木田ふみよ議員の一般質問

2006.6.21
写真1、企業立地とその効果について
 千葉市は1998年4月、市税の増収や雇用の拡大などを目的に「企業立地促進助成制度」を施行し、千葉土気緑の森工業団地や新港経済振興地区など12の地区を対象に、企業誘致をすすめてきました。補助額は、固定資産税及び都市計画税の合算額相当額で、上限額は年1億円、補助期間は3年間または5年間でした。さらに、今年度からは、効果的でインパクトのある助成制度に見直すとして、大規模投資企業の立地や本社立地では、上限額が年5億円、助成期間が5年間となりました。これによって、助成総額は最大で3億円から25億円になったわけです。
 制度の見直しや拡充をするうえで、その制度がどんな効果を及ぼしたのか、またはどこに問題があるのか、このことを明らかにしなければ、今後の方向を出すことはできません。そこで質問します。
 1つは、企業立地助成制度を活用して、これまでに何社が進出し、市内の市民は何人雇用されたのでしょうか。
 2つは、これまでに進出企業に支出した助成金は総額でいくらになるのでしょうか。また、これまでに進出企業が納入した固定資産税や都市計画税等の総額はいくらになるのでしょうか。
 3つは、法人市民税は、どの位入ってきたのでしょうか。
 4つは、今年度から企業立地助成制度を拡充した理由について、今までの制度の効果や問題点も示しながら明らかにして下さい。

2、姉妹友好都市と国際交流について
 国際交流活動は、第二次世界大戦後、戦争を再び繰り返さず、平和な世界をつくることを理念として、各国の相互理解と友好を深めることを目的に、世界に広がってきました。その一環として、姉妹友好都市交流が始まりました。
 日本で最初の姉妹友好都市の提携は1955年12月、長崎市とアメリカのセントポール市によるもので、その後、全国に広がりました。自治体国際化協会の調査によると、姉妹提携件数は今年5月31日現在で1,533件に達しています。姉妹自治体提携を行っている自治体は、40都道府県、788市区町村の計828団体です。その内364団体は複数の相手と提携しています。
 千葉市は、1970年のアスンシオン市とノースバンクーバー市の2都市を皮切りに、72年にヒューストン市とケソン市、86年に天津市、96年にモントルー市と呉江市、合計7つの都市と姉妹友好都市を締結しています。1年間に一気に2都市と締結したことが3回もあり、他市と比べても異例です。
 現在は、多くの市民が海外に出かける機会が増え、また、市内に居住する外国人も多くなり、市民レベルの国際交流も発展してきています。同時に、今後の姉妹友好都市交流のあり方も問われていると思います。そこで、質問します。
 1つは、今年、天津市、呉江市、モントルー市への公式派遣団が訪問しますが、誰が参加し、費用はどのくらいかかるのでしょうか。
 2つは、姉妹友好都市交流での公式訪問団受け入れや公式訪問団派遣についての市民参加や、市民への報告・PRはどのように取り組んでいるのでしょうか。
 3つは、7つの姉妹友好都市について、どのくらいの市民が認識しているのでしょうか。率直な実態をお聞かせください。
4つは、市内在住の外国人の要求をつかみ、彼らの市民生活を支援する仕組みは、整っているのでしょうか。

3、土地活用のあり方について
 11haに及ぶ国有財産・稲毛海岸公務員住宅跡地についてです。
 この跡地については、私はこれまで議会での質問を5回行い、千葉市に対して、住民要望に沿った利用をするようにと要望してまいりました。今回で6回目になります。
 前回の12月議会では、独自に行ったアンケート調査に基づき、跡地活用については、市民の意見を聞いて決めるべきだと答えた方が9割を占めていることや、福祉施設を望んでいる声が圧倒的であることなどを示しました。そして、市の答弁は、「本市のまちづくりの上で、大変重要な用地として認識しており、21世紀のまちづくりにふさわしい利用計画について、庁内で引き続き協議したい」とのことでした。
 すでにこの宿舎は今年3月に廃止され、市民のみなさんの関心が高まってきており、その活用について、早急な計画立案が求められているところです。そこで、伺います。
 1つは、連絡協議会の設置については、国と協議するとのことでしたが、協議されたのか伺います。
 2つに、庁内での協議状況について、伺います。
 次に、市の所有する遊休施設の跡地についてです。
 今年度、旧さつきが丘消防職員寮と旧高洲職員寮については、庁内から要望がなければ売却の方向が示されました。市民からは、土地は貴重な市民の財産であることから、有効活用を望む声も出されています。
 そこで、伺います。
 1つに、女子寮跡地と消防職員寮跡地の今後の方向は、市民の声が反映する仕組みになっているのでしょうか。
 2つに、現在、遊休施設はどの位あるのでしょうか。名称とその土地の面積、いつから遊休施設となっているのかお答え下さい。
 3つに、これらの中で、今後、利用計画が明確になっているものはあるのでしょうか。
 4つに、遊休施設の管理は一括した管理がされているのかお答え下さい。

4、安心して住める街について
 第1は、医療従事者の確保についてです。
日本の医師数は、人口1,000人当たりに対し、1.9人ですが、OECD(経済協力開発機構)では、平均2.9人であり、現在26万人の医師がいますが、13万人も少ないことになります。その上、2004年から義務化された新臨床研修制度により大学病院は十分な研修プログラムがないなどの理由で、敬遠され、大都市部にある一般の病院に医師が集中し、大学病院は派遣先から医師を引き上げる形が加速し、地方病院は、常勤医師の不足と過密労働の悪循環が起こっています。
 県内では、県立佐原病院の小児科、循環器科、産科の休止、成東病院では内科の入院患者受け入れの制限、旭中央病院での耳鼻咽喉科の縮小などが相次いでいます。
 看護職員についても、その人手不足は深刻であり、日本医労連の調査によると、夜勤、交替勤務者でありながら毎日少なくとも、平均75分を越える時間外労働があることや、67.5%の看護職員が「仕事を辞めたい」と答えています。
 今日の日本の医療体制は、患者の命と健康を守る体制とは言えない状況を作り出しています。こうした中、社団法人全国自治体病院協議会より自治体病院に対し、「小児科・産科における医師、医療機能等医療資源の集約化、重点化の推進について」と通知がされ、「医療対策協議会」などの場で対応し、実態に応じて参画、推進するようにと促す文書が届いています。医療の質の確保を求めて、以下伺います。
 1つは、市民の命と健康を守るために、医師、看護師の増員・配置に対し、国が責任を負うことを国に求めるべきです。
 2つは、両市立病院の医師や看護師の配置不足や長時間過密労働は起きていないでしょうか。
 3つは、看護師の夜勤回数は最高で何回になっているでしょうか。また、その理由は何でしょうか。
 4つは、市内の小児科・産婦人科の減少や縮小は起きていないでしょうか。
 5つは、全国自治体病院協議会からの通知の中身について、千葉市はどんな対応となるのでしょうか。
 以上、お答え下さい。

 第2は、障害者自立支援についてです。
 障害者やその関係者が反対する中、自民党・公明党が強行成立させた障害者自立支援法が4月から実施され、2ヶ月半がたちました。原則1割負担が導入され、大幅な利用者負担増により、相次ぐ施設からの退所やサービス利用の手控え、施設経営を大本からゆるがす報酬の激減など、予想を越える問題点が噴出しています。
 私ども日本共産党市議団に寄せられた障害者の悲痛な叫びを紹介します。
 Aさん―「障害年金は6万6千円。これまで無料で受けていたサービスが1万5千円になる。生活できない、どうにかしてほしい」。知的障害者のBさん―「居宅介護を受けている。これまで無料から一気に37,200円に。今まで外出費用の先生の分は園が払っていたのに、これからは5人の子どもの親が2人の先生の分を払うことになり大変」。Cさん―「障害者にとって必要なサービスだけど、減らした」。
 Dさん―「親亡きあともグループホームで生活していける支援法にしてほしい。先が見えなく不安」。Eさん―「年金だけの生活なのに、医療費、ショートステイとお金がかかって仕様が無い」。Fさん―「区分認定調査票は、介護保険の項目なので、知的障害者だと、どれもできてしまい正確なものにならない。納得いかない」など、深刻な声が寄せられています。政府は、「サービス水準」は後退させないこととしてきましたが、これを真っ向から否定する実態が浮き彫りになると同時に、この法律は障害者とその関係者の生活を脅かすものとなっています。
 応益負担の導入により、国と自治体は合計約700億円の財政負担が軽減されています。障害者の暮らしと福祉を守ることを願って以下伺います。
 1つに、こうした実態について、どう思っているのでしょうか。
 2つに、障害者自立支援法は、名称の通り障害者の自立を支援するものになっているとお考えでしょうか。
 3つに、国に対して、法制度の見直し、改善措置を速やかに講ずることを求めるべきです。
 4つに、支援費制度から自立支援法に変更されたことにより、市の財政負担軽減はいくらでしょうか。
 5つに、千葉市として、利用者と事業所の実態調査を行うことを求めます。
 6つに、サービス利用料や医療費の負担軽減策、施設の運営費補助が必要ではないでしょうか。
 7つに、認定審査会には、障害者の声が反映する仕組みを作るべきではないでしょうか。

 第3は、生活保護についてです。
 所得格差が広がる中で、倒産や自己破産が増加し、やむなく生活保護を受けるケースが増えています。市内のAさんは、自営業がうまくいかず、国民健康保険料の滞納分を分納していましたが、やむなく自己破産となり、生活保護を受けています。千葉市は、Aさんに対して、国保料の滞納分を生活保護でも分納することを求めています。
 このことは、憲法第25条「生存権」、生活保護法第3条「最低生活」、同57条「公課禁止」などの規定に違反することになるのではないでしょうか。また、現在、こうしたケースは、千葉市では、どの位あるのでしょうか。お答え下さい。

5、美浜区の諸問題について
 その1は、わかしお子どもルームについてです。
 磯辺にあるこのルームは、築年数29年を経った、170uのプレハブの建物ですが、老朽化が進み、子どもたちの豊かな放課後を保障する施設とはなっていません。
 現在、71名の児童が通っていますが、この面積では、雨天時には到底、学習や遊びに対応できるものではありません。床のマットは、ガムテープで修理され、すぐ傍らには大きな道路があることから、大型車が通ると建物に振動が伝わります。
 トイレは、簡易トイレが4か所設置されていますが、夏場は暑さと臭いで耐えられない状態です。建物や外壁は鉄サビがそのまま露出し、遊具置場や玄関は雨漏りがします。手洗い場の水道管も露出したままです。古い子どもルームの建て替えが進む中で、このルームについては、その計画が見えてきません。施設の改善を早急にする必要がありますが、どのように捉えているのか伺います。
 その2は、シルバー健康入浴サービスについてです。
 高齢化の進む中で、高齢者の社会参加を推進し高齢者同士の交流の機会を増やしていくことは、高齢者の心身を健康に保つことになり、行政の役割です。
 千葉市では、65歳以上の一人暮らしの方に、市内の公衆浴場の無料入浴券を年間48枚支給しています。しかし、美浜区では、公衆浴場が1か所もないことから、これらの利用は、対象者の1割の方しか利用されていません。
 近年、公衆浴場ではない、大型入浴施設が各地に作られていますが、美浜区新港にも作られ、家族連れや友人同士の利用がはかられています。
 一人暮らしの高齢者の方は、シルバー健康入浴をこの施設で使えるようにしてほしいと要望されています。シルバー健康入浴事業の目的を果たすために、大型入浴施設でのシルバー健康入浴券を使えるようにすることを求めます。

6、教育基本法について
 自民・公明両党は、教育の憲法である教育基本法を全面改定する案を提出しましたが、国会質疑の中でこの改定案の多くの問題点が浮き彫りになり、継続審議となりました。今回は、2つにしぼって、お尋ねします。
 その1つは、改定案が新たに第2条として、「教育の目標」をつくり、そこに「国を愛する態度」など、20に及ぶ「徳目」を列挙し、その「徳目の達成」を国民全体に義務付けていることです。このことは、憲法で保障された「内心の自由」を正面から否定することです。福岡市の小学校6年生の通知表に「愛国心」を評価し、A「十分に満足できる」、B「概ね満足できる」、C「努力を要する」の三段階で成績がつけられている実態について、多くの教師が「評価しようがない」と語り、小泉首相は日本共産党志位和夫衆議院議員の質問に答え、愛国心評価の項目について、「こういう項目は持たなくてもよい」と答え、文部科学大臣は、「ABCをつけるなんてとんでもない」と述べています。このことは、マスコミをはじめ全国に波及し、「愛国心通知表」が各地で使われていることが明らかになり、見直す動きが広がっています。
 そもそも「愛国心通知表」は、各地の学校や教育委員会の自主的判断で行われたものではなく、2002年度以降の学習指導要領で、小学校6年生の社会科の「徳目」として、「国を愛する心情を育てるようにする」などが明記されたことにあります。
 今回の改定案に書き込まれた20に及ぶ徳目は、学習指導要領に明記されているものを、法律に格上げしようというものです。首相が「評価は難しい」としているものを、法律に格上げすることは、道理が成り立たないことを示しており、改定案は重大な破たんに陥っています。
 その2つは、教育基本法改定を答申した中央教育審議会が作成した「教育振興計画」の参考例で「全国一斉学力テストを実施する」と提起され、来年度、全国すべての小学校6年生、中学校3年生を対象に、国語、算数、数学の一斉テストが実施されようとしていることです。既に、東京都で独自に行っている一斉学力テストは、市区ごとに詳細な結果を公表し、学校と教師、子どもたちにとって、激しい圧力になって作用しています。その結果、「成績上位校」は新入生が集中し、一方で新入生ゼロの学校も生まれています。一斉学力テストは、すべての学校と子どもたちに成績順の全国順位をつけようとするものであり、競争と選別を加速させるだけで、学力をつけるという本来の教育とはかけ離れたものになっていくことが明らかにされました。そこで、伺います。
 1つに、「愛国心通知表」の問題点が明らかになりましたが、千葉市では、こうした通知表は使用されていないでしょうか。
 2つに、全国一斉学力テストは、東京都の一斉テストで示されたように、学校と教師、子どもたちにとって、激しい圧力になり教育として好ましくないと考えますが、見解を伺います。

<2回目>

1、企業立地とその効果について
 第1は、市民の雇用についてです。
 企業立地助成制度が実施された1998年度から05年度までに7社が進出し、助成総額は2億6,400万円ですが、市民の雇用は190人で1社当たり27人にしかなりません。さらに、この数字は、「週20時間以上就業する者」を基準にしたものであり、1日4時間労働などのパートやアルバイトも含まれています。伺いますが
 1つに、正規雇用を基準にして計算すると、市民の雇用は7社で何人でしょうか。
 2つに、助成制度の適用要件に、正規雇用の人数や若者の雇用を明確に位置付けることを求めます。お答えください。
 第2は、助成額の上限についてです。
 助成額の上限は、3年間3億円、5年間5億円、そして今年度から拡充された5年間25億円の3通りがあります。これまで、この上限を超える企業は一つもなく、7社すべてが、固定資産税と都市計画税の合算額相当額を全部助成金として受け取っています。その合計が05年度までで約2億6,400万円ということですから、この上限額を超える企業はほとんどありえません。つまり、助成している間は、固定資産税と都市計画税を全額免除していることと同じです。
 助成金を受けた7社は、ほとんどが大企業で、そもそも中小企業では、はじめから高いハードルがあり参加できません。進出した企業を紹介しますが、星光PMC、日清紡績、ムラカミ、ナプソン、日本甜菜製糖、千葉スバル、宇佐美鉱油です。体力のある企業に、千葉市に進出するからといって、固定資産税と都市計画税を全額免除することは、市民の納得を得られるものではありません。
 いま、自民党・公明党による小泉構造改革によって、大企業はバブル期を超える空前の大もうけをしています。ところが、雇用人口の7割を占めるといわれる中小企業は引き続き苦しい状況で、過去5年間に企業倒産は468件にのぼります。そして、高齢者は、老年者控除廃止などによって、住民税が昨年の数倍に引きあがり、市の窓口に問い合わせが殺到する事態になっています。わが党市議団には、「苛斂誅求とはまさにこのこと」とのハガキが寄せられています。
 いま、中小企業への援助こそ必要であって、大企業への手厚い助成制度は、これに逆行するものであり、格差社会を助長するものです。限度額を抜本的に引き下げることを求めます。お答え下さい。そして企業対策では、中小企業への助成対策こそ、重視すべきです。お答え下さい。

2、姉妹友好都市と国際交流について
 まず、姉妹友好都市についてです。
 今年度の姉妹・友好都市交流の当初予算では、2,626万円を計上しました。このうち、天津、呉江、モントルーへの公式訪問団派遣の予算は、合計1,596万円です。予算の約6割が公式訪問団の予算ということになります。それぞれ提携10周年、20周年、30周年と、10年毎に訪問しますが、7つの都市と提携しているので、その回数は相当なものとなります。しかし、市民はほとんど知ることはありません。5月の天津、呉江への訪問も、「市政だより」でも報告されず、これでは、市民に知らせず、こっそり訪問しているようなものと思いますが、いかがでしょうか。お答え下さい。7つの姉妹友好都市について、「広く市民のみなさんに認識いただいている」との答弁でしたが、この間、私のまわりの人たちに聞いてみても、1つの姉妹友好都市さえ言えない人がほとんどです。このような市民不在の形式的、儀礼的な姉妹友好都市交流では、相手の都市に対しても不誠実と言わなければなりません。
 市民レベルの国際交流が多様に発展し、多くの市民も海外に出かける機会も増える中で、姉妹友好都市交流のあり方も見直す時期にきているのではないでしょうか。
 少なくとも、市長などの公式訪問は簡素にし、世界平和の理念に立って、相互理解と友好が真に深められる内容にすべきです。そして、両市民に向けての「アピール」を発表するなど、市民に広く知らせることが必要ではないでしょうか。お答え下さい。
 次に、市内在住の外国人への援助についてです。
 外国人市民意識調査アンケートを1993年と、5年後の98年に実施したとのことでした。その後、8年が経過し、外国人市民の人口は1.5倍にもなっているのに意識調査はやられていないとのことです。
 アンケートを行い、その結果を踏まえ、外国人市民が市政について意見や提案などができる率直な議論の場が必要だと考えます。神戸市では、「外国人市民会議」を設置し、外国人市民の市政への参画を推進しています。千葉市でも、外国人団体の代表者や語学関係の大学や学部の協力も得て、設置することを提案します。
 以上、お答えください。

3、土地活用のあり方について
 稲毛海岸公務員宿舎跡地については、去る6月13日に開かれた国の「国家公務員宿舎の移転、跡地利用に関する有識者会議」の中で、この土地は2009年までの計画の中で都内の宿舎移転の候補地としては上がらず、今後の行方は未定の状態になっています。これまで、市は国の動向を見るとされてきましたが、この時点で、まさに千葉市の動向がこの跡地を左右することになってしまいます。これまで、私が求めてきたように、美浜区の土地活用の中で、有意義になるであろう、この敷地を確保することが必要ではないでしょうか。2004年に国から千葉市に対して、この土地を利用するか否かの照会があったことからすれば、千葉市は住民がこの土地を要望していることを国に伝えることが必要ではないでしょうか。お答え下さい。
 建物の遊休施設についてです。
 管財課が管理しているものは、売却の方向が示されている旧高洲職員寮と旧さつきが丘消防職員寮の「雄飛寮」、そして利用計画のない旧花見川消防署の3か所であり、いずれも廃止年度は様々なようです。
 旧さつきが丘消防職員寮については、その活用について、わが党の柳田清議員が住民要望を反映することを2000年から計5回、再三求めてきたところです。そして、市は現在、地元からの要望が出されているので、その協議もされているとの事でした。また、遊休施設の一括した管理はしているのかとの問いに、各々の所管で管理しているので、各々にまかせているとのことでした。
 私は、各局毎の遊休施設を調査しましたが、保健福祉局は、旧市立病院、旧桜木火葬場、幸第2保育所の3か所、環境局は旧新港清掃工場、北谷津プラズマ溶融センター、旧衛生センター、排水路浄化施設4か所、水質自動モニター2か所、計8か所、下水道局はポンプ場が4か所、浄化センター4か所の計8か所、教育委員会は旧塩田学校給食センターと旧更科小学校下田分校の2か所、これら施設合計数は21か所になります。これらの廃止年度は、1989年度のものから今年度までと様々でその利用計画は、殆どが示されておりません。各所管は、その施設の行方について、関知しているとも思えません。そこで伺います。
 1つに、管財課が所管するものと、各部署の所管するものの、基準が不明確ですが、遊休施設の管理と把握は、市の土地利用計画や各地で問題になっている防犯的なことも含めると一括管理が必要ではないでしょうか。
 2つに、旧消防職員寮跡地が当初の売却方針から住民要望を反映する形に転換されていますが、他の遊休施設についても住民の声をきくことを求めます。
 3つに、土地活用や取得、処分について、市民参加ができる仕組み作りが必要ではないでしょうか。
 以上、お答えください。

4、安心して住める町について
 第1は、医療従事者の確保についてです。
 国に対して、医師、看護師の増員要求は行なっているとの答弁でした。今年度の史上空前の診療報酬のマイナス「改定」は、地域医療の崩壊とあわせ、医療機関の存続すら危ぶまれているもので、過去のいかなる時期にも経験したことのない過酷な経営環境に直面するものと言われています。医師不足を理由にする診療報酬の減額は、医療法が定めている必要医師数に対し70%以下だと1割、50%以下だと1.5割も入院基本料が減額されます。看護師についても同様に、十分確保できない病院は、保険点数が低くされることなどが行なわれ、病院にとっては、医師、看護師の確保が病院経営を左右することになり、患者にとっては、医療を受ける権利が狭められ、深刻な影響を及ぼすものです。
 1に、国に対して、今回の診療報酬改定を中止するよう求めるべきです。お答えください。
 2に、 両市立病院では、救急部の医師が2名のうち1名が非常勤で、1名欠員となっており、看護師の夜勤最高は16回ということです。市民の命と健康を守るために、医師や看護師の増員が必要ではないでしょうか。お答え下さい。
 市内の小児科が6年前より、診療所が5増、病院が3減、産婦人科の病院1減、診療所が4減とのことですが、人口増加の中で市民への影響や他の施設での過重労働が心配されますが、どの様に捉えているでしょうか。

 第2は、障害者自立支援についてです。
 障害者自立支援法によって、利用者の負担増となっていることは認めているとの答弁がありましたが、その認識とは裏腹に、市独自の軽減策については明確な答弁はありませんでした。すでに全国では負担軽減策をとる自治体が増えており、政令市では横浜、京都、福岡、広島の4市が行っています。
 収入がない人からも、またわずかな年金からも2割以上を占める利用料を徴収するこの法律は、自立どころか障害者の暮らしを破壊してしまうものです。ですから、どうしても自治体独自での救済策が必要です。市は、支援費制度からこの法律になったことで、市負担額は、1億2,600万円の減額とのことですが、障害者への負担軽減策をとることは財源確保が困難という理由は成り立たないことを示しています。低所得1、2を無料とし市民税所得割4万円未満については、負担上限額を1万8,600円とし、利用料の半額を助成した場合、総額約7,000万円で可能です。
 この助成策を実施することを求めます。お答え下さい。

 第3は、生活保護についてです。
 生活保護受給者への国保滞納分の取り立ては、「憲法及び法律違反ではないか」との指摘に対し、明確な答弁はありませんでした。行政が行なうことは、生活保護法第57条「公課禁止」に基づき、国保滞納分は徴収すべきではないが、どうか。お答え下さい。

5、美浜区の諸問題について
 わかしお子どもルームについてです。
 築年数29年の老朽化したプレハブルームは、多くの子どもたちの放課後を支えてきましたが、今やこの施設が、それを保障できるものには到底なり得ていません。
 新しいルームと比較すると雲泥の差があり、利用料金が同じなのに納得できないという声は、その格差を象徴しています。安全性からいっても問題です。全庁あげて、早期に建て替えをすすめることを求めておきます。

6、教育基本法について
 教育基本法改悪案は、「国を愛する態度」など20もの徳目を明記し、内心の自由を侵害しています。この改悪案が成立すれば、「愛国心」評価が全国で強制されかねない重大な問題点として、国会での質問の後、毎日新聞、朝日新聞は「愛国心通知表」の全国の実態を発表し、その後、学校や自治体で見直しの動きが生まれています。
 さて、千葉市では、その調査を拒み、「各学校で適切な評価がされている」との答弁です。そこで伺いますが、
 国会で小泉首相は「愛国心を通知表で評価するのは難しい」と答えていますが、教育委員会もそのようにお考えでしょうか。お答え下さい。
 全国一斉学力テストについての見解については答弁がありませんでしたが、全国一斉学力テストは、かつて1961年から64年にかけ、実施をした経過がありますが、「競争教育をひどくする」「学校の序列化がすすむ」などの害悪が噴出し、国民の反対が広がり中止したものです。
 過去にこうしたいきさつを持つ全国一斉学力テストは、子どもたちにとって決して良い結果をもたらさないのではないでしょうか。
 国際的な学力調査で、連続的に「世界一」となったフィンランドの教育改革を紹介したいと思います。
 第1は競争原理を教育から一掃したということです。9年間の義務教育の中で、他人と比較するためのテストはありません。どの子にもわかるまで教える教育がされ、競争でなく助け合う教育がされています。
 第2は、学校と教師の自由と自立性を尊重していることです。
 第3は、少人数学級がすすみ、約20人程度が標準です。
 そして、義務教育、高等学校、職業専門学校、大学ですべて無償で教育の機会均等が保障されています。
 こうした改革をすすめる上で、フィンランドは様々な国から学び、その中でも日本の教育基本法を参考にし、「人格の完成」をめざす教育、一人ひとりの人間としての成長を願う精神が生かされたそうです。
 そこで伺いますが、フィンランドで実践されているように、子どもたちの学力向上のためには、競争を激化させることではなく、どの子にも、わかるまで教えるための基盤づくり、すなわち少人数学級や教育の機会均等だと考えますが、見解を伺います。