中村きみえ議員の討論

2006.6.26
写真 会派を代表して、議案第101号、第114号、第115号、第117号について反対し、請願第2号の1、第2号の2が不採択となったことへの討論を行います。

 まず、議案第101号専決処分について千葉市市税条例の一部改正についてです。

 これは、国の税制改正によって、個人市民税の均等割の非課税限度額が、22万円から21万円に引き下げられるということです。それに伴って、約380人の方に影響があり、増収見込みは約35万円ですが、今まで市民税非課税だった方が、課税者となれば、保健福祉局所管だけでも受けられない事業が3つ、自己負担が増えるサービスが42件にも及んでいます。6月以降、税制改悪によって老年者控除の廃止、公的年金控除の見直し、定率減税の縮減、65歳以上の非課税措置の廃止など住民からの苦情が殺到しています。

 国の改正とは言え、これ以上の市民負担増には賛成しかねます。

 次に、議案第114号工事請負契約について、新港横戸町線第二工区ボックス他築造工事、議案第115号同じく第6工区ボックス築造工事についてです。

 党市議団は、新港横戸町線については、環境面での負荷や多額の資金を投入しての費用対効果など、問題が多く反対をしております。

 今年度から千葉市では、低入札価格制度の対象が、これまでの24億円以上から3千万円以上と価格が変更され、多くの案件が対象となりました。今議会で、落札率は、114号が51.59%、115号が65.10%となるなど低入札価格調査対象となっています。これを実施している自治体では、過度な安値受注、いわゆるダンピング受注による手抜き工事などの品質低下、下請・資材業者へのしわ寄せ、労働条件の悪化、安全対策の不徹底などの問題があると指摘しています。 

 また、117号では、京成電鉄との委託契約で95%と、高すぎることを指摘しておきます。

 次に、発議第4号千葉市障害者自立支援法による利用者負担額の助成に関する条例についてです。

 障害者自立支援法が、今年4月から施行され、障害者とその家族に大幅な負担増を強い、障害が重く、制度利用の多い人ほど負担が大きくなるという「応益負担」が導入されました。千葉市では、サービス利用者の約40%の方が無料でしたが、1割負担になりました。そのため、障害の重い方や所得の低い方が利用料負担から、必要なサービスを制限し、家に閉じこもりがちになる。家事援助サービス時間を削る、貯金を取り崩さないと生活できないなど多くの利用者、家族が悲鳴の声を上げています。 

 こうした大きな負担を軽減するために、各地の自治体では、制度開始時点から軽減策を始めています。都道府県、政令市、市、区の849自治体のうち127が、すでに減免を実施しており、東京都では、都とともに自治体の3分の1以上が独自策を実施しています。いかに、この自立支援法には問題が多いかを示しています。同時に、障害者の暮らしを守るためには、自治体独自の救済措置が不可欠であることも明確になっています。日本共産党市議団が提案したのは、在宅での必要なサービスをお金の心配をせず利用できるよう、市民税非課税者は無料に、市民税所得割4万円未満の方は利用料を5%と半額補助し、千葉市独自の対策を求めるものです。自民党は、「国の軽減策があるから」と反対されました。国の軽減策では対象が限られ、家計に与える影響が極めて大きく、わずかな軽減にしかなりません。新政五月会と公明党は、「自治体が独自にやるのはふさわしくない」と反対しましたが、国が社会的弱者に負担を押し付けてきたときには、その防波堤となって福祉やくらしを守るのが自治体の役割であり、真の地方分権ではないでしょうか。障害者が人として生きるために、最低限必要なサービスを受けることを「応益」とするこの法律は、根本的に間違っています。

 国に対して「応能負担」に戻すよう求めるとともに、自治体が限りなく「応能負担」に近づけて行くことが必要であることを強調したいと思います。

 請願第2号の1の障害児者への「応益負担」に反対し、切実な願いの実現を求める請願では、自立支援法に伴っての応益負担をやめ、所得に応じた応能負担となるように求め、医療費助成の現物給付化、施設の入所、通所の待機者の解消を図ることなど改善を求めたものです。

 障害者、家族が1割負担の導入で、自己負担が増えています。また、現在の医療費助成制度では、手元にお金がないと受診できず重症化を招いてしまいます。

 平成18年6月時点で、身体障害者療護施設の待機者は72人、最長で8年、入所授産施設は2人で3年待ちです。知的障害者の入所更生施設の待機者は36人、入所授産施設は4人、通所更生施設は6人、通所授産施設は3人となったままという深刻な状況です。これらを一日も早く改善することが、障害のある方が千葉市で暮らしていくために、必要です。新政五月会からは、「この請願を採択したところで、市の施策が進むとは思えない」と反対されたことは、議会の機能を自ら否定するものであり、市民の請願権を否定することになり、到底認められません。不採択となったことは遺憾です。 

 最後に、請願第2号の2の「障害児の切実な願いである教育条件の整備に関する請願」についてです。

 障害児学級の廃止をやめ、LD・ADHD、高機能自閉症等の障害を持つ子どもたちにふさわしい教育条件を求め、市立養護学校の児童数が増加し、学校の教育条件整備を求めたものです。現在、児童数が増加し、プレハブの校舎で対応し、老朽化も深刻です。公明党の委員は「千葉市は現状では精一杯しているのでと不採択」とし、新政五月会の委員は「市立養護学校だけ劣悪だと思わない」と、現場を理解していない発言は、大変遺憾です。

 以上で、反対討論を終わります。