小関としゆき議員の一般質問


2004.12.13
 日本共産党の小関としゆきです。通告に従い一般質問を行います。
1、農政行政について
 
第1は、食料基本法と基本計画についてうかがいます。
 農政の基本方針となる「食糧・農業・農村基本計画」を改定する農政審議会企画部会は、今月中にも基本計画見直しの全体像をまとめる予定だといわれています。
 現行の基本計画は、同計画を策定した2000年には40%だった自給率を、国民の運動に押され渋々ながら、10年後の2010年までには5%引き上げて、カロリー食料自給率45%とする目標を掲げました。しかし、2003年の自給率は四捨五入してやっと40%と、向上する気配はありません。
 農水省は、2010年までの「自給率45%達成は困難」だと、早くも責任逃れの姿勢で、食料自給率向上については先送りされました。
 基本計画見直しの背景にあるものは、WTO・FTA交渉に見られるように、関税引き上げを容認し、輸入農産物の低価格に耐えられる大規模低コスト農業をつくろうとしていることです。
 そのために、2007年からは強引な農家の選別政策を実施し、大規模農家や法人化した集落営農組織だけを「担い手」に限定して、この部分だけに助成していく方向とされています。
 これまで、全ての農家を対象にした農産物の各品目ごとの助成制度、具体的には麦作経営安定資金、大豆交付金、てん菜調整金交付金などは廃止しようという計画です。このような農政では、農業は崩壊し、わが国の食料自給の基盤を完全に失いかねません。そこでうかがいます。
 1に、この基本計画見直しについて、日本共産党市議団と他会派から意見書が出されています。この基本計画見直しを実施することになれば、農業経営者は減少し、自給率も低下することになります。この、基本計画の見直しについて、どのような認識を持っていますか。
 2に、農業を衰退させる現農政の流れを大元から転換し、自給率50%台を早期に回復させる政策が求められています。その柱は、ゆとりある備蓄を含めた米の完全自給であり、水田の多面的活用による麦・大豆の増産、野菜や果樹・加工原料作物の増産です。そのためにも、荒廃した農地を復旧し、農地利用率を向上させることが必要です。農業の再建や食料自給率向上を国政の大事な柱として位置づけるよう政府に求めて行くべきですが、どうでしょうか。
 以上2点、お答えください。
 農業行政の第2は、千葉市農業の現状についてです。
 千葉市が2001年1月に、農業に対する市の考え方として、農業の持続的な発展と農村の振興を図り、将来にわたり市民への食糧の安定供給と農業の有する多面的機能を十分に発揮させて行くため、2010年度を目標とした農業振興の総合的指針として、「千葉市農業基本計画」を策定しましたが、世界農林業センサスが出した資料によると、1990年からの10年間で、千葉市の経営耕地面積は、水田で206ヘクタール、畑で647ヘクタール、樹園地31ヘクタール、合計884ヘクタール減少、農家戸数は、4,427戸から1,241戸も減りました。農業就業希望者も2,894人減っています。これは、4年前の調査ですから、現在ではさらに減少しているでしょう。また、農業後継者は、1990年には204人だったのが、2002年には137人(67.2%)に減少し、農業就業者に占める65才以上の高齢者の割合も1990年〜2000年で34.8%から51.6%と高齢化が進んでいて、千葉市の農業は極めて深刻な状況にあります。そこでうかがいます。
 1に、2001年1月に計画した「千葉市農業基本計画」の進捗状況をうかがいます。
 2に、「基本計画」通りに進んでいないのは、何が原因だと考えていますか。
 3に、今後の千葉市の農業振興についてですが、農業の実態についての調査は、世界農業センサスの5年毎、千葉県の2年毎で1998年までです。これでは、千葉市の農業実態を的確に把握し、今後の具体的な農業振興計画を持つことはできないと思います。本市独自で、毎年の実態調査を行い、それに基づいた振興計画を立てるべきですが、どうでしょうか。
 以上、3点お答えください。
 農業行政の第3は、持続的経営が保障される農業政策についてです。
 農水省が示した、他産業並の年間所得、530万円以上が実現できる「担い手」のモデル試算は、最近の米販売価格の60kで16,400円が持続することが前提になっています。今年のように米販売価格が下落し、60k・12,000円になると年間所得は、166万円にしかなりません。
 千葉市の農業は小規模で分散していて、「担い手」の要件を得るために規模を拡大しようとしても極めて困難です。
 農業生活というのは、農業経営の規模を拡大すれば、多様な生産物を供給できるわけではありません。農業経営の規模や生産物の種類、専業か兼業か、または複合経営なのかなど、農業経営の形態は様々な地域性や家族の条件など歴史的な積み重ねによって形成されてきたものです。その経緯を無視して、地域に無理やり「担い手」を選別し、それ以外は政策の対象外とするやり方は、農業だけでなく産地そのものの切り捨てになってしまいます。
 農業を守る問題は、まさに国民的課題です。生産と維持発展させるため、いろいろな地域で農業者と住民・消費者が連携・交流し、「地産地消」や地域循環型農業づくりの運動や有機栽培など、多様な試みが展開されています。
 茂原市では、市が施設を整備し、市内の農業者130名を超える組合員で構成する農産物直売所「旬の里・ねぎぼうず」が、今年3月にオープンし、旬の野菜、餅や太巻き寿司などの加工品、花木等を販売しています。生産者が心を込めた農産物が即日完売する大変な盛況だとお聞きしました。そこで、うかがいます。
 1は、「担い手」の問題ですが、千葉市の「基本計画」では、「担い手」を確保するために、専業農家はもとより兼業農家への支援を強化して行く必要があるといっています。専業農家への補助・育成を引き続き実施し、兼業農家への支援策も市独自で抜本的に強化することが必要ですが、どうでしょうか。お答えください。
 2は、後継者対策予算が前年度から減らされていますが、これでは「担い手」を確保することも増やすこともできません。もっと予算を増やし「担い手」の育成を図るべきですが、どうでしょうか。
 3は、農業後継者育成についてですが、私どもは予算要望で、青年男女が希望を持って農業に従事できるようにするため、経営と技術の援助・生活改善・文化・スポーツなどの活動に対する援助を求めていますが、わずかな後継者対策予算は、2004年度さらに減額されています。この間、要望してきた農業後継者の育成について、どのように取り組んできたのか。また、この予算がわずか565万円でどのようなことが行われるのか、うかがいます。
 4は、新規就農者への支援についてですが、今年は他産業から5名の研修生受け入れを行う計画になっていますが、予定されている研修だけで農業従事者になれるのでしょうか。例えば、国に対し、月20万円を5年間保証する「青年農業支援制度」の創設を求めたり、市独自の支援策を国の政策を待たずに具体化すべきですが、お答えください。
 5は、農産物の価格安定についてですが、今年のように米価が暴落し、農家の手取りが昨年に比べ4割も減少したのでは、米農家は営農を続けられないとの声が上がっています。生産保障基準は、生産費を償い、営農を維持・発展できる価格に定めるよう国に求めるべきです。また、千葉市の野菜は中央卸売市場に集めることを目標に、有機栽培による野菜も含めて、指定品目は原則として全野菜にすべきですが、どうでしょうか。
 6は、千葉市もいくつか農産物の直売所をやっているようですが、茂原市のように市は、営農者の要望を聞き、協力し合って、市民の賑わう場所への施設整備なども含めてよく研究すべきですが、どうでしょうか。
以上6点、お答えください。

2、介護保険制度について
 第1は、保険制度の見通しについてです。
 介護保険制度は、来年4月に5年目の「見直し」の時期を迎えます。政府が検討している「見直し案」は、認定者・利用者・利用量などの急増により、介護給付費が年10%も増加し続けるもとでは、介護保険財政は危機的状況に陥るからと、財政の論理を優先し、高齢者世帯に、これ以上の負担と給付制を押し付けようとしています。
 政府は、サービス利用が「かえって本人の能力実現を妨げている」などと言って、要支援・要介護1の人への介護サービスを切り捨てようとしていることです。
千葉民医連が、市内の在宅介護支援センターを利用する軽度要介護者に対して行った実態調査によれば、要支援39名、要介護1が90名の合計129名、その内訳は男性36名、女性93名、平均年齢は80.3才、36%にあたる46名が独り暮らしです。半数以上が訪問介護とデイサービスなどを利用していますが、「制限されたら」との問いに、95%が「困る」と答え、「ヘルパーさんに来てもらうことで、障害を受け止め、少しずつ家事ができるようになった」とか「サービスが制限されたら今までの生活が成り立たなくなる」などの声が出されていました。うかがいますが、
 1に、実際には、きちんと介護を受けている人の方が、状態は悪化しないというのが現場の共通した声です。必要な介護サービスを取り上げることは、高齢者の生活と人権を踏みにじることにもなります。少ない年金から保険料を「天引き」されながら、必要と認定されたサービスが受けられないということは、社会保険制度の根本にかかわる問題です。政府の「見直し案」は、介護に対する国民の願いに真っ向から反するものであり、この「見直し案」に反対を表明すべきですが、見解をうかがいます。
 2に、今回の「見直し案」の柱でもある、ホテルコスト(居住費・食費)の自己負担が導入されると、現在5〜6万円の利用料が10万円を超えてしまうと新聞等で報道されています。現在でも、利用料を支払うことが困難な世帯が多い中、ますます特養に「入りたくても入れない」状況をつくってしまいます。現在、入所していて払えない入所者は、退所させられてしまうのでしょうか。千葉市の見解と対応をうかがいます。
 3に、保険料や利用料の高い最大の原因は、介護保険を導入された時に、政府が国庫負担の割合を50%から25%へと大幅に引き下げたからです。国の責任で、国庫負担を30%に引き上げるよう国に求めるべきですが、どうでしょうか。
 4に、保険料・利用料のあり方を、支払い能力に応じた応能負担とし、所得や資産等に応じたものに見直すよう国に求めるべきですが、どうでしょうか。
 5に、県内の流山市の市長は、来年の介護保険改正に伴い、事業者や在宅介護センター、介護保険制度モニターなどから生の声を聴取し、介護保険は年金に関係なく、身体的介護が必要な人々には適用できるようにすること、ケアマネージャーを独立機関とすることなど、10項目の改正要望を提出しています。千葉市でも、現場の声をよく聞き、国に改善要望を提出するよう求めますが、どうでしょうか。
 以上、5点について見解をうかがいます。
 第2は、千葉市の実態についてと安心して受けられる制度について合わせてうかがいます。
 本市の要介護認定者数は、今年5月末で18,564人となっており、制度が開始されてから約1万人増加し、昨年4月末より116%増えていて、同期間の全国平均79%と比べ大きく上回っています。また、サービス利用者も3年11ヶ月の間に1万人増え、特に居宅サービス利用者の増加は、全国平均と比べて489%増となっています。このように、制度としては定着してきていますが、保険料と利用料の一割負担が高すぎて、必要なサービスを受けたくても受けられない現状があります。長引く不況と医療費の改悪、年金の切り下げなどから、必要な介護サービスを控える人が増えていることが問題となっています。
 いつでも・どこでも・だれでも、負担を心配せずに、必要かつ適切な介護が保障される制度へと改革するよう求め、以下質問します。
 1に、来年3月までを期限とした、特養へ市が措置した入所者は、何人いますか。また、その後の対応はどうするのかうかがいます。
 2に、特別擁護老人ホームの入所希望者は1,850人を上回っており、一刻も早い対応が必要であり、現在の施設整備計画を見直すべきです。
 3に、要支援や介護度1の軽度要介護者に対する給付制限の問題です。市内には、要支援や介護度1の軽度要介護者は何人いますか。現在、多くの利用者が訪問介護を利用していますが、この方々が非情にもサービスを切られることになります。どのような援助をお考えでしょうか。
 利用者に見合った充実したサービスが受けられるようにすべきですがどうか、お答えください。
 4は、利用料の減免についてです。千葉市では、国庫補助事業として、高齢者・障害者のヘルパー利用者に、社会福祉法人による軽減措置が行われていますが、市独自には利用料の減免は行っていません。政令市では、さいたま市、川崎市、横浜市、広島市が実施しています。千葉市でも利用料を減免すべきですが、どうでしょうか。
 以上、4点にお答えください。

3、若者の居場所について
 この問題では、日本共産党市議団は何度も質問し要望してきました。2001年の第3回定例会でも、若者がスポーツを通じて集える施設をつくるよう求めました。
 いま、若者たちはミニバスケット、スケボー、フットサルなどを楽しむ若者が多く、その中で友人が増え、健康増進・体力向上、さらに身体的な能力の発達や新たな可能性を広げ、競技を通じてお互いを尊重しあえる関係を作り出しています。
 特に、フットサルは5人制のミニサッカーで、ワールドカップの影響もあり、若い人から中年までの幅広い層に人気があるスポーツです。
 千葉市内にも、いくつかスポーツ用品を扱う企業を中心に、民間のフットサル場がありますが、使用料は1コート1時間平均1万円と高く、料金の安い所ほど1ヶ月先まで予約がいっぱいだそうです。
 フットサルをどんな所でやっているのか、高校生に聞いてみましたが、「公園」「小学校のグランド」「体育館」「家の前の道路」などで、ゴールポストのない不備な場所で行っているのが現状です。
 若者たちは、誰もが楽しめる身近で使いやすいフットサル場やスケートボード場、バスケットゴールなどがほしいと願っています。フットサル、スケボー、バスケットなど若者たちが求める施設の設置を求めてうかがいます。
 1に、若者の集える場所作りを議会でも要望してきましたが、場所の選定や用地確保などの課題があり協議・検討するとのことでした。施設設置の方向で検討されたのかうかがいます。
 2に、用地についてですが、これらの施設は、それほど広くない用地でも設置できます。特に、千葉駅西口再開発や中央港土地区画整理事業は、多額の事業費をかけながら、「野ざらし状態」となっている市有地や保有地に、ミニスポーツ施設を設置するなど、有効に活用すべきですがどうか。
 3に、緑区ふれあい公園にバスケットゴールが設置される予定で、若者に喜ばれています。若葉球技場や花島公園では、フットサルができるようですが、花島公園にはゴールがありません。多くの若者は、身近な場所にこれらの施設を求めています。最低でも、各区に1か所以上、施設の整備が必要と思いますがどうか。稲毛区では、設置できる公園があると思います。例えば、都賀公園、県スポーツセンター、西千葉公園、稲毛公園など、可能な場所から設置するよう求めますが、いかがでしょうか。
 以上、3点にお答えください。


(2回目)
1、農政について
 1は、千葉市農業基本計画についてですが、「概ね計画通り進捗している」との答弁でした。しかし、この計画自体、2010年度には農家の戸数も農業従事者数も経営耕地面積も、数値は減少しており、農業衰退の内容となっています。
 目標に掲げられている、生産性の向上ならびに多様な担い手の確保、育成など7つの方向と、技術開発の推進や効率的かつ安定的な農業経営の育成などが示されています。この計画の基本姿勢では、農業を振興させるという構えが感じられませんが、見解を伺います。
 2は、農業の実態調査については「考えていない」と答弁されました。農業が果たす役割を「市民への食料安定供給」と位置づけているのなら、毎年、推移を把握することは当然のことではないでしょうか。
 県が実態調査を98年で中止した中で、市独自の調査は必要不可欠なのではないでしょうか。お答えください。
 3は、新規就農者支援についてです。今年は、5人の新規就農者研修生の受け入れを行う計画でしたが、希望者は厳しい農業の現実などから、就農に結びつかなかったとのことです。厳しさだけではなく、生活を保障する経済的支援がないために、やめてしまったのではないのでしょうか。新規就農者育成に対する予算をもっと増やして、本気で就農者を育成すべきです。今後の対策はどのように考えているのか。お答えください。
 4は、生産補償と農業振興予算についてです。野菜全品目を生産補償対象にするよう求めました。来年度は「見直し」の時期のようです。「見直し」の際には、全品目を対象にするよう求めますが、いかがでしょうか。
 また、現在の千葉市の農業が、このまま推移すれば崩壊しかねません。農業振興のソフト面で、必要な予算をしっかりつけることを求めます。お答えください。
 5は、産直販売についてです。茂原市の取り組みを紹介しました。もう1つ、すばらしい取り組みを紹介します。今年4月に周辺町村と合併した、愛媛県西予市の旧野村町は人口1万人の小さな町ですが、「コープえひめ店」の一角で地元の農産物を販売していますが、農家の女性や高齢者の生きがいを生み出し、農業経営を一変させた取り組みが注目されています。これが、「百姓百品産直組合」です。この取り組みの中心になって来たのは、町の営農センター長をしていた方でした。「百姓百品産直組合」の常設オープンに努力し、新鮮な野菜・漬物・豆腐などが市民の評判を呼んでいます。約270人の組合員ですが、年平均1億円以上も売り上げる事業を行っています。
 千葉市も、これらを学び、取り組んだらいかがでしょうか。お答えください。

2、介護保険制度について
 1は、要支援・要介護1の方への介護サービスの制限についてですが、制度の見直しについて、「国の動向を注視し、適切に対応する」と言っていますが、わずかな年金から保険料を払っているにもかかわらず、受けたいサービスが受けられない。これが適切だと考えているのでしょうか。お答えください。
 2は、施設整備についてです。特養ホームへの入所希望者が1,850人もいるのに、整備計画の見直しは「考えていない」との答弁でした。市長は、「介護を必要とする高齢者が、安心して暮らしていけるよう基盤整備することが大切である」と言っているではありませんか。整備計画の見直しを拒否するのは、市長の考え方に反するのではないですか。見解を伺います。
 3は、保険料と利用料の減免についてです。第2段階で、一定の要件に該当する方は減免していますが、わずかな預貯金を理由に減免対象から外されています。減免対象を拡大すべきですが、お答えください。
 また、利用料の減免については、現在4つの政令市が実施していることを示しました。千葉県内でも29市町村で実施しています。年金生活の高齢者では、とても負担しきれないような利用料で、サービスを受けたくても受けられない事こそ、改善しなければなりません。他市町村では独自に、利用料の減免を実施しているわけですから、千葉市も実施することを再度求めます。お答えください。
 4は、要支援・要介護1の認定者は全体の半数を占め、増加傾向にあります。この軽度要介護者へのサービスが制限されることになれば、ホームヘルパーは何の補償もなく仕事を失うことになってしまいます。市は、どのような対策を考えているのか、うかがいます。

3、若者が集える場所づくりについて
 このことについては、答弁で「整備を検討する」としか返って来ません。設置場所を具体的に示して提案しました。若者が求めているのは、ボールを蹴るだけの場所ではなく、ゲームができる施設なのです。若者たちの願いに応えて、早急に施設整備を行うよう求めます。お答えください。