平成17年第4回定例会

Y1
(提出年月日)平成17年11月22日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

命と健康を脅かす「医療制度構造改革試案」に反対する意見書(案)

 厚生労働省が、10月19日に発表した「医療制度構造改革試案」は、高額療養費の負担上限の引き上げ、長期入院患者の居住費・食費の全額自己負担化、高齢者の窓口負担増、75歳以上の全高齢者から年間7万円の保険料を徴収するなど、大変な負担増計画となっている。
 そればかりか、かかった医療費の一定額までを保険対象外とし患者に負担させる、「保険免責制度」の導入も検討するとしているが、これは風邪などの軽い病気は全額患者負担にするものであり、「必要な治療はすべて保険で受けられる」と言う「国民皆保険」の根幹を突き崩すものである。
 医療は、景気動向などに関係なく、必要とされているすべての人に保障されるべきである。また、高齢化による医療費増を無理やり抑え込む計画では、結局、患者の重症化を招き、国民の命と健康を脅かすことになる。
 「改革」と言うのなら、歳入・歳出の見直しで必要な財源を確保し、薬価や高額医療機器の実態にメスを入れ、予防・公衆衛生を充実させ、持続可能な医療制度を確立することが政府の責務である。
 よって、本市議会は国に対し、必要な医療が受けられなくなる「医療制度構造改革試案」に強く反対するものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年  月  日

千 葉 市 議 会



平成17年第4回定例会 Y2

(提出年月日)平成17年11月22日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

国民の自由を奪う「共謀罪」の廃案を求める意見書(案)

小泉内閣が、繰り返し国会に提出している「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」、いわゆる「共謀罪」新設法案は、そのたびに市民団体や日本弁護士連合会などの強い反対により、断念してきたものである。
「共謀罪」は、「悪いことを考えること自体が犯罪だ」として、権力が国民の心の中まで入り込み、監視し、統制することで犯罪を取り締まるものである。
これは、憲法で保障された「内心の自由」「表現の自由」「思想・信条の自由」を犯すことになる、現代版・治安維持法とも言える危険な法案である。
「共謀」は、当事者だけが知り得るものである。それを察知するには、室内の会話、電話、携帯電話、FAX、電子メールが捜査の対象となることから、盗聴やスパイが横行する監視社会、警察国家になると指摘する声もある。
テロ組織など、国際的に活動する「組織的犯罪集団」の犯罪防止が目的とされているが、繰り返し提出される法案には「国際的かつ組織的犯罪集団」との限定はない。つまり、市民団体や労働組合、宗教団体などあらゆる団体が対象となるのである。
しかも、あらゆる犯罪に「共謀罪」を適用するとしており、警察が主観的に「共謀があった」と認定すれば、「取り締まりや組織弾圧も可能になる」との批判が出されるほど、人権侵害が危惧される法律なのである。
よって、本市議会は国に対し、国民の自由を奪う「共謀罪」の廃案を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年  月  日

千 葉 市 議 会



平成17年第4回定例会 Y3

(提出年月日)平成17年11月22日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

障害者「自立支援法」を撤回し、「応能負担」に戻すよう求める意見書(案)

障害者「自立支援法」は、多くの障害者や関係団体が、慎重審議や廃案を求めていたにもかかわらず、自民・公明などの賛成で可決・成立した。
この法律は、障害者の福祉サービスの量に対して1割の定率額を支払う「応益負担」を導入するものである。障害者にとって、介護や移動などにかかわる各種サービスは、生きていくためになくてはならないものであり、「利益」などと考えるのは根本的な間違いである。
「健常者と同じような『トイレに行く』『食事をする』ことが、なぜ障害者では『利益』になるのか」と言う悲痛な訴えに、もっと誠実に応えるべきである。
障害が重く、サービスを必要とする人ほど負担が重くなるのでは、必要なサービスが受けられなくなるのは明らかであり、憲法第25条が国民の生存権を保障するため国に義務づけている「社会福祉、社会保障」の「向上及び増進」に反するものである。すべての障害者に、自立し社会参加する上で必要なサービスを保障することは国の責任である。
よって、本市議会は国に対し、障害者「自立支援法」を撤回し、「応能負担」に戻すよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年  月  日

千 葉 市 議 会



平成17年第4回定例会 Y4

(提出年月日)平成17年11月22日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

消費税の増税に反対する意見書(案)

第三次小泉内閣の財務相が、就任会見で2007年度税制改正の議論の中で、「消費税を含めて税制の改革の方向をしっかり決める」と明言し、当該年の通常国会に消費税増税を盛り込んだ法案を提出する考えを示した。
現在、景気は「踊り場を脱却」などと言うが、業績が好調なのは大企業であり、勤労国民の生活実感とは大きくかけ離れた景気判断となっている。
政府は、「雇用を増やしている」とは言うものの、その実態は小泉内閣発足前の雇用者数とほぼ横ばいであり、しかも、その内容は正社員が約246万人減る一方で、正社員の賃金の半分と言われているパートや派遣などの非正社員が247万人増えたのが実態で、雇用者所得は12兆円も減少しているのである。
大企業は、リストラ、人件費削減策でバブル時期をしのぐ空前の利益を上げているが、雇用不安や所得の減少により、国民の暮らしは依然として深刻な状況が続いているのである。こうした中、医療費・年金保険料の引き上げ、定率減税の縮小・廃止、さらには消費税率の引き上げでは、勤労国民に一層の苦難を与えることになる。
すでに、小泉内閣のもとで実施された庶民増税は、3兆5,000億円にも上るが、大企業に対しては減税に次ぐ減税で、その一つである連結納税制度だけでも、2004年度で3,196億円、導入された2002年度からでは9,295億円にも達していることが判明している。
言うまでもなく、消費税は大衆課税であり、低所得者ほど負担が重くなる不公平税制である。莫大な利益を上げている企業に応分の負担を求めるなど、不公平税制を是正するとともに、むだをなくし、税金の使い方を社会保障と福祉中心に据えれば、消費税に頼らず安心かつ安定した「社会保障制度」の確立は十分可能である。
よって、本市議会は国に対し、消費税の増税を撤回するよう強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年  月  日

千 葉 市 議 会



平成17年第4回定例会 Y5

(提出年月日)平成17年11月22日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

現状では米国産牛肉の輸入再開を行わないよう求める意見書(案)

BSE(牛海綿状脳症)の発生に伴い、米国産牛肉は輸入を禁止されているが、「プリオン専門調査会」の答申案が出されたことから、「このまま輸入が再開されるのではないか」と、米国産牛肉の安全性に対する不安が高まっている。
日本では、食肉処理される牛のBSE検査の対象基準が21カ月齢以上に緩和されたが、全都道府県は独自に全頭検査を実施し、住民への食の安全を確保する努力が行われており、国もその費用負担を継続している。
 しかし、米国では、トレーサビリティ(牛の生産・流通の経歴が追跡できる仕組み)体制がなく、「生後の月齢を正確には判断できない」と言われている。また、特定危険部位の除去についても、と畜場での監視が不明であり、「実効性は疑問だ」などの不安が出されており、国民が安心できる科学的な輸入条件が遵守されるまで、輸入再開の結論は出すべきではない。
政府には、国民の食の安全を守る義務がある。米国・カナダ産牛肉を初めすべての輸入牛肉についても、全頭検査、特定危険部位の完全除去、トレーサビリティ体制の整備を求めるべきである。
 よって、本市議会は国に対し、国産牛と同等の安全性が確保できるまで、米国産牛肉の輸入再開を行わないよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年  月  日

千 葉 市 議 会



平成17年第4回定例会 Y6

(提出年月日)平成17年11月22日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

児童扶養手当の減額の中止を求める意見書(案)

児童扶養手当は、母子家庭の子供の健やかな養育のために必要な支援である。ところが、政府は、児童扶養手当の受給者が増加していることから、「合理化・効率化を行い、自立を支援する制度として将来にわたり機能できるようにする」として、児童扶養手当法を改正し、手当の受給期間が5年(事由発生から7年)を超える場合、「政令により手当の額の2分の1に相当する額を超えない額を支給しない」としたのである。しかし、厚生労働省が平成15年11月に実施した「平成15年度全国母子世帯等調査」結果によれば、「母子世帯となったときの母の平均年齢は33.5歳で、そのときの末子の平均年齢は4.8歳」となっている。
4.8歳の子の5年後は、小学校中学年の頃に当たり、成長に伴う食費や教育費が増加する時期と重なることになり、児童扶養手当の減額は、子供の健やかな成長期を直撃することは明らかである。
リストラや不安定雇用などが蔓延している社会状況のもとで、自立に向けた就労支援の充実を図りつつ、母子家庭が安心して子育てできるよう援助することは国の重要な役割である。
よって、本市議会は国に対し、児童扶養手当の減額を中止するよう求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年  月  日

千 葉 市 議 会



平成17年第4回定例会 Y7

(提出年月日)平成17年11月22日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

庶民大増税の中止と公平な税制を求める意見書(案)

谷垣財務大臣は、1999年度の税制「改正」で景気対策として導入された、「定率減税」の全廃を明言している。また、政府税制調査会では、サラリーマンの収入から一定割合を差し引く給与所得控除を縮小の方向で見直し、配偶者控除や特定扶養控除についても見直すとしている。
定率減税が全廃されれば、総額で3兆円を超える負担増が国民に襲いかかることになる。さらに、給与所得控除や配偶者控除などが縮小・廃止になれば、年収500万円で4人家族の場合、年間42万円の増税となり、給料の1カ月分以上がなくなることになる。
景気は「緩やかに回復している」から、定率減税の全廃を「やれる状況になっている」などと言われているが、「回復」しているのは、一部の大企業だけであり、国民の暮らしは、依然として雇用と所得低下に大きな不安を抱いているのである。
このようなもとで、各種控除の縮小や廃止による増税は、国民生活に耐えがたい痛みとなり、可処分所得の減少は、さらに消費不況を呼び、地域経済にも多大な影響を与えることは必至である。
よって、本市議会は国に対し、税の基本である応能負担の原則に基づき、以下のように、庶民大増税を中止するよう求めるものである。
1 定率減税の全廃、給与所得控除の縮小、配偶者控除や特定扶養控除の廃止など、庶民大増税は行わないこと。
2 大企業や高額所得者優遇の減税をやめ、能力に応じ公平に課税すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年  月  日

千 葉 市 議 会



平成17年第4回定例会 Y8

(提出年月日)平成17年11月22日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団 

独立行政法人都市再生機構の家賃値上げに反対し、安心して居住できる施策の充実を求める意見書(案)

独立行政法人都市再生機構は、賃貸住宅(公団住宅)の継続居住者の家賃を「3年ごとに改定する」として、平成18年4月1日からの値上げへ、見直し作業を行っている。
本年9月に全国公団住宅自治会協議会が実施した調査によれば、60歳以上の世帯主が55.3%に達し、第一分位(年収446万円未満)は67.5%、第二分位(446万〜589万円)は11.6%と、全体の79.1%を占めていて、「公団入居者の高齢化と所得水準の低下が顕著」な状況となっている。
 しかし、都市再生機構は、「家賃が低所得の高齢者等の居住者に対して過大な負担とならないよう配慮する」とした国会での附帯決議があるにもかかわらず、3年ごとの値上げを繰り返し、居住者に生活への不安をもたらしているのである。
 住まいは、団地居住者の基礎的な家庭生活の場であり、居住者の生活不安をなくし、よりよい住環境の整備が求められている。
よって、本市議会は国に対し、以下の実施を強く求めるものである。
1 来年4月に予定されている家賃改定に際し、継続家賃の値上げは行わないこと。
2 低所得高齢者等への家賃減免措置を拡充するなど、居住支援措置をとること。
3 独立行政法人都市再生機構は、衆参両議院の附帯決議事項を実行し、高齢化と収入低下が著しい居住者の生活の安定を図るため万全な措置を講ずること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年  月  日

千 葉 市 議 会



平成17年第4回定例会 Y9

(提出年月日)平成17年11月22日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

乳幼児医療費無料制度の創設を求める意見書(案)

国はこれまで、さまざまな子育て支援策を行ってきているが、少子化に歯止めがかからず、一人の女性が生涯に生む子供の数は年々低下し、2004年には、平均1.29と戦後最低になっている。
尾辻前厚生労働大臣が、今年初めに「子供たちに対する社会保障費の割合が4%に達していない、今より大きくする必要がある」と述べているように、誰もが安心して子供を生み育てられる環境をつくることが必要である。
ここ数年、医療費を就学前まで無料にする市町村が急増し、すべての自治体で実施するよう求める声が広がっている。しかし、中学・高校まで助成する市町村が増加する一方、医療費無料の対象年齢を3歳未満児に限っている市町村もあり、財政的な理由などから市町村間の格差は広がっている。子供は、どこで生まれ住んでも、等しく大切に育てられなければならないものである。
よって、本市議会は国に対し、小学校就学前の子供を対象とした乳幼児医療費無料制度を早期に創設するよう求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年  月  日

千 葉 市 議 会