ふくなが洋議員の一般質問への答弁(要旨)

2005.12.14
【総務局長】
○ 地方自治のあり方について

 社会経済情勢の変化に応じた地方自治制度の構造改革のため、地方分権の拡充・強化を図る観点で、道州制が議論されていることは承知しているが、調査会の答申や法改正を注視したい。新自由主義・NPMについては、「住民の福祉の増進を図ること」が地方自治体の最大の責務であり、最小の経費で最大の効果を挙げ、組織・運営の合理化に努める努力が必要だ。そのため、効率性だけでなく行政の役割・効果、受益・負担の公平、サービスの受け手の立場に立った市民視点、納税者視点を重視する観点から、必要なものは取り入れて福祉向上に努める。

【企画調整局長】
○ 地方自治のあり方について

 「ちば・ビジョン21」や「第2次5か年計画」で、千葉市らしさの確立で都市間競争が激しさを増す中で、自主性・自立性を高めた行財政運営の要請に対応していくことにしている。

【市民局長】
○ 国民保護法について

 「武力攻撃事態対処法」は、日本の平和と独立・国と国民の安全確保を目的に、武力攻撃事態等への対処を基本理念・国・地方公共団体等の責務・国民の協力、その他事項を定めたもので、国民には地方公共団体等が対処措置を実施する際、協力に努めるよう求めているもの。
 「国民保護法」は、武力攻撃事態等に際し、国民の生命・身体・財産保護のため、国・地方公共団体などの住民避難・被災者救援の責務や国民の協力など必要な事項を定めたもので、訓練・避難誘導への協力、救援物資の売渡し、土地使用、医療実施の要請、土地・建物等の応急公用負担などが規定されている。
 「自衛隊法」は、自衛隊の任務・部隊組織編制・行動と権限等を定めたもので、防衛出動時に通行に障害があれば空地等を通行し、総理大臣が告知した地域は、防衛庁長官の要請で知事が、土地の使用、医療事業者・土木建築業者・輸送業者に対し業務従事命令を出すと規定している。
 「特定公共施設利用法」は、武力攻撃事態等に際し、港湾施設・飛行場施設など特定公共施設等の利用に関し必要な事項を定めたもので、優先利用が必要な場合は対策本部長が要請し、施設管理者が許可の変更を行うことなどを規定している。
 「米軍行動円滑法」は、米軍が「日米安保条約」に従い、円滑・効果的に行動できるよう定めたもので、国は土地使用や物品・役務提供が出来るよう定めたもので、市民生活の規制ではない。
 国民保護法は、国民の保護の措置を実施するにあたり、憲法の保障する自由と権利が尊重され、制限がある場合でも必要最小限に限られ、公正・適切な手続きで実施。差別的取り扱いや思想・良心の自由、表現の自由は侵さないとされている。
 武力攻撃事態対処法では、政府が総合調整・是正指示・代執行の権限を持っているが、国は法令に基づき適切に行うものと考える。退職自衛官の防災関係部局の在職状況は、政令市でH17年4月1日現在、2市で4人と聞いている。
 「ジュネーブ条約第1追加議定書第59号無防備地区」は、敵対する紛争当事国による占領のために開放し、特別な保護を受ける地区として、無防備地区の規定が置かれている。
 「指定公共機関」は、国が政令で160機関を指定し、千葉市内の事業者では、NHK千葉放送局、JR東日本千葉支社など10機関が指定されている。県は29機関指定していて、市内には11事業者で、モノレールK.K、社団法人LPガス協会などがある。指定機関は、国や地方公共団体と協力し国民保護措置を実施する。また、自らも国民保護業務計画を定めることになっている。

○ 地震対策について
 千葉市が、災害情報対応システムの実証実験へ参加しているのは、首都大学東京・杉並区・民間企業などが構築した実証実験用のシステムで、住宅地図をベースに災害時の避難経路等の情報をインターネットで、試験的に12月まで市民に提供しているもの。横浜市がすすめている地震防災情報システムは、地震計を150か所整備しリアルタイムで震度情報提供と被害予測を行い、独自の地図で危険度や災害時に必要な危険回避情報をインターネットで提供するものだ。千葉市は、第2次5か年計画で災害対策支援システムとして、地震計の設置や地震予測などが可能なシステム作りに取り組む。
 防災の指揮体制は、地域防災計画で震度5強以上の地震発生時は、災害対策本部を設置することにしている。本部長は市長、副本部長は助役・収入役が当たる。初動時から本部長の指揮命令のもと、各本部員は計画通り業務を的確に執行することになる。
 地域防災計画は、「災害対策基本法」「市防災会議条例」の規定で、市域に係る防災に関し、市が処理すべき事務・業務を中心に、防災関係機関・公共的団体・市民の分担すべき事務・業務、任務を総合的・基本的に定めた計画だ。この計画は、市などの関係機関が実施する計画で、一般市民には理解しづらい面がある。
 帰宅困難者対策は、中央防災会議の首都直下地震対策大綱で「むやみに移動を開始しない」の基本原則の周知徹底、企業の「従業員の一定期間の収容」などが重要であり、国の「地震防災戦略」を参考に、対策を検討していく。既に、八都県市とコンビニ等との間で「災害時の帰宅困難者支援協定」を締結するなど対策を図っている。
 災害時の飲料水・生活用水の確保へ、各中学校区を単位に56か所の小学校に自家発電機付非常用井戸が。また、公園等14か所に耐震性貯水槽付井戸を整備している。H15年度から「共助」精神醸成目的に、防災井戸指定事業を実施しており、市民・事業者が所有する井戸を災害時に提供いただくもので、38か所の井戸が指定されている。災害時の停電状態でも稼動できるよう発電機を備蓄し、貸与できるよう準備している。

【下水道局長】
○ 防災対策としての雨水利用について

 H12年度に水害対策、環境対策の一環として、「雨水貯留及び浸透に関する指針」を策定、全庁的に取り組んでいる。千葉市が設置・管理する施設は、公道内等への雨水浸透桝や浸透管の設置、歩道の浸水性舗装等を進めている。一定規模以上の公共建築物では、雨水貯留槽などの設置に努めており、主にトイレ選浄水に利用している。千葉市以外の人が設置する施設には、開発行為等に伴う雨水流出抑制策として、貯留施設や浸透施設の設置を指導し、雨水貯留施設の補助制度を活用した、宅地内への雨水貯留・浸透施設を推進している。今後も、積極的にPRしていく。

【教育次長】
○ 国民保護法について

 学校での国民保護法への対応は、現在学習指導要領では触れられておらず、文科省からも特段の通知はないが、国の動向を注視したい。

○ 千葉市のまちづくりについて
 今後の入居状況等の推移を見ながら、通学区域や通学路等を関係各課と協議し対応する。

○ 子どもの安全について
 H17年3月に、文科省より学校の敷地内への不審者侵入防止へ、門扉の開閉は原則施錠との通知があった。千葉市では、登校後原則として全出入口の門扉を閉めているが、開かれた学校づくり推進のため地域の方々が来校できるようにしている。
 市は、従来より「地域の子どもは地域で守る」を基本に、PTAや保護者、地域の方々、青少年育成委員会等と連携協力し、学校セーフティウォッチャー活動、防犯パトロールなど地域ぐるみで安全対策に取り組んでいる。訪問者等の確認は、事務室で所定の手続きを取り、名札を付けてもらうなど対策に努めている。
 教育委員会は、交通安全指導の周知徹底を図り、安全な通学路を確保するため、各学校から年度初めに提出されるガードレール設置やスクールゾーン表示等、交通安全施設の整備に関する要望事項を整理し、関係機関に依頼するなど安全確保に努めている。
 各学校では、児童生徒からの情報やPTA・保護者会、地域団体、関係機関等の協力で通学区域の実態を把握し、防犯上の安全マップを作成している。作ったマップは、児童生徒、保護者、地域の方々に配布し、登下校事の安全確保に活用している。
 地域の方々で見守りを推進するため約6,800人のセーフティウォッチャーによるパトロール、郵便局の協力で1,000人の走るセーフティウォッチャーの他、子ども110番の家、警察との連携、各自治会での防犯パトロールなど地域をあげて、登下校時の安全確保に取り組んでいる。また、全児童生徒に防犯ブザーを配布し、不審者への対応も指導している。

○ 成人式について
 病気等で成人式に参加できない人の個人情報を得る難しさがあり、今後の検討課題とする。

○ スポーツ振興について
 現在、千葉ポートアリーナ内に千葉マリーンズとジェフ千葉のPR用常設コーナーを設置している。その他公共施設への設置は、関係部局と協議していく。社会体育振興会や体育指導委員、スポーツ関係団体等の協力で地区スポーツ教室や少年スポーツ活動を通じて、地域での支援を行っている。また、スポーツ雑誌「アスリート」を活用し、スポーツ振興を図っていく。アイススケート場を校外学習として施設見学や体験学習等検討中だが、正課体育は、授業時数の確保、学習内容、移動に費やす時間などから実施は難しい。

【消防局長】
○ 国民保護法について

 具体的な消防活動では、避難実施要領で避難住民を誘導し、混雑など危険な事態の回避が必要な場合、警告・指示を行う。また、警察官がいない場合で、必要がある場合は危険な場所への立入り禁止、退去などの措置を講じる。生物化学テロ等への対応は、今年4月に導入した特殊災害対応車を中心にNBC災害特別出動計画で、危険区域・警戒区域・安全区域に分類し、陽圧式化学防護服の着用で消防隊員の安全管理を図り、住民救出など必要な活動を行う。

【都市局次長】
○ 千葉市のまちづくりについて

 市内の商業地域、準工業地域でのマンションは、H10年度以降の「千葉市中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」で手続きされたもので、商業地域が79棟・7,155戸、準工業地域が10棟・1,441戸だ。問屋町地区は、既成都心地区とともに千葉都心地区を形成し、都心を強化する商業、業務機能を受け止める機能の更新を目指していた。H4年に再開発促進へ、地元に準備組合が設立されたが、種々の事情でH15年9月に準備組合が解散となり、再開発事業が中止された。宅地開発事業者は、公共施設及び公益施設の整備等事業実施基準を定めた市宅地開発指導要綱で、事業区域面積が3,000u以上の場合は、区域の3%以上の土地を公園に整備することになる。しかし、問屋町の場合、周辺に相当規模以上の公園に該当する臨海第一緑地があり、都市計画法施行令で緩和されている。計画戸数が2,000戸超の開発事業では保育所用地の確保を協議することになっており、都市環境の確保に努めている。卸売団地会館跡地には、8,184uの敷地に地上15階建て・396戸のマンションが建設される。

○ 都心開発について
 約3,780uの敷地に5万uを超える建物が出来るのは、当該地の基準容積率が800%であり、建築基準法に規定する駐車場等の容積不参入、公開空地を有する建築物の容積率等の特例「総合設計制度」から建築可能となるもの。150mの高さだが、事業者は電波障害の事前調査を行い、障害が発生した場合必要な措置を講じることになっている。風害は、コンピューターでシュミレーションし、計画建物周辺の風力を予測して対策を講じることになっている。駐車場は、エレベーター式のタワーパーキングが3基設置され、スムーズな出入が可能で、敷地内に4台分の滞留スペースもあり、周辺道路へ配慮した計画になっている。地区の特性を考え建築や都市計画等に関する法令・条例・各種要綱等で、個々の申請に対応していく。 

○ 子どもの遊び場所の安全について
 公園内の安全確保は、樹木などでの死角を極力なくすため下枝の剪定や刈り込みを実施し、遊具や照明灯の点検を行い、安全・安心なまちづくりをすすめている。今後も、周辺から公園内が見通せるよう点検パトロールを実施し、安全確保に努める。

【環境局長】
○ 卸売団地会館の跡地について

 六価クロム検出の原因は、敷地内の14地点で地下水調査したら、1地点で環境基準を超える六価クロムが確認されたが、雨水等の溜り水に浸ったコンクリートガラから溶出したもの。事業者は、汚染した地下水や溜り水を既に汲み上げ、処理したと聞いている。市としては、速やかに土壌と地下水の確認調査を実施したい。

【経済農政局長】
○ 都心開発について

 マンション建設で夜間人口の増加や、居住者の日用品・買回り品等が購入され周辺商店街への波及効果が期待できる。
 市が認定したTMO構想の推進団体「市中心市街地まちづくり協議会」が実施する、各種活性化事業に支援してきたが、第2次5か年計画の素案では、同事業への支援をさらに拡充することにしている。具体的には、中央公園やその周辺で実施しているイベントを年間通じて開催し、中心街への来街者の回遊性と賑わいの創出を拡大する。また、街角・商店街への花のプランター設置、「一店一鉢」運動などを進める。古き良き時代の街並みや歴史を再現し、ゆったりと過ごせるよう「ディスカバータウン」などの施策も計画している。

【保健福祉局長】
○ 心の健康について

 こころの健康センター・保健所などの心の健康相談や家庭訪問で、精神保健福祉士の果たす役割は大きいと認識している。保健所には、精神保健福祉士を配置しているが、こころの健康センターには、業務経験豊かな保健師を配置している。今年4月、若葉区保健福祉センター開設にあわせ、嘱託の精神保健福祉士を雇用した。今後もスタッフの充実に努力する。

○ スズメバチの巣撤去について
 スズメバチに関する市民からの問合せは、異常気象や宅地開発でスズメバチが住宅地に巣をつくることが多くなり、年々増加傾向にある。巣の撤去は、個人の所有地や住宅内は所有者の事故管理責任で対処してもらうが、撤去作業の相談には専門業者で構成する千葉県害虫防除協同組合を紹介している。市で撤去することは今後の検討課題としたい。