中村きみえ議員の一般質問への答弁(要旨)

2006.3.13
【教育次長】
○学費の負担軽減について
 市立高校では、若干の生徒が進路変更等で退学しているが、経済的理由での退学はない。県立や私立は所管が違うので、市内在住高校生の実態把握は困難だ。
 現在、奨学金制度は、国公立の高校生に貸与する千葉県奨学資金第1種、国公立・私立全ての高校生に貸与する第2種の制度があり、更に私立高校生には千葉県私立高等学校生徒奨学資金制度もある。これらは、市内全高校生が対象になるので、市独自の制度は考えていない。
 私学助成の増額については、本来、設置認可権を持つ都道府県が責任を負うものだが、千葉市は私立高等学校整備事業として独自に、教育用備品等購入の一部助成を実施している。
 大学生の状況については、全国各地から本人の意志で進学先を選択し決めているもので、市教育委員会として把握するのは困難だ。
 経済的に困難な学生には、独立行政法人日本学生支援機構など様々な奨学金制度や各大学での授業料減免制度が設けられており、市独自の支援策は今後の課題としたい。

○花園中学校の改築について
 新設校や改築に際しては、基本設計や実施設計の段階での説明会等を通じて、関係者の意見を聞き、情報提供にも努めているが、花園中の改築でも、子どもの安全確保の観点から、門や出入り口、周辺環境への配慮、教育活動に影響する校庭・体育館活用方法などを踏まえて基本計画を策定していく。
 おゆみ野南小の問題は、外部階段の床に滑り止めが必要で、水はけの良い床材を使用したもの。バルコニー床の開口部は、下の階の採光を考え設置したもので、建築基準法等に適合したもので、安全性の確保にも努めている。

【保健福祉局長】
○障害者自立支援法について
 昨年12月から今年1月にかけ、利用者説明会を開催した。約2千人が参加し、120件程の質問・意見が出された。多くは、制度が分かりにくいことや各種減免措置の適用要件など利用者負担に関するものだった。現在、新サービス利用の申請手続きを受付け中だが、仕組みの変更や利用者1割負担への不安や懸念が出ているものの、理解を得られるよう努めていく。
 障害者自立支援法では、所得に応じて1ヶ月当りの負担上限額が設定されており、グループホーム等の入居者への個別減免、施設入所者への補足給付など低所得者に配慮した軽減措置がある。また、負担上限額を負担なしまで引き下げており、サービスの利用を制限するものではなく、市独自に軽減策を創設することは考えていない。
 医療費助成の現物給付化は市民の利便性につながるが、実施には乳幼児医療費助成と同じく、県内が統一して実施するのが適切であり、県へ要望していく。
 精神通院公費医療は、所得に関係なく一律5%負担から1割負担となるが、低所得者は月額の負担上限を2500円または5000円としており、低所得者以外でも統合失調症など継続的に通院が必要な方は、市民税額に応じて月額5000円から2万円まで上限額が設定されている。
 障害者の施設は、これまでの施設種別から生活訓練や就労訓練などの日中活動の場と夜間を過ごす生活の場に分けられ、今後5年間で新サービス体系に移行することになる。
 施設整備は、18年度に策定する障害福祉計画で決めるが、国の基本方針を踏まえ、事業者の希望を調査した上で、県の基盤整備の考え方に基づき必要な施設整備を検討していく。
 障害者計画は、障害者の自立と社会参加を目指すものであり、H16年度実施のアンケートや障害者団体から障害者児のニーズを調査するなどして計画に反映させている。また、パブリックコメントを1ヶ月間実施し、広く意見を聞いたところだ。
 専門職の増員は、障害者が地域で自立した生活や就労など社会参加を促進するため関係部局と協議していく。

【保健福祉局次長】
○学費の負担軽減について
 就学資金は、国の「生活福祉資金貸付制度」の中で、貸付要件や所得制限等が定められている。制度の運用に当り、都道府県社会福祉協議会の貸付審査等運営委員会で決定するが、その申請では、民生委員の意見を聞き、市町村の社会福祉協議会を経由することになっている。
 貸付制度の運用は、16年度に連帯保証人の居住地要件を緩和し、緊急を要する申請は審査の特例を設け、貸付決定書は直接本人に送付するなどの改善が行われている。

○肺炎球菌の予防接種について
 市内の肺炎による死亡者数はH16年度で487人、死亡原因の第4位となっている。内科を標榜している市内の医療機関で対応しており、市立病院では年間10数件実施している。
 他の自治体では、高齢者の増加やインフルエンザの予防接種と比べ経費がかかっている。厚生労働省で、肺炎球菌ワクチンの有効性・安全性・費用対効果など知見の収集を前提に検討することになっており、国の動向を注視したい。

【総務局長】
○内部告発について
 市県民税不正免除事件で、チェック体制不備が明らかになったデータ取扱手順を是正し、公務員倫理研修の強化等、職員の意識向上に努めてきた。
 公益通報処理システムについては、通報者にとって通報しやすく、かつ効率的なシステムを構築する観点で、受付窓口に弁護士を活用し、必要に応じ専門家の意見を求めるなど、本制度を実施してきた。公益通報の公表は、公表することで、心理的圧迫感となって通報を阻害することも考えられ、どの程度公表するのか難しいところだ。
 職員の法令違反行為があれば、懲戒処分の対象となり、懲戒処分はこれまでも事案概要を含め公表している。
 市民からの通報は、公益通報保護法の対象外だが、有益な通報が多く寄せられることを期待しているので、市の制度としては職員等の通報と同様に、秘密を守りながら「受付」「調査」「結果の通知」等を行う予定だ。

【建設局長】
○花園グリーンベルトについて
 グリーンベルトの桜の木は大木になっており、根本の腐朽や空洞が一部に見られ、強風で倒木の危険性もあるので、樹木医による「街路樹樹勢調査」を行う。その結果を踏まえ、必要に応じて延命措置や植え替えなどを検討したい。