中村きみえ議員の代表質問


2004.12.10
 日本共産党の中村きみえです。会派を代表して質問を行います。
1、市長の政治姿勢について
 まず、はじめは新潟県中越大震災についてです。
震度7の強烈な地震後、震度5強の余震が相次ぎ被害が拡大しています。被災された方々に対し、心よりお見舞い申しあげます。避難生活の方が、一日も早く日常生活を送れるよう願っています。
 私は、地震の救援活動として11月に3日間、現地にボランティアとして伺いました。小千谷市では、山間部の木造の家屋が、かわらの重みでつぶれた状況を目の当たりにし、被害の深刻さに同行したスタッフが皆、言葉を失いました。
 主に、長岡市の高町団地という高台にある戸建てに、日本共産党に全国から寄せられた物資を届け、片付けの支援をしました。水道やガスが止まり、被災者の方は洗濯や食事もままならず、避難勧告のため貸家や避難所で寝泊りの生活でした。初対面だった私達の支援を快く迎え入れてくれ、ボランティアによるトン汁などの温かい食事がどこでも喜ばれていました。
 現地は、建築専門家による住宅の危険度判定を終えたばかりでした。相次ぐ余震で家の脇の8メートル道路が崩落し、玄関先が宙に浮き、危険宅地と指定されても、2世帯同居のため所得制限があり、行政の支援ができないと言われ、途方にくれ、憔悴しきった様子でした。
 支援活動をする間にも、夕方、深夜に連日余震を体験し、恐怖感に怯える被災者の気持ちが身にしみました。今回の地震では、経済的にも肉体的にも精神的にも厳しいものだと痛感しました。
 千葉市では、今回の地震が起きる前に、避難所となる体育館の壁などが落下し、緊急の対応に追われ、耐震診断したのは市内で4箇所しかありません。自然災害に 強いまちづくりを求めていくために、以下伺います。
 1に、被害を最小限に食い止めるため、危険地域の調査の実態、箇所の把握や対策についてはどうか。
 2に、避難訓練の実施についてですが、公的施設(学校、病院、保育所、子どもルームなど)での避難訓練の実態と地域や事業所での避難訓練の現状について伺います。
 3に、昨年から始まった家屋の耐震診断の実績と、新潟県中越大震災以降に実績がどのように推移しているのか、お答えください。
 4に、耐震補強工事には、横浜市のような住宅助成制度を設置すべきです。お答えください。
 5に、避難生活環境整備についてですが、学校の特に体育館、保育所や公民館、コミュニティセンターなど、耐震工事を前倒しして補強が急がれます。市としての対応を求めます。
 6に、高齢者や障害者への対応についてです。今回は地震発生時に携帯電話が使用できませんでした。安否確認の際、災害弱者への個別の対応を具体的にシステム化することを求めますが、見解を伺います。
 7に、学校の給食室を利用し、地域住民に食事を提供することが重要です。千葉市の給食室の耐震工事を急いで行うことを求めます。
 8に、災害見舞金補償制度を拡充し、被災した住宅改修支援など個人補償を市独自でも制度化すべきではないですか。お答えください。
 基本姿勢の第2は、鶴岡市長3年5か月の市政運営の特徴と問題点についてです。
 就任以来3年5か月が過ぎた鶴岡市長の、この間の市政運営の特徴と問題点について質問と提案を行います。
 最初に、H13年7月第1回臨時会での所信表明以来、今日までの鶴岡市長が進めた内容は次の通りです。 
 1つは、地方分権と政府への対応についてですが、小泉構造改革を全面評価し、三位一体改革では、H16年度の歳入が87億円減額したにもかかわらず、「基幹税目が移譲された」と評価しました。また、政府の市町村合併の押しつけを全面的に受け入れ、四街道市との合併を進めましたが、四街道市の住民投票で頓挫しました。
 2つに、基本施策の特徴では、新総合ビジョンに基づく新5か年計画に位置付けられた施策を推進し、(1)環境・少子高齢化への対応では、子育て支援を重点に。(2)都市イメージの確立では「花の都ちば」の取り組み。(3)都市再生の取り組みは、業務核都市の3都心を重点に、蘇我臨海開発、中央第六市街地再開発の推進。(4)パートナーシップに基づく参加と協働を基本として、「じっくり聞いて、しっかり実行」をモットーに進めてきました。
 3つは、公正・公平な市政の確立については、花沢三郎前県議の滞納税不正免除事件では、公正な納税がゆがめられ、地方税法違反の「特別処分」の実態や、花沢県議と鶴岡市長の特別な関係、組織ぐるみの疑惑などが深まっています。また、児童養護施設「ほうゆう学園」問題に対して、法人認可権者としての責任が問われています。
 以上、明らかにした特徴と問題点の上に立って質問します。
 第1に、地方分権と政府への対応についてうかがいます。
 政府与党は、11月26日「三位一体改革」の全体像を決定し、国庫補助負担金の廃止・縮減を2005年・2006年度で、2兆8,380億円と地方交付税削減の方向を明確にしました。
 焦点となっていた義務教育費の国庫負担金は、2年間で8,500億円削減するとしたのは、憲法が保障する「国民が等しく教育を受ける権利」を財政面から危うくするものです。
 生活保護費の国庫負担金削減の結論は先送りしたものの、2005年度中に結論を出すとしていることは重大です。
 とりわけ、地方交付税は2005年度以降も削減の方向が示され、年末発表の政府予算案に来年度の交付税額が委ねられていることは、自治体の財政運営をいっそう厳しくするものです。税源移譲は、おおむね2兆4,160億円で、政府目標の3兆円にも届いていません。
 千葉市は「三位一体改革」で、H16年度87億円の収入不足となり、地方6団体による補助金カット案の千葉市への影響は、40項目・67億7,761万円にもなります。このままでは、千葉市の財政運営は危機的状況となり、市民サービスの後退は免れません。質問しますが、
 1に、「三位一体改革」は、国の歳出カットが狙いであり、地方財源切り捨てが鮮明になりました。この事実を認められるでしょうか。
 2に、鶴岡市長は政府に、地方交付税の総額について平成16年度の大幅削減以前の水準が確保できるよう措置を求めるべきですがどうでしょうか。
 3に、鶴岡市長は「三位一体改革」への「評価」を改め、「三位一体改革」に反対して、地方自治と千葉市財政を守るべきと思いますが、お答えください。
 第2に、基本施策の特徴と問題点についてうかがいます。
 鶴岡市長は、就任以来「新総合ビジョン」に基づく「新5か年計画」の重点7分野にとりくみ、環境・少子高齢化への対応では、ハードよりソフトの重視を強調し、里山の保全や子育て支援を重点に一定の施策の前進がありました。しかし、乳幼児医療費無料化の現物給付をしたものの、200円の自己負担を課し、年齢を就学前に引き上げをとの要望には応えていません。
 子どもルームの建設も「全校配置」とはほど遠く、保育料も値上げ、保育所の建て替えは進まず、土気保育所民営化など行政の責任を後退させています。子ども家庭部に見合う予算総額は、H13年度127億8,600万円、H15年度166億6,700万円です。質問しますが
 1に、鶴岡市長は、子育て支援を本当に重点とするのであれば、公立保育所は今後も直営で実施する。乳幼児医療費200円の自己負担廃止と年齢を計画的に就学前にひきあげる。子どもルームの全校配置。児童館の計画的設置。など実施すべきではありませんか。
 2に、鶴岡市長の子育て支援の予算は、前市長時代に比べ39億円の増額ですが、深刻な少子化のなかで、子どもを生み育てやすい環境を抜本的に整備して、「子育てなら千葉市」と言われる優れた施策実施のために、予算をもっと重点的にあてるべきと思いますがお答えください。
 3に、少子高齢化対策など、福祉行政の予算を政令市平均ぐらいまで引き上げることを提案します。平成15年度決算額が現在の764億円の民生費を一人当たりの額が政令市平均と同額にするためには1,045億円に引き上げる必要がありますが、市政の重点を福祉施策に転換することを求めます。答弁をお願いします。
 第3は,千葉市の都市イメージ「花の都・ちば」の確立についてです。
 鶴岡市長は、「花の都ちば」への取り組みに力を入れています。最近、小学生が花を育てたり街路樹の枡に花が植えられ、市民の努力に心が和みます。市民は皆、花が好きでしょうし、私たちも「花のあふれるまちづくり」に異論はありません。しかし、市民からは「駅前に飾ったトピアリーは排気ガスでかわいそう」「ハンギングバスケットに一日3回も水をかけるのには参った」「花いっぱいというのに坂月川ぞいの菜の花レーンは手入れがされず草だらけ」など批判があります。そこで質問しますが、
 1に、花を目立つ所に置いたり、「花いっぱい」を市民に押しつけることは中止すべきでないでしょうか。
 2に、「花は自然の中に咲かせる」ということに方針を転換し、新しく植えるばかりでなく、市内にたくさんある花の名所を発掘し、育成に力をいれるべきではありませんか。
 以上お答えください。
 第4は、都市再生への取り組みについてです
 鶴岡市長の街づくりは、業務核都市3都心を重点に、新5か年計画に無かったサッカー場を急きょ入れて、蘇我臨海開発と新たに中央第六市街地再開発を急速に推進しています。「ハードからソフトへ」と言いながら、実態は、前市政以上に大型開発を推進させています。ちなみに、蘇我臨海開発・中央第六市街地再開発・千葉駅西口再開発・中央港土地区画整理事業の合計額は、H13年度決算の27億5,000万円に対して、H15年度決算は117億5,000万円と4倍以上に増えています。
 都市再生の1は、蘇我臨海開発についてです。
 1つに、国と市で1,000億円近い投資をして、至れり尽くせりでJFEを応援しています。大阪の堺市は、同じ工場跡地の開発を行政は負担せず、企業側の負担で進めているのと比べ、大変な違いです。今からでも行政負担を減額する手立てを講じるべきではないでしょうか。
 2つに、蘇我臨海の商業施設「ハーバーシティー」がオープンすれば、中央商店街をはじめ市内商圏に多大なダメージを与えます。なぜ、行政が多額な市民の税金を投資して、一企業の利益を擁護し、一方で多くの市内商店街にダメージを与えるのでしょうか。お答えください。
 また、市当局やJFEは、「相乗効果で他の商店街も活性化する」と言いますが、その根拠は何でしょうか。「ハーバーシティー」の見直しをして、市内商店街にダメージを与えずに雇用が増える産業立地はどう考え、提案されるのかお示しください。
 都市再生の2は、千葉駅西口再開発についてですが、14年間で518億円も注ぎ込みながら、空き地が広がっています。日本共産党市議団が98年に、駅前広場とA1棟だけにとどめ、当面は買い上げた遊休地を多目的広場などに利用し、市民や若者が集まる活気ある利用をと提案してきました。当局は、拒み続けてきましたが、最近やっと市有地の有効利用を言い出した事は一歩前進です。
 党市議団は、遊休市有地の有効利用について、アンケートなどを行い意見を聞いてみました。その中では空間のスペースを生かして「いこいの広場」にしてほしい、芝生とオーロラ画面の設置、フットサル、屋外ステージ、フリマ開催、など気軽に集える、明るいイメージにしてほしいという要望が出されました。
 そこで、若者や市民を集めて、遊休地利用者懇談会を立ち上げることを提案します。見解を伺います。
 3は、中央港土地区画整理事業についてですが、「第2の幕張新都心」と銘打って、超高層ビルが立ち並ぶ未来都市を目指していた中央港土地区画整理事業は、その見通しが全く立たずに頓挫しました。日本共産党市議団が長年指摘してきた通りになってしまいました。千葉市は、先に都市計画を変更して、商業業務系の土地利用の中に住宅系の利用を入れ、マンション建設が可能となり、当初計画で宣伝していたメリットは、はじけてしまったわけです。質問しますが
 1つに、バブル経済の時期に立てた計画をバブルがはじけた後も、今日まで議会の指摘も聞き入れず、見直しをしないで多額の資金を注ぎ込んで開発を続け、当初計画を頓挫させた責任をどう感じておられるのか、明らかにしてください。
 2つに、地権者は、商業・業務用ビルからマンションに変更できて喜んでいるのでしょうか。千葉市の発展につながるとして、総事業費が532億円の巨費を投じ、基盤整備した土地ですから、「これで良し」とはならないでしょう。区画整理した土地全部をマンションにするのではなく、市民に約束してきた従業人口21,900人の計画に近づく土地利用をするよう、市当局が指導していくことを求めますが、お答えください。
 第5は、市民とのパートナーシップについてです。
 鶴岡市長は、市民との関係でパートナーシップに基づく参加と協働を基本に、「じっくり聞いて、しっかり実行」をモットーにすると、市長就任時およびH13年7月、H14年3月議会の所信表明で公約しました。しかし、その後のH15年およびH16年の所信表明では言わなくなってしまいました。この間、鶴岡市長はだれの声を「じっくり聞いて」きたのでしょうか。
 市民には、決まったことを押しつけ、私ども市議団や市民が市長に面会を求めても、会うことは皆無に近い状態です。質問しますが
 1に、鶴岡市長はこの間、指定管理者制度、PFI事業、四街道との合併、土気保育所民営化など大事な決定に当たって、ことごとく決定してから了解を求めています。鶴岡市長の市民への対応は、市民関係者の声を聞かずに、上から決まったことを押し付けるものです。鶴岡市長は「だれの声をじっくり聞き」「なにをしっかり実行」してきたのでしょうか。
 2に、「じっくり聞いて、しっかり実行」を、平成15年度およびH16年度の所信表明で、なぜ言わなくなってしまったのでしょうか。
以上お答えください。
 第6は、公正・公平な市政についてです。
 滞納税不正免除事件は、花沢三郎被告に実刑判決が下され、県議会議員を辞職することになりました。世論と良識の勝利と言えます。判決は、花沢被告を「私的利益のために、市や県に損害を加えることなど一顧だにしない、極めて利欲的独善的で酌量の余地など全く無い悪質この上ない犯罪」と断罪しています。市役所に対しては、判決および公判全体を通じて、花沢県議を特別扱いしてきたこと。不正免除への多数の税務部幹部職員などの関わりがリアルに明らかにされ、組織的関与疑惑が一層深まりました。また、「特別処分」の違法性も厳しく指摘されるなど、ズサンな税務行政が事件を引き起こす要因にもなっていたようです。質問しますが
 1に、裁判は、花沢被告が「市や県に損害を与えた」ことに対して、実刑判決を下しています。「市役所に損害は無かった」とする鶴岡市長の今までの主張とは真っ向から反していますが、市長は司法の判断を厳粛に受け止めて、今までの主張を変更すべきと思いますがいがでしょうか。
 2に、裁判の結果、鶴岡市長が言ってきた「私は知らなかった」「2人の職員が独断でやった」の根拠が崩れたと思います。この際、組織的関与疑惑を明らかにすることと、市長自身の責任をはっきりさせるべきですが、いかがでしょうか。
 3に、地方税法違反の「特別処分」に対しても、「知らない」「文書も存在しない、作られた経緯も分からない」と無責任な態度に終始していますが、裁判の指摘から見ても通用しません。花沢事件で明らかになったズサンな税務行政を、過去にさかのぼってチェックし、公正・公平な税務行政にするため第3者機関の設置を提案します。お答えください。
 第7は、第2次「5か年計画」と大型公共事業の見直しについてです。
 「新5か年計画」の総事業費6,289億円は、2年目にして261億円の事業費不足が生じ、保育所・公民館整備などが先送りされました。その一方、「新5か年計画」にはなかった、サッカー場の本体建設81億円の他に、進入路など今年度までで合計212億円余りの事業を急きょ挿入する等、市民生活後回しが目立っています。
 第2次「5か年計画」は税収不足や「三位一体改革」の影響で、事業費確保は極めて厳しいことが想定され、施策の選択が課題であり、市民生活優先の計画が求められています。質問しますが
 1に、鶴岡市長は、市民要望を尊重した計画を作るといっています。それならば、ファミリーアンケート1位の高齢者や身障者福祉の充実、2位の保健医療の充実、3位のごみや産業廃棄物対策をはじめ、以下25位までの市政の透明化、道路や歩道の整備、消防防犯防災対策の強化、救急医療充実、子育て支援、教育の充実など市民要望を重点とした計画にすべきではないでしょうか。
 2に、現在の「新5か年計画」では、蘇我臨海や中央第六地区市街地再開発などが最優先されています。しかし、ファミリーアンケート1位から25位までの中には「大型開発の推進」を望む声はありません。市民要求にない大型開発優先の計画は思い切って転換するよう提案します。
 3に、今回提出している「千葉市大規模公共事業見直し委員会条例」を制定して、10億円以上の大規模公共事業の見直しを図るよう提案します。

2、総務行政について
 
指定管理者制度についてうかがいます。
 9月の議会で、初めて指定管理者制度が出され、3件が指定管理者となりました。
 今後、350ある施設で検討されますが、公共性の維持ができるのかどうかが問われています。そこで伺います。
 1に、検討段階から、市民にメリット・デメリットの判断材料を情報提供すべきですが、どうでしょうか。
 2に、市民への公的なサービスを維持するためにも、安易な指定管理者制度の導入は避けるべきですが、見解を伺います。
 3に、外郭団体で働く職員の待遇問題は、どのように説明されているのでしょうか。
 労働条件についても維持すべきですが、見解を伺います。
 4に、火葬場の火葬料が、無料から6千円への値上げは、公的サービスを維持し、市民福祉の向上を図る施設にはなじみません。火葬代は無料にすることを求めます。
 お答えください。

3、財政について   
 第1は、塩漬け土地についてです。
 土地開発公社が所有する土地は、H15年度の簿価で360億1,800万円。路線価で108億1,400万円。差額は252億400万円となっています。
 土地開発公社は、今日、土地の価格が下落する中で、その目的である土地の先行取得をする時代ではなくなっています。うかがいますが、
 1に、5年以上使用されていない、いわゆる塩漬土地は306億7,300万円にも及んでいます。これについて、有効な活用を図るべきですがどうでしょうか。
 2に、先進市が行っているように、役割が終われば、公社を廃止する方向が求められるのではないでしょうか。
 3に、土地開発基金、特別会計など多岐にわたる土地保有・管理についても、市民にわかりやすく情報を公開し、提供すべきではないのでしょうか。
 第2は、官公需と中小企業対策についてです。
 今日、地元中小業者は、仕事確保に大変苦労しています。千葉市の中小業者への仕事発注状況は、全官公需の発注率がH15年度は883億円ですが、その内の590億円66.8%にしかなっていません。うかがいますが、
 1に、官公需の中小業者への発注割合を増やし、地元雇用の増加につなげるべきではないでしょうか。
 2に、江戸川区では、伝統工芸などに若者の声を生かした製品を作り、大きな成果を上げています。千葉市も地元産業や観光農園を生かし、さらに付加価値をつけて地域の活性化を図るべきではないでしょうか、伺います。

4、市民行政について
 
男女共同参画の真の推進についてうかがいます。
 今年は、男女雇用機会均等法制定20年目で、男女共同参画社会基本法施行5年が経ちました。しかし、政府の今年の男女共同参画白書で「政治・行政分野・労働分野および家庭内のいずれにおいても男女共同参画の歩みが緩やかである」と、自らその速度が遅いことを認めています。
 経団連などの財界は、男女平等、雇用の機会均等を逆手に取り、企業利益を優先させて、安上がりな派遣やパートでの雇用を増やしたり、長時間労働に女性の労働力を活用しています。その結果、深刻な健康破壊や母性破壊も進んでいます。
 厚生労働省の「平成14年度労働者派遣事業報告」によれば、派遣労働者は212万9,654人で、1999年度からわずか4年間で2倍に増加しています。新日本婦人の会の調査では、産休・育休を想定しない働き方に、約4分の1の方が「意見や苦情を言うところがない」と答えています。
 千葉市では、苦情を受けて解決に当たる「男女共同参画苦情処理制度」の普及が不十分なため、私どもは、議会でPRの充実などを求めてきました。
 さらに、企業が男女共同参画を推進する上で、千代田区では自治体が行う建設工事の入札の資格要件として、男女共同参画の推進状況を報告し、加算する制度が導入されています。従業員に育児休業の延長を定めるなど国基準以上の制度を設けた場合、格付け評価が高くなるということでした。
 また、憲法改正問題では、自民党の憲法改正プロジェクトチームが、家族生活における個人の尊厳・両性の平等を求めた第24条について「家族や共同体の価値を重視する観点から」見直す方向が出されました。
 そこでうかがいます。
 1に、千葉市の男女共同参画苦情処理制度の運用はどう改善し、解決が進んだのでしょうか。
 2に、入札の要件については、千代田区のような制度の導入を検討すべきではないでしょうか伺います。
 3に、鶴岡市長は、男女共同参画を推進する立場で、24条の改正反対を表明すべきですがお答えください。

5、保健福祉行政について
 
第1は、ほうゆう学園についてです。  
 11月30日を期限に、千葉市は行政指導を行いました。児童養護の経験者を4人以上採用し、職員体制の安定化を図ることを求めています。そこで伺います。
 1に、ほうゆう会からの報告書についてです。12月7日の保健下水委員会でも問題になりました。「不適切な取引」はなかったと回答しているなど千葉市の指導を否定していると思われますが、千葉市の対応について伺います。
 2に、職員の採用は確保されたのか。安定的な運営はされているのでしょうか
 3に、他の児童相談所はじめ、多くの子どもを措置して欲しいとの希望は多くあります。しかし、運営の不透明さから措置ができない状況です。ほうゆう学園と他の関係施設との信頼関係は、具体的にどのように改善がはかられましたか。
 4に、児童相談所の一時保護の対応を充実すべきではないでしょうか。
 5に、児童相談所の予算と職員の充実も求めます。
 第2は、国民健康保険についてです。   
 今年度は、10割負担の資格証明書が過去最多の15,398世帯になっています。他市では、こうした世帯に対し、実態を把握しながら相談に応じ、資格証明書の発行を抑えています。千葉市でも、職員を増やして市民の命と健康を守るべきではないでしょうか。お答えください。
 第3は、子育て支援についてです。
 その1は、次世代育成支援行動計画についてうかがいます。
この計画策定に当たり、「子どもの幸せを第一に考え、子どもの利益を最大限尊重するよう配慮が必要」と強調されています。しかし、千葉市の市民の声を反映する機会が残念ながら十分保障されていません。そこで伺います。
 子育てにかかわる現場の職員や父母の代表などを公募したり、公聴会の開催や各区説明会に参加しやすいような対策を求めます。
 その2は、保育計画についてうかがいます。
 保育所の入所希望の数だけで判断せず、待機の実態は地域ニーズを調査・把握し、待機児童の解消を図るべきです。見解を伺います。
 第4は、子どもの安全についてです。
 地域によっては、親が自転車のかごなどに「パトロール中」という表示をし、啓発活動をしたり、犬の散歩がてらパトロールをする等、子どもの安全について地域で見守る動きは高まっていますが、まだ、地域全体のものとはなっていません。
 千葉市では、特に「通学時間」の安全確保について、地域での話し合いが進むよう工夫したのでしょうか。その取り組みについて伺います。 

6、環境行政について
 第1は、地球温暖化対策についてうかがいます。
 地球温暖化防止をめざす「京都議定書」がロシアで批准されたことから、いよいよ 来年2月より正式に発足することになりました。
 これにより、日本は2012年に向けて、国別に決められた温室効果ガスの排出削減目標を達成する義務が生じることになり、「京都議定書」による目標値である、1990年比マイナス6%に向けた取り組みが問われてきます。
 本市でも、今年3月に「地球温暖化対策地域推進計画」を策定し、10月19日には、市・企業者・市民・学識経験者などを含む地域協議会が設立され、推進を図ろうとしています。そこで、うかがいます。
 1に、今年度、地球温暖化対策事業費は、約3,500万円しか予算が組まれていません。地球温暖化対策地域推進計画の実現に向けて、予算と人の体制を強化すべきです。お答えください。
 2に、市内の事業所・企業の対応が特に重要です。数値目標を定めて、指導を行うべきです。
 3に、本市の温室効果ガス排出量は、1990年比で2000年はプラス5.6%に増加していますが、その原因と対策について伺います。
 第2は、産業廃棄物処理について伺います。
 1に、市内で発生する産業廃棄物はどのくらいあり、その発生を抑制する指導はどのようにされているのでしょうか。
 2に、新港地区に産業廃棄物処理場の建設が3か所も予定され、近くの食品会社や幸町団地など、多くの市民から建設反対の声が出されていますが、この地域は産業廃棄物処理場にふさわしい場所なのか、うかがいます。

7、経済行政について
 まず、商店街の活性化についてうかがいます。
 第1は、中心市街地についてです。 
 バブル崩壊後、小泉構造改革が国民の所得と購買力を低下させ、売り上げが減少している上に、大型店の出店ラッシュや深夜営業などで競争が激化し、商店経営に大きな打撃を与えています。特に、千葉市の中心市街地の空洞化対策は喫緊の課題です。
 千葉市と中央区の事業所の推移をみると、1991年から2001年の10年間では、事業所数、商店数、商店の年間販売額の全てが減少し、千葉市全体で、中央区の占める割合が大きかった10年前と比べ、減少率では千葉市平均を大きく上回り、求心力を欠いた状態となっています。
 これは、大型店を市郊外に出店させた結果、人が分散してしまったことも要因です。
 市は、こういう深刻な実態に対し、具体的な取り組みを強力に進めることが必要です。お答えください。
 第2は、ポイントカードについてです。 
 来年2月から、建設業で働く人たちの団体である「千葉土建」がポイントカードの会員となり、加盟した商店を応援しようと準備を進めています。
 今回の「共通ポイントカード」というのは、個々の店が行うものと違い、加盟したお店すべてで利用でき、ポイントがたまると2千ポイントで千円キャッシュバックすることができます。現在、全国展開し、450万人が会員となっているものです。
 初期投資はありませんが、データの配信として、商店側に毎月3千円の費用がかかるそうです。商店主が気軽に参加でき、双方にメリットが大きく、今後の展開が期待できます。そこで、千葉市でもまず、商店の活性化策として、商店側の負担分を助成する制度を提案しますが、見解を伺います。

8、都市行政について
 
市営住宅について伺います。
 人口の増加や長引く不況のもとで、市営住宅入居希望者は年々増えているにもかかわらず、入居できるのは5〜6%程度、中には10回以上申し込んでも入居できない方もいます。2003年度も高い倍率で25倍にもなっています。
 市営住宅管理戸数は約7,081戸、そのうち築30年以上が50%以上あります。窓枠に隙間があり、毛布で応急処置をしたり、畳がボロボロ、トイレが汲み取り式、お風呂がないなど、とても公営住宅法にある「健康で文化的生活を営む」状況ではありません。市営住宅への入居を希望する市民の願いに応えるべきです。そこでうかがいます。
 1に、市の住宅マスタープランを達成させるために、年間178戸が必要となります。その実現には大幅な予算の確保と特優賃や民間住宅の借り上げの数値目標を示し実行していくべきですが見解を伺います。
 2に、老朽化した市営住宅の改・修繕は、汲み取り式トイレやバリアフリー化も含め早急に整備し、入居希望者に応えるべきです。
 3に、高齢単身者の入居希望が増加しています。高齢単身者向けの住宅を、市営住宅の新築や建て替え計画に位置づけ、また既存の住宅にも整備するよう検討すべきです。お答えください。

9、建設行政は、今回は見送ります。

10、教育行政について
 
第1は、教育基本法の改正についてうかがいます。
 来年早々にも、教育基本法の改悪案が国会に上程されようとしています。改正案では、現行法第1条の「平和的な国家および社会の形成者」の育成を「教育の目的」から削り、「目標」に「国際社会の平和と発展に寄与する態度の涵養」を入れ、日本の平和を目的にも目標にもしないというものです。
 さらに、第3条「教育の機会均等」では、すべての国民の教育を受ける権利をなくし、教育期間の年数の弾力化で、早期に差別・選別する教育を加速させることにつながります。こういった改正内容では、本来の教育の目的を果たすことができなくなると思いますが、教育長の見解を伺います。
 第2は、少人数学級についてです。
 教職員が、子どもとの触れ合いや効果的な授業の運営を企画する、時間的な余裕を持てるようにするには、少人数学級が急務です。少人数学級を行った鳥取県、山形県、埼玉県志木市、浦安市などでは、生活面、学習面での効果も上がっています。
 少人数学級を実現するためには、県との協議と同意が必要ですが、これを千葉県に認めるよう千葉市独自で働きかけるべきです。お答えください。

11、平和行政について
 鶴岡市長は、就任当初の議会質問に、「憲法の恒久平和の理念と基本的人権を尊重していく」と答弁しています。
 イラクのファルージャでの、米軍による市民虐殺で犠牲者は6千人に及ぶといわれる中で、イラクから軍隊を撤退したり、撤退を表明する国が相次いでいます。
 日本の自衛隊派兵は、12月14日に期限切れでした。各紙の世論調査でも、6割の国民が自衛隊の即時撤退を要望する中で小泉政権は派兵を継続してしまいました。
 鶴岡市長も、平和を求める立場から、自衛隊の撤退を政府に求めるべきですが、お答えください。以上で1回目を終わります。


(2回目)
1、三位一体改革について
 
答弁では「三位一体改革」について、「税源移譲の決定を意義深い」とし、全体像についても評価をしていますが、今日では、「三位一体改革」は地方切り捨てが明らかです。鶴岡市長も、八都県市首脳会議で座長を務め、地方税財源に向けた取り組みについては、「三位一体改革」について「地方の意見を考慮することなく、国が一方的な見直しを行った場合は、法定受託事務の返上など重大な覚悟を持って対応する」としています。さらに千葉市では、平成17年度予算編成にかかる基本的事項の中で収支不足を192億円と見込んでいます。これに「三位一体改革」による削減で200億円を大きく超える収支不足となり、平成17年度以降の見通しは暗く、極めて不透明です。かつてない困難な予算編成だと当局も答弁しています。そこで伺います。
 このような、八都県市首脳会議での決意を実現するため、国に対し、十分な税源移譲、国庫補助負担金の確保を求め、とりわけ普通交付税を平成16年度減額された、84億円を元に戻すよう強く求めていくのか、お答えください。
 また、国の歳出カット、地方財源切り捨てのための「三位一体改革」に反対して、千葉市財政を確保し市民生活を守るために力を注ぐべきではないでしょうか。お答えください。

2、基本施策の特徴と問題点について
 
市長は「環境・少子高齢化」「子育て支援」を重点にと掲げて行ったとしていましたが、これで本当に優先されてきたのでしょうか。
 市長就任後、子育て支援策の新規事業は、エンゼルヘルパーなど20数項目ありますが、予算総額は13億円で重点と言うほど予算を使っていません。
 高齢者対策では、平成16年度予算で敬老乗車券の削減、祝い品の廃止、はりきゅうマッサージ券削減などを強行し、介護保険料は値上げ、利用料の減免は拒否しています。地域経済の活性化といいながら、商工費の平成12年度約192億円に比べ平成15年度決算は、約119億円と約73億円の減額です。同じく環境保全部決算は、4,655万円減額で、教育費の小中学校費は約65億円も減額となっています。
 その一方で、都市再生への取り組みでは、蘇我臨海・千葉駅西口・中央第6地区・中央港地区4事業の合計は、13年度27億円、15年度117億円と前市長に比べ90億円も増えています。
 この数字を見ても、鶴岡市長の市政運営の重点は、子育て支援や福祉、環境、商工、教育よりも大型開発優先は歴然です。前市長よりも大型開発優先となっています。
 市民は、大型開発よりも、子育て支援や福祉・教育・環境・市民生活の充実を強く望んでいることは、市民1万人アンケートの結果からも明らかです。
 この際、市政運営の基本を福祉・教育・環境など、市民の要求に応えて転換すべきです。お答えください。
 そして、徹底した「行政改革」に取り組むのであれば、「大規模公共事業見直し委員会」の設置を重ねて求めます。
 基本施策の第2は、都市再生についてです。
 蘇我地区の開発では、約1,500億円以上の事業費で「税源の涵養と市民の就業の場の創出」というのであれば、雇用は何人、税収はどの程度見込めるのか、数字で明らかにすべきです。お答えください。
 基本施策の第3は花沢問題についてです。
 市税免除事件で、市民の税務行政への不信感は募っています。答弁では「実害はなかった」「組織的関与は一切ない」と言いますが、鶴岡市長の責任は重大です。
 まず、この問題で市長自らが答弁せずにいること自体、全国的な問題となっている花沢問題について、市長の政治姿勢が問われます。市長がその責任について、自らの姿勢を明らかにするべきです。市長の答弁を求めます。
 かつて、自治省の税務行政の課長として、地方自治体の税務行政を指導する立場だったのではありませんか。国から不適切だと指摘された「特別処分」という地方税法にない制度までつくり、税免除をしたのであって、「知らない」との答弁は市長として説明責任も問われます。市民も納得していません。お答えください。

3、子育て支援について
 子育て支援策をルル述べられ、昨日自民党への答弁では、市長の英断として保育ルーム単独助成をアピールされました。これを否定はしませんが、今、市民が望んでいるのは、経済的負担の軽減や公立保育所の設置など、市が責任を持った運営を求めています。「子育てしやすい自治体」といわれる江戸川区では、乳児養育手当、乳幼児医療費就学前まで無料、幼稚園の保育料では公民格差を是正する補助制度があり、経済的な負担が軽減されています。
 「合計特殊出生率」も千葉市が平成14年1.22に対し、東京都が1.02の中、江戸川区では1.37と高くなっています。市民1万人アンケートで、千葉市の子育て支援を「充実している」と答えたのは18.7%ですが、江戸川区では9割の親が「子育てしやすい」「楽しい」と答えています。
 子育てしやすい環境を重視するなら、保育の公的責任を果たすことや、他市と比較しても最低レベルの乳幼児医療費助成制度を拡充するべきではないですか。お答えください。

4、ほうゆう学園について
 
7日の保健下水常任委員会では、「ほうゆう会」の報告書への批判の声が上がり、市は「もう少し指導させてほしい」と新聞報道もされています。では一体、何が問題であり、具体的にどのように指導していくのですか伺います。あわせて、いつから子どもたちを受け入れようと考えているのかうかがいます。

5、地震対策について
 
先ほどの答弁では、住宅助成制度について検討をしていると言うことでしたので、ぜひ実現を求めておきます。
 さて、今回規模の地震が、千葉市で発生したら何をすべきか、市の明確な方針を打ち出し、災害に強いまちづくりの実現に向けて、具体的な対策を打ち出す必要があります。現地で、私も災害弱者への支援の難しさを実感しました。物資の提供を宣伝カーで回り呼びかけましたが、出てくる方は歩ける若い方が中心でした。障害のある方、高齢者がどこにいるのか、どう援助すればいいのか情報把握が困難でした。日頃から実態把握をし、災害弱者対策についても検討していただきたいと思います。
 そこで伺います。
 1つに、避難所の安全性の調査を実施し、崖だけでない危険箇所などの情報を市民に公開し、対策を早期に打ち出すべきです。お答えください。
 2つに、避難所となる体育館については、耐震補強の計画をたて、早期に実施すべきです。
 最後に、被災者は一瞬にして、今まで築いた家や財産を失い、生きていくだけでも大変なことです。住宅再建のための個人補償は不可欠です。他の政令市で実施しているかどうかでなく、自治体の自主性が問われます。個人補償の制度化を再度求めます。
 以上、3点伺い2回目とします。


(3回目)
 
地震対策ですが、政令市のほとんどのトップページに、新潟の被災者への支援や呼びかけなど、タイムリーな話題提供が見る人の意欲を誘っています。また、江戸川区では、住まいの耐震コンサルタントも派遣し、無料で調査・相談を行っています。一方、千葉市はトップページに、赤い字で防災・気象情報を載せ、その後、千葉市防災情報までクリックすれば新潟支援がわかりますが、トップページの見せ方の工夫や内容の充実をしていただきたいと思います。 
 今回の質問で、鶴岡市長の市政は「子育て支援を重視」といいながら、実態は大型開発を優先し、市民福祉などを切り捨てている実態が政策上も、数値の上でも明らかになりました。
 また、花沢問題では、公正な税行政をしなければならない市長が、第3者機関の設置もせずに、一職員に責任を転嫁し、幕引きを図ろうとしています。首長として責任を持って解決に当たり、真相解明に全力を挙げるべきです。
 このようなもとで、今日、市民が千葉市政に望んでいることは、見通しのない大型開発ではなく、乳幼児医療費の無料化の充実や国保料の引き下げ、少人数学級の実現、介護保険の充実や身近な道路整備・バリアフリー化、市営住宅を増やし、子どもの安全が図れるようなまちづくりです。
 私たちは、市民とともに「市民が主役の市政」への転換を求めていくことを表明し、代表質問を終わります。