木田ふみよ議員の議案質疑


2004.12.6
 まず、議案第140号・H16年度千葉市一般会計補正予算中、生活保護費17億円の追加についてです。
 生活扶助受給者が当初予算よりも、延べ人数で1万人以上増加する見込みがあり、追加するとの説明がされました。そこでうかがいます。
 1に、増加した扶助の中身と人数についてお答えください。
 2に、実態に見合った職員が配置されているのでしょうか。各行政区ごとに保護係員の平均受け持ち世帯数をお答えください。また、国の基準では、何世帯になっているでしょうか。国の基準を満たすには、あと何人の職員が必要でしょうか。

 次に、議案第141号ですが、これは地方税法の一部改正に伴い、個人の市民税均等割の非課税措置が廃止されたことから、H17年度の個人市民税の均等割税率に所要の経過措置を講じるとのことです。H17年度は、その1/2の1,500円が、H18年度以降は3,000円が徴収されることになります。
 その対象人数は、H17年度は5万5,000人であり、総額8,250万円の負担増となります。そこでうかがいます。
 1つに、生計同一の妻に対する非課税措置はどのような理由で行われてきたのでしょうか。また、今回の廃止の理由についてうかがいます。
 2つに、今回の対象者は、地方税法の改正で県民税と合わせると、1人当たり、いくらの負担額になるのでしょうか。

 次に、議案第143号・千葉市いきいきセンター設置管理条例の一部改正についてです。
 これは、稲毛区・あやめ台小に、いきいきセンターを設置し、これを指定管理者に管理業務を行わせるという内容です。そこでうかがいます。
 1に、あやめ台小に設置を決定した理由はなんでしょうか。また、建設費・運営費・人件費は、それぞれいくらになるのでしょうか。利用者数は、年間どのくらいを見込んでいるのでしょうか。お答えください。
 2に、学校施設内を民間業者が使用することについて問題は生じないのか、うかがいます。

 次は、議案第146号・千葉市少年自然の家設置管理条例の制定についてです。
 その設置目的は、自然環境における宿泊を伴う集団生活、及び体験活動を通じて少年の健全な育成を図るためとされています。そこでうかがいます。
 1は、児童を対象とした施設とされていますが、交通アクセスは十分でしょうか。バスや電車の利用では、どんな経路で、時間はどれくらいかかるのでしょうか。また、一人あたりの往復運賃はいくらになるでしょうか。
 2は、病気や事故に対応する病院はあるのでしょうか。また、車で何分かかる所にあるのでしょうか。
 3は、年間利用人数の見込みは、どうでしょうか。
 4は、不登校や引きこもりの児童などに対してのプログラムは用意されているのでしょうか。
 5は、SPCと教育委員会の役割分担はどうなるのでしょうか。
 6は、私ども日本共産党市議団は、PFIの導入に対して、教育の分野を民間に委ねることは問題だと指摘してきましたが、PFIで行うことで、設置の目的は達成されるとお考えでしょうか。

 次は、議案第157号・土地の取得についてです。
 中田スポーツ施設(仮称)の用地買収については、43,281?の土地を合計6億5,848万円余で購入し、スポーツ施設を整備するものです。
 1は、買収価格は適性なのか。単価・土地所有者数・最多面積所有者の買収総額について伺います。
 2は、買収価格には、最終処分場用地として、市が長年借地料を支払ってきた背景などは勘案されているのでしょうか。
 3は、用地買収後建設されるスポーツ施設の、概要・完成時期・利用予定人数・建設費用について伺います。
 4は、市民のニーズに応えられるものになっているのでしょうか。今、若者の間で人気がある、フッサルやストリートバスケットができるスペースを十分取ることを提案しますがいかがですか。
 5は、泉グリーンビレッジの一角にスポーツ施設が設置されますが、このことによって農業振興に役立つことになるのではないでしょうか。

 次は、議案第158号・土地の処分についてです。
 中央区問屋町にあるポートスクエアの民間施設部分とポートタウンの土地20,072.5?を売却するものですが、以下うかがいます。
 1は、売却することになった背景と経過についてうかがいます。
 2は、売却土地代金、6億3,228万3,750円とされた根拠についてうかがいます。
 3は、処分を承認した、千葉市の財産処分審査委員会は、どんなメンバーでしょうか。また、その中に市民は入っているのでしょうか。
 4は、建物が建設された時の、1?あたりの土地の価格はいくらで、今回の価格はいくらでしょうか。また、建設時に土地を売却していた場合と、今回の売却価格を比較すると、その差はいくらになるでしょうか。
 次は、議案第159号・工事請負契約(新港横戸町線3・4工区下水道施設移設工事)についてです。
 1に、工事概要は下水道管を総武線の下を通すとのことですが、周辺民家への被害は無いのでしょうか。この間、周辺民家に振動の被害が広がり、家屋にはひび割れや、戸締まりが悪くなるなどの被害が出ました。こうした被害の原因は、どのように考えているのでしょうか。今回の工事では同じような被害が出る可能性はないでしょうか。
 2に、工事請負契約は株式会社奥村組が4億900万円で落札しました。落札率は96.95%であります。
 入札価格は最低と最高価格の差はわずか450万円です。4億円もの工事でわずか1%程度の違いで落札する事態は、極めて不自然です。
 落札率の96.95%は、ほぼ満額であり、これも出来すぎています。適正な入札が行われたのか、うかがいます。

 次は、議案第160号・市営住宅仁戸名町団地建替事業建築主体工事についてです。
 今回は、国庫補助が減らされた中での工事となっています。そこでうかがいます。
 1は、国庫補助は、どの位削減されたのでしょうか。また、そのことにより建築戸数の影響について、うかがいます。
 2は、今回の建替えにより、今年度末の市営住宅戸数、高齢者用住宅・障害者用住宅のそれぞれの戸数をお示しください。また、住宅マスタープランの達成度は、どうでしょうか。

 次は、議案第161号・千葉市総合スポーツ公園市民球技場(仮称)新築工事に係る工事委託を2ヶ月延長するものです。うかがいますが、
 1に、この工事を始めるに当たり、当時の都市基盤整備公団、現在の都市再生機構に委託するという特殊な形で行った理由についてうかがいます。
 2に、工期は、いつからいつまでの予定だったのでしょうか。また、今回の2ヶ月延長となった理由についてうかがいます。
 3に、工事が遅れることによる、千葉市の損害についてうかがいます。
 4に、81億円の大型公共事業ですが、この事業に地元の中小業者には、どのくらい仕事が発注されたのか、明らかにしてください。
 5に、この施設は、JFEの工場の中に作られていますが、景観や安全性に問題はないのか、うかがいます。

議案質疑 2回目 

1、生活保護について
 生保を受けるケースは、以前は収入が単に少ないという中で、それを補うという形であったものが、今日では、リストラや倒産、または、そうしたことによる離婚やサラ金地獄に陥った例など、その中身は実に様々です。ですから、保護係員は、複雑なケースにも対応しなければならず、役割がますます高まっています。
 保護係員は、市全体では、国の基準は保護係1人につき、80名ということですが、他市と比較するとどうでしょうか。
 また、憲法25条で示された健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を市民に保障するためにも、国基準を満たしていくことが、必要ではないでしょうか。以上、お答えください。

2、いきいきセンターについて
 指導管理者を導入とのことですが、いきいきセンターは、これまで生き生きプラザと同様、無料で利用していますが、今後も、無料は堅持されるのでしょうか。

3、市条例の一部改正について
 今回の改正だけで55,000人の女性は、H17年度に2,000円の増税となり、H18年度からは、4,000円の増大となるという答弁がありました。
 均等割りは、個人住民税の基礎をなしており、低所得者への配慮はとりわけ重要になります。生計同一の妻に対する非課税措置をどうするかは、検討すべき課題ですが、女性の賃金は、69%が240万円以下の中で、また、家計所得が低迷を続けている中、H17年度2,000円、H18年度4,000円では、大きな痛手になるのではないでしょうか。
 このことは、個人消費を冷え込ませ、景気悪化の一つの要因になるのではないでしょうか。

4、少年自然の家について
 長柄町に設置されたため、市内中心部から1時間半かかり、直通のバスも電車もないため何回か乗り換えが必要で、子どもで1,060円、大人で2,000円以上になります。この周辺には、施設以外のものは見当たらず、施設を利用する者は、周辺と一体となった形での利用はなく、今回設置されたものだけでの利用になっています。言い換えれば、この施設は、長柄に設置する必要がなかったということになります。
 土地の選定については、これまで私ども日本共産党市議団は、問題にしてきましたが、こうした点からも、改めてその矛盾が明らかになっているのではないでしょうか。
 改めて伺いますが、少年自然の家の土地選定に当たり、選定基準があいまいだったのではないでしょうか。お答えください。
 いじめや不登校の子ども達への対応も、プログラムとして設けるべきとの提案に対して、教育長の前向きな答弁がありませんでした。この施設をPFI制度とする時に、教育長は、PFIでやれば民間の能力を活用し、利用者により高い水準の教育サービスを提供することが可能と、その導入の目的にあげていました。こうした経過からすれば、どの子にもよりゆき届いたサービスが提供されなければ、PFIの導入の意義はなくなる訳です。これまでの県の施設を利用する時よりも、数段レベルの高い教育サービスが、当然行われるということではないでしょうか。どの子どもにも対応できるプログラムを作るよう、SPCとの契約時に盛り込むべきではないでしょうか。お答えください。

5、中田スポーツ施設について
 2点、うかがいます。
 1は、地元の要望を反映していくとのお話でしたが、スポーツについては、
市民は多様なニーズを持っています。まずは、市民の要望をきっちり把握することから始めるべきではないでしょうか。
 2に、財政難の中、その規模は華美になる必要はないと思いますが、いかがでしょうか。

6、市営住宅について
 今回の建て替えは、当初H18年までの3か年で117戸とされていたものが、今回、国庫補助が2/3減って33戸に削減されており、大幅な影響を受けています。
 市営住宅については、住宅マスタープランでは、H27年に9,000戸としていまので、今年度末の市営住宅7,128からすれば、残り11年間で1,872戸を建設しなくてはならず、年間にすれば170戸の建設が必要です。
このマスタープラン自体が、政令市と比較しても低い計画ですから、これがますます遠のいていき、とても市民要望に応えられません。
 現在の国庫補助負担金頼みでは、計画は遅々として進みません。思い切った打開策が必要です。特優賃や民間住宅の借り上げを大幅に増やして対応することが必要ではないでしょうか。また、高齢者や障害者住宅については、いつも応援か多数となっており、需要に応えられていません。
 実態調査を行い、それに見合った計画を策定することが必要ではないでしょうか。お答えください。

7、土地処分について
 処分するにあたっては、千葉市財産処分審査委員会が承認したとのことですが、土地は市民の財産ですから、その活用については、市民の声を反映することが必要です。委員会に市民は含まれていないとのことですが、それでは、この委員会は公開されているのでしょうか。また、その議事録についてはどうでしょうか。お答えください。
 さて、この土地の処分にあたっては、先ほど説明がありましたが、今から19年前にこの土地を千葉市が民間に貸し出し、今日に至り、民間から施設を安定的に運営したいから譲渡してほしいとの申し入れがあり、市は、これを承諾したとのことでした。当初は、民間活力を利用した形で、千葉市にとっては、有効な土地活用であった様子です。
 しかし、現実には土地を貸すといっても、そこは民間が建物を作るわけですから借地権が発生しますし、千葉市がその土地を利用したいと思っても実際には無理なことです。
 そして、今回のように民間から譲渡の申し入れがあり、それを受けざるを得ないという状況になったというのが、背景にあったのでは、ないでしょうか。
 今、消費生活センターや少年自然の家はPFI制度、そして千葉駅西口再開発では、特定建築者制度、第六地区の民間活力の導入等が進められています。そこで伺いますが、都市整備の手法として、このように国の政策により、むやみに民間活力を利用し、市の土地に民間の権利が発生し、市の土地が自由に使えなくなるというケースを次々に作っていくのは、問題ではないでしょうか。
 以上、お答えください。

8、市民球技場新築工事について
 この工事にあたっては、スポーツ公園との整備期間と工事区域が重複のため、関係工事の調整を適正かつ迅速に行う必要があったこと。また、類似施設の施工実績があって、委託であるため市の職員を増やさなくてよいからというメリットばかりが強調された経緯があります。
 そして、委託で市内の中小企業の参入は可能なのかと質したのに対し、それも可能とされてきたわけです。
 もともと、こうした大規模公共工事については、地域の業者に対して仕事を確保するという役割があり、これが達成されなければならないものです。
 ですがら、今回のように都市再生機構に委託したけれども、工事は2か月遅れる。そして、市内の業者や中小業者はどの位、仕事が取れたのかも把握していないのでは、その役割は果たされていません。
 既存施設の解体に時間がかかったと言われましたが、これは、この工事を呼び込んだJFEの責任も大きいのではないでしょうか。こうした結果から見れば、この事業を都市再生機構に委託したということは、市が言ってきた当初の目的は、達成されなかったのではないでしょうか。
 さて、中小業者への仕事確保は明確にされませんでしたが、それでは今回の工事におけるJFEの仕事確保は、どの位あったのでしょうか。その内容についてうかがいます。
 球技場の安全性についてですが、工事からの排ガス等に対しての調査は、JFE任せになっていますが、多くの市民が利用することになり、その対策が必要となってきます。そこでうかがいます。
 1に、現在のままで、排ガスが続く中で市民には影響がないのでしょうか。
 2に、安全柵を設けるとのことですが、どんな場合に、これが役立つのでしょうか。お答えください。