ふくなが洋議員の議案質疑

2005.9.14
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 最初に、市民局所管の指定管理者制度に伴う条例案件ついて伺います。
 指定管理者制度の導入議案が29件出されています。基本的な問題を改めて伺いますが、民間に任せる指定管理者制度については、それぞれ十分な検討がされなければなりません。そこでお尋ねします。
 1に、千葉市の基本方針として、指定管理制度の功罪をどのように考えるのか、まずお尋ねします。
 2に、民間に任せれば、オールマイティでサービスができると考えるのか。
 3に、サービスの活性化をどのように図るのか。
 4に、民間にまかせて、コストを下げるのが目的だと思いますが、この点伺います。

第121号・千葉市コミュニティセンター管理条例の一部改正について
 現在、12か所のセンターは、老朽化しているも施設があります。管理運営どころか、施設の老朽化が深刻ではないのか伺います。また、建替え問題などを明らかにされたい。

議案第124号・千葉市路外駐車場条例の一部改正について
 これまで、どのような問題があったのか伺います。また、民間駐車場との役割分担について伺います。

議案第139号・千葉市小規模通所授産施設設置管理条例に一部改正について
 障害者の自立を踏みにじる、障害者「自立支援法」は、関係者の運動と国会の動きで、ひとまず廃案になりました。福祉サービスに、1割負担を導入する同法案は、障害が重いほど負担が重くなるものです。障害者の生存権を奪うものです。そこで伺います。
 1に、こうした背景の中で、なぜ福祉作業所に指定管理制度を導入するのか、その理由について。
 2に、生きるための施設や介助を、千葉市は「個人の利益や応益」と千葉市は考えるのか、伺います。

議案第140号・千葉市ユースホステル設置管理条例の一部改正など経済農政局の議案4件について
これは、千葉市ユースホステル、ポートタワー、ふるさと農園、育成牧場を指定管理にするものです。そこで伺います。
 1に、ユースホステルの経営実態は、現在どうなっているのか。時代の流れから考えて、市民にとっての必要性について、どのように考えるのか。
 2に、ポートタワーは、千葉市のシンボルにもなっています。県立美術館などとの連携や若者のスポットになど、活性化の方向はあると考えますが、指定管理にする理由について伺います。
 3に、ふるさと農園は市民の憩いの場であり、親しまれている場所です。ここを指定管理視して、市民サービスの向上が図れるのか伺います。
4に、乳牛育成牧場は、非公募とする理由を改めて明らかにされたい。

 議案144、145、146、147、148、149号の、各号の指定管理制度の問題について伺います。
 1、公募と非公募の基準を明らかにされたい。
 2、利用料金の場合、子どもや障害者・高齢者の減額はどうなるのか。
 3、審査員会記録は、すべて公開されるか。

議案146号・千葉市美術館条例の一部改正について
 指定管理制度になった場合
 1、千葉市の美術館行政の基本方針は、変わらないのか。
 2に、専門家の育成には相当な時間をかけており、学芸員は千葉市の財産であり、これまでの蓄積を活かさないのはおかしい。
 3に、指定管理者制度の審査委員会は、どのような構成なのか。その審査内容はどうか。
 4に、文部科学省は、こうした博物館・美術館などの施設の管理運営について、どのような基本的な見解を持っているのか。
 5に、千葉市民は、美術館を指定管理者制度でやって欲しいと望んでいるのか伺います。

議案第151号・千葉市地区計画の区域内の建築物の制限に関する条例に一部改正について
 1に、この改正の目的は何か。計画を変えるのは、それなりの理由がなければなりませんが、具体的な構想を伺います。
 2に、この地域は、すでにハーバーシティとしてオープンしています。現在の運営状況はどうなのか。この改正でどのようになるのか伺います。

議案第152号・千葉市都市公園条例の一部改正について
これは、千葉市都市公園条例の一部改正を行い、指定管理者制度を行なおうとするものです。
 1に、地方自治法の第244条では、公の施設について、普通公共団体は住民の福祉を増進する。正当な理由がないかぎり住民の施設の利用を拒んではならない。不当な差別的扱いをしてはならない。とされていますが、指定管理者制度が導入されると、こうした問題が起こる可能性が十分ありますが、この点はどうなるのか。
 2に、施設の内容で、非公募と公募に分けられていますが、この基準は何か。
 3に、指定管理者制度になり、これまでのみどりの協会、スポーツ振興財団、観光協会が指定管理者から外れた場合、これまでの職員の処遇はどのように考えているのか。

議案第157号・千葉市緑区保健福祉センター新築工事について
 保健福祉センターの場所として、「この場所が市民にとって利便性はあるのか」と問題になっています。そこで伺います。
 1に、交通アクセスは、鎌取駅から何メートルで、何分かかるのか。緑区役所から、何メートル何分かかるのか伺います。
 2に、福祉センター利用者は、高齢者・障害者が多く利用します。これら交通弱者への配慮についてはどうか。
 3に、これまでの鎌取保健センターは、1984年に建設されたもので、十分使用できるものです。それを壊して、ここにまた建設するのは、行政の無駄ではないか。

議案158号・新港横戸町線第3工区下水道施設移設工事について
1に、この工事の内容の説明と、その工事をなぜ奥村組と随意契約を行ったのか。その理由を説明していただきたい。
2に、随意契約で、どのような効果が期待できるのか。具体的に示していただきたい。

議案159号 蘇我スポーツ公園区域内既存施設除却工事について
 この工事についても、工事の概要と入札した5つの共同企業体のなかで、清水・天台建設企業体が、なぜ予定価格が公表されているにもかかわらず、予定価格をオーバーして、失格になったのか伺います。また、解体に伴うアスベストの処理費用と、環境・安全対策について伺います。

議案第160号製造委託契約(こども科学館の展示物等製作)について
まず、入札にかかわり伺います。トータルメディア開発研究所が、18億2,500万円で落札しました。落札率99.54%と極めて高い落札率です。伺いますが、
 1に、予定価格の18億3,333万3,334円という細かな数字は、どういうことで積算されたのか伺います。
 2に、99.54%の落札率は、予定価格とほぼ同じ数字ですが、仕様書から見てこのような極めて高い落札率に、なぜなると思われるのか。
 3に、落札したトータルメディア開発研究所は、どのような実績があり、評価をされているのか。
 4に、業務委託であり、担当部局が入札を行いました。専門的なことであり、担当部局が契約をすることは必要かもしれませんが、20億円規模の契約であり、市民全体にかかわる問題であることから、全庁的な検討が求められるのではないのか。
 5に、千葉市教育委員会の契約等審査委員会委員は、どのような構成になっており、専門家や市民の参加は保障されているのか伺います。

こども科学館のあり方、コンセプトについて伺います。
こどもの未来への夢を育む科学館は、必要な施設です。しかし、全国的に莫大な建設費や運営費などで、建設を躊躇する自治体が多いようです。
 1に、千葉市らしい科学館にならなければなりません。千葉市らしい科学館のとしての工夫や特徴は、どうされたのか。
 2に、全体の経費、建設費への国などからの補助について、明らかにされたい。また、運営費がかかる施設ですが、運営費をオープン後どのように考えているのか。
 3に、リピーターを確保するには、科学館としての宿命でもありますが、科学の進歩に伴い、毎年のごとく機器の更新やイベントなど、かなりの経費がかかりますが、どの程度の予算を考えているのか。
 4に、科学館の運営では、ボランティアの支えが必須条件ですが、この点はどのようになるのか伺います。
 5に、管理運営は、指定管理者制度で行うと聞いていますが、特殊な施設であり、展示物関連の業者が管理運営をすることになるのか。また、適切な運営をどのように考えるのか伺います。

議案第161号・製造委託契約(こども科学館のプラネタウム製作)について
まず、入札について伺います。
 1に、5億4,574万4,286円、予定価格はどのように積算されたのか。
 2に、この案件は、展示物製作とは違い、五藤光学研究所が3億4,490万円で落札、落札率63.2%でした。これは、低入札調査基準価格3億6,380万9,000円をかなり下回っています。伺いますが、下回った理由、精度の保障は大丈夫なのか。
 3に、2社しか入札しない理由はなにか。また、もう一社のコニカミノルタプラネタリウムは、五藤光学と比べて1億円以上も高い入札だったのは、なぜなのか伺います。

プラネタリウムの運営について伺います。
 1に、千葉市らしいプラネタリウムとして、どのような工夫・特徴があるのか。
 2に、千葉市に関連する天体の科学者などの協力等はあるのか。
 3に、管理・運営への市民参加はどうされるのか。

議案第162号・損害賠償額の決定について
 これは、千葉市立病院でおきた医療事故で、新聞でも報道されている痛ましい事故です。また、医療訴訟は全国的にも激増しています。
 適正化と迅速化が求められますが、何よりも事故がないように運営されなければなりません。和解が成立したことは歓迎されます。その視点から伺います。
 1に、今回の事故の背景・責任・問題を明らかにして、再発防止の手立てについて伺います。また、教訓とすべき問題は何かについても伺います。
 2に、産科・小児科などの不足が全国的な問題となっていますが、千葉市内の現状と対応はどうなっているのか。
 3に、医療訴訟は極めて難しい問題があります。患者の側が泣き寝入りするケースが多くあります。不幸にして医療問題が起きた時に、公正な対応をするための支援策について伺います。

次に、保健福祉局の指定管理者制度にかかわる条例について伺います。
 1に、和陽園などの養護老人ホーム・老人福祉センター・いきいきセンター・小規模作業所は公募ですが、ハーモニープラザ・休日救急診療所・児童福祉センター・大宮学園・桜木園・療育センターは非公募となっています。この理由について伺います。
 2に、議案第132号については、特別養護老人ホーム・老人ホーム・短期入所のホテルコストの費用が含まれています。改定介護保険法が10月から施行されました。介護保険施設の食費と居住費を、入所者一人平均年間39万円も値上げする大改悪です。このことで年金を超える負担を強いられるケースも出るとされ不安が広がっています。そこで伺います。
 1、今回のホテルコストの導入により、経済的な理由で介護が受けられないケースは出ないのか。
 2、千葉市として、実効ある軽減措置を行うべきではないか。
 3、国は「在宅との不公正を是正する」として、施設の食費・居住費の全額負担を正当化しています。この点、千葉市はどう考えているのか。

(2回目)

 公の施設の管理を民間企業が行えば、(1)サービス内容の商業主義化、(2)情報公開や住民参加の後退、個人情報の保護、(3)選定段階での癒着、(4)施設労働者のパート・派遣職員化などの懸念はないのか。まず伺います。

議案第139号・小規模通所授産施設について
 指定管理制度を導入して、利用者にどんなメリットがあるのか。改めて伺います。住民の福祉の向上にはならないと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

議案第146号・美術館条例について
1に、美術館は何のためにあるのか。誰に奉仕するのかについても伺います。
2に、質の高い事業は、指定管理者制度で保障できるのか伺います。
 3に、千葉市の文化芸術は、千葉市が市民に代わり、保存・継承して市民に無料で鑑賞させることは、必要経費と考えないのか伺います。

第152号・千葉市公園条例について
 1に、公共スポーツ施設の指定管理者制度が、本格化すれば、使用料金とスポーツ大会等への減免適用はどうなるのか。
 2に、抽選方法やスポーツ教室事業が、効率・収益優先となり、市民の利用が制限されることはないのか。
3に、利用者の意見反映の場の保障とこれらの実行能力はあるのか。
4に、補修、改築などの適切な財源確保が可能なのか。
以上、伺います。

議案第158号・下水道施設移設工事について
 随意契約には、答弁されたように、この会社にしかできないなど特別な理由がなければ随意契約は認められません。また、落札率が96.31%をみても、経費の削減にはなっていないのではないか。伺います。

議案第159号・蘇我スポーツ公園区域内既存施設除去工事について
これも、落札率が96.76%で、極めて高いものです。そこで伺います。
 1に、談合の疑いはないのか。
 2に、なぜ、5億の工事に、日本のスーパーゼネコンが入札をするのか不思議です。これは、特殊な仕事なのか、あるいは何か背景があるのか。
 3に、清水・天台の建設企業体が、消費税の計算を間違えたとのことですが、それは事実としても、背景には千葉市の予定価格の積算があまりにも高いなど、何らかの事情に対する抵抗ではないのか伺います。

議案第160号・こども科学館について
 科学館は、市民参加で専門家や利用する子供の意見を取り入れて、市民に必要性、経費、展示内容など、業者とやり取りをしながら建設をすすめていくべきなのに、そうした市民参加がかけているのでは。
 入札の件ですが99.54%の根拠がはっきりしません。専門家に意見や指導を受け、展示内容の検討もすべきですが、それはどうなったのか。
 他都市でも、再開発ビルに科学館やプラネタリウムの建設が続いていますが、少し千葉市を生かした特色あるものはあるのか。
 トータルメディア開発研究所は、全国展開をしていますが、同じコンセプトになるのではないのか。そこは、どのように検討されたのか。

(3回目)

指定管理制度の問題です。
 教育施設でも公園でも、使用料収入は、施設管理費に比べれば1割にも満たないものです。
 収入を上げるには、料金を上げる、また人件費を下げるために、不安定雇用にすれば大幅にコストを下げることができます。
 これは新自由主義の流れにそうもので、社会の中で国家、自治体の役割を限りなく小さくして、その代わりに企業が自由に活動できるようにするものです。
 先の総選挙でも弱肉強食の格差社会になり弱者が切り捨てられることになります。
 市民が望まない指定管理者制度に、公の施設を導入すべきではないと考えます。十分時間をかけて、検討しながら進めるべきではないかと申し上げ、今後は各常任委員会で、さらに議論を深めることを申し上げて質疑を終わります。