小関としゆき議員の一般質問

2006.6.20
写真 日本共産党の小関としゆきです。一般質問を行います。

1、高齢者福祉についてうかがいます。
第1は、医療制度についてです。
 高齢者・国民に大変な負担を増やす医療制度の改悪が、自民・公明の与党によって強行されました。日本医師会も「患者負担増に反対する国民の意思を尊重すべきだ」「国民皆保険制度の理念に反する」ものだと反対していたものです。
 今後の、高齢者・国民への影響を考えると、国民の声を無視して強行した責任は、大変重いと思います。
 今度の改悪で、70歳から74歳の医療費負担が1割から2割へと2倍になり、1人当たり平均しますと年間2万円の負担増となります。
 夫婦2人家庭で、現役並みの620万円の収入がある場合は、これまでは2割でしたが、今年10月からは3割負担となります。
 また、75歳以上を対象にした「後期高齢者医療制度」を導入し、扶養されている高齢者も含め全高齢者から、保険料を徴収するとしています。わずかな年金からも保険料を天引きし、滞納があれば保険証は取り上げられ、資格証明書にされてしまいます。さらに、改悪では、本年10月から療養病床に入院している70歳以上の患者の食費・居住費を引き上げます。73歳の男性が療養病床に30日間入院した場合、現行では6万3,600円ですが、改悪されたら10月から9万6,400円となります。その上、08年4月から患者負担が2割になれば、11万4,100円になり、現行の約1.8倍の負担増となります。
 高齢になれば、病気になる割合が高くなるのは当然です。しかし、年金額の減少や増税、介護保険料の引き上げなどで所得が少なくなっており、高齢者の生活と健康を維持するうえでは、この医療制度の改悪は深刻な問題です。
 そこで、高齢者が安心して医療を受けられるよう求めて質問します。
 1に、この医療制度の改悪は、憲法25条で保障された「生存権」を破壊するものです。千葉市として「医療格差」「医療差別」を防ぐために、市長はどのように対応されるのか、うかがいます。
 2に、08年からの高齢者医療制度の改悪により、2割負担となる高齢者は何人いるのか。
 3に、この制度が実施されれば、お金のない高齢者は医療を受けられないことになりかねません。その場合、市として救済する対策はあるでしょうか。
 4に、療養病床の大幅な削減で、高齢者の病院からの追い出しが千葉市でも始まっています。「医療の必要の低い社会的入院患者を退院させる」としていますが、患者の多くは、病状の変化に対応した医療を必要としているのに、病院を出されてもいったい何処へ行けというのでしょうか。千葉市は、その実態を把握していますか。
 以上、お答えください。

第2は、福祉電話についてです。
 今年3月まで、緊急通報装置電話利用者の基本料金を助成していましたが、4月からの「行政改革推進計画」に基づいて廃止して、本人負担としました。高齢者は、増税・介護保険料の引き上げなどで、これ以上、生活費は切り詰められない状況になっています。
 今回の廃止通知を受けとった稲毛区内に住むAさんは、71歳の独り暮らしの方ですが、1日823円で生活しています。つまり、電話の基本料金で2日分の生活費が消えてしまうのです。この方は持病があり、いつ具合が悪くなるかわからないため、「緊急通報装置電話だけは無くせない」と、食費を削って電話料を支払っています。
 一方的に、利用者の声も聞かず「行革」の名の下に、緊急通報装置の基本料1,995円の助成を切り捨ててしまうことが、市長の本意とするところなのでしょうか。対象の1,952世帯への助成額は、わずか4,673万円です。
 ご苦労されてきた高齢者に、少しでも安心して暮していただくように、助成制度を元に戻すよう求めます。お答えください。

第3は、独居高齢者の安否確認についてです。
 1人暮らしの高齢者は年々増えています。2002年度まで、乳酸飲料を配りながら、独り暮らしの方の安否確認を実施していましたが、これも廃止されてしまいました。
 今年5月、稲毛区内の公営住宅に、独りで住んでいた70歳代の男性が亡くなっていたのを、訪問したヘルパーさんが発見しました。死後2日程経っていたそうです。
昨年、市内で「孤独死」された方が公的住宅だけでも25人おられました。そこでうかがいます。
 1に、現在、市内には独り暮らしの高齢者は何人おられるでしょうか。その方々には、どのような安否確認を行っているのでしょうか。
 2に、以前実施していた、乳酸飲料の配達と合わせた安否確認を復活させるなど、独り暮らしの高齢者対策を求めます。
 以上、お答えください。

2、千葉市社会保険センターとウェルサンピア千葉の存続についてうかがいます。
 年金福祉還元事業として厚生労働省や社会保険庁が建設してきた、年金福祉施設やグリーンピア(大規模年金保養施設)などの施設を、国は赤字を理由に2009年度を目途に、廃止し売却することを決めました。
 独立行政法人「年金健康保険福祉施設整理機構」が、「厚生年金保険等の適切な財政運営に資する」ことを目的に、2005年からの5年間で、年金福祉施設等の譲渡または廃止を行うことになっているようです。
 グリーンピアなどの施設は、厚労省や社会保険庁の天下り先となり、年金から3兆9,000億円も投入されながら破綻した事業として問題になり、国の責任が問われています。

 しかし、千葉市にある社会保険センターと旧厚生年金休暇センターのウェルサンピア千葉は、地域のみなさんからサークル活動などに活用され、年間の利用者数は、社会保険センターで13万5,000人、ウェルサンピア千葉では約46万人にものぼっています。
 両施設とも黒字になっているにもかかわらず、多くの利用者の存続を願う声を無視した廃止は、認められません。
 施設の存続を求めて、社会保険センターを利用する講師の代表と受講生の代表から、鶴岡市長に陳情書が提出されたと思います。
 その中では、高齢化社会が進めば一層必要となる施設であり、「受講者3,500人から健康づくり・生きがいづくりの場を奪う」ことになる。また、「全国の施設を一律に不要なものと断じて売却するのは福祉の切捨てになる」と強く批判しています。
 ウェルサンピア千葉の利用者のみなさんからは、「なぜ黒字なのに廃止するのか」と憤り、存続を求める署名運動も始まっています。
 私は、この両施設が今後も存続し、市民が利用し続けられるよう願って質問します。
 1に、鶴岡市長宛に出された、千葉社会保険センターからの陳情書には、どのような回答をされたのでしょうか。
 2に、整理機構では、地方自治体に売却することも考えているようですが、千葉市への要請等は、あったのでしょうか。
 3に、多くの市民が利用している施設です。利用者は「なんとか存続してほしい」と署名運動にも取り組んでいます。市民の願いに応えて、存続を国に要望するよう求めますが、見解をうかがいます。
 4に、それでも厚労省が廃止・売却するのであれば、例えば、県と市の共同で購入するようなことは考えていないのか、お答えください。

3、市内の森林を守る対策についてうかがいます。
 世界の森林面積は、1981年からの10年間で1億5,400万ヘクタール減少し、地球上から森林が大規模に消失したことが地球温暖化を進め、16,000種を超える動植物が絶滅の危機にあります。
 このような中で、千葉市も例外ではありません。市内ではこの10年間、保存樹林は327.5ヘクタールから285.5ヘクタールへと、42ヘクタールも減少しています。
 いま現在も、市内の森林は伐採され、マンションや住宅、ゴルフ練習場等の建設が進んでいます。企業の思うがままに、乱開発され自然環境が破壊さているのです。
 04年の第1回定例会で、市内の緑を守る対策を求めた私の質問に、「保存樹林や市民の森を都市緑地法に基づいて、市民緑地への移行や市民主体で地区の緑のあり方を検討するなど、地権者との協働を目指す」と答弁しています。そこでうかがいます。
 1に、市内の森林が減少していく実態に対し、千葉市は都市緑地法に基づいて、どのような対応をしてきたのでしょうか。
 2に、民有林がどんどん減少しています。市民や地権者と森林を守るために、どのような協働を追究してきたのでしょうか。
 3に、地球温暖化防止のために、千葉市の果たすべき役割を明確にし、森林再生についての計画を持つべきですが、見解をうかがいます。
 4に、市内にいくつかある「市民の森」のほとんどは民有林であります。その民有林を保存する対策はあるのでしょうか、うかがいます。

4、地域の諸問題についてうかがいます。
 第1は、JR稲毛駅とその周辺のバリアフリー化についてです。
 JR稲毛駅のバリアフリー化では、エレベーター・エスカレーターが設置され、高齢者や障害者の方々に大変喜ばれています。また、東口ロータリーも整備され、改善はされましたが、このロータリーの整備は車に対応したものであり、高齢者・障害者にとっては、まだ改善の余地があります。
 04年の第1回定例会の一般質問で、障害者のみなさんが行った現地調査の結果を受けて、改善・整備を求めましたが、再度質問いたします。
 1に、西口側の郵便局途中まである点字ブロックを、郵便局まで整備するよう求めて、「設置します」との答弁を頂きました。しかし、いまだに整備されておりません。早急に改善することを求めます。
 2に、シェルターの柱へのラバー取り付けは、1部取り付けられましたが、ほとんどの柱には付いていません。「調査し適切に対応する」とのことでしたが、今後どのように対応するのでしょうか。さらなる改善を求めます。
 3に、駅入口・東口・西口の低い階段は高齢者・障害者にとっては危険です。階段をなくしスロープにすることで、利用しやすくなります。JRとも協議し、改善するよう求めます。

 第2は、柏台小学校前の信号機設置についてです。
 市道穴川犢橋町線・柏台小学校前には、現在歩道橋があり、子どもたちはその歩道橋を利用していますが、自転車は信号機のない道路を横断し、この2年間で2件の接触事故が発生しています。
 1件目は、自転車に乗っていた小学生が乗用車と接触、もう1件はバイクと乗用車が接触し、2件とも骨折するなどの重傷を負っています。
 鮎沢商店から宮長橋交差点までの間には、柏台小学校前の歩道橋しか道路を横断する手段がありません。自転車はもちろんベビーカーやお年寄りも不便を感じています。そのような状況の下で、地域のみなさんから「信号機を設置してほしい」との要望が出され、私も議会で取り上げるとともに、毎年提出している予算要望書でも、手押し式信号機と横断歩道の設置を求めてきたところです。この間、柏台小学校の関係者、千葉県警、市職員とで、現地を見ながら協議したようです。そこで、うかがいますが、
 1に、関係者の協議は、どのような話し合いがされたのでしょうか。
 2に、地域のみなさんの要望に応えて、早急な信号機の設置を求めます。

 第3に、園生交差点近くの歩道整備についてです。
 穴川・天戸線の園生十字路近くの歩道整備について、03年・第1回議会でもうかがいましたが、現在も歩道は狭く、車道も狭いために自転車は歩道を通らなければなりませんが、その歩道が住宅の出入口のため、段差が高く車椅子やベビーカーなどの通行は大変危険となっています。また、自転車通学の高校生も多く利用しており、「部活で夜遅く帰るときに、段差が見えなくて車と接触しそうになった」との体験も聞いています。この交差点付近の改善を求めてきましたが、その際、「歩行者の安全確保のため改善に向けて検討する」とのことでした。改善のために、園生十字路近くの歩道も含めて、どのように検討されたのか、早急な改善を求めます。

 第4は、市道・東寺山町山王線の拡幅についてです。
 この道路は、若葉区みつわ台から稲毛区六方町を経由して四街道長沼線に抜ける道路で、日東紡・大東鋼業などの工場があり、道路が狭いのに大型トラックの交通量も多く、片側にしかないガードレールには、車の接触した跡が無数にあります。また、最近近くにホームセンターができ、交通量が一段と増えました。私の調査では、午前10時半から11時半の1時間で、約1,500台もの車が通っています。
 ホームセンターの開店と併せて、前の道路が拡幅されて改善されましたが、ロイヤルホームセンターからみつわ台方面に向かっては、狭いままで危険です。
 自転車で通学する高校生は、この道路を利用しています。また、近くには山王中学校もあります。未整備になっている道路の歩道は、片側にしかなく、その歩道は狭い上に電柱が立っていて危険な道路です。うかがいますが、
 1に、ロイヤルホームセンター前の道路拡幅は、千葉市が用地を買収し整備したようですが、なぜロイヤルホームセンター前だけだったのでしょうか。
 2に、今まで、この道路で歩行者や自転車等と車の事故はなかったのでしょうか。
 3に、今後、この道路の拡幅計画は、どのようになっているのか、早急な整備を求めます。

<2回目>

高齢者福祉について
 今国会で強行された医療制度改悪の特徴は、高齢者・重症患者への情け容赦ない負担増と医療の切捨てであることが理解されていないようです。
 この医療制度改定にあたって行われた地方公聴会では、与党推薦の参考人を含めて改正法への批判や不安の声が相次ぎました。
 日本医師会副会長の竹嶋康弘さんは、「高齢者を中心とする患者負担の大幅な引き上げや病床の削減は、国民の不安をあおって、その生活を脅かすばかりか、医療を提供する側にも混乱を招き、地域での医療の荒廃を招く危険性すらある」と述べています。すでに千葉市でも、必要な医療が受けられない「医療難民」が、生まれ始めています。
 稲毛区内に住む71歳の男性Kさんは、8年前に脳梗塞を発症し、半身マヒ・言語機能障害があり、現在5か所目の病院で入院生活を送っています。ところが、5月末日に突然、病院から「6月中に病棟を閉鎖するので、移れる病院を探すように」と言われました。市内を問わず、老健施設や療養型病床を持つ病院に問合せても、受け入れてくれる所が見つからず、「在宅になれば、24時間介護することになり、このままでは共倒れになってしまう」と、奥さんから相談が寄せられています。同病院に入院されている他の35名の方も、Kさんと同じような大変な事態になっているのです。
 また、糖尿病で通院している60歳代後半のご夫婦は、年金が2人で9万円、現在の医療費は2人で約6,000円ですが、2割負担になれば12,000円です。「どうやって生活すればいいのか」と悲鳴を上げています。今でも、医療費が払えず「年金支給日まで支払いを待ってもらっている」と言います。市内には他にも、このような実態が数多くあると思います。
 医療制度改悪を「医療費の適正化や医療保険の再編成、老人保険制度に代わる新高齢者医療制度の創設、医療提供体制の見直しなど、抜本的な改革で構造改革の一環」だと答弁しましたが、これは、市民の実態を見ないものであり、政府の医療改悪を容認するものです。そこで、再度うかがいます。
 1つは、市内の高齢者から「医療費が上がれば、生活できない」との不安の声が現実にあがっているのだから、この声を受け止め、このような高齢者を如何に救済するのか、明確な答弁を求めます。
 2つに、療養病床削減の問題です。今回の医療制度改悪で、療養病床は全国で今後6年間に6割も廃止されます。千葉市で言えば、現在、1,204床ある療養病床が約500床に激減することであり、それは約700人が病院から追い出されることです。この人たちを救うことが市の責務です。現に病院から出るように通告されている実態があるわけですから、早急に調査して対策をとるべきです。
 3つは、千葉市で実施している68歳、69歳の医療費助成を引き続き実施することを求めます。お答えください。
 次に、緊急通報装置電話の基本料金助成についてです。
 収入が低いのに、「助成がなくなるのなら、電話設置はもうやめようか」という方もいます。これでは、緊急時に手が打てないではありませんか。横浜市では基本料金の助成を一人暮らしの低所得者に行っています。千葉市も助成の復活を求めます。
 次は、独り暮らしの高齢者の安否確認についてです。
 乳酸飲料の配達による安否確認を廃止して以後、昨年、公的住宅だけでも25名の方が孤独死しました。安否確認について色々実施されているようですが、配食サービスを受けていない人も多く、民生員による訪問も毎日することはできません。乳酸飲料の配達の復活や、その他有効な安否確認の対策を求めます。

市内の森林を守る対策について
 千葉市が今後、市民の森や園生貝塚の森など、地権者と協議し買収も含めて保存する方向とのことですが、大いに推進してほしいと思います。しかし、それ以外の民有地の保存はといえば、マンション建設などの開発のために企業へ売り渡され、この3年間に稲毛区では、萩台・宮野木北部・園生町で4か所も樹林が消失し、住民の反対を押し切って宅地開発が進められています。うかがいますが、
 1に、特別緑地保全地区に指定された地域は現在、5か所約8.1ヘクタールあるとのことでした。今後、それ以外にも特別緑地保全地区に指定する計画はあるのか。
 2に、稲毛区園生町の園生貝塚の森は、渋滞で有名な穴川インターに隣接しており、車の排気ガスによる大気汚染を緩和する上でも貴重な森です。同時に、市民の身近なところで古代の歴史を感じることができる場所であり、学問的にも環状貝塚の全貌を見ることができる貴重な遺跡です。ところが、粗大ごみが不法投棄されるなどの状況があります。管理についても適切に行うよう求めておきます。
 また、この貝塚の森の土地所有者は6名程のようです。今後、土地所有者と協議し文化遺産としても、保存樹林の存続は必要ですが、その対策についてうかがいます。

千葉社会保険センター及びウェルサンピア千葉の存続について
 まず、社会保険センターについてですが、市長宛に出されていた陳情書への回答についてうかがいました。陳情の主旨が市政に対する事項ではないので、「陳情者に対し、国へ申し入れるように伝えた」との驚くべき答弁でした。
 この市長宛の陳情は、利用者のみなさんが、健康づくり・生きがいづくりの場の存続を願い3,500人もの署名を集めて、市民の代表者である市長にたいして、国へ要望してほしいと陳情したものです。その思いを無視し、「自分たちで国と交渉しなさい」では、ひどすぎます。国の問題でも、市民の願いや要望を国に届けるのは、地方自治体の基本的な役割ではないですか。
 市長は、3,500人の陳情の重みをしっかりと受け止め、その趣旨を国に確実に伝えるとともに、自らも存続を切望する多くの市民の立場に立って、国に要望することを再度求めます。
 次に、ウェルサンピア千葉についてです。昨年11月に「整理機構」から千葉市に、「買取りの意向の問合せがあったが、買取りを希望する部局がなかった」とのことでした。希望について、市の部局内部だけで決めることは正しくありません。利用者である市民の意向こそ聞くべきです。そのための調査をするよう求めます。
 以上、お答えください。
 地域の諸問題については、各部局でしっかり調査を行なって、早急に改善するよう求めておきます。
 以上で、2回目の質問とします。