ふくなが洋議員の一般質問への答弁(要旨)

2006.6.19
【財政局長】
○公正な納税について
 特別処分に係る実態等は、H17年9月議会の総務委員会で調査結果を報告し、市民の理解は得られているものだ。個別外部監査結果報告での指摘事項への対応は、今年4月26日に監査結果への対応状況を、6月15日には滞納繰越額の差異等の原因調査結果を総務委員会で説明している。今後は、市税滞納整理事務適正化検討部会で、指摘内容への基本方針や改善計画を策定し、年度末までに措置状況報告書にまとめて、監査委員に報告し公表したい。
 滞納繰越や処分停止などのデータは、納税管理課の職員が管理している。滞納繰越額の差異に関する調査の内容は、6月15日の総務委員会でも説明したが、H11年度から16年度までに税務部に在籍した職員の、税務部長・税制課長・納税管理課長など26人から差異や年度間不一致について聞き取り調査し、保存文書で事務処理の事実確認を行った。
 税務部内で可能な限り調査し報告しており、第三者機関を設置して改めて調査することは、考えていない。
 不正免除事件当時の職員研修体制は、税務職員としての専門知識の習得や徴税技術向上を目的に、本庁や各区の税務事務に携わる職員を対象に、事件当時以前から納税指導や滞納整理の基礎知識、公務員倫理など各種の研修を実施している。ベテランと新人が一緒に徴収事務に取組み、現場でも指導・助言している。
 処分停止の決裁規定は、処分停止の場合の決裁権限専決者は金額にかかわらず、本庁では税務部長、区では区長となっている。
 困難案件の対処方法は、滞納整理事務マニュアルで適正に対応しているが、地方税法や情報公開条例など個人情報に関する対応もあって、市民への公表はしていない。
 徴収対策本部の下部組織「市税徴収対策班」で、課税客体の的確な把握、滞納者の実態調査・財産調査の強化など重点8項目に取組み、処分停止に係る二重照合制度や滞納者の進行管理など十分なチェック体制、本庁と各区の連携などは、他の政令市と比較しても遜色ないものだ。
 歳入の根幹をなす市税は重要な財源であり、歳入・歳出を司る観点から財政部と税務部は車の両輪関係にある。税務部の徴税業務は、滞納者側の求めで休日や夜間に対応することも必要で、本庁や各区の協力体制、課税部門と徴収部門の連携を一層密にし、適正な事務処理に努める。

【環境局長】
○環境アセスメントについて
 排水基準超過とデータ改ざんでは、福山・水島・京浜などを監督している自治体に確認したが、同じような事例は発生していない。JFEのシアン対策は、JFE千葉地区の問題を踏まえ、環境監査機能を増強し、環境専門監査員を配置、環境監査等の実施でシアン対策を含めた環境対策を強化したと聞いている。千葉市のチェック体制は、H17年度から立入検査マニュアルを充実させ、立入検査を強化している。また、JFEが測定したデータは、環境計量証明が付いた分析結果原本を提出させ、確認している。市とJFEが同時に採水し、水質検査するダブルチェックなども実施いている。JFE環境管理部の職員数推移は、業務内容や体制の違いで単純には比較できないが、あおぞら裁判当時は最大20名程度だった。その後は、H5年から16年は10人程度、現在は26名まで増員している。同業他社との職員数比較は、市の指導対象外であり把握していない。
 異常時の対応は、水質汚濁防止法で事故時の規定があり、「有害物質又は油を含む水が排出され、人の健康又は生活環境に係る被害が生じる恐れがあるとき」が異常事態である。公害防止協定で三つの概念が規定されていて、公害発生時・緊急時及び事故時のそれぞれを異常事態と捕らえている。異常の報告をうけた時、その恐れがあるときの対応は、発生時刻・異常事態の状況や被害の状況等を詳細に報告を受け、必要に応じ採水検査するなど、一般環境への影響を確認し、JFEに対して万全な措置を講じるよう指導している。重金属を含んだスラグヤードから、雨水で流れ出る危険性については、西工場のスラグヤードの排水は、貯水プールを作り、基本的には場外へ排出しない構造になっていて、スラグヤードに近い西4号排水口で、JFEが定期的に測定し、市の立入検査でも排水基準等の超過はないと確認している。

【都市局長】
○環境アセスメントについて
 サッカー場やハーバーシティへの影響は、JFEが市の要請で実施しているJFEの敷地境界付近の大気状況調査の結果、基本的に環境基準等を下回っており、問題はない。

○JR千葉駅のバリアフリー化について
 JR千葉駅では、障害者・高齢者などへの駅利用の案内のために、介助士と言われるサービスマネージャーが配置されている。

○大森台駅前整備について
 駅構内のバリアフリー化では、障害者・高齢者などが安心して利用できるよう第2次5か年計画で、エレベーター設置を位置付けているが、大森台駅のエレベーター設置は盛り込まれていない。今後、設置に向け要望していく。
 現状の利用者数や京成電鉄の経営状況を考えると、新たな東口改札口設置は困難と聞いている。また、運賃や運行本数、最終便の繰り下げなどは、これまでも要望しているが、利用者の利便性向上や利用増進のためにも引き続き京成電鉄に伝えていく。

【保健福祉局長】
○環境アセスメントについて
 川崎市では、気管支喘息患者が急増しており、従来の公害補償からアレルギー対策に変更し、20歳以上の患者で喫煙者以外を対象に、1割自己負担で治療が受けられる医療制度を来年1月より実施すると聞いている。川崎市の実情や制度運用状況を注視していきたい。 

○子どもの虐待について
 児童相談所の職員配置は、教育訓練を担当する児童福祉司のスーパーバイザーや心理判定員等が、児童相談所運営指針により標準的に配置されている。児童福祉司も児童福祉法施行令の配置基準を充足している。今年度は、心理判定員2名、児童福祉司1名を増員し、予算面では一次保護所増改築の設計費を計上している。最近5年間の相談処理件数は、H13年度・217件、14年度・153件、15年度・108件、16年度・213件、H17年度は257件と増加傾向にある。これは児童虐待防止法の改正や虐待事件の報道等を通じて、社会的な関心が高まったことによると思われる。虐待内容は、H17年度の内訳で保護者としての監護を怠るネグレクトが105件、身体的虐待が75件、心理的虐待が73件、性的虐待が4件となっている。児童虐待対応マニュアル「子どもからのSOS」の活用は、H16年度に内容を改訂し、福祉事務所・保育所・幼稚園・小中学校及び民生・児童委員等関係者に配布して、研修や会議の資料に活用。児童虐待の発見や未然防止に努めている。
 児童虐待の通告を受けた場合、速やかに福祉事務所・保育所・学校や民生・児童委員等の協力で、児童の安全確認や家族状況等を調査している。また、必要に応じ関係者で「児童虐待対応チーム」を編成し、ケース処遇の適切な対応を図っている。広報・啓発では、児童福祉週間で様々な啓発事業を実施しており、子どもの権利を守り、児童虐待防止へパンフ「子育て深呼吸」を3千部作成して市民の理解を深めることにしている。11月の児童虐待防止推進月間には、この内容を「市政だより」に掲載している。

○高齢者虐待について
 これまでの取組みでは、実際の虐待事例には民生委員やケアマネージャーの通報で、福祉事務所や保健センターが虐待の相談や措置での一時保護を実施している。昨年は、専門家を講師に講演会を開催した。市内の虐待の実態は、相談件数でH16年度は59件、17年度は62件で、内容は虐待者が息子や娘が多く、非虐待者は女性が多数を占めている。虐待の種類は、身体的虐待が最も多く33%で、心理的虐待が29%、経済的虐待が24%、ネグレクトが13%となっている。
 市民への啓発・認識を深めるために、昨年度は「高齢者虐待防止の現状と課題」をテーマに、実例を基に虐待の形態や原因、虐待発見のポイントなどについて専門家による講演会を全区で開催した。今年度は、あんしんケアセンター、福祉事務所及び保健センター職員、ケアマネージャーや民生委員対象に研修会を実施し、現場での対応や処遇方法を習得する予定だ。あんしんケアセンターの委託業務には、虐待防止など高齢者の権利擁護事業が含まれている。あんしんケアセンターでは、高齢者虐待の通報、初期相談、情報の確認、緊急の場合は必要に応じ、福祉事務所などの関係機関と協議する。市は、立入調査の実施や虐待高齢者の一時保護、ケースに応じた関係機関等への協力要請を行い、あんしんケアセンターと相互の役割分担を適切に果たし、密接に連携して高齢者虐待防止に対応している。
 高齢者虐待防止には、学識経験者や医療関係者、法曹関係者、警察、居宅介護事業者、あんしんケアセンターなどとの連携が必要であり、そのため外部関係機関との関係を保つことが大切で、この観点から関係機関との連携を強めるために連絡会議の立ち上げを検討している。
 独り暮らしの高齢者や高齢者世帯は、日々の安否を確認する安心電話や容態の急変を告げる緊急通報装置を設置し、急病時への対応を図っている。孤独死を防ぐため、民生委員をはじめ地域の見守りなど、関係者の協力で対応することが考えられるが、先の「連絡会議」の場を活用するなど活用していく。

【保健福祉局次長】
○点字ブロックとまちづくりについて
 点字ブロックの統一化について、道路や建物の公共施設に設置する誘導ブロックの形状・寸法、配列は、H13年12月に視覚障害者の協力で国が定めたJIS規格を基本にしている。色彩では、千葉県福祉のまちづくり条例に適合した黄色を原則に、周囲の床材や路面と識別しやすい色にするようにしている。H14年度からJIS規格が適用されているので、その後設置された誘導ブロックは統一化されている。既存の誘導ブロックは施設の改修等にあわせ、基準に適合したものを設置していく。国が「ハートビル法」と「交通バリアフリー法」を統合し、いわゆる「バリアフリー新法」が国会に提出されている。この新法制定の状況で、独自の条例の必要性を調査・研究したい。
 障害者トイレ等に鍵がかかっているような事例は聞いていない。公共施設では利用できないことがないようにしていく。従来から特別障害者手当や市福祉手当等の振込通知には点字刻印しており、大量に発送する郵便物から視覚障害者への郵便物を選別するシステムが構築されておらず、大変な時間と労力が必要になるので、今後の検討課題としたい。

【建設局長】
○JR千葉駅のバリアフリー化について
 JR千葉駅の改札口に最も近い場所は、階段出入口や緊急車の待避所になっており、駅前広場の形体やバス停の発着等を考慮して、現在の位置に障害者タクシー乗り場を設置したもの。他の場所に移動することは難しい。
 駅ドームの階段のスロープ化には、すりつけ長が20m必要で、ショッピングセンターの店舗入口に段差が生じ、周辺バス停やエスカレーター等に影響があり難しい。高齢者・障害者には、多少迂回するが、クリスタルドームとバス停の間の段差がないルートの通行を誘導している。

○大森台駅前整備について
 大森駅整備の今後は、住民参加が基本だが、H16年度に創設した「まちづくり交付金」を活用し、南町宮崎町線沿道地区整備の中で推進していく。進め方は、当駅の西側に駅前広場を整備し、バス・タクシー、自家用車などの利用者が広場内で乗降できるようにし、自転車利用者にも配慮した交通環境改善を図りたい。 
 住民参加は、昨年12月に設置した「まちづくり懇談会」で取組んでおり、引き続き地元の意見を反映させていく。今年度のスケジュールは、整備に向け「まちづくり懇談会」の場で地元の意見を聞き、関係機関と協議することになっている。
 駅前の整備は、駅の西側に計画中の駅前広場とあわせて検討するが、ポストの設置は関係機関と調整していく。コンビニや喫茶店等の設置は、駅前広場が整備されれば必要に応じて出店されるものと考える。大森台駅前広場の整備計画策定の際、「まちづくり懇談会」で地元の意見を聞きながら研究していきたい。