日本共産党が提出した意見書


平成16年第4回定例会 
(提出年月日)平成16年11月25日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.1

イラクから自衛隊の即時撤退を求める意見書(案)

  イラクへの自衛隊派兵は、憲法に違反するばかりか「イラク特措法」に照らしても許されない事態となっている。
 「大量破壊兵器の存在」という、イラク戦争そのものの根拠が崩れ去っているが、今また、米軍がファルージャで行っている無差別攻撃は、民間人への攻撃を禁じた国際法に反する重大な戦争犯罪であり、絶対に正当化できるものではない。
この無法行為に対し、小泉首相は「治安回復のために成功させなければならない」と即座に支持を表明した。その上、自衛隊の派兵を継続するようなことになれば、アメリカの犯罪に日本は手を貸すことになり、共犯者の道を突き進むことになるのである。
 今、日本は重大な岐路に立たされている。国民的な議論が必要とされているにもかかわらず、小泉首相は「自衛隊がいるところが非戦闘地域」などと国民を愚弄する国会答弁に終始し、まともな議論もせずに、12月15日以降も自衛隊派兵を継続しようとしていることは、絶対に許されるものではない。
よって、本市議会は国に対し、自衛隊をイラクから即時撤退させるよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年  月  日
千葉市議会

平成16年第4回定例会 
(提出年月日)平成16年11月25日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.2

生活保護費の国庫負担率引き下げに反対する意見書(案)

 生活保護制度は、憲法第25条の「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度であり、国の福祉政策の根幹をなすものである。
 しかし、国では「三位一体改革」として、国庫負担率を4分の3から3分の2に引き下げることが検討されている。
 70歳以上の高齢者に対する老齢加算を3年間で段階的に廃止し、さらに、母子加算についても廃止が計画されている。
 2003年度の厚生労働省調査でも、リストラや就職難のもとで、生活保護世帯は90万を突破している。
 生活保護世帯の増加傾向が続く中で国の負担率を引き下げれば、地方自治体の大きな財政負担となる。これでは、国の責任を放棄した負担転嫁と言わざるを得ない。
 よって、本市議会は国に対し、全国どこでも格差なく保障できる生活保護制度にするためにも、生活保護費の国庫負担率の引き下げに強く反対するものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年  月  日
千葉市議会

平成16年第4回定例会 
(提出年月日)平成16年11月25日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.3

地震・集中豪雨・台風災害の救援に関する意見書(案)

 今年は、地震・集中豪雨・台風などによる甚大な被害が、全国各地で続発した。冬に向かい避難生活を余儀なくされている被災者は、今も 1万人を超えていると言われており、これらの災害に対する国の緊急な救援策が求められている。
 現在の被災者生活再建支援法では、全壊した住宅で最高300万円、大規模半壊の住宅では100万円しか援助されず、生活再建には極めて不十分なものとなっている。国は、被害に見合った公的支援・個人補償を行い、暮らしの再建・地域の復興に向けた援助を行うべきである。
 よって、本市議会は国に対し、地震・集中豪雨・台風災害による被災者に対し、被害に見合った公的支援・個人補償を緊急に実施するよう求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年  月  日
千葉市議会

平成16年第4回定例会 
(提出年月日)平成16年11月25日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.4

定率減税の縮小・廃止に反対する意見書(案)

 政府税制調査会は、2005年度税制改正に関する答申をまとめ、2005年度からの2年間で、所得税、住民税の定率減税を縮小・廃止する方針を明らかにした。
 そもそも定率減税は、1990年代のバブル崩壊後の長期不況に加え、消費税率引き上げや医療費制度改定による9兆円もの国民負担の増大で、景気が大きく後退したことから「著しく停滞した経済活動の回復に資する」目的で、景気対策の一環として導入したものである。
 しかし、政府はその後も医療費の負担増を国民に押し付けた結果、不況は一層深刻なものとなっている。
 定率減税が廃止されることになれば、国民の新たな負担は、総額約3.3兆円にもなるのである。例えば、夫婦、子ども2人のサラリーマン世帯で見ると、年収500万円で3万5千円、年収700万円で8万2千円、年収900万円で14万3千円の増税となり、子育て世帯や働き盛りの世帯に対する影響は大きく、景気回復はさらに先送りされる結果になるのは明らかである。
 よって、本市議会は国に対し、国民の消費を一層冷え込ませることになる定率減税の縮小・廃止はやめるよう求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年  月  日
千葉市議会

平成16年第4回定例会 
(提出年月日)平成16年11月25日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.5

WTO・FTA交渉に関する意見書(案)

 WTO(世界貿易機関)交渉は、8月1日、今後の交渉の前提となる大枠合意がなされた。農業分野の市場アクセス・国内支持・輸出競争についての具体的な数値などは今後の交渉にゆだねられたが、アメリカを初めとする農産物輸出国は依然として、上限関税の設定や高関税品目の大幅引き下げ、関税割当数量の拡大などを要求している。これを認めれば、ますます我が国への農産物の輸入は拡大され、日本農業への打撃は図り知れないばかりか、食料の安全・安定や環境にも大きな影響を与えることになる。
 一方、アメリカなどが行っている国内農家への手厚い補助や輸出補助政策には、大枠合意では実質的削減に結びついておらず、途上国などの反発が起こるような公平さを欠いた交渉となっており、その是正が求められている。
地球規模での食料・環境問題の解決には、各国が自国の生産資源を最大限に活用し、共生・共存できる新たな農産物貿易ルールの確立が必要なのである。
 また、FTA(自由貿易協定)については、現在、韓国、マレーシア、フィリピン、タイとの交渉が行われているが、東南アジア各国は農産物の貿易自由化を求めてきている。これを認めれば、先のメキシコとのFTA交渉でも見られたように、工業製品の輸入自由化のために農業分野が大幅な譲歩を強いられ、食料や農業が打撃を受けることは必至である。
 よって、本市議会は国に対し、下記の事項を重点課題として交渉に臨むよう強く求めるものである。

  1. 上限関税の設定や関税割当数量の一律的・義務的拡大は認めないこと。
  2. 国内農業の維持が可能な関税率水準や国家貿易体制、特別セーフガードの維持など国境措置を確保し、急速な市場開放には応じないこと。
  3. 行き過ぎたAMS(助成合計量)削減の是正、「緑の政策」の要件緩和など国内支持政策に関する適切な規律を確保すること。
  4. 東アジア諸国とのFTA交渉で、農産物の関税撤廃・削減が行われるなら、国内農業に大きな打撃を与え、WTO農業交渉や他国との交渉に重大な影響を与えることになり、認めないこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成16年  月  日
千葉市議会

平成16年第4回定例会 
(提出年月日)平成16年11月25日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.6

「食料・農業・農村基本計画」見直しに関する意見書(案)

 現在、政府は2000年に定めた「食料・農業・農村基本計画」の見直しを検討している。来年3月に策定される予定の新たな基本計画は、今後の日本の食料・農業政策を大きく左右するものとなる。
 8月10日に報告された、食料・農業・農村政策審議会(農政審)の「中間論点整理」では、(1)担い手政策のあり方、(2)経営安定対策(品目横断的政策等)の確立、(3)農地制度のあり方、(4)農業環境・資源保全対策の確立、の4点が重要課題として示されたが、最大の課題である食料自給率の向上に向けた施策は先送りとなっている。また、これらの課題が、食料自給率にどう結びつくのかも明確にされないままである。
 基本計画の見直しに当たっては、「食料・農業・農村基本法」に基づき、食料自給率の引き上げ、食の安全・安定に結びつく効果的な施策を展開することが求められている。
 よって、本市議会は国に対し、日本農業の再生・発展につながる「食料・農業・農村基本計画」の見直しとなるよう、下記の事項について要望するものである。

  1. 生産者と消費者の理解と協力のもとに、実効力のある食料自給率の引き上げ政策を推進すること。
  2. 担い手政策の対象者は、大規模農家に限定せず、意欲を持つ農業者や地域で「育成すべき担い手」として推薦される者など、対象を広げること。また、集落営農は、地域の条件に見合った多様な農業の展開を可能にするものとして位置づけること。
  3. 新たな経営安定対策は、農産物価格の構造的な低落をカバーし、耕作意欲を持てるよう、本格的な所得補填対策とすること。
  4. 農地制度のあり方は、農地を農地として活用できるよう、法や制度を早急に確立すること。また、構造改革特区でのリース方式による株式会社の農地権利取得・農業参入は、拙速な全国展開を行わないこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成16年  月  日
千葉市議会

平成16年第4回定例会 
(提出年月日)平成16年11月25日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.7

国民健康保険制度の改善を求める意見書(案)

 深刻な長期不況のもとで、国民健康保険料を「払いたくても払えない」世帯が年々増加しており、千葉市でも滞納世帯は全加入世帯の2割を占めている。現在の、経済状況や市民の暮らしから見て、保険料負担は限界を超えていると言える。
 また、定年退職や失業、他の健康保険からの加入など、国民健康保険加入者は急増しているが、その多くは低所得者層であり、国保財政は保険料収入より支出の伸びが大きい構造となっている。こうした中で、保険料滞納世帯へ資格証明書や短期保険証が一律に大量発行されていることは、受診抑制をも招いている。
 国民の命と健康を守る医療保険制度が、国民の生活を圧迫し、命を脅かすような今日の事態は、制度の存立の根幹を危うくするものであり、制度崩壊に瀕していると言える。
 今日の国保財政危機の最大の原因は、1984年に実施された医療費国庫負担率の引き下げにあることは明らかであり、この改善なしには保険料引き上げの抑制はできない。また、国の保険料収納率による調整交付金の減額は、保険者への制裁措置であり、健全な財政確保は図れないものである。
 よって、本市議会は国に対し、真に国民の命と健康を守る医療保険制度となるよう、以下について強く求めるものである。
  1. 国民健康保険医療費への国庫負担率を45%に復元すること。
  2. 国民健康保険料収納率による調整交付金減額の制裁措置をやめること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成16年  月  日
千葉市議会

平成16年第4回定例会 
(提出年月日)平成16年11月25日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.8

BSE(牛海綿状脳症)全頭検査見直しに反対する意見書(案)

 政府においては、日本で初めてのBSE(牛海綿状脳症)感染牛が千葉県で確認されて以後、牛肉に対する国民の不安を解消し、信頼を取り戻す対策と努力が講じられてきたところである。とりわけ、食肉牛に対するBSE全頭検査は、牛肉の安全・安心を確保するために国民から支持されてきたものである。
 しかし、農林水産省では、現在の検査制度の見直しを行い、従来の全頭検査から、生後20カ月以下の牛を除外することが検討されている。
 万一、全頭検査が廃止されるようなことになれば、これまで築き上げてきた牛肉に対する信頼を再び失うことになり、消費者・生産者に深刻な影響を与えることになる。また、独自に全頭検査の実施を表明する県も出ており、国への不信感を招くことは必至である。
 よって、本市議会は国に対し、科学的な根拠に基づくBSE検査を実施し、国民の牛肉に対する安全・安心を確保するため、BSE全頭検査の見直しはやめるよう求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年  月  日
千葉市議会

平成16年第4回定例会 
(提出年月日)平成16年11月25日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.9

緊急地域雇用創出特別交付金事業の継続・改善を求める意見書(案)

 我が国の雇用をめぐる情勢は極めて深刻である。完全失業者が300万人を超え、3分の1は1年以上の長期失業者である。完全失業者のうち失業給付を受給している人は20%にとどまり、半数近くの人は無収入となっている。
 青年・中高年者の失業は、日本経済に及ぼす影響も大きく、凶悪犯罪の増加、年金・医療・介護など社会負担増による生活苦で、自殺者は毎年3万人を超える事態となっている。
 こうした中で、失業者の就労対策事業として1999年に創設された「失業者に対する公的な雇用保障」としての「緊急地域雇用特別交付金事業」は、2002年から「緊急地域雇用創出特別交付金事業」に引き継がれ、大きな役割を果たしてきた。
 しかし、この施策は2005年3月で打ち切られようとしており、その後の対応策については、いまだ明示されていない。雇用情勢はいまだ不安定となっていることから、短期のつなぎ就労であっても、求職者に仕事を提供する緊急の雇用対策が求められている。
 よって、本市議会は国に対し、緊急地域雇用創出特別交付金事業を2005年4月以降も継続して実施し、また、実施主体である地方自治体が運用しやすく失業者の就労に役立つように改善するよう求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年  月  日
千葉市議会

平成16年第4回定例会 
(提出年月日)平成16年11月25日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団  NO.10

郵政民営化の中止を求める意見書(案)

 現在、郵政事業は、全国24,700に及ぶ郵便局が全市町村の利用者・国民を結ぶネットワークを通じ、全国一律に公平なサービスを提供することにより、国民の利便性を確保している。
 しかし、政府は、日本郵政公社として発足したばかりの郵政事業を民営化し、「郵便」「郵貯」「保険」「窓口」の4社に分社化する方針を強引に決定した。
郵政民営化の理由について政府は、「郵便貯金・簡易保険が民業を圧迫している」としているが、これは、銀行業界や生命保険会社の要求を具体化し金融業界の利益を追求するためのものである。
 郵便・郵貯・簡保の三事業の一体運営と政府による保証は、全国共通サービスの土台であり、これを破壊すれば全国共通サービスは維持できなくなる。
 分社化のための基本方針では、設置基準をつくり、基準を外れた郵便局は廃止の恐れがあり、過疎地の廃止と都市部での統廃合も明記されており、身近で便利な郵便局が減らされ、国民サービスは著しく低下することになる。また、郵便に全国共通サービスを義務づけているが、民営化で経済的土台を奪う結果、全国共通サービスの維持のために必要な場合には、税金投入措置を設けるという矛盾した内容となっている。
 さらに、「郵貯・簡保の資金がムダな公共事業や特殊法人に流れ込むのを押さえる」ためという理由も、財政投融資の制度変更で解決してきた問題である。
 政府の進める郵政民営化は、いかなる理由を並べても国民の利益に反することは明白である。郵便・郵便貯金・簡易保険は、国民生活に不可欠な基礎的サービスであり、これをすべての国民に保障することは、国の責務である。
 よって、本市議会は国に対し、郵政民営化の中止を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年  月  日
千葉市議会