中村きみえ議員の
代表質問に対する答弁(要旨)


2004.12.10
【鶴岡市長】
○ 地方分権と政府への対応について
 「三位一体の改革」は、国に依存しない「真の地方分権」確立の取り組みで、地方税財源充実強化が最も大切だ。そのための所得税から個人住民税への税源移譲は意義深いもの。H18年度までの安定的な地方財政運営に必要な地方交付税と地方税による一般財源総額を確保するとしたことは評価している。

○ 子育て支援など基本施策について
 私が市長就任以来、少子化対策として子育て支援を重点分野に位置づけ取り組んできた。保育所整備、乳幼児医療費助成では現物給付と年齢拡大を実施、保育ママ・ファミリーサポートセンターの運営、子どもルームの整備、子育てリラックス館の設置など、自治体としての支援策を推進してきた。その他、福祉施策も高齢社会への対応、保健福祉センター整備など「新5か年計画」で対応を図っている。
 「次世代育成支援行動推進行動計画」への市民の意見は、既に実施したアンケート調査や今後予定しているパブリックコメント、各区での説明会により反映していく。各区の説明会は、子育て中の方も含め市民が参加しやすいように実施したい。計画策定は、児童福祉専門分科会に育児サークル代表、子ども会、企業・労働者の代表など6人に臨時委員として参加してもらい、うち4人は女性で子育て中の方もいるので幅広い観点で審議できると考える。保育計画は、市全体の保育需要を把握し、待機児童解消を図るものだが、算定は町丁別・区別にまとめて将来推計したもので、地域の実情を反映したものだ。

○ 「花の都・ちば」について
 H15年度からシンボルの大型の花のトピアリーをJR千葉駅と海浜幕張駅の駅前広場に設置し、訪れる方々の目を楽しませている。公園や街路樹桝、道路に面した民有地に市民主体の花壇づくりに花苗を提供し、継続的な申し込みと新規団体の増加など好評で、着実に市民に浸透している。「花の名所づくりと花の歳時記」事業は、H15年度に千葉公園内にボタン園・シャクヤク園の充実、今年度は花島公園内にスイセンとヒガンバナを植えるなど、季節感あふれる花の名所づくりを推進し、花の名所に関する情報収集・提供に努めている。

○ 市民とのパートナーシップについて
 私は以前から、市の職員は市民の中に入って直接声を聞き、行政としてできることは何かを考えたいと思っている。だから一期目で「しっかり聞いてじっくり実行」を掲げ、H13年度に区民懇話会を始め、意見を市政に反映する仕組みをつくった。今年11月は、パブリックコメントを制度化し、第2次5か年計画原案や様々な事案に広く意見を聴取しているところだ。最近も職員には「市民の目線で考え、行動するよう」話しており、今後も議員や市民の声に耳を傾け、市政運営に取り組む。「しっかり聞いてじっくり実行」は、現在でも私のモットーとしている。

○ 第2次5か年計画と大型公共事業について
 計画策定にあたっては、9月の1万人市民アンケートや議員の要望など総合的に検討し、限られた財源で市民ニーズや新しい行政課題に対応したものにしたい。本市が進める大規模プロジェクトは、都市機能の更新や都市基盤整備が目的で、魅力あるまち・税源の涵養・市民の就職の場創出につながるもので、市の将来のため、今後も推進していく。
 「見直し委員会条例」の制定は、国交省の補助事業についてはH10年度に「市公共事業再評価委員会」を設置し再評価している。大規模プロジェクトを含む重要な施策は、新5か年計画に位置づけ、社会経済情勢の変化をとらえ、計画の見直しを含め効率的・弾力的運用に努めている。予算編成にあたっては、事務事業の見直しと共に、緊急性・重要性の観点から事業を厳選しているので、改めて委員会の設置は必要ないと考える。

○ 指定管理者制度について
 既存施設は現在、庁内で制度導入の可否の検討を進めている。制度を導入するとした施設は、設置管理条例の改正議案の提出や市政だより・ホームページ等で指定管理者の募集・選定等の情報を公開していく。千葉市は「住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設」との「公の施設」の設置目的を損なうことなく、市民サービス向上と効果的・効率的管理運営ができると見込まれる施設は、制度を導入していく。外郭団体への説明は、所管の関係課に制度導入の基本的考え方を説明し、外郭団体の役員と事務局長等にも同様の説明を行ない、導入への準備を指示した。今後、民間事業者との競合に耐えられるよう市民サービス向上や管理経費削減など経営努力について指導していく。

○ 男女共同参画の推進について
 男女共同参画苦情処理受付件数は、11月末で8件あり、いずれも関係機関の照会など情報を提供して処理を完了した。男女共同参画社会実現には、まだ様々な障壁があり、その対応の1つとして始めたが、より有効に活用されるよう制度のPRに努める。市・市民・事業者が協働する必要があり、特に事業者の役割は大きく、施策が求められているので、入札の際の要件に取り組み状況を入れる件は今後研究していく。市として男女共同参画社会基本法、千葉市男女共同参画ハーモニー条例に基づき男女共同参画社会実現を目指していく。

○ 地球温暖化対策について
 「市地球温暖化対策地域推進計画」等で温暖化対策推進のため、温暖化対策費3,500万円、その他関連部局が連携し、普及啓発事業・支援事業を実施している。例えば、建築部で太陽光発電施設設置の補助金1,280万円などで、H15年度は温暖化対策関連事業として38課175事業を実施した。
 市内事業所・企業の対策は、関係法令と「公害の防止に関する協定」「地球環境保全協定」で推進している。地球温暖化対策地域協議会でアクションプランを策定し、事業者の自主的取り組みを進める。数値目標での指導は、国などの動向や地域推進計画の状況、協議会活動の状況などを踏まえ今後の課題としたい。千葉市の温室効果ガス排出量が増加しているのは業務部門、運輸部門、家庭部門で、その原因は都市化による事業活動の拡大、生活水準の向上、ライフスタイルの変化等でエネルギー使用量が増加したからだ。対策は、計画に基づき省エネ機器の整備、低公害車の普及、エコドライブの奨励、地球環境保全協定や環境家計簿の普及など、事業者や市民を対象に対策を進めたい。

○ 商店街の活性化について
 千葉市の顔でもある中心市街地の賑わいと活力創出を目指し、千葉都心イルミネーションや大道芸フェスタ等のイベントを開催し支援している。また、市の市街地活性会基本計画でTMOが実施している、商店紹介の情報ガイドマップ作成、中央公園のオープンカフェやハンギングバスケット設置など各種活性化事業に支援している。

○ 平和行政・自衛隊派遣について
 自衛隊派遣は、イラクの復興支援・人道支援のためで、外交・防衛上の問題であり、国の専管事項だと認識している。世界の恒久平和の願いは、いかなる事態でも変わらない。

【小島助役】
○ 新潟県中越大震災について
 市の地域防災計画では、危険地域として「急傾斜地崩壊危険箇所」を防災マップに掲載し、市民に危険情報を提供している。今後も県と連携し危険箇所等の把握と対策に努める。災害時の防災活動の円滑化へ、市や防災関係機関・自主防災組織が訓練を実施している。H15年度は175の小中学校で、地震・火災等を想定した避難訓練を、青葉病院・海浜病院では通報・避難訓練を、61の保育所で地震・火災等の避難訓練、48の子どもルームは避難訓練を実施した。事業所での避難訓練は特に把握していない。避難生活環境整備のため公共施設の耐震工事は重要だと認識している。今後も財源確保に努め計画的に耐震診断・耐震補強工事を進めていく。災害弱者の安否確認を個別に対応するシステムは、今後の研究課題とする。自然災害で市独自に個人財産を補償することはた政令市では実施しておらず、千葉市も難しいが、一定の条件化で災害見舞金支給や市民税等の減免措置を実施している。

○ 公平・公正な市政について
 今回の事件で、前県議の滞納税は本税・延滞金はすでに全額徴収され、市への実質的な損害はなかった。元職員等が独断で行なった不正行為であり、氏の組織的関与は一切なかった。市長は、最も公正・公平であるべき税務行政の信頼を損ねた監督者としての責任を十分感じており、私も同様だ。市として不正免除や特別処分を調査・検証しており、第3者機関の設置は考えていない。

○ 指定管理者制度について
 市の新斎場使用料は、市民サービス向上や環境への配慮から施設が大幅に拡充整備され、他の政令市との均衡を考慮し最低限の経費を負担してもらうもの。

○ 塩漬け土地について
 土地開発公社の長期保有地の活用では、15箇所・約14,000?を暫定的に駐輪場や花畑に利用したり、花壇づくりに貸し出すなど活用に努めている。土地開発公社の役割は、用地の計画的取得や公共事業の円滑化の役割を担っていて、地価下落局面でも必要だと認識している。今後は、財政の健全化のため債務負担行為の抑制に努める。長期保有地の管理に係る情報公開は、市民の開示請求があれば公開している。保有状況は、決算書の付属資料で市政情報室にて情報提供しているが、わかりやすく提供するよう努める。

○ 官公需と中小企業対策について
 千葉市は従来から市内中小企業者の優先指名を基本としている。今後も市内業者の育成・受注機会の確保に努める。

○ ほうゆう学園について
 鳳雄会からの「不正な取引はなかった」との報告書を市として認めてはいない。引き続き指導していく。児童養護施設へは元児童相談所長で心理士でもある経験者を配置した。また、職員も2年以上の施設経験者2名配置し、4月には経験者1名を配置予定である。施設運営面でも入所児童の処遇や職員体制などを確認し、必要な指導を行っていく。施設の信頼を回復するために、県内の児童相談所長会議で、理事長と施設長が説明し理解を求めたが、今後も指導していく。一時保護への対応は、昨年度の実績から今年4月より定員20を29人に拡大し、職員体制も拡大した。予算も前年度比5.47%増えた。児童虐待など多様化する相談への対応は、児童福祉司・心理半定員等合わせて5人増員し、虐待対策課仮を設置するなど体制充実に努めている。

○ 国民健康保険について
 区役所では、常時納付相談に応じるほか、職員が休日の臨戸徴収の際にも納付相談を行っている。特別徴収嘱託員の臨戸徴収時も、区役所の納付相談を利用するよう促している。この11月からは区役所で夜間相談窓口も開設した。

【林助役】
○ 新潟県中越大震災について
 耐震診断助成は、中越地震以降、耐震診断の相談や職員が実施する簡易耐震診断の件数が増加しており、今後助成制度への申請件数も増えると期待している。住宅の耐震補強工事への助成制度は、現行の耐震診断適用住宅に利子補給に加え、耐震改修への新たな助成制度も検討している。

○ 都市再生・蘇我臨海開発について
 蘇我臨海開発の事業推進にあたり、国・市・JFEの役割分担や各費用負担を定め適切に実施しているもの。ハーバーシティは、大型店が出店すれば広範囲に市外からも客が増加する。また、新たな雇用創出も図られる。だから、地元商店も商圏が拡大し、購買力も増えるなど効果が期待できる。
 千葉駅西口再開発事業は、駅前の景観や環境に配慮した整備と有効活用を権利者等の意見も踏まえ検討し、ポテンシャル向上をめざす。市民懇話会は考えていない。引き続き計画に基づいて事業を推進する。
 中央港土地区画整理事業は、魅力ある千葉都心づくりに有効な事業として位置づけ、取り組んできた。地元中央港地区街づくり協議会から、一部居住機能を導入し職・遊・住が混在する街づくりが出来るよう、計画の変更が提案されたので、市内部で十分検討。都市計画審議会の決定を受け、計画決定手続きを進めている。今後も事業を着実に実施していく。

○ 官公需と中小企業対策について
 千葉市は消費地の中の生産地という立地条件を生かして、新鮮で安全な農産物が供給できるよう、観光農園の整備に助成してきた。また、地元の観光土産物品を推奨し、ホームページや観光ガイドで紹介するなどPRしている。今後も地域資源を活用して、地域活性化を図っていく。

○ 産業廃棄物処理について
 市内で発生する産業廃棄物量は、H11年度の実態調査では年間約643万トンだ。発生抑制などの指導では多量排出事業者に、廃棄物処理法で義務付けられている処理計画・実績報告書により、必要に応じて指導・助言し、その他事業者には立ち入り検査などの機会に減量化を指導している。新港地区は、都市計画上の用地指定が工業専用地域であり、産業廃棄物処理施設でも立地規制等の制限がない。しかし、食品会社や市民の心配は真摯に受け止め、衛生・安全面に充分配慮するよう指導していく。

○ 商店街の活性化について
 現在、支援策として「商店街販売促進支援事業」で、商店街のポイントカード導入の際の情報機器購入経費を助成している。加盟店への支援は今後の研究課題としたい。

○ 市営住宅について
 住宅マスタープランは長期的な目標を定めており、多少遅れはあるが、国庫補助金など必要な財源を確保しながら目標達成に努める。特優賃や民間住宅借り上げの目標値は、国の動向を見ながら検討していく。老朽化住宅の改修繕は、汲み取りトイレの水洗化を今年度大宮町第2団地で進め、順次解消していく。バリアフリー化は、現在白旗団地で室内の段差解消や手すりの設置など改善している。その他の修繕も必要に応じて実施していく。高齢単身者向け住宅は、建替え時に高齢単身者の入居可能な1LDKや2DKタイプを従来より配慮し整備している。既存住宅では、バリアフリー化の改修で入居可能な整備を行っている。

【教育長】
○ 新潟県中越大震災について
 給食室の耐震工事は、児童生徒の安全確保を優先し、H9年度より計画的に校舎棟の耐震補強工事を実施しており、給食室も校舎棟工事に併せて実施している。

○ 子どもの安全について
 通学時間の安全確保は、地域ぐるみで子どもを守り、育むことを基本に「幼児・児童・生徒の安全確保に対する緊急マニュアル」で取り組んでいる。学校でも、PTAや保護者会・地域の協力で交通安全指導やパトロールを実施するなど、学校・家庭・地域一体で活動している。

○ 教育基本法改正について
 教育委員会は、教育基本法の理念に基づき教育行政を推進している。法改正は、国の動向を注視しているが、国法なので見解は差し控える。

○ 少人数学級について
 千葉県はH16年度から小学校1・2年生で38人学級編成している。市でもH13年度から独自に、小学校1年生で36人以上の学級で少人数学習指導教員を配置している。また、今年度から小学校2年制まで広げきめ細かな指導で教育効果を上げている。県教育委員会へは引き続き要望していく。