１ 組み替えを求める理由
　小泉内閣は、定率減税の縮減・廃止を初めとした増税路線を本格的に打ち出し、「三位一体改革」で新年度予算も国庫補助負担金や地方交付税が削減され、税源移譲も不十分なままである。そのため、千葉市は、財源不足を基金からの借り入れで補い、基金が底をつくほどの深刻な事態となっている。
　このような状況にありながらも、千葉市は、これまでの大型開発公共事業優先の予算を削減せず、市民生活に必要な予算を切り捨てている。
　このことから、日本共産党千葉市議会議員団は、市民本位の予算にするために予算の組み換えを要求する。

２ 組み替えの基本方針
(1) 蘇我特定地区整備、千葉中央港土地区画整理、千葉駅西口地区再開発及び中央第六地区市街地再開発などの１０億円以上の大型開発公共事業については、「千葉市大規模公共事業見直し委員会」を設置して、市民参加により千葉市財政危機の原因にメスを入れ、市財政の健全化を図る。
(2) 地方自治法に基づき、住民の福祉の増進を図ることを優先し、公の施設については、「市民が主役」であることを踏まえ、その運営には責任を持つとともに、情報公開、市民参加、説明責任を果たせる千葉市へと転換する。
(3) 高齢者や障害者が安心して暮らせる施策、子育て支援や行き届いた教育など、福祉・暮らし・教育優先の予算に転換する。
(4) 地球温暖化対策、地元中小業者支援及び若者の雇用を推進し、環境対策と地域経済活性化を重視した予算に転換する。

３ 組み替えの内容
(1) 不要不急の大型開発公共事業の見直しと、一人当たりの民生費を政令市平均に近づけることにより、市民の暮らし及び福祉の充実を図る。
ア　不要不急の大型開発公共事業などを見直す。
蘇我特定地区整備事業費（スポーツ公園整備費）、千葉駅西口地区市街地再開発関連事業費、千葉中央港土地区画整理関連事業費、中央第六地区市街地再開発事業費、新港横戸町線事業費、幕張メッセ建設事業負担金、道路直轄事業負担金及び千葉港整備事業負担金、計１０９億６，６００万円の見直しにより、以下の福祉・教育・環境予算を充実推進する。
(ア) 公共施設の耐震工事及びエレベーターの設置など、バリアフリー化の推進
(イ) 千葉市大規模公共事業見直し委員会の設置
(ウ) 市本庁舎の耐震診断・補強
(エ) ぜんそく等小児指定疾患医療費の自己負担増の解消
(オ) 難病見舞金の削減の中止
(カ) 国民健康保険料世帯別平等割額の１世帯当たり１万円の引き下げ
(キ) 市内在住者に係る火葬施設使用料の無料化
(ク) 既設市営住宅の修繕費の増額
(ケ) 母子生活支援施設「小桜園」の改築
(コ) 夜間救急診療所を１か所増設
(サ) 乳幼児医療費助成の対象を４歳まで拡大
(シ) ３５人学級の実現及び免許外教員の解消
(ス) 地球温暖化対策の充実並びに大気、土壌及び水質汚染対策の強化
(セ) 太陽光発電など、再生可能エネルギー利用の促進
(ソ) 給食センターの民間委託中止
(タ) 商店街への補助の増額による空き店舗解消対策の充実
(チ) 小・中学校のすべてのトイレの改修及び学校施設の耐震補強の推進
(ツ) 消防職員の増員
(テ) 特養ホームの増設及び助成
(ト) 緊急地域雇用創出特別交付金事業の打ち切りに伴う市独自での雇用機会の創出
(ナ) 支援費制度（在宅､施設整備）の充実
(ニ) アレルギー疾患（花粉症など）への対策
(ヌ) 身近な福祉型公共事業の充実と、中小業者に対する官公需発注率の向上
(ネ) 保育所の増設
(ノ) 子どもの安全対策の推進（学校安全職員の配置等）
(ハ) 災害見舞金の引き上げ
(ヒ) 区役所の休日開庁の実施
(フ) 平和啓発事業の充実
(2) 不要不急の大型開発公共事業であるにもかかわらず、当初予算に計上した以下の事業に係る市債、企業債及び債務負担行為を抑制する。
ア 千葉駅西口地区市街地再開発事業
イ 千葉中央港土地区画整理事業
ウ 蘇我特定地区整備事業
エ 中央第六地区市街地再開発事業
オ 水道事業