議案提案理由の説明(小関としゆき議員)


2004年6月8日

 日本共産党の小関寿幸です。市議団を代表して、発議第11号・千葉市国民健康保険条例の一部改正、一世帯当り1万円の引き下げを実施するための提案理由の説明を行います。
 長引く不況と小泉内閣が進めてきた不良債権処理、大企業の大規模なリストラなどにより、勤労市民の収入が閉ざされ、国民健康保険料を滞納せざるを得ない世帯が急増しています。千葉市の国保料滞納世帯は、2000年が28,405件、2001年が29,242件、2002年は31,546件と増え続け、5世帯のうち1世帯が「払いたくても払えない」事態となっています。
 こうした世帯は、有効期限6か月の短期保険証や窓口で10割負担を強いる資格証明書となり、病気になっても受診できない情況になり、生命と健康を守ると言う本来の国保制度になっていないことは重大な問題です。今日、払える国保料に引き下げることが求められています。
 国民健康保険事業は、1984年に、これまでの国庫負担率45%から38.5%に削減されたことにより、被保険者の負担が一気に増加しました。
 そのため、社会保険などと比較すると、国保の加入世帯の所得に対する保険料負担率は異常に高くなっています。1998年度の厚生労働省の資料によると、負担率は国民健康保険8.6%なのに対し、健康保険組合の平均は4.2%、政府管掌の健康保険は6.2%であり、国保は健康保険組合の平均より、2倍以上の負担です。
 また国保は、所得のない人やわずかな年金で暮らす高齢者などが多数を占めているのが特徴です。千葉市では、年間所得400万円以下の国保加入世帯が、全体の62.33%であり、収入のない世帯は23.9%となっています。
 こうした厳しい国保財政へ、市民の生命と健康を守るために、市町村は一般会計からの繰り入れを行っています。千葉市では、2002年度は60億491万円、2003年は67億875万円でしたが、2004年度予算は64億円と前年度より3億円減額です。1人当りにすると19,755円で、13政令市の中で11番目の低さです。一番繰入額が多いのは大阪市で、1人当り44,454円であり、千葉市はその半分にも満たない額です。
 今回、払える国保料にするため、一世帯あたり1万円の引き下げを行うものですが、これは、現在の国保料の平等割(世帯ごとの均一額)21,600円を11,600円とするもので、一般会計からの繰り入れを17億5,700万円増加することで可能となります。その財源は、千葉市が進めている、千葉駅西口再開発事業や蘇我臨海部開発等の大型公共事業の見直しを図ることによって生み出すことができます。
 他市と比べても低い繰入額を増額し、払える国保料にしていくことは、自治体の務めではないでしょうか。憲法第25条は、「国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障しています。市民誰もが、安心して医療を受けられる本来の制度へと、一歩改善するための提案です。
 同遼議員の賛同をお願いし、提案理由の説明を終ります。