やふくなが洋議員の一般質問への答弁(要旨)

2005.7.7
鶴岡市長】
○ 新市長の政治姿勢について
 市長選を通じて、最も公平・公正であるべき税務行政で事件が発生したことへの市民の不満を肌で感じた。今後の対応は、現在、個別外部監査が実施されており、監査人には全面協力し、誠意を持って対応している。最終の監査結果で改善点等が求められれば、誠心誠意対応するのが私の責任だと考える。
 初登庁での挨拶は、仕事をする上で健康が重要、それは家族の支えがあってこそで、良い仕事をするために必要だとの認識だ。「与党会派」問題は、「野党」を言い漏らしただけで、私の真意ではない。

【環境局長】
○ 市長の政治姿勢・JFE問題について

 すでに千葉地検や海上保安部が捜査しており、市としては状況を見守り適切に対応していく。市は、水質汚濁防止法に基づく改善命令など厳しい行政措置を講じている。
 問題の経緯は、昨年12月16日千葉海上保安部の立入で、JFEスチール西工場防波堤等からアルカリ水の流失が疑われ、千葉市は17日に立入検査を行った。水質汚濁防止法の排水基準値を超える水が越流する危険があることを確認した。この問題を踏まえ、JFEが内部調査を行った結果、少なくてもH13年度以降、公害防止協定と水質汚濁防止法に基づく排水自社測定データで、基準値を超えていたシアン化合物・COD等のデータを基準内に書き換えて報告や記録していたことが判明したとの報告を受けた。その後、県・市合同で立入調査を行い、事実を確認したうえで2月3日に公表したもの。
 公害防止協定でのデータ改ざんは1月17日に、水質汚濁防止法の改ざんは1月26日にJFEから報告を受けて知った。これまでも、基準値を超えた場合には指導を行ってきた。今回、基準違反やデータ書き換えが大量に判明し、環境管理体制の不備が明らかになり、厳しく指導している。
○ 大気汚染問題について
 JFEからのSPM発生は、SPM発生量のデータがないので、煤塵発生量で言うと、年間計画値によるとH13年度236トン、14年度227トン、15年度227トンとなっている。SPMの平均濃度は、H13年から低下傾向にあり、15年になって環境基準達成の条件であるSPM濃度0.1ミリグラムパー立法メートル(r/?)を2日連続して超えることがなくなったことによるものだ。濃度低下の要因は、H14年に施行された自動車NOx・PM法やH15年から始まった、八都県市共同のディーゼル車対策による効果が現れたものと考える。本年4月より市内12測定局の状況を毎月市政だよりに掲載している。市民の健康への影響は、高濃度のSPMは呼吸器に有害だとされているが、実際に健康への影響があるかは、さらに調査研究が必要とされている。千葉市が整備している機器は、全て環境相の仕様に合致した機器を導入しており、環境大気常時監視マニュアルで年1回空試験を実施している。その結果、平均値で5〜10マイクログラムを超えた測定局では、適宜測定用のベータ線源を交換している。環境相の仕様では、マイナス値をカットする等の規定はないが、マニュアル改定については、今後の国の動向を注視していく。マニュアルには、欠測処理とデータの補正は記述がなく、通常補正は行っていない。H14年度以前のデータ処理は、H9年に一部メーカーの機器で、測定上の問題があったので補正したが、その後はない。環境省のマニュアルに沿った日常点検、機器更新等を適切に実施している。ディーゼル排気微粒子(DEP)の健康への影響は、環境省がH13年度に取りまとめた報告書で、発がん性は示唆されたが、健康への影響を定量的に評価するにはデータ不足とされている。指摘の論文は、1つの手法でのデータ解析結果であり、さらに調査研究が必要で、これで千葉市の状況を評価するのは困難だ。ディーゼル排気微粒子には環境ホルモン作用が疑われているが、幹線道路沿道の局地的大気汚染と健康影響との関係は、今年度から環境省で疫学調査を開始する予定なので、評価はこれからされることになる。PM10・PM2.5などのSPMの発生源となっている自動車排ガスの規制は、1都3県の条例でディーゼル車を規制し、今後、自動車NOx・PM法で基準適合者への更新が進む。また、国では順次排ガス規制値強化が予定されている。固定発生源対策は、公害防止協定の細目協定改定で、この4月からSPM対策として硫黄酸化物と炭化水素の排出抑制指導を強化し、大気汚染防止法の一部改定で、SPMの原因物質である揮発性有機化合物の排出規制がH18年4月から実施される。

【財政局長】
○ 市長の政治姿勢・蘇我臨海開発でのJFE・行政・市民の関わりについて
 事業の推進には、国・市・JFEの役割分担や費用負担を定め、適切に実施している。千葉市の手法は、短期間で整備を終え、市の発展に寄与する点で有効で、堺市とは違う。企業は社会的責任を自覚し考慮すべきだ。市は、JFEに公害防止を法や協定に基づき、厳格に規制・指導しており、市民への情報公開も適宜助言・指導している。
 経済波及効果と税収効果の根拠は、H14.1に公表した「蘇我特定地区経済波及効果調査」によるもの。この調査は、蘇我特定地区全体のものであり、商業施設のオープンだけで比較できない。
○ 市長の政治姿勢・雇用経済対策について
 市の工事発注は、契約時に請負業者に「公共工事実施にあたっての留意点」と「下請けの適正化に関する指導指針」の文書を配布。下請業者や資材納入業者は市内業者を優先するよう指導している。
 市の入札契約制度の改善は、市入札制度検討委員会で行っている。また、「入札適正化・苦情検討委員会」を設置し、入札や契約手続きの運用状況、入札・契約制度の改善状況など契約制度全般について審議している。今後も他都市の入札制度の情報収集にも努め改善に努める。
 過去の談合情報は、H13年度5件、H14年度3件、H15年度7件、H16年度3件あったが、業者が認めた談合はなかった。

【経済農政局長】
○ 市長の政治姿勢・蘇我臨海開発でのJFE・行政・市民の関わりについて
 新規雇用計画効果の根拠では、約2,300人との数値は、設置者側の計画によるものだ。実情は、延べで約2,700人で、計画を上回る雇用となっている。ハーバーシティのオープンで、近隣商店街・中心街商店街への影響は、「小売商業出店影響度調査」を実施し、その把握に努めていく。  

【保健福祉局長】
○ ほうゆう会問題について
 施設職員の解雇は、法人の運営上の問題として行われたものと理解している。解雇された職員への配慮も踏まえ、法人を指導している。説明責任は、5月中旬に理事長から、市議会各会派幹事長宛に提出された文書「社会福祉法人鳳雄会の改善について」のなかで謝罪し、施設運営の正常化に取り組むと述べられている。先月末で、解雇が4人、自己都合での退職が27人となっている。退職願の提出から退職日まで1か月程度の期間で、職員が不足しないよう児童福祉施設最低基準を踏まえ、必要な数の職員を採用しており、児童養護施設では、元県児童相談所長を採用し、3ホームそれぞれ、児童養護施設経験者を配置した。他の児童養護施設や児童相談所の職員の資質向上に努める。 
 H16年度の利用状況は、ショートステイ189人、トワイライトステイ33人、トワイライトステイの休日預かり28人だ。スタッフは、責任者に児童養護施設の施設長、直接指導員として児童養護施設は保育士2人、乳児院は保育士・看護師各1人、計5人配置され、児童の処遇は確保されている。市の児童相談所や子ども家庭福祉課職員が度々施設を訪問しているが、出入り禁止職員がいることはない。今後も関与しないよう指導していく。今後の入所計画は、3月25日から先月末で7人を措置し、現在24人入所している。今後、毎月2〜3人程度の措置で、措置後3〜4週間程度は、子ども達や施設職員の状況を確認しながら、施設職員の処遇体制を確保しつつ入所をすすめていく。
○ 児童相談所問題について
 市の児童虐待相談処理件数は、H12年度128件、H13年度217件、H14年度153件、H15年度108件、H16年度213件と増加傾向にある。
 虐待への対応は、通告を受理した場合、原則48時間以内に家庭、学校や保育所など関係先を訪問し、児童の安全確認を行い、親子分離が必要と判断した場合、児童を一時保護している。継続してかかわる必要があると判断したケースは、児童福祉司等が家庭訪問し、関係機関と連携しながら指導している。体制・施設・予算では、H15年度に虐待対策係を設置、担当主幹と虐待協力員を含め5人で対応してきた。H17年度は、児童福祉司1人増員体制を強化した。要保護児童の増加で、H16年度から一時保護所の定員を20人から29人に増員した。H17年度の虐待対策事業費は、約1,400万円で、H16年度より約600万円増加した。
 関係機関との連携は、福祉事務所・保健センター・学校・保育所・病院等の機関や民生・児童委員など関係団体と連携を密に図っている。例えば、虐待の通告を受けたら、民生・児童委員に家庭状況を聞いたり、保育所に通園の場合は、保育所に健康状態等を確認している。こうした関係者で児童虐待対応チームを編成、ケース処遇を検討し、適切に対応している。児童相談所は、1年を通じて、児童の様々な相談に応じているが、夜間は一時保護所の職員が対応していたが、専任の相談員を配置し、24時間対応できるよう体制の強化を図った。
 児童家庭支援センターについては、今年度と18年度で改築予定の旭ヶ母子ホームの中に、児童家庭支援センターを設置する予定だ。増設は、予算面などから困難だ。
○ 千葉市斎場について
 指定管理者制度による管理運営は、各業務とも順調に行われており、支障は起きていない。利用状況は、6月末で火葬件数445件、式場利用41件、霊安室が述べ日数33日、霊柩車32件、貸出用祭壇が8件となっている。収支は、収入約675万円、支出は指定管理者への委託料、平均月額約2,900万円となっている。清掃・ゴミ回収・植栽・警備・消防設備・保険業務を市内業者に委託している。その他の委託業務も市内に支社がある「準市内業者」が行っている。従業員45名中29名が市民からの雇用である。売店の問題は、当時とは仕入れルートが違い、料金に違いがでているが、現在は缶ビール(350ml)230円、酒(1合瓶)210円で販売している。6月1日供用開始後、待合室やトイレ・控え室などの案内表示を見やすいよう対応している。

【保健福祉局次長】
○ 公平な福祉サービスについて
 障害者自立支援法案は、障害者の自立を支援する観点から、障害種別にかかわらず、共通の制度下で一元的に福祉サービスを提供する仕組みを創設するもの。利用者負担の考え方は、利用したサービスの量や所得に応じて公平な負担を求め、増大する福祉サービス等の費用を利用者も含め、みんなで負担し支えあうもの。利用者の所得に応じた負担限度額の設定や生活保護にならないよう減免制度や食費や高熱水費の補足給付が設けられるなど、最低所得者に配慮した軽減措置を講じることになっている。この制度改正は必要なものだ。
 成年後見制度の活用は、認知症高齢者や知的障害者などの判断能力、日常生活に不安を持っている方には、地域の中で安心して生活できるよう、福祉サービスの利用や日常的な金銭管理等を契約に基づき支援する目的で、市の社会福祉権利擁護事業を実施している。認知症高齢者や知的障害者など判断能力が十分でない方は、福祉事務所等が窓口となり、家裁への後見開始の審判申し立て等、成年後見制度の利用を支援する事業を行っている。
 来年度から、介護保険法で設置される地域包括支援センターで、成年後見制度の相談・支援など権利擁護事業を行う。
○ グループホームについて
 市内のグループホーム設置数は、本年6/1現在の施設数は44か所・定員675人だ。職員数は、施設のユニットごとに、利用者3人に対し、1人以上の介護従事者を配置するほか、管理者・認知症対応型共同生活介護計画作成担当者の配置が義務付けられている。費用は、家賃・食費・高熱水費のほか介護保険の1割自己負担分を合わせたもので、市内の平均月額は約13万9千円となっている。施設は、国基準で居室・居間・食堂・台所・浴室が必要で、居室は原則個室で7.43u以上となっている。これまでの事件・事故は、過去10件の事故報告を受けている。そのうち4件は骨折など転倒によるもので、その他は徘徊による一時的な所在不明や食べ物が気管に入って救急搬送されたケースとなっている。グループホームは自己評価と併せ、サービスの質の向上のためH14年度から第三者評価が義務付けられ、評価結果が公表されている。また、市では介護相談員をグループホームに派遣し、利用者や家族の相談に応じ、疑問や不満・不安の解消、適正にサービスが提供されるよう努めている。

【市民局長】
○ 悪質なリフォーム被害について
 市消費生活センターが受け付けたリフォームに関する相談件数は、H15年度が93件、16年度は87件あった。消費生活センターでは、高齢者をターゲットにした悪質商法の被害を未然に防止するため、日頃の相談業務のほか地域の町内会や民生委員などを対象に、出前講座を実施して消費者への啓蒙に努めている。今年2月には、市民性委員・児童相談員協議会を通じ、65歳以上の独居の方々に、常時目で確認できるよう啓発用シールを配布した。また、7月11日・12日両日、日本建築協会と連携し、特別相談「リフォーム契約110番」を首都圏4都県4政令市が同時に実施する予定だ。県・県警等との情報共有、消費者救済策の協議のため、県消費者被害防止協議会を開催し、未然防止に努めている。今後も、地域・庁内関係部局や関係機関と連携し取り組んでいく。

【企画調整局長】
○ 新エネルギーについて
 新エネルギーの活用は、H12年度に策定した「新エネルギービジョン」で、太陽光発電やコージェネレーションシステムなどの普及・導入に努めている。小型風力と太陽光のハイブリッド発電外灯は、「アクアリンクちば」にも設置予定だ。今後も本市の地域特性を踏まえ検討していく。

【都市局長】
○ 財政再建策について
 ポートスクエアの管理会社の清算は、会社設立の目的を達したとの理由で、本年3月の株主総会で会社を整理すると決定し、今回特別清算申し立てはその流れに沿ったものだ。ハーバーシティの入浴施設は、新しい運営会社がすでに同様の営業を開始しており、ハーバーシティの運営に支障はない。
 サッカー場の収支見通しは、H17年度は指定管理者の提案で、市からの委託料は約8,500万円の予定で、収支のバランスが図られている。
 アイススケート場の収支見通しは、指定管理者の提案では年間約1,000万円の純利益を見込んでいる。
○ 千葉市動物公園について
 JTへのCM出演は、コーヒー飲料のCMであり、都市公園条例による公園内の行為許可として、内規に照らし、公序良俗に反したり動物公園のイメージダウンにはつながらないと判断したものだ。今後、風太を含むレッサーパンダの活用は、従来どおり種の保存に基づき、繁殖を第1義的に考えている。当動物公園では、日本動物園水族館協会所属の各動物公園と協力し、動物貸借契約を行い、野生動物保護と繁殖を実施している。今後も各動物園との情報交換を行い、一層、種の保存のための動物繁殖と保護活動を進めていく。市の事業や自然保護のPRに活用してもえるよう、各部局の要請には協力していく。
 動物公園での展示動物は、近親交配を回避する方法はすでに実施している。また、自然や環境を守る立場からペット等動物飼育に際し、命の大切さや正しい飼育方法が生態系の維持につながることを啓発していきたい。今後の運営では、150種類・750点の動物が飼育されており、専門職員が市民に親しまれる展示を心がけているが、動物公園の使命である「種の保存」という重要な責務を担って活動している。指定管理者制度の導入は、地方自治法の趣旨を踏まえ検討しているところだ。レッサーパンダなどの希少動物の飼育は、一貫した飼育方針が良いと考える。指定管理者制度の検討には、飼育方法など多種多様な調査研究が必要だと考えている。

【教育次長】
○ 市美術館について
 市美術館への指定管理者制度導入は、検討を行っている段階だ。良い文化を育てるために、指定管理者候補の選定にあたり、管理経費や運営能力など総合的観点から選定を行っていく。文化芸術振興基本法は、文化芸術を振興する基本理念から、施策を総合的に推進するため制定されたものだ。文化芸術は、地域社会を活性化させ、魅力ある社会づくりを推進する力があると考える。市美術館でも、将来にわたり、美術に関する市民の知識や教養の向上を図り、市民文化の発展に寄与する事業展開を図っていく。市低管理者導入後、市が購入した美術品の管理は、他市の状況等を調査し、検討していく。