日本共産党市議団の予算組み替え動議

 「議案第1号平成17年度千葉市一般会計補正予算(第4号)」、「議案第7号平成18年度千葉市一般会計予算」、「議案第8号平成18年度千葉市国民健康保険事業特別会計予算」、「議案第10号平成18年度千葉市介護保険事業特別会計予算」、「議案第17号平成18年度千葉市市街地再開発事業特別会計予算」、「議案第19号平成18年度千葉市公共用地取得事業特別会計予算」、「議案第21号平成18年度千葉市公債管理特別会計予算」、「議案第24号平成18年度千葉市水道事業会計予算」について、市長は、下記により速やかに組み替えを行い、再提出することを要求する。


1 組み替えを求める理由
 2003年から小泉内閣が推進してきた、国と地方の財政に関する「三位一体改革」により、千葉市は4年間で合計122億8,100万円の財源が削減され、市民生活に大きな打撃を与えている。
 千葉市の2006年度予算への影響は、国庫補助負担金が23億6,000万円の減額、普通交付税及び臨時財政対策債は20億円の減額となっている。これに対し、所得譲与税等は25億300万円の増額であり、差し引き18億5,700万円の減少となっている。
 こうした背景から千葉市は、障害者や高齢者への負担増や職員定数の削減などで解決しようとしている。
 しかし、千葉市の市税収入は、国が実施した定率減税の減少による個人住民税の増額や大企業の高収益による法人税の増収で、前年度比50億円の増額となっており、「三位一体改革」の影響額を差し引いても31億4,300万円上回って確保されている。
 このことは、「三位一体改革」が市民サービスを切り捨てる理由とはならず、これまでどおりの市民サービスの維持が可能であることを示している。
 また、大型開発公共事業は、事業の再評価を行わず継続しているが、第三者を加えた評価委員会のもとで見直すとともに、むだを省いて生み出した予算を市民生活向上のために振りかえることが必要である。
 さらに、国民保護計画の策定予算は、「テロ災害時の防御体制づくり」とされているが、アメリカが引き起こす戦争に市民を巻き込むものであり、中止すべきである。いま必要なのは、戦争を回避するための努力である。
 よって、日本共産党千葉市議会議員団は、市民の暮らしと平和優先の予算を求め、次の組み替えの基本方針及び内容により予算の再提出を要求する。

2 組み替えの基本方針
 (1) 蘇我特定地区整備事業、千葉中央港土地区画整理事業、千葉駅西口地区市街地再開発事業及び中央第六地区市街地再開発事業など10億円以上の大型開発公共事業については、「千葉市大規模公共事業見直し委員会」を設置し、市民参加で見直すこと。また、千葉市財政健全化プラン、地方公営企業の中期経営計画についても市民参加での見直しを行うこと。
 (2) 指定管理者制度は、選定委員会に第三者を入れ、すべての施設で個人情報保護条例、情報公開条例を遵守させ、公正・透明性を確保するとともに、市民サービスを向上させること。
 (3) 格差社会の中で、高齢者や障害者が安心して暮らせる施策を構築するとともに、子育て支援や子供の安全のために特別の予算を組むこと。
 (4) 公害対策施策を充実させること。ごみ減量の推進は、市、事業所及び市民一体での取り組みを貫くこと。地球温暖化防止対策を前進させること。
 (5) 経済活性化は関係部局が連携し、事業の波及効果を見込んだ施策を取り入れるとともに、中小業者への支援策を拡大すること。企業立地の条件については、若者の雇用を確保し、正規雇用を義務づけること。
 (6) モノレールについては、総合交通マスタープランを市民参加で作成し、その中で延伸問題を解決すること。また、市営住宅は戸数の確保とともに施設の改善を急ぐこと。
 (7) すべての子供が行き届いた教育を受けられる35人学級を実現するとともに、特別支援教育指導員を必要な学級に配置すること。また、保護者の教育費負担を軽減すること。

3 組み替えの内容
(1) 不要不急な歳出を削減するとともに自主財源の確保を図る。
ア 大型開発公共事業を見直して財源を確保する。
 都市再生総合整備事業費、蘇我臨海土地区画整理事業費、川崎町南北線整備事業費、国道357号改良事業費、蘇我スポーツ公園整備費、中央第六地区市街地再開発事業費、千葉中央港土地区画整理事業費、千葉駅西口地区市街地再開発事業費、千葉駅西口自由通路整備事業費、新港横戸町線事業費、千葉港黒砂台線事業費及び緑化重点地区総合整備事業費の見直し (合計137億7,927万円)

イ 国や県からの負担金押しつけを返上して財源を確保する。
 (ア) 幕張メッセ建設事業負担金の返上 (6億8,000万円)
 (イ) 道路直轄事業負担金の返上    (23億6,440万円)
 (ウ) 千葉港整備事業負担金の返上  (8,972万円)

ウ 事業を中止して財源を確保する。
 (ア) 国民保護事業費(国民保護計画の策定費)(1,124万円)
 (イ) 都市モノレール整備関係費(延伸の調査費)(5,000万円)

エ 自主財源を確保する。
 (ア) 道路占用料の20%引き上げ (2億3,200万円)
 (イ) 法人等の均等割の税率の運用(資本等の金額が50億円を超え、従業者数の合計が50人を超えるもの) (1億3,200万円)
 以上、総額173億3,863万円を以下の施策に組み替える。

(2) 市民の暮らしを守り福祉施策等の充実を図る。
  ア 千葉市大規模公共事業見直し委員会の設置
  イ 指定管理者が管理する施設について公正・透明性を確保するため、市民サービス向上 監視委員会の設置
  ウ 若者の雇用対策としてのジョブカフェの設置
  エ 市独自の雇用創出
  オ 災害見舞金の引き上げ
  カ 平和啓発事業及び憲法学習の普及
  キ 特別養護老人ホームの増設及び助成の充実
  ク 介護保険料減免制度の拡充及び利用料減免制度の創設
  ケ 緊急通報システム利用者の負担の中止
  コ ねたきり老人、認知症老人、心身障害者、身体障害児及び知的障害児に対する福祉手当並びに被保護世帯慰問金の維持
  サ 障害者自立支援法に伴う利用者負担額軽減制度の創設
  シ 国民健康保険料の1世帯当たり1万円の引き下げ
  ス ぜんそく等小児指定疾患医療費の自己負担増の解消
  セ 乳幼児医療費助成の窓口負担の廃止
  ソ 集団がん検診の有料化の中止
  タ 24時間救急診療の設置
  チ DV被害者のためのシェルターの設置
  ツ 子どもルームの拡充
  テ 児童相談所の充実
  ト 保育所の増改築による施設の改善
  ナ 地球温暖化防止対策及び公害対策施策の充実
  ニ ごみ減量計画の市、事業者及び市民一体となった推進体制の強化
  ヌ 商店街及び中小業者を悉皆調査し、ニーズに応えた支援策の強化
  ネ 公共施設の耐震化を図るとともにエレベーター等の設置によるバリアフリー化の推進
  ノ 市営住宅の戸数確保及び施設の改修
  ハ 生活道路の整備、側溝新設・改良、歩道整備及び交通安全施設整備など福祉型公共事業の拡充
  ヒ 消防職員の増員
  フ 低所得世帯に対しての火災警報器設置助成制度の創設
  へ 35人学級の実現及び免許外教員の解消
  ホ 特別支援教育指導員の全校配置
  マ 子供の安全対策を図るため学校安全職員の配置
  ミ 高校生及び大学生への奨学金制度の拡充並びに創設

(3) 不要不急の大型公共事業であるにもかかわらず、当初予算に計上した以下の事業に係る 市債、企業債及び債務負担行為を抑制する。
  ア 千葉駅西口地区市街地再開発事業
  イ 中央第六地区市街地再開発事業
  ウ 千葉中央港土地区画整理事業
  エ 蘇我特定地区整備事業
  オ 水道事業