野本信正議員の一般質問への答弁(要旨)

2005.12.13
【都市局長】
○ 都市計画法に基づく開発行為の許可基準について
 法改正後、今日まで千葉市が適用しなかったのは、市街化調整区域の開発を極力抑制しながら、市街化区域で施行されている土地区画整理事業等で生まれる宅地へ誘導する必要があり、急ぐべきではないと判断したから。しかし、「都市計画マスタープラン」が策定され、市のコンパクトな市街地の形成とモノレールの利用促進のため、必要最小限の範囲で条例制定を検討してきた。今後、JR駅・京成駅周辺について、モノレール駅周辺の開発動向や社会情勢の変化を勘案し、「マスタープラン」との整合を図りながら排水施設等の公共施設整備状況を考慮して判断していく。県条例と同様に1.1kmを対象にすると、千葉市の調整区域の6割に当たる約8,000haが対象となり、段階的な市街化を図る目的の区域区分制度の形骸化を招く恐れがある。また、道路・排水施設等の公共施設を後追い的に整備しなければならず、あらたな公共投資を余儀なくされることになる。さらに、開発で雨水排水量の増加が予想され、下流域に浸水被害が出る可能性もあり、調整区域の自然環境を保全する千葉市の方針に反するものとなる。今回の条例は、環境問題や少子高齢化社会に向け対応を図っており、参院付帯決議事項に適合したものと考える。今回の条例では、指定する区域・建築物の用途を定めており、開発審査会の議を経ずに許可できることになるので、審査基準を遵守し、厳密な審査を行う。これによって、将来的に14,000人から24,000人張り付くことが想定され、モノレール利用者は増加すると考える。他市では、主に低層の戸建専用住宅が建設されている。建設戸数に対する鉄道等の利用者増加割合は、「把握されていない」とのことだ。モノレール駅のエレベーター設置は、全ての駅に設置することにしており、設置箇所は道路の両側から上り下りのホーム間に設置するので、1駅につき4基必要になる。
 この条例は、調整区域で開発許可を行うための要件を示したもので、開発の申請が出されたら、審査基準や指導要綱に従って公共施設の管理者と協議を行うので、良好な都市環境は確保できると考える。子育て支援施設については、開発計画の中ではなく「次世代育成支援行動計画」の中で整備するものと考える。

【教育次長】
○ 幸町第三小学校のアスベスト対策について
 学校施設の建築構造で、「中空スラブ構造」を採用しているのは、幸町第三小学校だけだ。また、全校舎の教室や廊下天井に「アスベスト含有吹付け材」を施行しているのも幸町第三小学校だけだ。S62当時の文部省通知での調査は、含有率60%〜70%程度の建材3品目だけだった。今回のアスベスト含有吹付け材があった22校は、今年8月の文科省通知でH8年度以前に建築された全学校を調査し判明したもの。いずれにしても、児童の安全を考え適切に対応する。同校のアスベスト除去工事に際して、工事や一時移転に伴う通学路の安全確保に万全を期し、子どもたちの心のケアなどに配慮する。地域の方々や関係機関の協力を得て児童の安全対策に努める。国によると、吹付けアスベストが長い間に損傷・劣化等で粉じんが発散したことによる曝露がなければ健康被害は心配ないとしている。同校の場合は、このような状況にないので特に健康に心配はない。財政児童や卒業生・教職員等の関係者から健康被害・不安などの訴えや問合せがあった際は、的確な情報提供と不安解消に努めていく。市は、今年7月上旬、保険所にアスベストに関する健康相談窓口を設置し、市政だより10/15号に窓口一覧を掲載した。また、各種情報をホームページに掲載し市民への情報提供に努めている。現在、国の「石綿に関する健康管理等専門家会議」で、健診のあり方を検討しているので、その動向を注視していく。健診を希望する方は、千葉労災病院等の専門医がいる病院を案内するなど対応していく。健康被害の証明・補償については、国の「石綿による健康被害の救済に関する法律」の制定が検討されているので、その中で対応したい。今回は、在校生の保護者対象に説明会を行ったが、総津行政やその保護者等の要望があれば、必要に応じて開催していく。

【保健福祉局長】
○ アスベスト対策について
 千葉市が行っている基本健診の結果は、保健福祉センター・保健センターに報告され、健康教育や健康相談を行っているが、所管する犢橋保健センターでは、特定される健康被害は確認されていない。今後、周辺住民の健康問題は、基本健診の状況を踏まえて対応していく。他の区でも、花見川区同様特定される健康影響は確認されていない。住民の健康不安解消へ、保健所に相談窓口を設置し対応している。健診を希望する方は、専門医がいる千葉労災病院を案内しているので、市として健診の実施は考えていない。
 建設従事者の対策では、健診の状況にもよるが、労働安全衛生法で事業主や産業医が適切な健康管理を行っていると考える。労働組合が、業務の特性に応じた健診を行っていることは、疾病の早期発見・早期対応に望ましいことだ。
 アスベスト健康被害に関する健診のあり方は、国が問診のあり方や健診の方法を検討しており、近々報告されることになっているので動向を注視し、適切な対応を図る。

【環境局長】
○ アスベスト対策について
 三菱マテリアル建材とは連絡をとっており、周辺住民からの相談に応じていると聞いている。クボタの公開資料によると、アスベスト取扱従業員には、退職後も定期的に健診を実施し、被害を受けた方には会社規定に基づき補償している。旧神崎工場周辺のアスベスト疾患患者には、お見舞金・弔慰金制度で、中皮腫で療養中の方や志望された方の遺族に一律200万円支払っている。三菱マテリアル建材の制度と金額は、確認したら「健康被害を受けた従業員には労災補償制度と会社規定で補償している」とのことだった。アスベスト取扱従業員は、退職後の健診を実施しており、今のところ新たな健康被害はなく、住民の被害報告もないといっている。
 建設従事者に対する対策は、国で新たな救済制度を検討しており、国の対策の一環で全国的に実施されるべきものと考える。
 これまでも、各種相談窓口や市政だより・ホームページ・環境情報誌等を通じて情報提供に努めてきたが、学習会は現在策定中の「アスベスト問題への総合的な対応策」で検討していく。