中村きみえ議員の討論


2005.2.1
 日本共産党市議会議員団を代表して、議案第2号個別外部監査契約にもとづく監査について、賛成の立場から討論を行います。
 千葉市の公正・公平・透明な税務行政を願って本日、千葉市議会臨時会臨時会が開催されたことは大変意義深く、直接請求に取り組まれた請求代表者、また署名収集された皆さん、自らの意志で署名された2万人を超す市民の皆さんに敬意を表します。
 地方自治法は、住民参加を積極的に位置づけており、直接請求は住民参加の大きな柱の一つです。地方自治法75条1項の規定により、千葉市事務監査請求がなされ、普通公共団体の事務の執行に関し、監査委員の監査にかえて個別外部監査契約に基づく監査を求めたことは、地方自治制度を積極的に活用し、市民参加と地方自治の発展につながるもので賛成するものです。
 また、花沢元県議滞納税不正免除事件で明らかになった、ゆがんだ・不透明な税務行政の真相を解明し、公正・公平・透明なものにする有効な手段として賛成するものです。
 この住民の自治への参加に対して「92万人の中の2万人」と発言した鶴岡市長の感性は厳しく批判しなければなりません。
 さて、監査委員が請求を適当と判断したことについてです。
 監査委員の意見は、外部監査制度は地方公共団体の組織に属さない外部の専門的な知識を有する監査を行い、監査機能の独立性と専門性を一層充実し、監査機能に対する住民の信頼性を高める制度と指摘しています。また、市税に関する監査として本件請求にかかる監査テーマの調査は情報処理等に関する高度な専門知識が必要とされ、監査結果について住民の信頼を得るには外部の第3者による監査が望ましいと述べており、適切な意見であると思います。
 この意見の中で「市税に関する監査として、平成16年に「納税期限を経過した市税の取扱に関する事務の執行」に関する監査結果を公表した」と記されていますが、その指摘事項はいずれも重要な内容であり、千葉市税務行政のゆがんだ実態を告発している(1)滞納者の財産調査を適切に行う。(2)滞納処分の停止に伴う調書作成を適切に行う。(3)延滞金を適正に徴収する。(4)延滞金の減免理由を明確にする。(5)滞納整理事務処理マニュアルを適切に作成する。
 これらの指摘は、平成15年度1年分の監査によるものですから、個別外部監査によって、過去にさかのぼり全面的な監査が実施され、問題点が明らかにされることを期待します。
 そして、監査請求のテーマである市税の徴収事務のうち、特別処分および不能欠損処理の合規性と滞納整理事務システムの実効性が明らかにされることによって公平・公正・透明な税務行政へと進むことを期待します。
 次に、事務監査請求の趣旨や、個別外部監査契約に基づく監査を求めた理由に関連して申し上げます。
 納税は行政の根幹・透明な行政が求められていますが、監査請求発端の理由は、花沢元県議滞納税不正免除事件で明らかになった、千葉市のゆがんだ・不透明な税務行政の真相を解明し、市民の納税への不信感をなくし、公正・公平・透明な税務行政にするというものです。
 その中で、鶴岡市長による千葉市の内部調査が、不十分・不透明で自浄能力と危機意識が欠如していると指摘していますが、私どもも共通の認識です。
 その理由の1は、総務省が「不適切」と指摘した「特別処分」は、花沢元県議の滞納税不正処理に使われたにもかかわらず、そのできた経緯も文書もわからないとする態度は、市民常識からは到底理解できないもので、徹底した解明が必要です。
 その2は、「特別処分」と不能欠損処理に対する市と検察のくい違いも不明のままで、事実を明らかにすることが求められています。
 その3は、花沢元県議滞納税不正免除事件が当局のいう「ごく一部の職員が独断で行った」事件ではありません。鶴岡市長と花沢元県議の特別な関係疑惑、花沢元県議を特別扱いしてきた数々の事実、裁判の中でも事件に関わった職員が多数いたことが明らかになった組織的関与疑惑が深まるばかりです。
 その4は、鶴岡市長の「私は知らなかった」「花沢元県議が高額滞納者であったことも報告がなかったから知らなかった」と部下の責任にして、助役・市長としての職務を怠慢してきたことが、税務行政を不公正・不透明にしてきた一因であることも解明が必要です。
 その5は、花沢元県議滞納税不正免除事件は、内部調査と捜査当局調査とが余りにも乖離していることです。事件が内部調査にとどまっていた場合、元職員の懲戒免職処分ですませ、職員と花沢元県議の共謀もわからず、1億6千万円の延滞税回収もできずに、市民に莫大な損害を与えていました。鶴岡市長は監査請求の指摘をしっかりと受け止め、今から内部調査のやり直しをするよう求めておきます。
 最後に、個別外部監査が実施された場合、提出される指摘事項について、市長は全面的に尊重して生かしていくことを求めます。
 以上明らかにした問題点が、個別外部監査によって解明されていくことを強く望みます。また、市議会もその権能を生かして100条調査権の活用を改めて要求しておきます。
 そして、納税問題に対する市民の不信が払拭し、公正・公平・透明な税務行政実現に向かって、私達日本共産党議員団も努力していくことを表明して討論を終わります。