木田ふみよ議員の一般質問 


2004年9月28日
1、国民健康保険について
 国民健康保険は、国民皆保険制度を支える社会保障の基本となる制度であり、市民の命と健康を守る大切な役割を担っています。
 しかし、国の国庫補助金の削減、資格証明書の発行義務付けで、国保料が払えず、病気を重症化させる例が後を絶ちません。市民の命と健康を守る国保制度とするために、6月議会に続き質問したいと思います。
 第1は、保険料についてです。
 6月議会の中で、私は、千葉市の国保に加入している世帯と市職員世帯、そして市内の民間企業に勤めている世帯の、健康保険料をパネルに示して比較しました。
 その内容は、給与に占める保険料の割合が、市職員世帯では3.7%、市内の民間企業に勤める世帯は4.6%、そして千葉市の国民健康保険世帯では7.6%となっており、国保加入世帯の保険料負担がいかに重いものかを指摘しました。
 このことについて、前保健福祉局長は「1世帯あたりの保険料で比較すれば、差はない」と答えました。これは、私の質問には答えず、問題をすり替えた答弁です。
 千葉市の国保の根幹に係わる問題ですので、再度、局長におたずねします。
 千葉市の国保世帯は、市職員の世帯や民間企業に勤めている世帯と比較し、給与に占める保険料の割合が高くなっていると認識されていますか。お答えください。
 第2は、繰入金についてです。誰もが払える保険料にするためには、一般会計からの繰り入れは欠かせません。
 千葉市の繰入金は、被保険者一人当たりにすると、いくらになるのでしょうか。また、その額は他市と比較して何番目になっているでしょうか。
 第3は、医療費一部負担の減免制度についてです。
 国民健康保険法第44条は、「保険者は特別の理由のある被保険者で一部負担金を払うことが困難と認められる者に対し、減額・免除・徴収猶予ができる」と規定しています。昨年8月、厚生労働省は、全国生活と健康を守る会連合会との交渉で、「医療費の一部負担の減免は、条例がなくても自治体首長の判断でできる」と答え、制度を自治体独自に作らなくても、柔軟に実施すること認めています。
 また、沖縄県では、医療費に困った人が医療費一部負担の減免申請をしたところ、「制度がない」との理由で却下されたのを不服として、県国民健康保険審査会に審査請求しましたが、県の審査会は「法の趣旨から言って、申請があれば減免するかどうかを具体的に判断すべきで、制度を実施しないのは法違反」との裁定を下しています。そこで、うかがいます。
 厚生労働省は医療費一部負担の減免について、条例がなくても実施できるとしていますが、千葉市はこのことを承知していますか。また、制度を実施しないのは「法律違反」だと言うことを承知していますか。
 以上、お答え下さい。

2、小学校の統廃合について
 千葉市は、児童数減少の推移、通学路の安全性確保、地域コミュニティの影響などから、5か所の統合候補校と相手校を選定し、6月にこれを公表し、基本的な考え方を示しました。
 その後、保護者や地元説明会が行われています。それぞれの学校の特徴や地域性もあることから、住民合意は欠かせない問題であり、十分な論議が必要と考えます。
 そして何より、子ども達の教育環境が優先されなければなりません。
 そこで、以下伺います。
 1つに、この問題は、小学校適正配置検討委員会で議論されてきましたが、当初、H17年度に1か所とされておりましたが、なぜ今回の5か所に変更されたのでしょうか。
 2つに、地元説明会は、関係する住民すべてを対象とすることが必要と考えますが、いかがでしょうか。
 3つに、統合候補校に上がっている学校での、子どもルーム設置計画は、今回の統合問題により、影響を受けることがないのか伺います。
 4つに、統合への住民の合意形成がなければ、統合はやるべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
 5つに、学校の統合が「行政改革」によって実施されるようなことは、あってはならない問題ですが、見解を伺います。

3、省エネルギー対策について
 今年3月、千葉市は地球温暖化対策を総合的・計画的に推進するため、「千葉市地球温暖化対策地域推進計画」を策定しています。
 そして、この中で取り組みの視点を明確にし、(1)省エネルギー行動、(2)省エネルギー機器等の普及、(3)新エネルギー設備等の整備、(4)森林保護、(5)計画的・効果的な取り組みの推進・その他の対策と、5つの視点から取り組みを進めるとしています。
 さらに、その削減目標については、2010年度の温室効果ガス総排出量を2000年度より約6%削減し、可能な限り1990年度レベルを下回るよう抑制することを目標にしています。
 より効果的な省エネ対策をめざして、何点かに絞って伺います。
 その1は、スーパーごみ発電についてです。
 これまで日本共産党市議団は、この設備について、炭酸ガス排出抑制やごみの減量に逆行するものだと指摘してきました。さらに先の6月議会で、スーパーごみ発電を導入してもしなくても、どちらも収支が大きく違わないことを指摘し、このスーパーごみ発電が、地球温暖化対策に逆行するものとして、稼動の中止を求めました。
 市は、これに対して、廃棄物発電も新エネルギーの利用として認められているので、「問題なし」との考えのようです。
 この考えの背景には、2002年に成立した「新エネ利用特別措置法」があります。この法律は、電力会社等に対し、新エネルギーによる電力、水力・風力・太陽光・バイオマス及び廃棄物発電の一定量の利用を義務付けています。しかし、その中身は、自然エネルギーを固定価格で電力会社に買い取らせるヨーロッパの制度とは違い、日本では価格競争に任せているため、結局は低コストな廃棄物発電、とくにプラスティック等に偏り、他の自然エネルギーは導入時点でコストがかかることから、電力価格が高くなり、利用が伸びないという仕組みになっています。
 ですから、自然エネルギーの普及に取り組む人たちの中から、「新エネ利用措置法」は、廃棄物発電以外の新エネルギー普及の最大の妨げになっていると言われ、「措置法」ではなく、「新エネ利用阻止法」だと揶揄されています。
 千葉市の、より効果的な省エネ対策を願って、以下伺います。
 1つに、スーパーごみ発電のために、都市ガスを購入し、燃焼させていますが、このことにより年間どのくらいのCO2が発生しているのでしょうか。H15年度のデータを計算方法も含めて具体的に示してください。また、その量は市内の何世帯分のCO2排出量に相当するのでしょうか。
 2つに、千葉市の取り組みとして、新エネルギーの導入が上げられていますが、スーパーごみ発電を続けることで、水力・風力・太陽光・バイオマス発電の展開が遅れていくと考えますが、いかがでしょうか。以上、お答えください。
 省エネ対策の2は、市職員の夏の軽装化についてです。
 記録的な猛暑となった今年の夏でしたが、男性はスーツにネクタイ姿で暑がり、女性は夏らしいファッションで冷房により寒がっている。こんな光景がオフィスや市役所等で見られました。
 財団法人・省エネルギーセンターは、オフィスで働く人々が、みんな軽装になれば空調の設定温度を上げることができ、その分エネルギー消費量を減らすことが可能だとし、設定温度を1度上げれば6〜8%の省エネにつながると指摘しています。
 軽装化は、他市では既に実施されており、さいたま市、北九州市を除く全ての政令市で、ノーネクタイ・軽装の夏のエコスタイルが実施され、市民への周知は窓口に趣旨を掲示し、理解を求めているようです。そこで伺います。
 千葉市でも軽装化による省エネを実行するために、夏場、職場でのノーネクタイ、半袖シャツを奨励してはいかがでしょうか。
省エネ対策の3は、省エネ推進員についてです。
 民間オフィスでは、空調温度を上げたり、ブラインドやカーテンを閉め直射日光を避ける。使わないパソコンの電源を切るなども推進しています。
 千葉市でも、こうしたことを進めるために、各部署で省エネ推進委員を決めて、奨励してはいかがでしょうか。
 省エネ対策の4は、節水に関わるトイレ擬音装置の設置についてです。
 女性は、1回のトイレ使用で、平均2.5回の水を流すといわれています。その理由は、「使用時の音を聞かれたくない」というものです。トイレ擬音装置は、電子流水音を流すことで、無駄に流される洗浄水の代わりを果たしており、節水の効果は27.5%を示し、1回のトイレ使用で6.4リットルの節約になるといわれています。
 この装置の価格は、1,575円から16,695円など大小さまざまですが、デパートやホテル・大学などで使われています。節水と同時に、経済効果も上がり、昭和女子大学では、年間2,097万円の節水になると試算されています。伺いますが、
 節水を進めるために、公共施設でのトイレ用擬音装置の設置を求めます。

4、稲毛海浜公園プールについて
  年に開設したこのプールは、県内最大級のプールとして、ちびっこプール・流水プール・スライダーなど13種類のプール施設を備えており、例年、総数15万人を超す利用となっています。施設設備は千葉市が行い、管理については財団法人・千葉市みどりの協会が行っています。
 利用料金については、大人・1,100円、高校生・800円、小中学生・400円、幼児・200円となっていますが、小学生2人を連れ、家族4人で利用した場合、プール利用料3,000円、ロッカー代・駐車場料金を含めると4,000円となり、利用料は大きな負担となっています。
 築25年を経過した現在、施設の老朽化で再整備計画が進められ、市はH14年度にプールの利用について、市民へのアンケートを行っています。より、市民に親しまれるプールとなることを願い、以下伺います。
 1つに、プールの収支について、過去5年間それぞれお答えください。
 2つに、再整備にあたって、バリアフリー化することや日陰を設けること。障害者用のトイレを設けること。売店の充実などが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 3つに、市民アンケートでは、室内プールは使いづらく利用率が低いことがうかがわれますが、利用率を上げるための工夫が必要ではないでしょうか。
 4つに、利用料金については、アンケートの中で31%の方が「高い」と答えています。誰もが利用しやすい施設とするために、料金の値下げを求めますが、いかがでしょうか。

5、産業廃棄物処理施設建設について
 美浜区新港地区において、民間企業による日量98トンの動物性残渣・感染性産業廃棄物等の産業廃棄物焼却施設の建設が計画されています。
 この地区は、工業専用地域及び準工業地域であることから、多様な企業が集中していますが、問題は、この施設が建設されようとしている場所が、約170m離れた隣地に、航空燃料輸送パイプライン基地があることです。
 こうした施設の隣地に、産業廃棄物を燃焼させるという行為は大変危険なことだと誰の目にも明らかであり、美浜区の住民や周辺企業から、設置の中止を求める要望書・陳情書が出されています。また、こうした施設は通常、環境アセスメントが適用されますが、処理量が日量100t以上のものとされていることから、この施設は適用外となり、ミニアセス、すなわち生活環境影響調査を行っています。
 そこで、市民の安全を願って伺います。
 1つに、市内での感染性廃棄物の発生状況と処理状況。また、その安全性について伺います。
 2つに、この会社の設立年月日、規模および業績についてうかがいます。
 3つに、生活環境影響調査は、どんな結果だったのでしょうか。
 4つに、周辺施設の状況から、危険な立地条件にあると考えますが、市はどのように認識されているのでしょうか。
 5つに、産業廃棄物処理については、エコロジーパークで処理されてきましたが、今回の産業廃棄物処理もエコロジーパークで行うのが適切だと考えますが、いかがでしょうか。

【2回目】

1、産業廃棄物処理施設建設について
 処分場を設置する会社は、これまで焼却施設の実績が全くない企業ということです。隣接するのが、航空燃料輸送パイプライン基地と言う中で、このような施設が進出することのになれば、どんなに焼却の実績を持った会社であっても、その安全性については誰もが不安を抱くものです。それなのに今回の会社は、焼却については初めてと言うのですから、法令の合致や様々な対策を取ったとしても、その不安は拭えないのではないでしょうか。
 市の認識を伺いましたが、「制限がなく法令に合致していれば許可する」と一般的な答弁でした。うかがいますが、
 このような危険な地域に、焼却の経験を全く持たない企業に許可を与えて、本当に安全は守れるとお考えでしょうか。お答え下さい。
 私は、この周辺で働いている人や住民のお話を伺いましたが、これまで周辺の企業に対しては、設置する会社からその内容を説明されと言うことでしたが、説明は十分でないようです。周辺で働く人達は「説明は受けていない」との話しがありました。また、幸町団地住民も一部の方は、計画の中身を理解しているようですが、大半の人は、「どんな施設なのか知らない」と話しておりました。
 こうした人達には、説明会も行われていませんし、市が情報を提供した訳でもないので、焼却施設に対して不安を抱いています。
 ある方は、「クリーンエネルギーセンター建設が、幕張C地区から新港に変更され、排出されるダイオキシン等の影響も心配なのに、その上、今回の焼却施設で、迷惑施設が次々押し寄せる形で不安だ」といっていました。うかがいますが、
 周辺で働く人達や地域住民が説明会の開催を求めたら、その要望に応えよう指導すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、今後もこの地区にはさまざまな企業が進出すると考えられましが、その内容について周辺で働く人や幸町団地をはじめとした住民に、情報公開していくことが必要と考えますがいかがでしょうか。お答えください。
 エコロジーパーク構想の策定の趣旨の中に、「エコロジーパークは、千葉臨海部における廃棄物処理、リサイクル施設の整備を促進すべき重点地域」と位置づけられていますが、エコロジーパークも視野に入れ、この種の処理施設設置の基本方針を確立すべきだと思います。それまでは、設置を許可すべきでないと考えますが、見解を伺います。
 以上、3点お答え下さい。

2、国保について
 
国民健康保険料について、他の医療保険より収入に対する割合が高いということは、認めているとのお答えでした。市内の国保加入世帯は、全世帯の44.7%を占めていますが、そのうち所得なしの世帯が1/4を占め、年金の世帯が1/4になっています。ですから、国保世帯は所得が低く、平均所得は、H15年度で195万円です。こうした世帯で国保制度を維持することは困難であり、社会保障制度として、国や自治体の補助は当然のことです。
 健全な国民健康保険制度としていくためには、繰り入れによって、加入者の負担を軽くしていくことが必要です。そこで、伺いますが、
 1に、繰り入れについては、自治体が最大限努力するものだと考えますが、いかがでしょうか。
 他都市の状況と比較すると、繰入額は一人当たり23,089円で11番目とのことです。この間、千葉市は、この繰入金がいつも13政令市中11番目、12番目の位置にあり、上位にランク付けされたことは、一度もありません。
 2に、市民が納められる国民健康保険料とするために、繰入金をせめて政令市平均まで、目指すべきではないでしょうか。お答えください。
 3に、医療費一部負担の減免についてですが、検討はされているとのことです。これまで「千葉市の国保を考える会」の方達はじめ多くの市民の方より、要望が出され、私ども日本共産党市議団も昨年12月に条例提案を行って来たところであり、一歩前進と評価いたします。
 他市では既に実施され、広島市では年間1,000件以上の利用があると聞いております。そこで提案しますが、一部負担金の減免基準は、(1)生活保護基準の1.3倍以下にすること、(2)減免期間は、病気療養の期間に応じたものにすること、(3)手続きは簡便なものにすること、(4)医療費減免制度により保険料の引き上げにつなげないこと、以上提案しますが、いかがでしょうか。

3、稲毛海浜公園プールについて
 プールの収支は、天候に左右されてはいますが、例年黒字になっています。レジャー施設として位置づけされた海浜プールですが、市内で唯一の大型プールであり、その性格上、誰もが利用しやすいものでなければなりません。また、「公の施設」であることから、市民の福利厚生に役立つものでなければなりません。
 先ほど示した、4人家族の利用料金だけで4,000円というのは、利用者の31%の方が「高い」と感じているように、頻繁に利用できる料金ではありません。
 「公の施設」ですから、気軽に利用できる料金設定が望まれます。施設整備とともに、利用料金を引き下げるためにも、市の投資は必要ではないでしょうか。利用料金を引き下げるよう求めます。お答えください。

4、小学校の統廃合について
 学校適正配置検討会は、1999年度に4回にわたって議論し、学校の適正配置の基本的な考え方がまとめられました。教育委員会は、それを受け2000年、2001年、2002年、2003年度と、その中身を吟味して来たわけです。
 しかし、教育委員会での議論は、市民には傍聴を認めず非公開ですすめられ、当初は、2005年度に1か所の統合とされていたのが、今年6月には市内で5か所と発表されました。関係する住民の方は、「寝耳に水」で大きな衝撃を受けています。
 5か所に変更した理由は、6学級以下の21校を対象に統合を検討し、5校に絞ったとされましたが、答えになっていません。
 当初予定していた、2005年に1か所というのは、今回の5か所の中から絞り込んで行って1か所にするということなのでしょうか。明確にお答えください。
 この計画が6月に発表されて、保護者はもちろん地域の方たちは、こんな進め方に怒っています。統合となれば、様々な問題が生じることは予測できたはずです。それなのに、地域の声を何ら聞くことなく、統合を発表したのですから当然のことです。適正配置の目的は、「豊な教育環境をつくるため」とされています。そのためには、関係する住民の声が生かされなければならないと考えます。
 教育委員会は、合意形成に努め、理解してもらうよう努力するというお答えでしたが、これは「統合先にありき」のやり方です。
 これまで、説明会で出された「地域住民の意見を聞くことから始めてほしい」という要望に応えるべきではないでしょうか。
 そのためには、関係地域の住民代表で構成される「適正配置の委員会」等を設置し、その中で統合の是非を議論していく方法にすべきですが、どうでしょうか。
 今回、統合候補校10校の学内の子どもルームで、磯辺子どもルームについては、今年度中に学校内での設置となる予定になっています。このルームは、老朽化がすすみ、現在24人の児童が利用しており、待望の改築移転になっています。
 今回の統合問題により、この計画が遅れたり、子どもたちの環境が改善されないことがあってはならないと思います。そこで、伺いますが、
 統合が決定しない状況でも、当面、空教室を利用する等、子どもルーム関係者の声を反映して、改善することを求めますが、いかがでしょうか。
 教育は「行政改革」の対象にしてはならないという指摘を、答弁では肯定されませんでした。「著しい小規模校の教育環境を整備する」とのことですが、今回対象となった学校以外で、稲浜小学校がありますが、ここはずっと単学級・少人数で推移しており、今回候補に上がっている学校より深刻です。ですから、教育委員会が、今回言われているような統合の理由は、確たる裏づけにはなっていません。
 「行革」による学校統合は、行うべきではありません。再度伺います。