野本信正議員の一般質問への答弁(要旨)

2005.10.4
【環境局長】

○ アスベスト対策について

 アスベスト使用が確認された市有建築物は、利用形態、吹付け場所や劣化状況を勘案し、市民が利用する場所は、早急に除去等の改修を行い、計画的に実施するもの、解体・改修時に対応するものを分類し、対策を進める。費用は、いま積算中だ。 
 石綿障害予防規則では「位相差顕微鏡を使用した分散染色分析法」と「エックス線回析分析法」での定性分析後、アスベスト含有が確認されたら「エックス線回析分析法」の定量分析を行うとしているので、微分熱重量法(DTG)での検査は考えていない。
 国で、来年2月に大気汚染防止法改正を予定しており、建築物解体時の規制対象を拡大する検討がされているので、作業状況を見極めて千葉市の対応を検討する。
 旧三菱セメント建材の工場跡地周辺住民の健康被害情報はない。国が新たな法的措置で周辺住民を含めた救済制度を検討しており、その動向を注視したい。国は廃止したアスベスト粉じん発生施設を公表し、国民への情報提供に努めている。千葉市も必要な情報の公開に努めている。
 建設業従事者とその家族への新たな救済制度を国が検討中であり、アスベスト被害の実態は、国による全国的な対応が必要と考える。
 国の既存建築物への融資制度状況を踏まえ千葉市でも既存の融資制度の活用も含めた支援策を検討していく。
 市の条例で、法の上乗せ・横出し規制を実施している自治体は、14政令市中、札幌市と横浜市の2市となっている。

【総務局長】

○ 市有建築物のアスベスト対策について

 アスベストを含む顕在使用施設に長期勤務する職員の健康診断は、庁内の「アスベスト問題対策会議」の検討結果を見て適切に対応する。

【保健福祉局長】

○ 市有建築物のアスベスト対策について

 療育センターのアスベスト使用状況は、吹き付け材「バーミキュライト」にクリソタイル(白石綿)が、肢体不自由児通園施設「すぎのこルーム」のプレイルームやロビー、階段、体育室の天井に使用され、その含有率と面積は、体育室は4%で941u、それ以外では3%で1,148uだ。飛散の危険性は、体育室の一部に損傷が見られるが、他は通常の使用には問題ない。
 利用者数は、H16年度では年間延べ13,268人で、「すぎのこルーム」はS56年開所から本年9月末で456人通園利用し、平均通園年数は1年11月だ。同ルームの常勤職員は33人で、従事期間は最長22年10ヶ月、平均6年2ヶ月だ。
 体育室は9月13日から利用を休止し、それ以外では天井にビニールシートで覆うなど応急処置を講じた。これら対策を利用者や保護者に知らせる文書を配布し、説明会を開催した。療育センターは、市内の障害児療養の中核施設であり、医療機関も併設しているので、早急にアスベスト除去など飛散防止措置を講じたい。
 公共施設利用者だけでなく、市民の健康相談に応じるため、保健所に相談窓口を設置している。アスベストに起因するかどうか不明な点も多く、相談では息苦しさや咳、胸痛などの症状がある方は、「アスベスト患者センター」指定の千葉労災病院を紹介している。 
 旧三菱セメント建材の工場跡地周辺住民からの健康相談は少なく、被害発生も確認されていないので、健康診断の実施は考えていない。
 アスベスト被害を診断できる専門医は、全国でも少なく両市立病院で専門医を確保し診断・治療に応ずることは考えていない。市としては、専門的な診断・治療が必要な方は、千葉労災病院を紹介していく。

【市民局長】

○ 市有建築物のアスベスト対策について

 中央コミュニティセンターでアスベストが使用されている場所は、6階体育館の機械室天井と4階プール機械室の天井で、面積の合計は472u、アモサイトを含むトムレックスが使用され、アスベスト含有率は、体育館機械室で3%、プール機械室が8%だ。S63年に浸透材を吹付けた後に表面をコーティングし、封じ込め処理しており、飛散の危険はない。
 幕張コミュニティセンターは、1階ロビーの天井と階段裏の計225uで、クリソタイルを含む吸音材が使用され、含有率6%だ。
 高原千葉村は、青少年自然の家体育館の天井540uに、クリソタイルを含む岩綿が使用され、含有率は12%、1・2階の機械室にクリソタイルを含む岩綿が、面積合計285u、含有率14%、市民ロッジ1階ロビー天井337uに、クリソタイルを含む吸音材が使用され、含有率6%だ。一般大気中濃度と同等であり、飛散の危険性はないと報告されている。 
 利用者数は、昨年実績で中央コミュニティセンターは約30万2千人、幕張コミュニティセンターは約10万8千人、高原千葉村は2万6千人となっている。長期利用は、幕張コミュニティセンターを毎週利用するサークル数31団体で、年間約2万6千人いる。長期勤務職員は、高原千葉村はその特殊性から長期勤務職員が10名おり、平均年数は19.3年となっている。
 幕張コミュニティセンターは、利用者の安全のため別棟の体育館を除き休館している。青少年自然の家体育館、市民ロッジ1階は封鎖し、少年自然の家体育館機械室は、必要最小限で事業者が入室している。これらの周知は、利用予定者に手紙や電話で知らせ、施設への掲示や市政だより・ホームページなどに掲載している。市民に親しまれている施設であり、早急にアスベスト除去や飛散防止措置を講じていく。