木田ふみよ議員の反対討論

2006.9.19
写真  只今の議題となっています議案27件のうち、議案第136号、142号、143号、147号、150号、155号、計6件について反対の立場から、発議第8号、請願第4号、5号について採択を求め、討論を行います。

 議案第136号・千葉市公共用地取得事業特別会計補正予算及び議案第137号・ 千葉市公債管理特別会計補正予算についてです。
 これら両議案は、市が中央第6地区再開発ビルの保留地(土地分)を取得することと、先行取得用地を特別会計から買戻しするものです。
 中央第六地区再開発ビルの土地については、購入する目的や、その用途について明確にしないまま、扇屋ジャスコより購入した経緯があります。また、財政が厳しいと市民生活の予算を後回しにする中、15階建てのビルを土地代約136億円、保留床取得約143億円、これまでの利息64億円、プラネタリウム等の付属物に約89億円、総額432億円になります。さらに今後の利息が約115億円になる予定です。
 年間維持管理費は約15億円にもなります。このように千葉市財政に、今後も大きく影響を与える大型公共事業であり、きわめて問題が大きいと言わざるを得ません。
 このビルの公共施設の利用について、保健福祉センター以外の駐車料金は有料とされていますが、総額432億円の税金投入した施設であり、市民の利用がなければ、この費用対効果は上がりません。市民が利用しやすいように駐車場は無料とすることを求めます。

 議案第142号・国民健康保険条例の一部改正についてです。
 療養病床に入院する70歳以上の高齢者に、光熱水費、調理費を自己負担するものについてです。このことにより、自己負担額は、これまでの2万4,000円が2倍以上の5万2,000円となり、2万8,000円もの負担増が押し付けられることになります。
 介護保険料や国保料、医療費の相次ぐ値上げの中で、収入が増えることがない高齢者には、大きな痛みを伴うもので、国の負担軽減策だけでは不十分で、低所得者には自治体独自の負担軽減策はどうしても必要です。市は介護保険との負担の均衡を図るためとされましたが、どちらも市の軽減等を設ければ整合性は図れるものです。

 議案第143号・障害者自立支援法の施行に伴う、関係条例の整備に関係する条例制定についてです。
 同法律の施行により、4月から障害者福祉サービスは、これまでの収入に応じた応能負担から定率1割負担の応益負担となり、多くの障害者がその負担増の大きさに悲鳴をあげています。
 この条例は、10月から児童福祉法が一部改正されるに伴い、自立支援法の対象を4月からの障害者に加え、障害児の保護者に応益負担を課し、市独自の軽減策は図られていません。
 そもそも障害のある人に、生きていく上で必要な生活援助を受ける権利に対し、受益者負担を押し付けることは、社会福祉の理念に反するものです。
 障害者団体から、何十年もかけて積み上げてきた、生きるためのサービス制度を一気に破壊するものと批判がでるのも当然です。この法律を強行成立させた公明党は、法律が障害者の生活に影響を与えていると、国に緊急の改善を求めているとのことですが、それほどこの法律がひどいものであることを証明しています。
 千葉市は、自立支援法による障害者の実態調査をおこなわず、障害者団体との話し合いの中で、各団体から、「従来通りサービスが利用できるようにしてほしい」との要望が多い実態であることが示されました。
 このことは、国の負担軽減等が不十分であることを証明するものです。実態調査と市の独自の負担軽減等を設けることを強く求めておきます。

 議案第147号
 この条例は、当初モノレール駅周辺1km以内の市街化調整区域と限定していた経緯がありましたが、モノレール駅、JR駅、京成駅、周辺1km以内の市街化調整区域へと拡大し、一定の条件を満たすものに開発区域として認めると変更して提案されたものです。
 その面積は、大幅な拡大になっています。「モノレールのみ」としていたものを、JRや京成に広げる理由として、健全な競争や発展を図るとされていますが、道路や下水の整備が十分でない中で、住宅建設を許可することは、環境悪化が危惧されることや、学校や保育所等、公共施設がないために、5か年計画にも支障が生まれることも予想されます。
 都市計画の基本にたち、良好な街づくり環境をつくるために再検討をすべきです。

 議案150号・消防組織法の改正等に伴う、関係条例の整理に関する条例の制定についてです。
 消防庁は、消防組織法を改正した目的について、市町村消防の強化に向け、消防本部の広域再編を進めるためとし、小さいところを合併させて、1か所に集中し、人員や施設、資機材などを整備し、効率化することです。
 しかし、この間の国が進めてきた市町村合併によって、広域化された消防本部では、支所、消防署数は変わらないけれども、支署から消防ポンプ自動車がなくなってしまい火災に対応できないなどの事態が生じています。
 また、消防審議会が提出した市町村の消防の広域化の推進に関する答申の中で広域化に当たっての重要な事項として、テロ攻撃を受けることを前提として設けられた国民保護部局との連携、協力を求めています。すでに、横浜市では名称を「横浜市安全管理局」と変更しています。このことは、これまでの市民を守るという消防の役割から、有事の時の参加を義務付けたものに変質するものです。
 このように、消防組織法の改正は、多くの問題点をかかえており、そのための条例改正は認められません。

 155号・市民ゴルフに関する工事請負契約についてです。
 質疑では、低入札価格を問題にしました。環境建設委員会では、落札した中田興業が市街化調整区域に寄宿舎を建設して、都市計画法に違反していることや、千葉市がこのことに対して行政指導をしてこなかったことが明らかになりました。
 法を守らない企業が市の公共工事を落札することは認められません。また、このようなずさんな対応をした市の責任は、極めて重いものがあります。入札要件の改善と十分な審査が求められます。

 発議8号・日本スポーツ振興センター共済掛金徴収条例の一部改正について、否決されたことに対してです。
 この制度は、学校管理下における児童生徒等の災害における必要な給付を行っているものです。今回の発議は、教育費が年々増加する中で、保護者の負担を軽減し、子ども達の安全を守るために提案しました。
 市の負担額は、約800万円で可能になるものです。反対する委員から「昨年値上げしたばかり」「他市と同様」「趣旨は理解するが反対」等、理由にならない反対理由が述べられたことは残念です。
 保護者への教育費負担を最小限にし、子どもの安全を守っていくことが行政の仕事ではないでしょうか。

 請願4号・乳幼児医療費助成制度の拡充と制度の見直しについての請願が否決されたことについてです。
 少子化傾向が強まる中、多くの親と市民のみなさんたちの願いは、子育ての経済的負担の軽減を切望しています。
 千葉市では、私ども日本共産党がかねてより要望を続ける中、今年8月から就学前まで、医療費助成制度を拡大しました。しかし、窓口200円負担は受診の多い乳幼児の親には負担であり、なくすべきものです。また、子育て支援を真のものにするには助成対象を小、中学生まで拡大することが必要です。

 請願第5号・軽度者が利用する福祉用具貸与の継続を求める請願についてです。
 今年の4月の介護保険法の見直しにより、10月から要支援、要介護1の方の介護予防福祉用具貸与について、市内では特殊寝台で1,106人、車椅子で482人の方が受けられなくなります。国は改正の目的を、1自立支援の効果を上げる、2給付の適正化を図るとしています。しかし、呼吸器機能が低下している人や片マヒで夜間トイレに何回も起きる人などは、特殊寝台を利用することで、ひとりでトイレに行くこともでき、在宅での生活が維持されています。こうした人から用具を取り上げることは、介護度を悪化させ、住み慣れた自宅で暮らすことを困難にするものです。
 自費で購入となれば、特殊寝台で30〜35万円にも及び、その負担は極めて大きくなります。こうした事態を回避するために、市独自で継続するには下半期で、1億3,000万円で可能と言うことです。補正予算で独自助成策を設けるべきです。憲法の中で自民党は「継続すればリハビリの方向にいかない」、新政五月は「これまでのサービスは過剰である」、公明党は「過剰なサービスを行ってきた」と反対しましたが、介護の現場を見ない発言であることを指摘しておきます。
 以上で、反対討論を終わります。