日本共産党が提出した意見書


平成16年第3回定例会 
(提出年月日)平成16年9月2日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.1

消費税増税計画の撤回を求める意見書(案)

 これまで、小泉首相は「任期中の消費税増税はない」と言ってきたにもかかわらず、参院選挙後、政府・与党は、消費税の増税について「福祉のために3年後の施行もあり得る」などと公言し始めている。
 どのような口実を用いようと、消費税は生活必需品に課税され、低所得者ほど負担が重い過酷で不公平な税金である。未曾有の不況のもとで、国民の生活を考えるなら、増税は断じて行うべきではない。ましてや、倒産や失業などで生活に困難を来たした方々の命と暮らしを支えるべき福祉や社会保障の財源を、社会的弱者の負担を強める消費税の増税で充てるなどは本末転倒である。
 1989年の消費税導入以来、15年間で納入された税額は約148兆円に上るが、この間の社会保障は、充実どころか年々後退して来たのが現実である。
一方、この15年間、大企業などが納める法人税は、減税に次ぐ減税で約145兆円も減少しており、消費税分が社会保障ではなく大企業の減税の穴埋めに使われた勘定となっているのである。
 NHKが行った世論調査では、たとえ年金の財源に充てるためであっても「消費税の増税には反対」が52%と過半数を占めている。
 年金、介護保険、医療などの福祉の充実を図るためには、安易な消費税増税に頼るのではなく、無駄な大型公共事業や軍事費を削減し、低すぎる大企業に対する税負担を応分に求めることなどにより対応するべきである。
 よって、本市議会は国に対し、政府・与党内で進められている消費税増税計画は、撤回するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成16年  月  日

千葉市議会


平成16年第3回定例会 
(提出年月日)平成16年9月2日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.2

台風や集中豪雨による被害者への支援強化を求める意見書(案)

 連続した記録的な集中豪雨や次々襲う台風によって、全国的に大きな被害が発生している。新潟県中下越地方では、「100年は大丈夫」と言われていた堤防が決壊し、死者15人とともに家屋・田畑に大変な被害をもたらしている。
水害の被災地から痛切に上がっている声は、被害実態に即した公的支援である。しかし、現行の被災者生活再建支援法は、住宅が全半壊した世帯を対象としているため、今回の被災地の多くの住民が受けた床上浸水のような、建物は倒壊していないが泥水につかり、家財道具を一切失った状態については、対象としていない。
 そのため、現行法を最大限に活用することはもちろん、「自然災害による個人財産の被害を補償しない」としてきた従来の政府の姿勢を転換し、住宅や町工場の修繕、建てかえへの直接の公的支援に踏み出していく必要がある。
 よって、本市議会は国に対し、現行制度の弾力的運用とともに、制度の改正を行い、被災者への支援強化を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年  月  日

千葉市議会

平成16年第3回定例会 
(提出年月日)平成16年9月2日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.3

私学助成の大幅増額を求める意見書(案)

 今日、日本の教育は「私学を抜きに語れない」と言われるほど、私学の公教育に占める位置は極めて重要なものである。
 しかし、私立学校振興助成法の成立時における「可及的速やかに経常費の50%補助を実現する」との附帯決議が、いまだに実現されていないなど、国の私学に対する経常費補助は不十分である。
 そのため、千葉県においては、今年度の私立高校の初年度納入金の平均が、661,231円と、公立高校の5.47倍にも達するなど、公立・私立の教育条件格差が一層拡大することが危惧されており、このことは、明らかに保護者の学費負担の限界を超えるもので、教育の機会均等の原則に反するものと言わざるを得ない。
 生徒一人一人に、行き届いた教育を保障するためには、生徒減少期にある今こそ、私学に対して特段の助成措置を講ずるべきであり、教育条件を改善する好機であると考える。
 よって、本市議会は関係行政機関に対し、公教育における私学の果たす役割の重要性にかんがみ、保護者負担の軽減と教育条件の公私格差を是正するため、経常費補助の大幅増額を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年  月  日

千葉市議会

平成16年第3回定例会 
(提出年月日)平成16年9月2日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.4

沖縄県宜野湾市での米軍ヘリ墜落事故に関する意見書(案)

 去る8月13日、沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学構内に、米海兵隊所属のCH−53Dヘリコプターが墜落する事故が発生した。
 この事故は、市街地への墜落という、一歩間違えれば大惨事につながりかねない重大な事故であるにもかかわらず、米軍は、日米地位協定を盾に事故現場への立ち入りを制限し、日本側の関係者は、事故の検証さえできない異常な事態が続いている。
 これまで、「普天間は世界一危険な基地」だと、日米両政府も認めてきたところである。加えて、CH−53Dヘリコプターは、同類の輸送ヘリコプターに比べ、墜落などの重大事故を起こす割合が高いといわれ、機体そのものも老朽化していて、関係者からは、事故の危険性を指摘されていた。
 事故直後の地元紙の世論調査では、「普天間基地の『県内移設』反対」が81%に達し、「沖縄北部の辺野古沖への新基地建設に賛成」は、わずか6%だったことからも、沖縄県民は、「危険で主権が踏みにじられる沖縄」ではなく、「基地のない沖縄」を切望しているのである。
 よって、本市議会は国に対し、このような事故が二度と繰り返されることのないよう、下記について速やかな実施を強く求めるものである。
              記
1 今回の事故の原因究明を徹底して行い、結果を早急に公表すること。
2 住宅地上空の飛行は、直ちに中止させること。
3 「沖縄に関する日米特別行動委員会(SACO)合意」を見直し、普天間基地の全面返還を求めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年  月  日

千葉市議会

平成16年第3回定例会 
(提出年月日)平成16年9月2日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.5

日本国憲法第9条を守り、日本と世界の平和に生かすことを求める意見書(案)

 日本国憲法は、アジアと日本の人々に甚大な犠牲をもたらした戦争への深い反省から、日本と世界の平和と民主主義の願いを込めて生み出されたものである。とりわけ、「戦争放棄」と「戦力の不保持」を定めた第9条は、「戦争をしない国」づくりを宣言したものであり、国連憲章が目指す「戦争のない世界」へのさきがけとして、国際的にも重要な意義を持つものである。だからこそ、平和を愛する国内外の多くの人々から熱い支持を集めているのである。
 ところが今、憲法第9条を変え、自衛隊を海外へ自由に派遣できるようにし、日本を再び「戦争する国」にしようとする動きが強まっている。その背景には、アメリカの現閣僚が「憲法第9条は日米同盟の妨げの一つ」と語っているように、アメリカの強い要請がある。
 こうした中、本年6月、日本を代表する作家や評論家など文化人9氏が、憲法を守り発展させ、日本と世界の平和を実現しようと「九条の会」を結成して講演会活動を行うなど、この趣旨が大きな反響を呼び、各層・各分野に賛同が広がっている。これは、世界の恒久平和を求める本市の「平和都市宣言」の精神にも通じるものである。
 よって、本市議会は国に対し、憲法第9条を守り、日本と世界の平和のために生かすことを強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年  月  日

千葉市議会

平成16年第3回定例会 
(提出年月日)平成16年9月2日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.6

公共工事における建設労働者の適正な労働条件確保等に関する意見書(案)

 建設業就業者数は、全国で630万人と、全産業の就業者数の約10%を占めており、我が国の基幹産業として経済活動と雇用機会の確保に大きく貢献している。しかしながら、建設産業の特徴である元請と下請という重層的な関係の中で、建設労働者の賃金体系は、現在も不安定であり、不況下における受注競争の激化や近年の公共工事の減少が施工単価や労務費の引き下げにつながり、現場で働く労働者の賃金と生活に大きな影響を及ぼしている。
 国においては、平成12年11月に「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」が制定され、「建設労働者の賃金、労働条件の確保が適切に行われるよう努めること」という附帯決議が参議院において付されたが、諸外国では、公契約における適正な賃金の支払いを確保する法律、いわゆる「公契約法」の制定が進んでいる。一方、最近、公共工事の極端な安値受注が急増し、また、多くの市町村では公共工事の監督・検査要領さえも定められていない実態が会計検査院の調査から明らかにされ、次世代に引き継ぐ貴重な社会資本の品質低下について懸念が広がっている。
 よって、本市議会は国に対し、建設労働者の適正な労働条件の確保がなされ、公共工事の品質が適切に確保されるよう、下記の事項について早急に実行されることを強く要望する。

1 公共工事における建設労働者を初め、労働者の最低労働条件の確保を図ること。
2 「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の附帯決議事項について、実効ある施策を実施すること。
3 厳しい財政状況の中、さらなるコストの縮減と品質の確保の両立を図るため、公共工事に相応しい調達方法の確立や技術者のいない発注者の支援について必要な措置を講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年  月  日

千葉市議会

平成16年第3回定例会 
(提出年月日)平成16年9月2日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.7

美浜原発事故の原因究明、再発防止と全原発の総点検を求める意見書(案)

 去る8月9日、関西電力の美浜原発3号機(福井県美浜町)のタービン建屋内で高温高圧の蒸気が噴出し、作業員5人が死亡、6人が負傷するという、日本原発史上で最多の死傷者を出す惨事が起きた。
 その後の調査で、腐食や磨耗での配管の肉減による事故であったことが判明している。同様の事故は、米国サリー原発で起こっており、これを受け、国内で自主検査をしてきたとされる。しかし、美浜原発では、破裂した箇所を管理システムに登録せず、一度も点検することなく、昨年11月に下請け会社から指摘されていたのに、対応を怠ってきた。安全管理の甘さはなかったか、業者まかせで安全が確保できるのか、関西電力と国の責任は重大である。
 これまで、配管関係の事故は、美浜原発で1991年2月に蒸気発生器細管が破断、2002年11月には一次冷却水漏れが発生している。
 また、中部電力浜岡原発では、2001年11月に配管破断などが起きている。原発には無数の配管があり、1970年代に開発した20基の原発は老朽化しており、周辺住民はもとより、国民の不安は計り知れないものとなっている。
 よって、本市議会は国に対し、下記の事項を実施するよう強く求めるものである。


1 事故原因の徹底究明を行い、二度と発生させない対策をとるとともに、全原発の総点検を行うこと。
2 事故が発生した際の事故対応体制を徹底的に見直し、迅速かつ正確な一元的情報を提供する体制を早急につくること。
3 的確に機能しているとは言えない現在の安全規制体制を、一次系、二次系を問わず抜本的に見直し、早急に実効性のあるものとすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年  月  日

千葉市議会

平成16年第3回定例会 
(提出年月日)平成16年9月2日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.8

乳幼児医療費無料制度を国の制度として創設することを求める意見書(案)

 我が国の合計特殊出生率は年々低下し、2003年の値は、人口を維持するのに必要な2.08を大きく下回る1.29にまで低下し、まさに危機的な水準となっている。
 少子化の背景の1つに「子育てに経済的負担が大きい」ことが挙げられる。子育て世代にとって、子どもの医療費は長引く不況による不安定な雇用や減給などにより、大きな負担となっている。
 乳幼児医療費助成制度は現在、全国の自治体で実施され、親たちの大きな励ましになっている。ところが、自治体により、制度内容の格差は年々拡大しており、どこに住んでも安心して産み育てられる環境をつくるためには、国の医療費無料制度を創設することが求められる。
 2001年6月、参議院本会議において、全会一致により「少子化対策推進に関する決議」を採択し、政府に対し「乳幼児医療費の国庫助成」等を「重点的に取り組むべきである」としている。
よって、本市議会は国に対し、安心して子どもを産み育てることのできる社会への第一歩とするために、乳幼児医療費無料制度を国の制度として創設することを強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年  月  日

千葉市議会

平成16年第3回定例会 
(提出年月日)平成16年9月2日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.9

義務教育費国庫補助負担金削減の中止を求める意見書(案)

 全国知事会が2005年、2006年の2年間で、3兆円の国庫負担金を削減する案を賛成多数で決め、このうち義務教育費国庫補助負担金については、公立中学校分の8,500億円の削減を盛り込み、2009年度までに小学校分も廃止するとしている。義務教育費国庫補助負担金制度は、財政力の有無にかかわらず、全国どこでも同じ条件で教育が受けられるように、教職員の給与など、義務教育にかかる費用を、国と県が半分ずつ負担する制度である。
 すなわち、憲法と教育基本法に明記された国民が義務教育を受ける権利を国が保障するための根幹となる制度にほかならない。政府は、その削減、廃止のかわりに税源を移譲するとしているが、地方自治体間の財政力には大きな格差があり、財政力の格差が義務教育の格差に直結することになる。制度の廃止は、憲法第26条の「国民が等しく教育を受ける権利」を侵害することになり、国の責任を放棄することである。
 よって、本市議会は国に対し、義務教育費国庫補助負担金の削減を中止することを強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年  月  日

千葉市議会

平成16年第3回定例会 
(提出年月日)平成16年9月2日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.10

教育基本法の改正ではなく、その理念を生かすことを求める意見書(案)

 政府与党は、教育基本法改正を合意し、来年の国会でその改正を行おうとしている。教育基本法は、第10条で政府などが教育を支配することを禁じ、教育行政の任務を「条件整備」に限定している。
 しかし、政府与党は、政府が教育振興計画をつくるという形で、長期的な教育の目標を定めたり、教育のあり方を決める権限を政府に与えようとしており、これは教育の国家支配そのものである。
 さらに、教育の目的(第1条)に「愛国心」を加えようとしているが、愛国心は本来、国民一人一人の見識や社会の自主性にゆだねられるものであり、これを法律に書き込み、国家が方向づけをしたり強制することは、民主主義社会とは相入れないものである。
 国家による教育支配を徹底したのが戦前の軍国主義教育である。その過ちを二度と繰り返させまいと、教育基本法は国家による教育支配を禁じ、「人格の完成」を教育の目的に据えている。教育は国家のために行うのではなく、子ども一人一人のために行うのであり、それでこそ社会に貢献する人間に成長できるのである。
 今やるべきことは、子どもと教育の危機を克服することであり、教育基本法を改正することではない。むしろ、歴代自民党政府が長年、教育基本法の精神を投げ捨て、世界にも例のない「競争と管理」の教育体制をつくってきたことが、教育荒廃を生んだ要因の一つである。
 今こそ教育基本法の精神を生かして、教育の危機を克服することが必要である。
よって、本市議会は国に対し、教育基本法の改正ではなく、その理念を生かすことを強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年  月  日

千葉市議会