ふくなが洋議員の決算不認定討論

2006.9.28
 日本共産党千葉市議会議員団を代表し、決算議案20件中8件について、不認定の立場から討論を行います。

1、三位一体改革と千葉市財政について

 三位一体改革がはじまってから、H17年度決算までの千葉市財政への影響額は、国庫補助負担金削減24億円、税源委譲31億2,000万円、普通交付税プラス臨時財政対策債減額105億7,500万円、差し引き98億5,500万円の減額です。
 日本共産党市議団は、「三位一体改革は、地方財政を切り下げて国の地方への関与を強め、地方分権に逆行するものであり、千葉市も反対するよう」求めてきました。しかし、鶴岡市長は「必要な改革」「シャープ勧告以来地方へ税源が委譲された事は画期的だ」と高く評価してきました。
 しかし分科会で、千葉市財政が100億円近くも減額された「三位一体改革」への評価を質したところ、財政当局は「地方の提言が十分反映されていない」「地方の裁量、自由度の増大につながっていない」「国と地方の役割分担が明確にされないまま地方交付税の財源保障機能の縮小だけが行われようとしている」と答弁しました。
 まさに、日本共産党市議団の指摘通りの結果を、財政当局も認めざるを得ない事態となっています。鶴岡市長は、この実態を正確に捕らえて、地方財政の拡充と千葉市財政確保のために、国庫補助負担金の削減反対、地方交付税の縮減中止、地方の仕事にふさわしい税源委譲を、政府に強く要求すべきです。 

2、実質公債費比率と借金の増大について

 地方債の発行が、総務省の「許可制」から「協議制」に移行しました。そのための基準は、「実質公債費比率」18%以下の自治体ですが、18%を超えると総務省の「許可」が必要となり、千葉市は「許可」が必要な23%となっています。これは、震災復興の神戸市を例外とすれば、政令市では横浜についで2番目の不健全財政となっています。
 その原因として市長が認めているのは、政令市移行後の都市整備公社等の活用による債務負担行為が多額であったことです。ちなみに、H4年から14年間の債務負担行為は、設定額1,970億円、償還額1,180億円です。また、地方債は14年間で、発行額8,400億円、償還額6,000億円です。
 これだけ借金をしてきた中には、市民生活上必要な事業もありましたが、不急・不要の大型開発が多数含まれています。千葉駅西口地区、中央大六地区、千葉中央港地区、蘇我特定地区と新港横戸町線の5事業では、直近の5年間で発行した市債債務負担の合計は892億円に上ります。
 土地開発公社を活用して、現在塩漬け土地となっている用地の簿価は、299億円になっています。
 また、市債管理基金からの年度超え借入の「積み立て不足」が、H15年末の累計で20億円、H16年末の累計80億円、H17年末の累計で80億円あり、収支不足を賄うために、市債管理基金から莫大な借入を行って来たことが2つ目の原因です。
 今後も、H19年度「実質公債費比率」は、24.9%になると推定されていて、毎年、一般財源の4分の1近くが借金返済に注ぎ込まれ、市民要望に応えられない状況になっているのは極めて深刻です。
 17年度決算で、全会計の借金元利合計残高は、1兆3,076億円、市民一人当たり144万4千円と毎年毎年増え続けています。
 借金を減らし、財政の健全化を進めることは、千葉市の緊急重要課題となっています。

3、大型開発について

 莫大な借金をしながら進めてきた大型開発について、市長は「都市の再生・雇用の確保・税の涵養」と言っています。蘇我臨海開発は、総事業費1,601億円で、その持ち分は、国428億円、千葉市558億円と、公共が合計986億円の税金を注ぎ込む大事業です。現在までの雇用確保は、ハーバーシティで2,700人と報告されていますが、そのほとんどはパートなど非正規雇用です。
 これでは、費用対効果が極めて低いことになります。正規雇用・若者も含めた雇用の大幅増員を要求すべきです。
 千葉駅西口再開発は、これまで523億円もの税金を注ぎ込みましたが、千葉市の玄関口が18年間も廃墟ビルと空き地が広がる状況に放置されてきました。やっと、具体化したビルの建設も、市が過去に高価格で購入した土地を、地価が下落した現在の価格で民間業者に渡すため、簿価と時価の差額は多額の損失となります。
 市民生活を維持向上させていくためには、市民参加による「大規模公共事業見直し委員会」を設置して、大型開発優先から転換することが必要となっています。

4、税務行政について

 滞納税繰越額粉飾決算は、長年にわたってズサンな税務行政が行われた結果、今日まで議決してきた予算・決算が粉飾されていたという事実も鮮明になりました。
 総務省から返還を求められた、交付税の行革インセンティブ算定分、約2,800万円と加算金約321万円のうち、市長は加算金を賠償しました。
 市長は「全ての責任は私にある」といいながら、滞納繰越額の改ざん・粉飾決算事件の全てを、賠償をもって終りにしようとしています。
 しかし、この事件の原因究明と誰の責任なのかは、依然不明のままです。このまま幕を閉じることは許されません。
 解明出来ない理由の一つとして、「H11年以前の関係書類無くて解明出来ない」「関係者が退職している」と主張していますが、しかし過去に溯って決算書を整理し、滞納繰越調定額が減額されている実態と減額率を精査すれば、改ざんされているかどうかが分かるはずです。
 日本共産党市議団は、S26年度からH17年度まで決算書を整理しました。その結果、55年間の数値は、収納率が常に高い事。滞納繰越調定額の減額が2億円から6億円と異常に多額な年が多いい事。千葉市の減額率は4%から6%で、類似都市が0.5%から0.6%なのに比べ8倍から10倍であり、納税事務の常識では考えられない異常な実態でした。
 この事は、55年前から改ざんがされていた疑いがあるという事です。また、H3年からH14年までは毎年・毎年、それも毎月のように調定額の減額を積み増し続けていたことが読み取れます。このような事務処理は、多数の職員が関係しないとできません。12年間、不法な処理に関与し、指示した職員、実施した職員の数は膨大であったと思われます。
 当時の職員は退職していても、H6年から助役や市長として税務行政の責任者だった鶴岡市長の責任は免れません。
 このように、決算書を整理しただけで、滞納繰越額の改ざん・粉飾事件の概要が分かります。それなのに、「H11年以前の書類が存在しない」と言い逃れ、事件の真相を隠し続けようとする事は、公正な税務行政を望む市民の期待を裏切るものであり、認められません。
 事件の真相解明に、あらゆる努力をする事。その一環として、市民参加の第3者機関の設置を改めて要求するものです。
 課税の公平性の観点からも、他都市と比べても少ない償却資産への適正な課税は重要です。そのためにも、専任の償却資産担当職員をきちんと配置するよう求めます。

5、公正な市政について

 市立千葉高等学校の改築工事を巡り、自民党千葉市議団幹事長の小梛輝信市議が、「声を荒げて工事の発注方法の変更を求めた」問題で、市は調査を行い、小島助役が「小梛議員の言動に圧力を感じた職員がいた」として、小梛市議に前例のない再発防止を文書で申し入れました。
 議会は9月7日の市議会本会議で、小梛市議の議会運営委員長の辞職を求める動議は否決されましたが、賛成24票、反対25票の1票差でした。小梛市議のこの間の言動について、行政も一歩、市議会も半数近い議員が自浄能力を発揮しました。
 この問題の本質は、大きな声を出した事ではなく、小梛市議が乱暴な言動により、行政に圧力をかけて、公正が求められる公共事業の発注の変更を求めたり、親族企業の受注を有利にしていた疑いがあるから、真相の解明と責任が問われているものです。その事例は多数に上っていますし、圧力を受けた職員の証言も多数あります。
 また、千葉市に問われているのは、公正な契約が圧力でゆがめられるようなことがないように、毅然とした対応で、公正な契約行政と公共事業費の無駄遣いをなくす事です。職員に対しては、「不当要求対応マニュアル」などを運用し、報告しやすい環境の整備を求めておきます。

6、平和行政について

 第1は、横須賀港への原子力空母配備と千葉市の安全についてです。
 横須賀への母港化が予定されている、原子力空母ジョージ・ワシントン号の原子炉は、チェルノブイリ原発や日本の美浜原発に匹敵するものであり、動く原発と言われています。
 チェルノブイリ原発事故は、20年経った今も半径30キロ圏内は立ち入り禁止になっています。これを横須賀にあてはめると、富津・木更津・袖ヶ浦市などが圏内に入り、風向きによっては、放射能汚染は東京湾全域、千葉市も含めて広範囲になると言われています。
 千葉市にも関わる重大な問題として、市長が、横須賀港への原子力空母配備の中止を政府に求めるよう提案しましたが、市長は「原子力空母配備については、見解を示す立場ではありません」と答弁している事は遺憾です。市民の安全と平和を守る市長としての責任回避であり、強く批判するものです。
 第2は、国民保護計画・安全安心対策です。
 千葉市国民保護計画が、議会に計ることもなく決定されていくことは、遺憾です。
国民保護法は、政府が「武力攻撃事態」と認定した後に発動します。「武力攻撃事態」とは、日本の領土以外でアメリカ軍が武力攻撃を行う事態も含まれます。有事の避難誘導は、政府が「上位下達」で自治体を指揮します。
 国民保護計画の中身は、米軍・自衛隊主導により、米軍が行う戦争への市民ぐるみの動員であることがはっきりしてきています。
 戦争を想定して、その避難訓練に協力することは、憲法・地方自治法にも反することであり、計画は取り止めることを求めます。
 また、千葉空襲の資料収集と市民への公開に向け、特別の努力を払うよう求めておきます。

<総務局>

 指定管理者制度がスタートし、各施設のサービス状況について様々な意見が出ています。市有施設の公共性が維持していく上で、利益を追求する民間業者の運営と公共サービスとの矛盾が懸念されていますし、新たな市場として、多くの業者が事業者となることを希望しています。それだけに、公正・公平な公募と審査が必要となっています。
 今まで、指定された管理者の中に、議員が関係するものがあったり、穴川コミュニティセンターの公募者の中に、同センターの業務管理上でトラブルを起こした業者が、最終審査に残ったりした事実も判明しました。
 今後、市長や議員などの関係する業者は、指定管理者になれないことを倫理条例などにより規制することが必要です。
 また、審査会には第3者を加えるなど、より公正な審査が行われるようにすることが求められています。
 職員の資質向上についてですが、分科会でも多数の意見が出された「飲酒運転」の厳しい対応が必要です。

<企画調整局>

 PFI事業について、千葉市は、くらしのプラザ、大宮学校給食センター、少年自然の家の3事業が実施されていて、それぞれのSPCに設計、建設、施設の維持管理・運営を委ねています。「今日まで、特に大きな問題もなく運営されている」とのことですが、SPCが契約内容に沿って実施されているかどうかをチェックするため、PFI法に基づいて実施されているモニタリング調査が正確に行われているのか、議会に定期的に報告するよう求めておきます。
 千葉市は、PFI事業の先進市のように言われていますが、実態は「行革」推進法、市場化テスト法と同じく、行財政「合理化」の政策手段の一つです。「官から民へ」の行政サービスを民間市場へ移すものであり、言われている「コストの削減」と「サービスの向上」は相反するもので、その検証が必要です。
 また、教育施設は教育の一環として行うもので、効率化のため民間に任せることは大きな矛盾であり、問題点も聞いています。実施されている施設の検証と今後の取り入れは行わないよう求めておきます。

<市民局>

 市役所・区役所の土日開庁や夜間開庁について、当局は「人事異動などが行われる3月から4月はじめにかけて検討している」との答弁でした。私どもは、かねてから提案してきたように、先進市に学んで、夫婦共働きや東京までの通勤者が多い地域的事情を考慮し、直ちに開庁して市民の期待に応えるよう求めておきます。
 雇用対策の強化について、多くの会派から意見が出されたことでもあり、市政の重大問題です。効果的な施策の実施と正規雇用の拡大、若者の雇用機会を思い切って増やすこと。ハーバーシティの雇用数を増やすこと。障害者の雇用拡大のため千葉市はもとより、民間の雇用水準を高めるなど、積極的な取り組みを全庁上げて行うよう強く求めておきます。
 男女共同参画行政についてですが、女性センターの活用にあたっては、より専門的な職員を安定的に配置し、女性団体も若い学生も勉強でき共存できる、利用しやすい工夫が必要です。また、女性センターを若い子育て中の方が利用できるようにするため、2歳からでなく年令の引き下げを行うべきです。

<保健福祉行政>

 国の医療費制度や介護保険制度・自立支援法などの改定で、市民は「激痛」にさらされています。理由はどうであれ、市民が困っている時には、救済の手を差し伸べ、「福祉の増進」を目的とする地方自治体の責任を果たすべきです。
 自立支援法は、応能負担から応益負担に大改悪されたことが一番の問題です。しかし、地方自治体は障害者の暮らしを支えるために、独自の助成を行い、生活を守るべきですが、なんらの独自の対応をしない姿勢は許せません。
 介護保険は、サービス利用の1割負担に加え、食費や居住費も自己負担となるホテルコストが導入され、高齢者の介護を受ける権利が脅かされています。特別養護老人ホームの待機者は、1,800人を超えており、高齢者保健福祉推進計画の前倒しや、他の自治体では実施している、サービス利用料の減免制度を設けることを求めます。
 国民健康保険は、保険証が個人ごとカード化されたこは評価できます。しかし、小さくて見づらいなど批判があり改善を求めます。また、資格証明書の発行は中止し、高すぎる保険料を引き下げるために、一般会計からの繰り入れを増額するよう求めます。さらに、一部負担金の減免制度の基準は、生活保護世帯の1.3倍とすることを求めます。
 子育て支援策では、年度初めの4月には、保育所待機者340名、子どもルーム待機者73名にも及び、実態に見合わない整備率になっています。真剣な支援策に切り換えるべきです。
 母子家庭の住居に関する相談は年々増え続けていますが、その解決策が見えてきません。市営住宅への優先度を高めることや、母子生活支援施設の小桜園は、廃止ではなく改修し、継続することを求めておきます。
 虐待問題は、高齢者・児童など深刻になっています。高齢者虐待の早期発見、成年後見などの救済のシステムの確立が求められます。児童相談所の職員や予算を増やし子どものケアを十分に行い、合わせて働く職員が保護者から暴力を受けることのないようにすべきです。

<環境行政>

 一般廃棄物処理基本計画がスタートして4年が経過します。「ごみ問題」の解決にあたっては、事業者・市民・行政が一体となって取り組まなければなりません。
 この計画は、多くの市民や事業者の理解を得ることが欠かせません。しかし、市は認知度の把握をしていないとのことです。先進市の名古屋市・広島市に学び、全ての市民・事業者の協力を得ながら、本気で計画の達成をめざし、2清掃工場体制を実現すべきです。
 焼却灰を溶融スラグやエコセメント化し、路盤材や建築物に利用していますが、焼却灰はダイオキシン類、重金属類などの有害物質が含まれています。「JIS化され安全だ」としていますが、道路や建築物は年数を経るにしたがって、磨耗したり老朽化で取り壊されますが、人体に取り込まれる危険性は否めません。路盤材や建材としての販路や使用状況を正確に把握しておくことを求めます。
 JFEの違法排水・環境データ改ざんは、シアン流失の施設が再稼動後も基準を超す問題をおこし、JFEは社会的責任を果たすと「反省」をしたのにもかかわらずその後、油の流失、粉塵の飛散などの事故があいつぎ、JFEの再発防止策が絵に描いた餅になっています。こうしたJFEの不誠実な対応は認められません、コンプライアンス、社会的責任をきちんと果たすよう、千葉市は強くJFEを指導すべきです。
 小山町の産廃処分場は、住民の運動の成果として、最終的に地元が購入することになりました。
 千葉市は、市内を産廃処分場にさせないための規制条例を制定すべきです。それまでは、各局が縦割りではなく、不正な業者の進出に対して、環境を保全する立場から全力をつくすべきです。

<経済農政>

 商店会の街灯設置補助は、上限の20万円を撤廃したことは評価できます。さらに、現行の50%の補助率を、町内自治会の防犯灯補助率並みの90%をめざし、引き上げを行うよう求めます。
 また、大型店の進出には規制がなく、市内の大型店占有率は、平成16年度で64%にもなり、政令市中トップです。福島県などに見習い、大型店の進出を規制すべきです。
 地元商店街の活性化へ行政の支援が求められている中で、決算額では5,200万円にとどまり、「充分な支援」とは程遠い状況です。H16年に行われた「商店街実態調査」でも、商店街は「駐車場や自転車置場の整備」「共同チラシ・ネット販売・商店街ビジョンの作成」に力を注いでいるものの、多くの困難をかかえている実態が明らかになっています。そこに、具体的な支援策が求められているのではないでしょうか。特に今年度は、道路交通法の改正で駐車場への支援は必須となっています。
 幕張メッセの負担金として、毎年6億8,000万円も支出しているのは異常です。赤字が続く千葉県の責任を指摘し、負担を止めるべきです。
 企業立地については、費用対効果を見極めずに進めることは認められません。正規雇用を義務づけるよう求めます。
 地元農産物の活用では、学校給食に地場産米の使用が増えました。新たに、スイカ・落花生の使用も計画されています。今後さらに、野菜も取り入れて、地産地消を推進するよう求めます。

<都市局>

 蘇我臨海部開発については、ハーバーシティの入場者数、税収、正規雇用の実態、ホーム・アリオ、フェスティバルウオークの各経営実態等について質問しましたが、答弁は、企業側の報告数を述べるだけでした。しかし、実態はかなり厳しいと聞いています。多額の税金を投入した経過から、市も正確な実態を調査し報告するよう求めておきます。
 モノレールの延伸について、当局は「延伸ありき」で、基本計画通りに進めていますが、これには、(1)利用者予測には「黒字になる計画でないと国の許可が下りない」という前提があり、根拠があいまいである。(2)沿線住民や病院利用者、市民の声を聞くこと拒否している。(3)多額の費用負担となる。などの問題点があります。
 したがって、現在の推進計画は中止し、市民参加による「総合交通マスタープラン」を策定する中で、検討することを求めます。
 耐震対策については、小額の予算で命が守れる、高齢者や障害者の住宅への家具転倒防止金具の取り付けを急ぐよう求めます。
 市営住宅は、空き家抽選の競争率が高く、入居できない市民が多くいるなかで、募集戸数を増やすこと。県の職員住宅などの購入や借り上げを行うことなどが必要です。政令市中最下位クラスの市営住宅戸数を抜本的に増やし、各区にバランスよく整備すべきです。

<建設行政>

 放置自転車は、依然として大きな問題になっています。自転車の収容率は約70%とのことでした。駐輪場の空きをなくすことや、駅前が放置自転車で占領されている事態は看過できません。シルバー人材センターなどに依頼して、監視員を置くなど改善をはかるべきです。
 工事の概要説明をさらに推し進めなければなりません。工事の目的、必要性、効果や予算など、市民に示して市民の理解されるように、千葉市は全国に先駆けて行うことを求めます。
 土木事務所は、現在の4か所を人口の増加によって、将来は各区に設置するとのことです。地域の土木に関する要望に機敏に応える上でも、早期の設置を求めます。

<下水道局>

 下水道普及率が96%に到達したもとで、今後10年間を浸水対策重点期間として、その重点地域は「500排水中100排水」と報告されています。
 最近は、渇水と集中豪雨が同時に襲うなど、予想していなかった地域で浸水や冠水被害が出たり、整備が終了している地域でも被害が出ることもあります。
 これらの状況を的確に捉え、重点期間中に有効で効率的な対策を講じることが必要です。また、雨が降ったときに、下水管や道路側溝などにゴミや砂が詰まっていると、被害を大きくすることになります。日頃から地元と協力して対応することが重要です。

<消防局>

 消防施設および職員数を「消防力整備指針」まで高めること。とりわけ、職員の高齢化が進む中、若い職員を増員し、活力ある消防体制を確立することが急がれています。国民保護計画に消防が組み込まれていく事態が進行しています。消防組織法の改正に伴い、自立している市町村消防を、消防庁や県知事の指示で動かす方向が強まっています。また、国民保護法は「有事」が想定されたら、米軍や自衛隊への救援が優先されることになっています。国民保護計画によって、市民の生命と財産を守る消防の使命が損なわないようにすべきです。

<水道局>

 
千葉県は2004年5月から「用水供給水事業の一元化」「圏域ごとの事業統合」の方向を示しています。千葉市は水道原水の約95%を千葉県に頼っており、千葉県の提案は、千葉市にとっても重大な意味を持ちます。
 千葉県の水道行政は、過剰な需要を見込み、水源費の負担が大きな問題となっています。水道は、人口増に大きく影響されます。首都圏が人口増に歯止めがかかり、さらに少子化が続くと考えるのが妥当な見方であり、加えて節水が始まっています。
 しかし、千葉県は過大な需要予測の設定に基づく計画で問題です。八ッ場ダムなど、多大な事業費を必要とする計画には辞退をすべきです。また、房総臨海工業用水水道事業の計画が破綻していることです。オイルショックで産業構造が大きく変わり、工業用水は1日74万m3で始まり、現在は1日14万m3で足りる状況です。
 このことは、千葉市の水道事業財政に大きな負担を強いています。こうした負担は認められません。過大な人口予測の修正、水の節水などを進めて過大な事業費は見直しを進めるべきです。

<教育委員会>

 校内暴力は、平成16年度で小学校8件のうち、教師に対するものが2件。中学校の164件うち、教師に対するものが16件であることが明らかになりました。
 背景には、子どもの学力低下など複雑な問題がありますが、速やかな対応が求められます。
 30人以上の不登校児童・生徒が、小・中学校合わせて713人という深刻な事態です。その対応策として、ライトポートが設置されることは評価しますが、そこにも通えないでいる児童・生徒と、その家族への細かなケアを充実することが必要です。
 経済的格差が広がる中で、義務教育の無償化が強く求められています。就学援助制度は、他市でも実施しているように、所得基準を明記し、制度を活用しやすくすべきです。また、教育委員会が小学校の給食費未納世帯を把握し、就学援助に導くことは、教育環境を整える教育委員会としての役割です。ところが、これまでも繰り返し指摘しているにもかかわらず、要望を聞き入れない姿勢は問題です。先にくり返された不祥事でマスコミからも指摘された「隠ぺい体質」や「要望の無視」体質が、ここにも現れていると言わざるを得ません。早急に、給食費未納世帯を把握し、就学援助が受けられるよう援助すべきです。
 少人数学級指導の評価は、「落ち着いた授業ができる」とされていますが、全ての児童・生徒が「わかる授業」となるよう、少人数学級の実現に踏み込むべきです。