
 まず、市長の基本姿勢についてうかがいます。
 第1は、イラクへの自衛隊の派兵について市長の見解をうかがいます。
自衛隊のイラク派兵強行は、アメリカ追随で、憲法9条を踏みにじる大義のない暴挙です。アメリカの大量破壊兵器調査団長が「大量破壊兵器はなかった」と証言し、戦争の前提が崩れました。小泉首相が強調する「戦争に行くのではない。人道・復興支援に行くのだ」という理由も、自衛隊がアメリカ占領軍の指揮下におかれることが判明して成り立たず、自衛隊先遣隊の調査報告が都合のよい情報だけを集めていたこともわかるなど、様々な矛盾が明らかになっています。また、報道は、「大本営発表だ」「真実を伝えていない」などと批判されています。
国際世論はアメリカ中心の占領を止め、国連の枠組みによる復興支援を訴えています。国内でも多くの国民が、自衛隊のイラク派兵に反対し、ただちに撤退すること。そして、憲法9条を守ることを求めています。
鶴岡市長は、新年名刺交換会で「個人的な考え方を含めてですが、もうしばらくするとイラクに自衛隊を中心にして復興支援の部隊が入ります。無事に、そして立派に任務を果たせるように」と語りました。
 市長はイラク派兵を肯定しているわけですが、自衛隊の無事を本当に願うならば、自衛隊のイラク派兵に反対し、ただちに撤退することと、憲法9条を守ることを政府に求めるべきではないでしょうか。国の専決事項とは言わず、自らのご意見を率直に述べていただきたい。

 第2は、有事関連7法案についてうかがいます。
 政府は、今国会で「米軍支援法」や「国民保護法案」など、有事関連7法案を提出し、成立させようとしています。
 これは、昨年強行した有事3法案を、今回の関連法で実際に発動できるようにするものであり、日本が再び「戦争する国」へと足を具体的に踏み出す重大な法案です。地方自治体も、平時から計画の策定や自衛隊を含めた協議機関の設置など、戦争への協力体制に組み込まれるものです。
 平和を望み、日本国憲法を尊重する市長として、有事関連法案に反対を表明することを求めます。

 第3は、新年度予算案についてうがいます。
 深刻な収支不足を膨大な借金で補う新年度予算は、ムダや浪費を大胆に削り、急がなくて良い事業は思い切って後回しにして、市民生活にかかわる予算を最大限優先することです。
 以上の視点から質問をいたします。

 第1の質問は、三位一体の改革に対する市長の見解についてです。
 新年度予算の収支不足は、市税収入のマイナス30億円をはじめ、当初見込みで90億円の不足、「三位一体の改革」に伴うものは86億9,000万円で、主な内訳は国庫補助負担金17億2,600万円、普通交付税と臨時財政対策債で84億5,0000万円。これに対して税源移譲は、所得譲与税14億8,700万円しかなく、差し引き千葉市の財政不足は約177億円という膨大な数字になります。
そのために、収支不足を補うため、莫大な借金財政が組まれています。
 地域再生事業債で44億6,700万円。市債管理基金からの借入40億円。土地開発基金および市庁舎整備基金からの借入金20億円であり、以上3項目の新たな借金だけで、合計104億円6,700万円にもなります。
 この他、公共料金の値上げで9億4,000万円。基金の取り崩し16億5,000万円などがあり、収入不足の177億円のうち、約130億円を借金と市民負担増、基金の取り崩しで補った訳です。さらに、残りの不足は、予定していた5ヵ年計画の事業を削って24億円、行政改革などで、14億円を削減するなど、市民要望を削って収支を合わせています。
 そこで質問します。
 鶴岡市長は、三位一体の改革への評価を変えるべきではないでしょうか。昨年の議会で市長はわが党が三位一体の改革を批判したことにたいして「国と地方の役割分担に応応じた事務事業と国庫補助負担金の在り方の抜本的な見直しが税源移譲と一体的に行われ、自主的・自立的な地域社会が実現される」と答えました。また、地方交付税見直しへの批判に対して「地方が標準的な行政サービスを安定的に提供できるように、その機能は維持されるべきもの」と答えました。
 しかし、現実は86億9,000万円の不足となって、その対応に四苦八苦しているわけですから、鶴岡市長は政府に対して、三位一体の改革・地方財源削減を中止して、「地方財源を保証するよう」求めるべきではないか。うかがいます。

 第2の質問は、借金と財政運営についてです。
 莫大な借金によって編成された新年度予算の借金残高は、市債が440億円増、債務負担行為は210億円増となっています。これによって新年度全会計の借金残高は、市債および債務負担行為とその利子の合計で1兆3,312億円になり、これに市債管理基金からの借入金総額60億円と基金からの借入金総額40億円が加わります。これによって市民一人当たりの借金額は約147万円になります。また、財政構造中、自主財源は、とうとう60%を割り、59.5%となりました。
地域再生事業債と基金からの借入れで144億円の新たな借金が発生しましたので、後年度の負担が膨れ上がり、財政運営を一層厳しくします。
 そこで質問します。
 来年以後も収支不足が続いて場合、地域再生事業債を引き続き発行するのか。
 基金からの借入れは基金残高からして限度がありますが、今後どのくらいが可能なのか。
新年度に実施する莫大な借金によって、残高が1兆3,300億円を越し、返済額が増大します。見通しのある返済計画を持っているのか。
 新聞報道によると、鶴岡市長は「景気がよくなり税収が増えることを期待している」と述べていたようですが、景気が思うように回復せず、税収が上がらなかった場合はどうするのでしょうか。お答えください。

第3の質問は、歳出のどこを削るのか、その理由についてです。
 歳出予算を款別に見ると、対前年比で減額されたものは商工費が26億9,000万円です。平成14年度予算が205億円だったので、3か年連続減額で約1/2になってしまいました。
教育費は8億円の増ですが、平成15年度が71億円の減でしたから2ヵ年で見ると、63億円の減額になり、構成比も連続10%を割っています。
 環境保全の予算は、前年14億8,000万円が12億9,000万円で、連続マイナスです。このように環境や地域経済の活性化、次代を担う子どもたちなどへの予算削減が目立ちます。
次に重点7分野への予算反映状況を前年度比較でみると、高齢化社会への対応は、前年46億円から40億円に減額されました。平成14年度は64億円でしたから、2ヵ年連続で合計24億円の削減です。
 行政改革の名による市民負担増の増大は、下水道使用料など公共料金の値上げ9億4千万円。敬老乗車券助成の引き下げなど市民要望の切り下げ。学校給食センターなど民営化の拡大など、市民の切実な願いが次々と削られています。
そこで質問します。
 長引く不況と年金引き下げをはじめ、小泉内閣の社会保障、国民生活切り下げが進む中で、地方自治体は住民の命と健康暮らしを守るべきではないですか。
財政危機のしわよせを、なぜ市民生活にばかり押しつけるのか。
 財政運営の視点が、なぜ市民生活に向いていないのか。
 市民の切実な願いの予算をなぜ削るのか。見解を求めます。

第4の質問は、市民生活を削りながら、その一方で都市再生、大型プロジェクトには手厚い予算を計上していることについてです。
大型プロジェクトの予算は、蘇我特定地区整備計画は合計99億7,256万円で、前年比31億円の増額です。千葉駅西口再開発事業9億2,132万円。千葉中央港地区区画整理事業19億8,130万円。中央第6地区再開発事業11億5,689万円。以上、4事業だけで約140億円となります。
 さらに、住民の声を良く聞かずに進めている大型道路、新港横戸町線の46億2,500万円を加えると合計は186億円となります。
また、幕張メッセ負担金6億8,000万円は、補正予算で実施されます。
そこで、質問します。
1、以上の大型プロジェクト186億円は、177億円の収支不足のもとで、130億円もの借金をしてやりくりしている非常事態の時に、なぜ福祉や教育・環境・市民生活より優先して進めなければならないのか。
 2、蘇我特定地区に100億円もなぜ注ぎ込まなければならないのか。なぜ削ったり後回しにすることができないのか、うかがいます。

つぎに第4は、公正な行政について、県議会議員の滞納税「処分停止」問題について伺います。
1、公正であるべき納税の根幹を揺るがす大問題なのに、市長は関係職員の処分はしましたが、自らは「自戒処置」と称して減給をしました。なぜ市長は処分ではなく「自戒処置」なのか。
 2、市政便り2月1日号に鶴岡市長名で「税の徴収にかかわる不祥事につきまして市民の皆様にお詫び申し上げます」の記事が掲載されました。これをみた市民から市役所に電話が入り、「この文書ではどんな不祥事があったのかまるで分からない。市長は本気で市民にお詫びしているのか」と抗議があったそうです。この問題発生後、初めて開かれた今議会初日の所信表明でも、鶴岡市長は一言も言及しませんでした。市民に対して説明責任を果たしていないし、議会に対しても公式の場で釈明しない。市民軽視・議会軽視ではないのか。
 3、市は市民の滞納には、厳正に対処して必要に応じて差押えもしている。しかし、県議会議員の滞納税に対しては、12年間も差押えをしてこなかったこと。時効になった延滞金があること。また、今回問題が発覚しなければ約3,000万円の滞納税も、1億数千万円の延滞金も時効になっていた。これらの事態は県議会議員を特別扱いにしてきた証拠である。
分かっただけでも10数年間も不正常な事態となっていたことは、市が県議に圧力をかけられ続けてきたのか。また、延滞金の徴収には議員歳費の差押えも視野に入れて行うべきではないか。時効になった延滞金も自主納入を求めてはどうか。
 4、市長は当初「前納税管理課長を刑事告訴する」と言ってきましたが、なぜ絶ち消えになったのか。前納税管理課長が刑事告訴されると都合の悪いことでもあるのか。
 5、この問題を通じて、鶴岡市政は、最も公正であるべき納税に対する市民の信頼を失いました。市民の信頼を回復するためには何が必要だと考えているのか。
 6、市民はこのまま幕引をしないで、徹底した真相究明を求めているが、どう応えるのか。調査の継続を求めるがどうか。以上、明確な答弁を求めます。

第5は、中央第6地区の再開発についてです。
 この事業は202億円ですすめられています。このうち、市が負担するのは、保留床で143億円、補助金45億円、こども科学館展示制作費約30億円、土地代136億円、さらにこの間の利息67億円等を含めれば、完成までに432億円かかる事業となります。そして、建物の82%は千葉市の公共施設になるのです。
 そこでうかがいます。
 1、中央区役所から福祉事業所を分離して設置をするのは、行政機能から見ても統一性がなく、市民から見ても不便になるのではないか。
 2、児童センター、子ども科学館、産業振興会館などが、この場所になぜ必要なのか。もっと関係者の意見を聞いて、財政見通しも厳しい今日、再開発事業を身の丈に合わせたものに再検討をするべきではないか。

第6は、公共企業の発注についてです。
 一昨年には、公正取引委員会から百数十社が談合問題で勧告指導を受けた事もあり、入札制度について、抜本的に改革する必要があります。
そこでうかがいます。
 1、公共事業の発注にあたって、公正取引委員会の勧告後、談合防止に向けて、どのような改善をすすめてきたか。
 2、長引く不況の中で市内業者は仕事がなくて困っています。公共施設の修繕予算を増額してその分仕事が増えるように質問します。
 習志野市では学校・公民館・保育所などの修繕を、従来の予算のほかに特別に5,000万円増やし、その仕事を、市内の工務店、一人親方の大工さんなど、指名業者ではない町場の業者に発注しました。その結果102軒の業者が仕事を受注して地域経済に刺激を与えています。
 千葉市の新年度予算の公共施設修繕費は、学校・公民館など教育委員会関係、中央コミュニティーセンター、保育所、市営住宅で合計約15億円です。例えば、この予算をあと3億円増やして、指名業者以外の工務店や大工さんに発注すれば、一件平均50万円の工事として600軒の業者が受注できます。
 いずれの公共施設も修繕が必要な場所がたくさんあります。予算が足りずに困っている問題も解決するし、わずかでも市内業者に仕事が回ります。積極的な答弁を求めます。

【2】総務行政
次は、総務行政についてうかがいます。
第1は、「指定管理者」制度についてです。
地方自治法の改正で「公共施設」の管理者規定がこれまでの「委託」方式から「指定管理者」に改められました。 すなわち、これまでの「法人その他の団体」から「株式会社などの営利法人、NPO 、自治会」など対象が広げられたのです。
千葉市も「公共施設」の管理を「指定管理者」に任せようとしています。 先の12月議会でも伺いましたが、改めて伺います。
1、「指定管理者」において「公共性」はどう確保し基準や規定をどのように定めるのか伺います。
2、千葉市の「指定管理者」制度の導入は、どこの施設を移行させようとしているのか。
3、指定管理者」制度は、公共施設の充実と機能や管理の充実のために行われなければなりません。 その保障はあるのか。

総務行政の第2は、行政改革についてです。
行政改革は無駄な事業を削るべきですが、 市民の暮らしや福祉を削るべきではありません。 子育て支援の充実や市民生活優先といいながら、次のものを削るのは許されません。
1、施設見学会の「いのはなバス」の廃止、敬老乗車券助成の引き下げ、特養ホームなど社会福祉施設や民間保育園への補助金カット、はり・きゅうマッサージ助成金の減額。太陽光発電設置助成のカットなどは、元に戻すよう求めます。
 2、民間保育園では、公的保育所との人件費格差がさらに広がり、職員の労働条件も厳しくなっています。入園させている親の側からも、保育士の待遇改善の要望が出ている時に、国や県に合わせてカットするのは納得できません。 これで本当の子育て支援をいえるのか。中止すべきです。

【3】企画行政
次は、企画行政についてうかがいます。
第1は、地上デジタル放送についてです。
 2011 年7月からアナログ放送が地上デジタル放送になり、7〜8万円もするといわれる専用チューナーの取り付けや20数万円と言われる専用テレビへの買い替えを視聴者に押しつけようとしています。
このような問題のあるやり方をすべきではないと、市民の立場に立って、国に要求するよう求めます。

企画行政の第2は、公団住宅の問題についてです。
 昨年6月に「都市再生機構法」が成立して、50年の歴史をもつ都市基盤整備公団が廃止され、独立行政法人の都市再生機構の管理のもとになります。
千葉市内には、この公団団地に居住する市民が、46,731世帯あり、そのうち賃貸住宅は30,167世帯あります。今後とも安心して住みつづけられる公団住宅として、独立行政法人によって民営化することのないように、鶴岡市長が一昨年、国に意見書を出されましたが、こうした立場で、公団住宅の建て替えなど、居住者の意向を尊重するように、市として窓口を設けて、対応するよう求めます。

【4】市民行政
つぎは市民行政について、うかがいます。
 第1は、今議会に千葉市の「落書き防止に関する条例」と「路上喫煙等の防止に関する条例」が提案されています。
 現在、全国で「生活安全条例」という形で、市民のモラルに関することまで様々な「規制」がかけられようとしています。
 そこで伺います。
今回提案されている条例は、市民道徳の育成で解決すべき問題であり、まず啓発活動を十分行うべきです。事実認定をどうするのか。新たな冤罪を生み出す危険性があります。さらに違反者に罰則として、落書き5万円、喫煙2万円とすることも問題ではないでしょうか。明確な答弁を求めます。

市民行政の第2は、住基ネットについてです。
住基ネットが2003年8月25日から本格稼動し6ヶ月が経過しました。
2004年1月31日のカード交付は、本市の購入枚数23,000枚に対して、わずか1,598枚です。また、このカード利用の転入出は4件とのことです。このシステムに4億5,600万円の費用がかかっているわけで、一体誰のための住基ネットかということになります。
そこで、うかがいます。
 1、ヤフーBBでの約460万人の個人、情報の流失があり、情報管理の手落ちが指摘されています。国が一元管理する住基ネットのシステムは乱用される危険はないのか。
 2、住基ネットはその仕組みから、プライバシーや人間の尊厳、憲法や地方自治などの原則に合わない制度ではないのか。中央集権的なシステムの強制ではなく、個人や地方の主体性を最大限尊重する自治的分散的なシステムを積み上げていくことが必要ではないのか。
 3、現在の利用が極端に少ないのは、プライバシー保護の問題や必要性がないことであり、ここに多額の費用をかける必要もない。制度の見直しを国に要求すべきではないのか。

【5】保健福祉行政
 つぎは、保健福祉行政について、うかがいます。
 第1は、乳幼児医療費助成についてです。
 乳幼児医療費助成は、今年8月から4歳未満までと1歳引き上げられることになり、毎回の市議会に請願を提出してきた新日本婦人の会や署名運動をすすめてきたお母さんたちから歓迎されています。
 そこで、この制度をさらに生かすために、うかがいます。
 1、この制度を市民に徹底し、どこの医療機関でも窓口で無料化できるようにするために、どのような取り組みをおこなうのか。
 2、通院1回200円、入院1日200円の手数料が、多くの子育て世帯の負担になっています。手数料を廃止して子育て世帯を支援するよう求めます。

 保健福祉行政の第2は、鳳雄会問題と児童相談所についてです。
 この福祉施設で、不明瞭な食材・備品の購入が行われたこと。開設準備金が目的外に使われたことなどは、措置費で運営されているこうした施設として、絶対に許されるものではありません。
 千葉市の認可・指導責任はきわめて重大であり、子ども達の権利を最大限保障するために、早急に問題の解決を図るべきです。
 そこで伺います。
 1、次々に不正が明らかになり、現在の理事会では、子ども達の利益を最大限保証する姿勢とはみられません。1 月23日に開かれた市議会の保健下水委員会で、全会一致で可決された請願にも指摘されているように、理事会の刷新が早急に必要ではないか。
 2、1月26日、ほうゆう学園分会から千葉市長あてに抗議文が出されています。これは、ほうゆう会職員が千葉市に訴えた内容を、市当局が、法人会理事に漏洩したことについての抗議です。これはこれまでの市議会での答弁とも矛盾しますし、そこに働く職員には不必要な心理的負担を強いることにもなっています。職員からの謝罪を求める抗議文に対して、どのように対応をしたのか。
3、ほうゆう会が千葉市からの補助金を目的外に使用して500万円を返還したと報道されています。これは500万円をかえせばいいというものではありません。
500万円の根拠も不明瞭でないのか。公金の使途は厳正にされるべきであり、その真相と千葉市の責任を明確にすべきです。
 4、さらに今日、子どもめぐる情況は深刻です。それら子ども達のあらゆる相談にのる児童相談所は、ますます重要な役割を果たさなければなりません。専門職員の増員と予算の増額を求めます。

 保健福祉行政の第3は、国民健康保険についてです。
 長期不況のもとリストラ、営業不振、倒産などで、国民健康保険加入者の保険料の負担は、払いたくても払えない状態をまねき、命と生活を脅かす事態を生み出しています。
 千葉市では、滞納世帯は年々増加して3万件を超え、病院窓口で10割負担となる資格証明書発行は、今年度だけで15,045件にも及びます。
一方、平成15年度の国保会計への繰入額が67億円だったものを、平成16年度には64億円と3億円も減らし、介護納付金値上げにより一世帯平均4,654円の値上げで、総額4億4,000万円もの市民負担となり深刻です。
そこで伺います。
 1、保険証を「特別な事情のある人からは取り上げてはならない」と政令で定めているとおり、資格証を一律に発行することの中止を求めます。そして、被保険者を訪問し、実態を掌握し適切な対応を行なうべきです。
 2、介護納付金値上げは、国保料の払えない人を更に増大させます。国に値上げを中止することを求めると同時に、繰り入れを増やし、値上げをストップすべきです。

【6】環境行政
 次は、環境行政について、うかがいます。
第1は、地球温暖化についてです。
 地球温暖化の防止にむけて温室ガスの排出量の削減のため、市民・事業者・市の役割分担など、地域から地球温暖化対策を積極的に取り組むことを明らかにしながら、年々削減される環境予算のなかで、どのようにすすめるのか、うかがいます。
 1、こうした地球温暖化防止の活動を進めるためには、行政の果たす役割は大きいわけです。そのための予算はどのくらいになるか。また、今後の年度計画などを明らかにするよう求めます。
 2、市民への普及啓発、市民等への活動の支援、情報提供、資金援助や助成など、これからどのようにすすめるのか、具体的にうかがいます。

 環境の第2は、ゴミの減量をすすめることについてです。
 1、古紙などのステーション回収が、新年度から集団回収がされない35の町内自治会の地域で実施されますが、これで、どのくらい回収されるのか。また、これをモデルとして、他の地域にも拡大し、ゴミの減量をすすめる考えはあるのか。
 2、ゴミの減量をすすめるために、この間取り組んできた生ごみ処理機の普及の成果はどのくらい上がったか。また、地域型などモデル事業は、今後どのように生かされ、生ゴミの減量をすすめるのか。
 3、狭隘道路でのステーション回収をすすめるために、2トン車のゴミ収集車が要望されています。
 新年度は何台導入され、どこの地域で回収されるのか。

【7】経済農政行政
 つぎは、経済農政行政について、うかがいます。
 第1は、地域経済の活性化についてです。
 長引く不況で、倒産が増え、商店街はシャッター通りが激増し、地域経済は冷え込むばかりです。新年度商工費は3年前に比べて約1/2に激減し、商工振興費のうち金融や企業立地を除く中小企業支援予算は、わずか4億9千万円しかありません。
 新年度は、一店逸品創出支援100万円、コミュニティビジネス支援65万円、環境産業育成推進10万円など新規事業を組んでいますが、予算額の合計が一桁違うのではないでしょうか。この際予算を増やすこと。市内すべての商店と、3万と言われる事業所に職員が直接訪問し、実情を把握して実効のある地域経済活性化施策を行うよう、改めて提案します。お答え下さい。

 経済農政行政の第2は、農政問題についてです。
 いま、農業・農村を取り巻く状況は、輸入農産物の増加、BSE問題と新たな鳥インフルエンザの問題、そして恒常的になっている農業従事者の高齢化と後継者の減少、農産物価格の下落など、問題が山積されています。今年も千葉市農業委員会から農政に関する建議書が市長に提出されました。建議書のなかからしぼってうかがいます。
 1、市内の農産物の利用促進について、保育所や学校給食への利用の拡大、ホテルなどへの利用の斡旋が要望されています。どのように答えていくか、うかがいます。
 2、市民の交流の場として、遊休地を市民に解放し、高齢者などが健康のためにも望んでいる市民農園を市内各地で促進するために、積極的に斡旋するよう求めます。
 3、今年11月から家畜類のふん尿処理について、規制が強化されます。千葉市では、これまでの畜産家の共同処理計画が、変更されて個々でおこなうようになりました。この処理は、堆積方式、撹拌方式などがあり、それぞれ設置費も過大であり、畜産農家の負担も大変なようですが、整備を希望する畜産農家への技術援助、設備投資への支援、堆肥の利用方法などの指導は万全であるか。また、これに対応できない農家はどうなるのか、体制や予算について、うかがいます。

経済農政行政の第3は、鳥インフルエンザについてです。
 アジア全域で数百万羽の被害がでている高病原性鳥インフルエンザは、日本でも山口県、大分県、京都府、兵庫県と、さらに拡大されています。
政府は防疫マニュアルを都道府県に示し徹底していますが、市民は不安にさらされています。そこで伺います。
1、市内の養鶏場とその羽数、そして加工場の状況、そこでの防疫マニュアルの徹底の状況について伺います。
 2、市民に対して、鳥インフルエンザ予防のための啓発を行うことを求めます。
 3、それらの対策をすすめるための予算を要望します。

【8】都市行政
 つぎは、都市行政について、うかがいます。
 第1は、災害に強いまちづくりについてです。
 昨年10月からはじまった本市の「耐震診断助成制度」は、新年度で60戸の木造住宅とマンション40戸の助成が予定されています。しかし、千葉市の建築基準法改正以前に建てられた住宅は、木造64,000戸、マンション24,000戸あり、こらにどう徹底するかが、問われています。そこでうかがいます。
 1、この制度を生かすために、該当する地域などに職員が出向いて案内している静岡県焼津市のように、取り組みを強めることはできないか。
 2、市役所だけではなく、区役所などでも受付るなど、診断制度をもっと市民が関心をもち、相談できる工夫ができないか。
 3、診断の結果、補強が必要になった住宅にたいする手当てをどうするか。1年に1件など、利用されていない改修資金の利子補給制度ではなく、横浜市のように補強や改修への助成制度を整備するよう求めます。

都市行政の第2は、市営住宅の修繕についてです。
建設されて40年、50年を超える住宅もある中で、部屋の痛み、台所、トイレなど、修繕を要する住宅も多数ありますが、あまりにも予算が少なすぎて修繕がすすんでいません。もっと予算を増やし、修繕をおこなわないと、市の財産の損失にもなります。見解をうかがいます。

都市行政の第3は、住宅供給公社についてです。
千葉市の公社の特定優良賃貸住宅をめぐる問題は、将来膨大な赤字が予想され、心配されています。新年度で、一部市営住宅に66戸が変わりますが、こうした改善によって、公社の経営は安定されていくのか。さらに市営住宅などに転換して、空き家をなくすなど抜本的な改善が必要ではないのか、今後の計画をうかがいます。

都市行政の第4は、市民の足を確保するために、かねてから求められている公共施設などを循環するコミュニテイバスの運行について、うかがいます。
1、新年度は花見川区北部地域が予定されていますが、どのくらいの利用者を想定して、1日どのくらい運行するのか。また、大型バスではなく、マイクロバスで小回りができるものにしてほしいという意見がありますが、見解をうかがいます。
2、区役所バスなどをふくめ、各地域から、公共施設などを回る循環バスの運行が求められています。これを契機に、さらに拡大するよう今後の計画について、うかがいます。

【9】建設行政
つぎは、建設行政について、うかがいます。
1、交通バリアフリー基本構想にもとづいて、道路特定事業計画が本格的に促進されますが、新年度は、エレベーターやエスカレーター、歩道の段差解消など、どのくらいすすめられ、市民の要望に答えるのか、具体的にうかがいます。
 2、美浜長作町線が7月に共用開始されますが、武石インター付近の改良、さらにその先の長作町地域へは、どのように進められていくのか。
 3、柏井三角町線は、国道16号より整備されてきましたが、その後すすめられていません。鉄工団地付近から柏井町方面に向けて、新年度はどこまで整備されていくのか。早急な整備が待たれているので、うかがいます。
 4、花見川区横戸町23号線の整備はかねてから要望され、用地問題の解決が待たれています。循環バスも予定される地域ですが、いつ頃までに整備されるか。


【10】下水道行政
つぎは、下水道行政について、うかがいます。
下水道は、市民の快適なくらしを保障し、都市生活の水準を示すバロメーターともいわれており、本市でも計画的に整備がすすめられ、新年度末には94.1%になるといわれています。
そこでうかがいます。
 1、下水道管の付設と接続率の向上は、重要な課題ですが、未接続世帯はどのくらいあり、そのうち、平成15年度末にはどのくらい接続されるのか。
 2、私道への下水道管の付設は、土地所有者が不明などによって、依然として未整備地域が13箇所も残されています。今後の解決のみとうしについて、うかがいます。
 3、50年以上の古い下水道管などが、中央下水道処理区などを中心に、11Kmもあるようですが、万一の災害には破損する心配があります。合流式の分離など、計画的な改修が求められていますが、老朽管はどのように改修されていくか。

【11】消防行政
つぎは、消防行政について、うかがいます。
新年早々、消防職員の飲酒運転事故が発生したり、泥酔した職員を救急車で搬送するなど、多くの職員は、市民の命と財産を守って毎日精励していることは承知していても、こうした事件は、多方面に影響が広がっていることは否定できません。
消防局長をはじめ幹部のみなさんが、謝罪している姿をテレビをみた市民からも厳しい声も寄せられていますので、この教訓を今後どのように生かし、徹底されていくのか、まず、うかがいます。

消防行政の第2は、花見川区さつきが丘にある旧職員寮の雄飛寮について、隣接する公民館が狭いので一部使わせて欲しいという市民の要望を、昨年の9月議会でお願いしましたが、建物は耐震上、危険なもので、倉庫に使っているので、公民館には貸せないとのことでした。そこでうかがいます。
1、なぜこの建物を倉庫に固執するのか。例えば、花見川消防署が新築移転したあとの建物などを倉庫に使って、旧職員寮の倉庫の一部を市民の要望に答えて公民館に貸すことはできないか。
2、花見川区横戸台にある消防用地3,000平米は、すでに確保して10年が経過しているが、いつになったら、利用するのか。また、緑区あすみが丘にある1,500平米の消防用地は、いつ利用するのか。
3、こうした市民の貴重な財産である予定地を、いつまでも放置せず、効率的に利用するため当面、倉庫などを設置する考えはないのか。

消防行政の第3は、消防局への通報についてです。
千葉市消防局への通報の34%が携帯電話という時代です。 警察庁は「警察への通報は54.1%が携帯からであり、 固定電話を上回っている」と発表しています。
携帯電話での通報は固定電話と違い、発信場所が不明で地理がわからず。 手間取ることが大きな問題となっていますので、うかがいます。
 携帯での通話は命にかかわるものであり、携帯からの通報は位置が確認できるように千葉市は当面どのような対応をおこない、市民に協力を求めるのか。

【12】教育行政
つぎは、教育行政について、うかがいます。
いじめ、不登校、学力低下、犯罪の低年齢化など、子どもたちを取り巻く状況はかつてなく厳しいものとなっています。
去る1月、子どもの権利条約の第2回政府報告書に対する国連子どもの権利委員会の審査が行なわれました。そして、この報告書に対して、「教育制度の過度に競争的な性質によって、子どもの身体的及び精神的健康に悪影響を生じ、かつ、子どもが最大限可能なまでに発達することが阻害されている」など、懸念が表明されました。
あらためて学校教育で、一人ひとりに行き届いた教育がなされるためにも、教育環境の整備と人的配置が求められています。
平成16年度予算案で、耐震補強工事を実施しても、まだ57棟も残されること。屋内運動場改築は築35年以上のものが38ヶ所あるのに1ヶ所しか改善されないこと。東京ではすでに廃止されている免許外教科担任が74名残されていること。
少人数学級を実現しないことなど、課題を残したまま、義務教育予算の増額がされないのは問題です。
そこでうかがいます。
1、国連子ども権利委員会が日本政府に対して懸念していることを、教育長はどのように受け止めて、どのように生かすのでしょうか。
2、義務教育予算を増額することを求めます。

教育の第2は、県立高校再編問題についてです。
千葉県は、この間「県立高校再編計画」を進め、今後10年間に現在の142校を127校程度にしようとするもので、千葉市内では大宮高校と生浜高校の全日制、千葉高校定時制が廃校されようとしています。
これらの高校には、多くの千葉市の生徒が通っており、高校の存続を求める運動が地域ぐるみで広がっています。千葉市民にかかわる重大な問題でもある高校再編計画を、千葉市としても認めるわけにはいかないと思います。
そこで伺います。
1、千葉県の生浜高校全日制廃止に対して、地域住民の大きな反対運動がおきています。千葉市として県に対して存続を強く求めるべきではないか。
2、大宮高校の通信制への移行、千葉高校定時制の廃止、中高一貫教育は教育の機会均等を踏みにじるものであり、これらの高校の存続を県に求めるべきです。

教育の第3は、学校給食についてです。
千葉市の行政改革に、学校給食センターの運営見直しが出され、 民営化で2億7,000万円がカットできると、削減効果をうたっています。 そこでうかがいます。
1、本来教育現場にコスト論を持ち込むべきではなく、教育予算を削減しないで、学校給食は市が責任を持って実施すべきではないのか。
2、子どもたちの給食にお金がかかっても、豊かな食事、 豊かな心や人格形成につながるものではないか。そのための効果的な投資と考え、民営化は見直すべきです。
以上、答弁を求めて、1回目の質疑といたします。


第2問目

1、自衛隊のイラク派兵について
自衛隊のイラク派兵に反対するよう求めましたが、相変わらず「国の専管事項」と答えていることは、市長の責務である「91万市民の平和を守る」ことや「憲法を遵守する」職務を果たしていません。
いま、政府や派兵を推進する勢力は、「派兵されてしまった以上、無事に任務を果たして帰国するように」との声を広げて、「イラク派兵を既成事実として肯定して行く」世論づくりをしています。
鶴岡市長が名刺交換会など市民の前での発言も、これに通ずるものではないでしょうか。見解を求めます。
しかも、「自衛隊が任務を果たす」ということは、イラクにおいてアメリカ占領軍の指揮の下に置かれ、その占領政策の一端を担うことであります。
また、イラク国民に銃口を向け被害を与えたりして、憲法で禁止された交戦権を行使することも認めることに連なります。市長はこのことも肯定するのでしょうか。見解を求めます。
そして、市民の平和と憲法9条を守る立場を明らかにして、イラク派兵中止と撤兵を政府に求めることを重ねて質問します。

2、三位一体の改革について
市長は、「国庫補助負担金の一般財源化と、それに対応するため、基幹税移譲の道筋が示された」と評価しています。
 しかし、三位一体改革は、縮減される国庫補助負担金に対応する税源移譲は80%程度になっているため、20%は削減されてしまいます。地方交付税改革も総額を減らすことになっています。
 この改革は、3ヵ年計画の初年度だけで、千葉市は約87億円の影響を受けています。平成18年まで、さらに多額の削減が予想されます。
 地方自治体が、自主的に公共サービスや地域づくりを行なうためにと言われてきた「三位一体改革」が、実際は国の財政支出を減らし、自治体に財政負担を押し付けるものとなっています。
このような「自治体いじめの改革」は中止して、真に地方財政を保障し、地方分権を確立する「改革」を要求するよう改めて質問します。

3、市民生活優先の財政にすることについて
 収支不足の約177億円を補うため、130億円の借金と市民負担増を行いました。この外に、大型プロジェクト等への多額の支出があり、新年度で増えた借金残高は、市債440億円、債務負担行為210億円、基金からの借り入れ100億円で、合計750億円増であります。
 1に、ふくれあがった借金の返済計画について質問しましたが、答弁がありませんでした。税収が上がると見ているのなら、その根拠を示して下さい。見通しが分からないなら、分からないと答えて下さい。
 2に、大型プロジェクト5事業の186億円を抑制して、市民生活に振り向けることを求めましたが、真剣に耳を傾ける答弁ではありませんでした。蘇我臨海関係の予算は約97億円ですが、これが2月補正の繰越明許費15億円余を加えると、新年度の事業費は112億円であります。なぜこんな大金をつぎ込まなければならないのか。サッカー場をどうしても平成17年にオープンしないと、市民生活に重大な影響でも出るのか。財政危機の中ですから、2分の1ぐらいに減らすなど考えないのか、伺います。
 3に、深刻な市民生活の中で、敬老事業助成の引き下げ、はり・きゅう・マッサージ助成の減額、国保の介護保険分の値上げなど、高齢者や市民いじめを中止すること。減額された高齢者対策費や地域経済活性化、環境保全費、教育予算などを増やすべきではないか。全体として、大型プロジェクトより、市民生活優先するよう重ねて求めます。

4、公正な行政について
県議会議員の滞納税「処分停止」問題についてです。
1に、議会初日の所信表明で何ら触れなかったことに対して、「市民軽視、議会軽視ではないのか」との質問に答弁がありませんでした。議員から質問されるまで議会に釈明しない。鶴岡市長は管理監督責任についてどんな認識をもっているのか。
 2に、「県議会議員を特別扱いにしたことはない」と答弁されたが、鶴岡市長は、選挙の時、選対幹部としてお世話になった県議に対して、「何ら配慮していない」と本当に言えるのか。「特別扱いにしない」と言うのなら、「議員歳費も視野に入れて」との質問に、なぜ答弁できないのか。
 3に、延滞金の徴収について、分納誓約書が提出されていると答弁されましたが、何回に分けて、何年かかって分納徴収されるのか。市民の信頼を回復するためにも、短期間に徴収するべきであります。1回目の質問になかった議員歳費も含めて、短期に徴収することを求めるが、お答えください。

5、ほうゆう会問題
1に、500万円の返還金額について、公金であるお金を目的外や支出の裏付けがないため、返還を求めることは当然です。大切な税金を目的外に使うことは、言語道断です。
 理事長をはじめ理事会の責任は、全く問われないのか。子どもの権利を守る施設での不正は絶対に許されません。法律上の問題は問われないのか。現行の理事会で本当に刷新できると考えているのか。
 2に、職員労組からの抗議文の件ですが、先の12月議会では、職員からの情報を理事会にはもらしていないと答弁しています。それが、この3月議会では、「施設長の変更は、慎重に対応すべき」と、理事長に話したと答弁していますが、これは重大な答弁です。
 議会での答弁が、2ヶ月で変わることがあってもいいことなのか、伺います。
 ほうゆう会に対する市の指導は、理事会べったりで、子どもたちや働く職員のことを全く考えていないのではないか。 市の指導責任が問われています。明確な答弁をいただきたい。