平成17年第2回定例会 Y1
 (提出年月日)平成17年6月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

BSE(牛海綿状脳症)の全頭検査継続とアメリカ産牛肉の輸入禁止継続を求める意見書(案)

 内閣府の食品安全委員会は、1ヵ月間実施した国民からの「意見・情報募集」でも、多数が全頭検査を求めていたにもかかわらず、その声を無視して、国内のBSE対策を後退させる「20ヵ月齢以下の牛を検査から除外する」答申を行った。
 これは、アメリカのライス国務長官が来日し、アメリカ産牛肉の輸入解禁を迫る圧力を受け、日本国民の命と健康よりアメリカの要求を優先したものとして、とても納得できるものではない。さらに、アメリカの農務長官や上院議員などが報復措置をちらつかせ、本年7月までに輸入再開を迫るなどは、断じて容認できるものではない。これまで実施してきたBSEの全頭検査や特定危険部位の除去・焼却、肉骨紛の飼料からの隔離など、日本のBSE対策は、国民の大きな信頼を得てきたものであり、世界に誇るものである。
 アメリカでは、BSEの検査率は、と畜牛数の0.1%にすぎず、危険部位除去は30ヵ月齢以上となっている。また、月齢も生年月日が不明で、目視により肉質や骨格から推定するもので、6ヵ月以上もの誤差があると言われており、とても安全を保証できるものではない。
 このような状況の中、日本で初めてBSE感染牛を確認した千葉県は、国への要請・要望を強め、さらなる安全対策を継続する必要がある。
 よって、本市議会は国及び千葉県に対し、国民の命と安全を守るため、以下の項目について強く求めるものである。
1 国としてBSEの全頭検査を継続すること。
2 日本と同じ安全対策が実施されない限り、BSE対策の未確立なアメリカ産牛肉の輸入は解禁しないこと。
3 国の予算措置に左右されることなく、千葉県独自の検査体制は貫くこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成17年  月  日

千 葉 市 議 会


平成17年第2回定例会 Y2
 (提出年月日)平成17年6月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

JR西日本脱線事故の原因究明と再発防止を求める意見書(案)
 
 4月25日、兵庫県尼崎市で発生したJR西日本の電車脱線事故は、死者107名という大惨事となった。
 脱線事故の原因は、主に速度超過が指摘されているが、その速度超過を引き起こした背景にJR西日本の経営方針があったことが浮き彫りになっている。過密ダイヤを組み、遅れが出た場合は回復のための高速運転を指示し、ミスがあれば「いじめ」に等しい「再教育」が行われるなど、「安全確保」とはかけ離れた事態が進行していたのである。
 大阪支社の「支社長方針」では、「稼ぐ」ことが第一課題とされ、効率第一・営利優先の経営姿勢が人員削減や安全投資の抑制を進め、新型ATS(速度対応型の列車自動停止装置)や脱線防止ガードの設置が遅れた結果、今回の大惨事につながったことは明らかである。
 これは、政府が国鉄分割民営化や規制緩和を国策として進めてきたことが、国民の生命と安全を守ることよりも、企業活動の自由・利益第一主義を優先させたことであり責任は重大である。
 よって、本市議会は国に対し、脱線事故の再発を防止するために徹底した原因究明を行い、すべての鉄道会社に安全対策を徹底させるよう要望するものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年  月  日

千 葉 市 議 会


平成17年第2回定例会 Y3
 (提出年月日)平成17年6月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

障害者の福祉・医療サービスの利用に関する「応益負担」等の中止を求める意見書(案)

 「障害者自立支援法案」に基づく福祉・医療サービスが、2006年1月より実施されようとしている。同法案は、身体・知的・精神関係と障害種別ごとであった障害者福祉サービスの一元化など、障害者・家族、関係者が望んでいた制度改革を打ち出す一方で、これまでのサービス利用の負担を所得に応じた「応能負担」から、利用したサービスの量に応じた「応益負担」に変え、1割の定率負担や施設利用者に食費・水光熱費の負担を求める内容となっている。これでは、障害が重く、より多くの支援・サービスを必要とする人ほど負担は重くなり、必要なサービスが受けられなくなるのは明らかである。関係者から、「最低の社会的生活を送るのに必要なサービスを受けているのであり、特別の利益を受けているわけではない」、「とても『自立支援法』の名に値しない」と批判が出るのは当然のことである。
 社会保障の負担は、憲法第25条が規定する「生存権」を踏まえた「能力に応じた負担」を原則とすべきである。
 よって、本市議会は国に対し、以下の項目について直ちに対応されるよう強く求めるものである。
1 障害者の福祉・医療サービスに対する「応益負担」の導入は行わないこと。
2 施設利用者への食費・医療費・水光熱費・個室利用料の全額自己負担は行わないこと。
3 親・家族の費用負担制度をなくすこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年  月  日

千 葉 市 議 会


平成17年第2回定例会 Y4
 (提出年月日)平成17年6月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

郵政民営化法案の撤回を求める意見書(案)

 政府は、今国会で郵政民営化法案の成立を強行しようとしている。この法案は、郵政3事業を郵便局(ネットワーク)会社・郵便公社・郵便貯金銀行・簡易保険会社にそれぞれ分割して民営化し、持ち株会社として日本郵政株式会社を設立した上で、政府が株式の3分の1以上を保有して管理下に置くというものである。また、4社のうち郵貯と簡保の2社は株式の完全売却を義務づけ、その売却益で2兆円の社会・地域貢献基金を創設することとしている。
 そもそも平成10年の中央省庁等改革基本法では、「郵政公社については民営化等の見直しは行わない」と明記している。また、小泉首相は当時の厚生大臣でもあることから、その内閣の一員としての責任があり、今回の法案は、国民との約束を破るものである。
 政府が郵政民営化の理由として掲げている「民業の圧迫」は、かねてから銀行、保険会社及び米国政府が掲げてきた主張であって、国民の多くが郵貯を選択するのは、銀行の相次ぐ不祥事や金融犯罪による不信があり、低金利政策で庶民の暮らしを圧迫し、取引に当たっては高い手数料を取るなど、利便性を省みない身勝手さが原因なのである。また、政府は、「民業圧迫論」が通用しないと見ると一転して「国営のままだとジリ貧になる」と180度民営化の態度を変えるなど、いかに道理のない民営化法案なのかを自らが証明するものとなっている。現在の郵政事業には、郵便・郵貯・簡保の全国共通サービスが義務づけられており、全国の郵便局は、黒字局から赤字局に利益を補てんする体制が取られていることから、税金は一切投入されていないのである。郵政事業をわざわざ民営化し郵貯・簡保の株式を完全売却した後に、巨額の資金を投入しての買戻しや兆円規模の基金の創設が行われ、全国の郵便局網を破壊することこそ壮大な無駄と言わざるを得ないものである。
 よって、本市議会は国に対し、郵政民営化法案を撤回するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年  月  日

千 葉 市 議 会


平成17年第2回定例会 Y5
 (提出年月日)平成17年6月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

消費税の増税は行わないよう求める意見書(案)

 2003年6月、政府税制調査会の中期答申に、消費税は「2桁の税率に引き上げる必要がある」と明記された以降、政府は、年金を初め社会保障の充実を目的に2007年を目途に消費税率を引き上げようとしている。
 消費税率を10%に引き上げた場合、国税収入の4割を消費税収入が占めることになり、法人税収入の約2倍、所得税収入の約1.5倍となる。これは、日本の税制の中心が消費税に転換することであり、税制度の「改悪」につながる大問題である。
 我が国の税制は、従来から法人税・所得税を中心とした高額所得者からは高率の所得税を、低所得者からは低率の所得税を徴収する「所得の再配分」の原則に沿ったものである。それを消費税中心の税制に転換することは、逆進性という致命的な欠陥を持った最悪の不公平税制に変えることである。「年金を初め社会保障の財源」論も、過去の消費税による税収分148兆円が、大企業への法人税三税の減税分145兆円に匹敵し、社会保障の充実には使われなかったのが実態である。現在、日本経団連は、さらなる「法人税の引き下げ」を求めており、消費税増税が「社会保障の財源」になる保障はないのである。
 昨年7月のNHK世論調査でも、「年金の財源のためだとしても消費税増税は反対」と答えた人が52%と半数を超えており、これ以上の消費税率引き上げは、国内や地域経済に深刻な影響を引き起こすことになるであろうことは、消費税導入時や5%アップ時に起きた消費不況を思い出すだけでも明らかである。
 よって、本市議会は国に対し、消費税の増税は行わないよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成17年  月  日

千 葉 市 議 会


平成17年第2回定例会 Y5
 (提出年月日)平成17年6月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

小泉首相を初め、政府全閣僚の靖国神社参拝の中止を求める決議(案)

 小泉首相は、4月22日の「アジア・アフリカ首脳会議」で、10年前の戦争終結50周年に当たって発表された「村山見解」と同様に、「植民地支配と侵略」が日本の誤った「国策」だったことを認め、「アジア諸国の人々」に「多大な損害と苦痛」を与えたことについて「反省」の意思を表明した。ところが、このような見解を示しながら、靖国神社への参拝を中止することを言明せず、国内外の批判を無視し続けている。
 「植民地支配と侵略」への反省の言葉は繰り返しても、首相という日本を代表する公職についている限り、たとえ「靖国神社参拝は個人的信念」だからと説明しても参拝は認められるものではない。
 よって、本市議会は、小泉首相を初め、政府全閣僚の靖国神社への参拝を中止するよう強く求めるものである。
 以上、決議する。

  平成17年  月  日

千 葉 市 議 会