小関としゆき議員の代表質疑

2006.3.2
【1】市政運営の基本と市長の政治姿勢について

第1は、小泉「構造改革」と国の新年度予算編成についてです。
 小泉首相の「構造改革」路線は、大企業の利潤追求を最優先にし、規制緩和万能論、市場原理主義などをすすめてきました。
 国民の生命を危機にさらす耐震偽装事件やBSE危険部位混入事件、ライブドア事件、そして防衛施設庁の官製談合事件などは、自民党政治の古い体質とともに、規制緩和万能論などの「構造改革」路線が背景となっています。
 また、「構造改革」は国民の中に貧困と社会的格差を広げ、国会やマスコミの中でも重大な社会問題として取り上げられています。そこで伺います。
 1つに、千葉市の実態についてです。
 直近の5年間で、生活保護世帯は1.75倍、小中学校の就学援助受給者は1.4倍となっています。国保料滞納世帯は直近の5年間で1.2倍と増え続けています。
 市長は、千葉市民の間に低所得者が増大し、貧困と社会的格差が広がっていることを認識していますか。そして、社会的格差の広がったもとで、厳しい生活を余儀なくされている多くの市民を救済することが、地方自治体の大切な仕事の一つと思いますが、見解を求めます。
 2つに、小泉政権の「構造改革」と国の新年度予算は、低所得者・高齢者にとっては我慢の限界です。庶民大増税計画、社会保障の切り捨てなど、中止を国に強く求めるべきです。お答え下さい。

基本姿勢の第2は、新年度予算についてです。
 2006年度予算は市税収入が対前年度比を上回りますが、三位一体改革に伴い普通交付税が不交付となりました。
 予算規模は一般会計3,323億円、対前年度比93億円、1.2%の減額で、政令市移行後最大の下げ幅となり、歳出は大幅に抑制される厳しい予算となりました。
 アスベスト対策や就学までの医療費無料化などの前進は、市民の強い願いであり、実現を強く求めて活動してきた日本共産党として評価するものです。しかし、格差社会の進行や安全安心の街づくりが求められている下で、最も光を当てなければならない施策に予算措置がされているのか、以下質問します。
 第1は、市税についてであります。
 市税収入は1,670億円、対前年度比50億円3.1%増で、個人市民税は50億8,200万円の増収ですが、この要因は、定率減税縮減、老年者控除の廃止など、市民に対する増税分が約35億円余り入っています。
 老年者控除の廃止と公的年金等控除額が縮小されたため、市内に住む年金生活者で一人暮らしのAさんの場合、所得税が7万円増えました。また、Bさんは住民税非課税限度額の廃止で住民税3万円余の課税世帯となり、国民健康保険料や介護保険料も負担が増えます。こんな高齢者いじめと共に、定率減税廃止で現役世代も含めて市民生活を直撃しています。
 1つは、市長はこのような実態を把握していますか。
 2つは、税制改悪によって市民生活を直撃し、市民から吸い上げることになる税収約35億円は、全額市民福祉に還元し、収入が減って苦しむ高齢者などを救済することを求めます。お答え下さい。
 第2は、三位一体改革4年間の影響と市長の対応についてであります。
 その1は、千葉市財政がどのくらい減額されたのかであります。
 政府が一般財源総額をモノサシにしているため、市長は、市税収入の増額分を加えて差引増額と説明しています。しかし、三位一体改革があるなしに拘らず市税収入は増減するので、市税収入を除外して、三位一体の影響額を示すと次のようになります。
 国庫補助負担金の減額と交付税・臨時財政対策債の減額の合計から、所得譲与税の増額を差し引くと18億5,700万円の減額となります。三位一体改革4年間を合計しますと千葉市財政の影響は、合計で122億2,000万円の減額となります。
 質問しますが、
 1つは、千葉市財政が4年間で122億2,000万円も削減されたことによって、市長が評価してきた小泉構造改革、三位一体改革の実態が、地方財政を切り下げる「改革」であったことがはっきりしたと思いますが、見解を求めます。
 2つは、普通交付税についてであります。
 一部地方債の償還にあたっては、公債費の元利償還金の全部または一部を「基準財政需要額」に参入するいわゆる「交付税措置」が取られています。千葉市の新年度予算で発行する市債のうち、償還終了までに「交付税措置」される全会計の算入額は317億円です。
 しかし不交付団体となったために、予定されている317億円が交付されないことは、千葉市財政に重大な支障をもたらすのではないですか。お答え下さい。
 第3は、195億円余の収支不足を補うための財源確保と問題点についてです。
 収支不足の中で、歳出増加の主な原因として、扶助費増加・債務負担行為の償還・退職手当の増加による人件費の3項目があげられ、合計で152億円となっています。
 債務負担行為の償還は土地開発公社の保有地買い戻しでありますが、2004年度末、公社保有地の簿価は357億円で、路線価との差額は253億円です。これは、市財政にとっての損失です。
 新年度の47億9,000万円で買い戻す公社の保有地の主な場所と面積、簿価と路線価格との差額について明らかにして下さい。
 また、このような損失をつくった原因は、大型開発や見通しの無い土地購入にあったと思いますがどうですか。お答え下さい。
 第4は、新たな借金と借金残高が増加していることについてです。
 新年度の借金は市債が521億円、債務負担行為70億円で、いずれも前年比減額でありますが、市債・債務負担行為・全会計の合計と返済利子を加えた2006年度末借金残高見込みは、1兆3,622億円で、市民一人当たり147万円となります。
 借金残高は毎年増え続けていますが、その中での特徴は、大型開発によるものが多いことであります。
 蘇我臨海開発・中央第六地区市街地再開発・千葉中央港土地区画整理・千葉駅西口地区市街地再開発の4事業に、鶴岡市長が1期4年間で前市長の2.6倍、319億円も注ぎ込こんできたことが原因です。
 鶴岡市長は所信表明で、「蘇我球場など完成しことにより普通建設事業が大幅に減少する」と述べているように、大型開発を優先してきたことが借金を増大させてきた原因であることを反省して、財政健全化に取り組むべきではないですか。
 お答え下さい。
 第5は、歳出予算についてであります。
 歳出予算の款別の内訳を前年度比でみますと増加しているのは、民生費2.8%、総務費1.3%で、他は軒並み減額であります。総務費の増額は退職金の人件費であります。民生費は23億5,100万円増額していますが、児童手当と生活保護費の合計が対前年度比25億9,200万円増加しているので、扶助費を差し引いた民生費は、対前年度比2億4,100万円の減額となります。
 その1の質問は、市民福祉優先の予算についてであります。
 民生費の中で減額されている高齢福祉と障害福祉の予算は合計で、前年度比13億4,000万円余減らされています。
 小泉構造改革によって、急速に広がる格差社会の中で、最も打撃を受けている高齢者や障害者への予算の減額は問題です。その中で、鶴岡市長は障害者福祉手当を3分の2近くに、高齢者福祉手当を廃止するとしています。
 市内のSさん70才は、1級の障害者で奥さんと二人暮らしです。Sさんは年金がありません。収入は千葉市の障害者福祉手当月14,170円と、奥さんの年金月額33,500円しかなく、切り詰めてどうしても足りない分を東京に住んでいる娘さんが応援しています。このようにつましく頑張っているSさんにも、介護保険料は容赦なく請求がきます。Sさんにとって千葉市の障害者福祉手当月14,170円は、まさに命綱となっています。それを3分の2近くにするとは余りにもひどいのではないですか。質問しますが、
 1つに、Sさん70才のように厳しい生活をして福祉手当を命綱にしている市民の実態を承知していますか。障害者福祉手当を減額することと、高齢者福祉手当の廃止を中止することをもとめます。
 2つに、生活保護世帯の慰問金の継続と、高齢者や障害者の予算の増額などで、扶助費を差し引いて対前年度比減額となっている民生費を増やして、格差社会の中で最も打撃を受けている市民に光が当てるよう、福祉優先の予算にすることを求めます。
 お答え下さい。
 その2の質問は、教育の充実にふさわしい予算についてであります。
 対前年度比減額が最も大きいのは教育費で、46億200万円の減額です。減額率が最も大きいのも教育費で、12.1%であります。質問しますが、
 1つは、一般会計教育費にしめる義務教育費についてです。新年度は、146億8,200万円で、対前年度比26億円余の減額となっています。教育の充実が強く求められている時であり、義務教育費は増額して、少人数学級への取り組み、学校および登下校の安全対策の充実、特別支援教育指導員の全校配置など積極的に取り組むことを求めます。
 2つは、耐震補強工事の促進についてです。
 減額された事業の中で、小中学校大規模改造(耐震補強)が15億8,600万円減額されており、補正予算の前倒し分を加えても対前年度比で6億1,000円の減額です。耐震補強工事が早急に必要な小中学校数は、2006年度予算での整備が終了を見込んだ後に、36校38棟が残ります。地震の発生が多い今日、予算を減らすことなく、増額をはかり、耐震補強工事を促進して、児童・生徒の安全を確保することを求めます。お答え下さい。
 その3の質問は、環境予算についてです。
 環境保全部の予算は10億7,959万円で、対前年度比19%の減額で、一般会計の0.3%しかありません。2002年度予算の3分の2です。環境行政は予算を減らすべきではありません。
 JFEスチールの違法排水・データ改ざん事件の教訓から、立ち入り検査を今年度は何回実施したのか。また、立ち入りに必要な人員を確保するとともに、県・市・住民が参加する「公害防止協議会」の設置を求めます。
 地球温暖化防止対策に力を入れて自然エネルギーの活用、発電などに力を入れるべきです。
 その4の質問は、商工振興の予算を増やして元気な商店街にすることです。
商工費は96億5,900万円、対前年度比1.5%の減額で、5年前の半分以下になってしまいました。
 市内における過去5年間の企業の倒産は468件、店舗数は10年間で195店舗減少しています。商工振興予算85億1,700万円のうち、金融対策費や企業立地のための予算等を除くと、わずか3億8,600万円(4.5%)が市内中小商工業者への対策費です。これでは、倒産や閉店の歯止めにはなりません。
 商店街活性化対策費は2,047万円しかなく、これでは効果のある施策を実施することができません。千葉市内全商店街へ直接支援する活性化予算を2倍〜3倍と増やして、元気な商店街へと活性化することを求めます。
 産業振興財団は、「さまざまな事業を実施することにより、新事業の創出や、活力ある地域経済社会を構築する」という設立目的が、十分に機能しているとは言えません。市内中小業者の全数調査などを行い、千葉市が責任をもって、経済対策を充実させ、あわせて産業振興財団の機能の見直し、拡充を求めます。お答え下さい。
 第6は、大型開発予算を見直して市民生活に回すことについてです。
 市長は、「大型開発は都市イメージの向上と、雇用の増大・税の涵養に資する」といって多額の予算を注ぎ込んできました。
 蘇我臨海のハーバーシティー・アリオへの集客や売り上げは、予定通りに行っていないようです。雇用の約2,700人は、ほとんどがパートであることや、総事業費1,600億円の開発からみても、あまりにも少なすぎます。千葉中央港土地区画整理も当初計画が頓挫して予定していた2万1,900人の雇用は消滅しました。千葉駅西口地区市街地再開発は長期間にわたって空き地が広がり、買収した用地を下落した地価で民間業者に売り渡すために、329億円もの損失となります。
 今市民が強く望んでいるのは、予算ばかりたくさん使って効果の少ない大型開発や大型道路よりも市民の暮らしや福祉にこそ光を当てることであります。
 新年度予算は、蘇我臨海開発関係と中央第六地区市街地再開発・千葉中央港土地区画整理・千葉駅西口地区市街地再開発・大型道路新港横戸町線、そして債務負担行為も含めて、合計144億4,658万円となります。これに補正予算と繰り越し明許費50億4,000万円余を加えると、5事業の新年度事業規模は194億9,000万円余になります。この予算を大幅に見直して、市民生活優先に組み替えることを求めます。お答え下さい。

基本姿勢の第3は、第2次5ヵ年計画についてです。
 1つは、計画と予算の関連についての説明、実効性についても明らかにされなければなりません。市民のための計画ですから市民の理解と協力をどうすすめるのか。
 2つは、計画の見直しについても、市民に分かりやすいルール作りが必要です。
 3つは、全体事業の中で保健福祉局、環境局、経済農政局などへの配分が少ないので、増額して、福祉、環境、地域経済活性化に努めるべきではないか。お答え下さい。

基本姿勢の第4は、千葉都市モノレール事業について伺います。
 1つに、3者合意により和解が成立して、55年協定が廃棄され、県は約65億円を支出し、モノレール事業から撤退するとのことです。これによって、千葉市のモノレール事業への支出が増大するわけですが、20年、30年単位でどのくらい増えるのか、明らかにして下さい。また、市長は県の撤退を強く批判していたのに、なぜ同意したのか。
 2つに、会社再建のため、市県及び民間の株主が放棄した貸し付け、出資などの債権の総額はいくらか。また、これによって累積赤字・単年度赤字が解消されるとのことですが、今後黒字が続く保障があるのか。
 3つに、モノレール会社への新たな貸付金ですが、政策投資銀行への返済に県から支出された手切れ金のほとんど63億6,000万円を貸し付け、それを基金に毎年償還して、2032年までに終了するとのことです。しかし、今までの貸付金は全額放棄したことから考えて、これからの貸付金では償還されるという保障があるのか。
 4つに、延伸計画についてですが、市民の声を何人ぐらいから聞いたのか、その中での主な意見は何か、賛成と反対は、どちらが多かったのか。また、8,800人の利用見込みの根拠、信憑性に欠けると思われるが、このデータをもとに延伸すると、また赤字を増やすことになるのではないか。お答え下さい。

基本姿勢の第5は、自然災害と防災対策についてです。
 1つは、突発的な大雪の場合の対策は、どのようになっているのか。1月21日の大雪で、けが人がでたのは、雪が降った次の日で路面が凍り、滑って転倒し打撲と骨折によるものでした。対策対応が遅れたのではなかったのか。
 2つは、公共施設、通学路、幹線道路などの除雪の対策をどうするのか。
 3つは、地震対策について、避難場所の整備です。公共施設の耐震診断と補強が遅れています。とくに学校体育館は建替えで整備するとしていますが、計画を急ぐべきです。
 4つは、一般住宅の耐震診断と補強の助成をもっと拡充すべきです。お答え下さい。

基本姿勢の第6は、国民保護事業についてです。
 国民保護事業は、日本国民や地方自治体などを、米軍と自衛隊の行動に強制的に協力させることを義務付ける法制です。そこで伺います。
 1つに、国民保護事業は、核兵器廃絶と恒久平和を願い制定した「千葉市平和都市宣言」とも矛盾するものであり、到底認めるわけにはいきません。見解を求めます。
 2つに、昨年の12月議会で自民党の中島議員が行った国民保護法の討論について、市長は同じ立場なのか。
 3つに、国民保護協議会の設置、国民保護計画の策定をする予算1,210万円を削除することを強く求めます。お答え下さい。

基本姿勢の第7は、千葉市の行政改革についてです。
 1つは、4年間で360人の職員を削減する計画ですが、ケースワーカーや防災に備える上からも不足している消防職員など、市民サービスに必要な職員は増やすべきです。
 2つは、保育所の民営化についてです。市長の重点施策の1つになっている「子育て支援」の方向に逆行することになります。民営化を中止するとともに、現在28.1%にもなっている補充保育士を減らして、正規職員を増やし、責任ある保育ができる体制を求めます。
 3つは、今回、84施設で指定管理者制度が導入されることについてです。いきいきプラザやいきいきセンター、コミュニティーセンターなど、多くの高齢者や市民が利用している施設を行政改革の名の下に、利用料を徴収することが検討されているようですが、そのようなことがあってはなりません。お答え下さい。


【2】総務行政について

第1は、指定管理制度についてです。
 1つは、公の施設が指定管理者制度に移行して、住民サービスが低下しないように保障すべきです。
 2つは、稲毛区の長沼、穴川のコミュニティーセンターの応募団体に、議会の関係者が参加しているようです。指定管理者に、これまで私たちは、首長や議員その他の関係者、特定団体が経営する会社・法人の参加を規制すべきだと提案してきました。公正な選定からしても問題であり、関係者の応募を禁止することを求めます。
 3つは、外郭団体のプロパー職員は指定管理制度で不安定な状況におかれています。雇用と労働条件を守るべきです。お答え下さい。

第2は、千葉市職員の特殊勤務手当てについてです。
 1つは、特殊勤務手当ての見直しについての経緯と、その考え方について、お答え下さい。
 2つは、見直しを行って、手当て額が増額になるものが29項目ありますが、廃止する手当てとの差額はいくらになるのか。
 3つは、市民からもなぜこんな手当てがあるのかと疑問が寄せられており、さらに市民に理解が得られるように合理的なものに見直すべきです。お答え下さい。


【3】保健福祉行政について

第1は、保育所の整備についてです。
 保育所の待機児に対して、第2次5か年計画では、毎年の施設整備が追いつきません。市内には築30年以上が40か所あり、老朽化もすすんでおり、5か年の計画のテンポでは対応し切れません。市は民営化することなく、公的責任で保育所建設を急ぐべきです。見解を伺います。

第2は、介護保険制度についてです。
 昨年10月に改悪された介護保険制度は、介護施設の居住費、食費の利用者負担増で、施設利用者は一人当たり約39万円増とういうかつてない負担増になりました。
 特別養護老人ホーム入所希望者の中には、ホテルコストの導入によって、入所の順番が来ても経済的に苦しく入所を断る事例も出ています。
 これに加えて、4月からは保険料が21.9%アップし、一人当たりの基準月額が3,780円となり、高齢者は二重の衝撃です。
 また、特別養護老人ホーム入所希望者は約1,800人ですが、千葉市は2006年度の整備では1か所しか予算をつけていません。そこで伺います。
 1つに、保険料の値上げを抑えるために、一般会計からの繰り入れを求めます。
 2つに、経済的理由で入所できない待機者の実態を把握するべきではないか。だれもがサービスを受けられるように、すでに約600の自治体が実施している利用料の減免制度をつくることを求めます。
 3つに、特養ホームの整備予算を増額し、施設を増やすことを求めます。
 4つに、地域包括支援センターは、人口2〜3万に1か所の整備が望ましいとされています。千葉市は直営で、数も増やすべきです。

第3は、障害者福祉についてです。
 4月から施行される障害者自立支援法は、これまでの障害者福祉を大きく後退させるものです。
 これまでの応能負担では、ホームヘルプサービスの場合、費用を払っていたのは利用者の5%程度であり、残りの95%の人は無料で済んでいました。ところが、今度は応益負担となり、生活保護世帯以外の人は1割負担で一挙に1万5,000円〜37,200万円以上の負担増となり、障害者の暮らしを破壊する中身です。そこで、伺います。
 1つに、応益負担が障害者サービスの利用抑制や後退につながらないように、国の軽減等に加え、市独自の負担軽減措置を設けること。
 2つに、障害福祉計画の策定にあたっては、地域のニーズを把握し、障害者の自立を支える上で十分な施設の整備目標を持つこと、また計画作成にあたっては障害者を参画させること。
 お答え下さい。

第4は、国民健康保険についてです。
 1つは、国保料が高すぎて払えない世帯が3万件を超える中で、介護納付金の値上げ率8.7%、総額1億8,000万円の負担増は、国保料の滞納世帯をさらに生み出すものです。
 今以上の負担増をなくすために、一般会計からの国保会計への繰入金を政令市平均並みに増額することを求めます。
 2つは、資格証明書の発行は命を奪うことにつながります。資格証明書の発行ゼロを継続している人口118万人のさいたま市では、「発行を機械的に行わず、滞納者と直接面談し『特別の事情』にあるか否かを調査し、その結果発行がゼロ」とのことです。千葉市でも、直接面談し、市民の命を守るべきではないでしょうか。
 お答え下さい。

第5は、無料低額宿泊所問題についてです。
 この施設は社会福祉法において千葉市も事業者の指導を行う「ガイドライン」を作り、1か所入居者50人以内としています。
 ところが長沼地域では1か所に3棟計150人入居の施設が計画され、地域では大問題となっています。そこで伺います。
 1つは、千葉市が2棟目の施設への入居を抑えているのは、申請者が「ガイドライン」に添っていないのでストップをかけていることと、地域住民に理解や納得が得られないまま進めるのでなく、住民合意の街づくりをしていく立場からではないのか。見解を伺います。
 2つは、施設整備にあたって、事業者が「ガイドライン」を都合よく解釈し、1か所に3棟も設置しようとしており、これは「ガイドライン」に反することであり、1か所50人以内とすべきとの「ガイドライン」の立場で強く指導すべきです。
 お答えください。


【4】環境行政について

旧新港清掃工場の解体についてです。
 28年に渡って年間約10万トンもの廃棄物を焼却して来ました。当時は、プラスチック制ごみも焼却して来たわけで、解体に当たっては、ダイオキシンやアスベストによる汚染が心配されます。
 1つは、旧新港清掃工場の解体については、地域や作業員等の安全対策と廃棄物処理は、万全を期すべきです。
 2つは、旧新港清掃工場跡地に溶融スラグのストックヤードを整備するようですが、スラグをつくることは焼却量を増やすことにつながり、ごみ減量に逆行するのではないのか。ごみ減量そのものを強化するべきではないのか。


【5】経済農政について

農政についてです。
 1つは、食料自給率を向上させるには、農業の担い手の育成が欠かせません。農業後継者対策費が240万円減額されています。これでは担い手の育成を後退させることになります。農業後継者対策費を増やすことを求めます。
 2つは、新規就農の推進として73万円が計上され、月5万円の援助は一歩前進ですが、3か年計画で15万円まで増やすべきです。
 3つに、農産物の価格補償の品目について、わが党は価格補償の品目を増やすように求めて来ましたが、市は今後、品目を16品目から20品目に増やします。これは評価できます。それに伴って共済準備金の積み立ても行うようです。積立金を生産者の意欲が向上し、生産費を補償するために運用すべきです。お答え下さい。


【6】都市行政について

 マンション構造計算書偽装問題です。
 千葉市は、構造計算書の検証を実施するマンション管理組合に費用の一部として、一次検証と二次検証とを合わせて84万円を限度として助成します。2005年度と2006年度で一次検証と二次検証合わせて40件です。このことは一定評価できますが、この7年間で、民間が確認したマンションは302件です。これではわずか13.2%の検証であり、居住者の安心、安全とはなりません。検証枠を広げ、申請者に応えるべきです。お答え下さい。


【7】消防行政について

 消防団器具置場の整備についてです。
 私は消防団器具置場の整備について何度も要望してきました。ようやく第2次5か年計画で10か所整備するようです。今までは年に1か所しか整備されませんでしたから、わずか増えました。しかし、このテンポで行きますと、残12か所を整備するには10年以上もかかります。トイレがなかったり水道がなかったり、団員は不便をきたしています。整備計画を早めるべきです。お答え下さい。


【8】教育行政について

第1は、子どもの安全についてです。
 新年度予算ではセーフティーウォッチャーとネットランチャーしか予算が出ていません。
 これで児童の安全が図れるのでしょうか。ボランティア任せでなく、他市では安全員の配置なども行われています。市として責任を持って配置すべきではないですか。
 子どもの安全なまちづくりを進めるには、地域で起こった犯罪について、子どものプライバシーに配慮して実態調査を行うことが必要です。その上で、ソフト面では、子ども達や地域住民が気をつける点を検討し、明らかにします。ハード面では、植栽の伐採、街灯整備、公園や道路整備など、見通しをよくする予算の充実を図り、速やかな実施が必要です。そのためにも学校、PTA、自治会、民生委員や行政、警察と連携を取り、子どもの目線で人権を第一に考え、行政がリーダーシップを発揮して行なうべきですが、見解を伺います。

第2は、幸町第3小学校についてであります。
 4月から6か月間、第2小学校の仮校舎までの通学が始まります。教育委員会は、PTAや地域の力を借りて、セーフティーウォッチャーなどで安全を守るとしています。それ自体は大事なことです。しかし、通学距離の長い児童がいることから、スクールバスの運行や、教育委員会が責任を持っての安全員の配置、利用する歩道の整備など、児童の安全のために全力をつくすことを求めます。お答え下さい。

第3は、就学援助金についてです。
 高い教育費は少子化をすすめる大きな要因の一つとなっています。教育費負担の軽減は、保護者の共通の願いです。そこで伺います。
 千葉市の就学援助受給率は7%ですが、就学援助制度のお知らせで収入の目安を提示している自治体では、札幌市14%、横浜市11%、名古屋市13%、京都市14%、大阪市33%、神戸市19%、広島市20%、福岡市18%と高い値です。誰もが受けやすい就学援助となるよう収入の目安を提示することを求めます。お答え下さい。

第4は市立稲毛高校の中高一貫教育についてです。
 中高一貫教育は、地方自治体の「財政再建」の名目で、高校統廃合や縮小と一体にすすめられているのが特徴であり、高校教育の充実を求める多くの市民の願いに応えるものになっていくのか危惧されます。そこで伺います。
 1つに、受験競争の低年齢化に拍車をかけることにならないか。
 2つに、市内の高校中退や不登校など深刻な教育問題を一歩でも解消することにつながるのか。お答えください。
 以上で第1回目の質問とします。


(2回目)

2回目の質問をします。

第1は、「三位一体改革」の影響についてです。
 市長は、「一般財源総額が4年間で80億円減額になっている」と答弁しましたが、このことは、構造改革として進められている三位一体改革の影響によるものです。不交付団体になったことや、税収を除いて、4年間で122億2,000万円減額していることも、その影響額を示すデータです。
 このように、三位一体改革によって千葉市財政が切り下げられたことが証明されたことであり、地方自治と地方財政を守る立場から、三位一体改革について批判すべきでありますが、重ねて答弁を求めます。

第2は、格差社会の認識についてです。
 答弁を聞いて、市民生活の実態について、市長の認識があまりにもかけ離れていることに驚きと怒りを禁じえません。
 市長は、「国の構造改革」について、「小さい効率的な政府をつくるもので、中止を求める考えはない」と述べました。
 市税収入では、老年者控除廃止や公的年金等控除の縮小などの影響について、「社会共通の費用を国民全体で分け合うもの」と述べました。市長は、格差社会の存在を認めない答弁であったと思います。
 稲毛区のNさんは、夫72歳、妻69歳、収入は年金2人で年間110万円のみ、夫は人工透析週3回行い、現在入院中、オムツ代6,000円、居住費、食費代など合わせて、月約6万2,000円かかります。年金の半分以上が病院代になり、「この先、入院が長引けば、生活できないので、車は売り、家も処分しなければと考えている」と話していました。このような実態は、特別な例ではありません。
 市長自身も昨日の新政五月会の答弁で、「求人数が求職者数を上回るなど雇用環境は改善傾向にあります。しかし、求人内容を見ると、正規雇用は限られ、派遣、契約、パートなど不安定雇用が多くを占め、若年・高齢者に対しては、依然として雇用情勢が深刻で厳しい状況が続いています」と述べています。
 このこと事態が、低所得で苦しむ市民が増大し、格差社会が広がっていることを示しているのではありませんか。質問しますが、
 1つは、小泉構造改革で、全国的に格差社会がすすみ社会問題になっていますが、千葉市に格差が広がっていることをなぜ認めないのか。
 2つは、老年者控除廃止などによる増税で、影響を受けている市民は当局の資料でも、のべ13万8,000人もいますが、負担の公平で当然であるという認識ですか。苦しむのは市民の自己責任ということですか。
 3つは、格差社会の中で苦しむ市民に光をあて、高齢者福祉手当廃止、障害者福祉手当縮減、保護世帯慰問金廃止、介護保険料値上げ、国保料値上げ、がん集団検診の有料化など、合わせて13億8,866万円の負担増の中止を求めます。

第3は、市民福祉の予算についてです。
 市長は、「少子化への取り組みや超高齢化社会に向けて、市民福祉に十分配慮した」と答弁しています。
 保健福祉局予算で、子ども家庭部は対前年度比で13億円増額、一方、高齢者・障害者は13億円の減額です。
 結局、少子化対策を増やし、その分高齢者・障害者の予算を削ったのであります。市民福祉に十分配慮した予算というのなら、少子化対策とともに、高齢者・障害者の予算も削らず、増やすべきであります。

第4は、障害者福祉を大きく変える障害者自立支援法についてです。
 この法律は2005年10月31日、共産・民主・社民が反対しましたが、自民・公明の賛成で強行、成立したものです。障害者福祉に“自己責任”と“競争原理”を持ち込み、国の財政負担の削減をおしすすめるものです。
 障害が重く制度利用の多い人ほど、負担が大きくなるという「応益負担」の導入により、今まで無料だった障害者にとって、1万5,000円〜3万7,500円以上の負担は「自立支援どころか、自立を妨げ、生きる権利を奪う」ことになります。
 本市独自の負担軽減措置を設けることを求めましたが、国の制度にあるので、市独自の減措置は設けないとの冷たい答弁でした。
 横浜、川崎、京都、荒川区では、実施する計画を立てています。千葉市でも先進に学んで、負担軽減措置を実施することを重ねて求めます。
 「応益負担」は、障害者の人権保障、自立と社会参加につながるのか。
 障害者が人間として当たり前の生活をするための必要な支援を「益」と考えるのか。「応益負担」は憲法、福祉の理念に反しないのか。

第5は、モノレールについてです。
 当局はモノレール延伸という大事業について、市民に説明する責任があります。市民の声の把握について、「市内では1,039人の声を聞いた」とのことでした。
 市長は延伸による8,800人の需要増は、大学病院、青葉病院の職員や患者、見舞い客及び周辺住民など最新の数値を用いたから大丈夫との答弁でした。
 しかし、日本共産党市議団が行ったアンケートは関心も高く、昨日現在6区すべての行政区から短期間で1,480人の市民が回答を寄せています。その結果、賛成27.4%、反対56.7%、分からないなど15.9%でした。その内、大学病院、青葉病院の関係者は賛成46.3%、反対22%、沿線居住者を含む中央区では、賛成30.4%、反対54%であり、市長のいう需要見込みとは大きな開きがあると思われます。主な意見としては、「市財政が危機なのに、ムダづかいで反対」「料金が高すぎる」「モノレールができれば乗ります」など、多様な意見があります。
 このように市民世論が大きく分かれているときに、延伸ありきで進めるのではなく、市民参加で充分に検討すべきです。