野本信正議員の代表質疑への答弁(要旨)

2006.9.15
【鶴岡市長答弁】

○ 決算問題
 千葉駅西口、中央第六、中央港地区、蘇我特定地区、新港横戸町線の5事業で、H4年度から14年間で発行した市債は約622億円で、土地開発公社を活用し5年以上保有する用地の簿価は17年末で299億円だ。公共事業に伴う市債活用を差し引いた場合の17年度実質公債比率は21.6%だ。
 司祭管理基金からの借り入れは、市税等の一般財源状況から一時的に借り入れたもので、来年度以降も収支状況を見極めて判断していく。今後の見通しは、分母の標準財政規模等で変動するが、当面は高い数値で推移することになる。

○ 小泉改革と市民生活
 増税などによる市民からの問合せは、通知発想後に各区役所窓口や電話での対応した件数で、市県民税が約7,100件、国保が約1,800件、介護保険が1,300件あった。私は、多くの市民の負託に応え、市民福祉向上を図るべく国・地方の役割を踏まえ手市政運営に取り組んでいる。今回の税制改正は、国政の場で十分論議されたものだ。障害者自立支援法に基づく利用者負担は、軽減策が法制度の中で細かい負担軽減措置がある。介護保険制度の軽度者福祉用具貸与の見直しは、自立支援の効果を上げ、給付の適正化を図るものであり、必要な場合は給付対象とすることになっている。よって、市独自の対策は考えていない。
 共産党市議団から申入れの「軽減措置創設」は、老年控除廃止・公的年金控除見直しは税負担の公平と高齢者の担税力に応じたものであり、市税の減免措置は考えていない。「年金者世帯を国保料の減免対象に」は、18年度・19年度で激変緩和措置を取っている。「介護保険料の軽減措置」は、本市の減免要件が他政令市と比べて遜色ないことから見直しはしない。「障害者控除対象者認定書の交付」は、第1号被保険者に送る保険料納入通知書に記載し知らせている。これまで非課税だった高齢者へのサービス継続をとのことだが、今後の少子・高齢化社会では、年齢に関わらず能力に応じて負担してもらうための改定だから、サービスの継続はしない。

○ 蘇我臨海開発
 蘇我特定地区内のハーバーシティ蘇我では、当初予想を上回る来店者数があり、雇用数も予想を上回る2,700人になっている。その他、業務機能や居住機能を構築することになっており、更に雇用拡大につながると考える。この地区の費用対効果は、雇用面だけでなく広域防災拠点となるスポーツ公園の整備、増大する交通量に対応する交差点の改良や幹線道路の建設、住宅の供給と街の形成など活力と賑わいある都市づくりへの効果は大きい。

○ 子育て支援
 私立幼稚園への援助については、就園奨励費補助など保護者負担軽減を重点に補助を実施している。今年度は、教材費助成、研修事業補助、預かり保育等を含めた幼稚園への助成額を1園あたり、約59万4千円から105万1千円に拡充した。全国平均までの引き上げは、他都市の動向を見て努力したい。
 公立保育所は、公立・民間を問わず法令等に基づき実施されており、同じような役割を果たしている。横浜市の裁判は承知しているが、多様化する保育ニーズに対応するには民間の活力も必要だ。民営化も含め公立保育所のあり方を引き続き検討していく。「認定こども園」の施設や職員配置の基準は、国が定める指針で参酌し、県が条例で定めており、一定の質を確保し、地域の実情に応じた対応が可能だと考えている。保育料も直接契約だが、法律で保護者の家計への影響を考慮し設定するなどの縛りがあり、収入で排除されるなど保育の実施に支障は生じない。県条例制定に当り、「検討会」で地域の実情を踏まえて検討し、パブリックコメントに実施など広く意見を聴取することになっている。
 医療制度改革で出産一時金が35万円に引き上げられ、市の国保でも10月から実施する。さらに、出産一時金の支給方法を変え、出産時にお金を用意しなくても済むように健診費用の助成を論議している国の動向を見守りたい。

○ 海外視察問題
 姉妹有効都市との交流は、継続が必要であり、周年ごとの公式訪問団や市民親善訪問団の派遣・受け入れは、相互理解と友好を深めるために意義があることだ。モントルー市への公式訪問団は、提携調印後1周年の1997年に訪問後9年間実施しておらず、10周年の今年10月末に公式訪問団を派遣することにしている。事前に相手都市と事務レベルで調整を行い、メンバーや日程等を決めている。千葉市からは、この間の経緯や一般的な礼儀から、市長・議長は配偶者同伴での訪問を提案し、モントルー市も当然のこととして協議を進めた結果、私の妻を含めた6人に正式な招待状を頂いたものだ。欧米はじめ諸外国への訪問は、配偶者同伴が一般的な礼儀であり、今回の訪問はモントルー市長から招待を受け、歓迎レセプションや記念植樹式などの行事に参加を予定している。

【小島助役答弁】

○ 税務行政
 交付金の返還金と加算金を予備費で処理したのは、加算金は市の損害となり速やかな返還が必要で、予備費を活用したもの。今後は、個別外部監査の指摘に速やかに対応するため、事務処理マニュアルをつくり、税務事務を適正に処理し、職員研修の充実で市民の信頼回復に努める。
 調整額の減額は、H3年以降行われていた。税務部の調査では、H11年度から14年度まで、理由のない減額があったことを確認したが、関係した職員数は確認できなかった。過去、大幅な修正申告や課税誤りによるもの以外、調停額の多額な減額はなかった。理由不明の減額調停があったことは判明したが、当時は私も市長も判らなかった。H11年度から14年度までは、収納率維持を目的に不適切な事務処理があったが、他都市との比較は行っていないので不明だが、決算では適正に処理されていたと考える。決算資料で再調査をとのことだが、10年度以前は、関係資料を廃棄処分しており調査はできない。これまで、可能な限りの調査を行っており、第三者機関の設置は考えていない。本来、滞納繰越調停額は3月1日を決算数値にすべきだが、修正した過去の滞納繰越調定額は6月1日現在の集計しかなく、決算数値の精度にかけると判断したもの。

○ 公正な市政
 申入れを受け、議員は真摯に受け止めてもらえたと思う。議会での答弁は、都市局長も教育次長も聞き取り調査では答弁と同じ発言だったので、虚偽答弁ではない。今回の対応は「圧力を感じた」職員がいたためのものだが、過去に同様の事例は見当たらない。今後、不当要求行為が発生したら、「要綱」に従い報告を徹底し情報の共有化に努める。

○ アスベスト対策
 千葉市の職員・退職者は、石綿障害予防規則で健康診断が必要とされる業務には該当しないが、自己チェックできる簡易調査票を配布し、心配な職員等には、保健所で相談するよう話していく。
 人口動態統計は、統計法で人口動態事象の把握等、厚生労働行政施策の基礎資料を得るのが目的であり、死亡小票の使用は困難だ。

○ 平和行政
 横須賀港への原子力空母配備では、原子力事故が発生した場合、国や関係自治体等が連携し、災害対策基本法で速やかに対応する必要があるが、原子力空母配備について見解を示す立場ではない。
 国民保護協議会での私の発言は、「北朝鮮のミサイル発射は、未だ記憶に新しく」「政府による不断の外交努力が求められている」ことを述べたものだ。「地方自治体でも緊急事態に速やかに対処し」「万一被害が起きた場合、被害を最小化する努力は必要だ」旨の発言はしたが、北朝鮮のミサイル発射が千葉市の脅威になることや危機感をあおり計画作成を急ぐような発言はしていない。平和を維持するには外交努力が重要だと認識している。
 国民保護法では、計画を作成したら速やかに議会に報告することになっているが、今回は議員に素案を説明し、意見を出してもらう機会を設けた。今後も同様に対応していく。国民保護計画は、戦争協力のためではなく、武力攻撃事態等の際に住民の生命、身体・財産を保護するため、避難・救援・被害の最小化を図るものだ。災害の種類を問わず、災害から保護するためための対策は従来から実施している。

【林助役答弁】

○ 商店街の振興
 例年、各区で商店会関係者との意見交換会や個々の商店会を対象に出前相談を実施しているが、今年度は実態把握のため市内115の全商店街を職員が直接訪問し、現状や市への意見等を聞いている。商工業関係予算は、厳しい経済情勢だが効率的な施策展開と適切な予算配分を行っている。商店街の現状や電灯料が大きな負担になっているのは十分認識しており、昨年度は補助限度額を撤廃した。

○ 住宅耐震改修
 耐震診断などの各助成制度を市民には「市政だより」やホームページで知らせてきた。さらに出前講座の活用や密集住宅市街地住民との勉強会等で、更にPRに努める。
 市民の生命や財産を保護するには、「一応倒壊しない」と判定される総合評点1.0以上が必要だ。工事費の低廉化へ様々な工法が工夫され、施行されているので耐震改修助成制度のPRに努めていく。高齢者・障害者への家具転倒防止金具の取り付け補助は、実施している都市の制度を調査・研究していく。住宅リフォーム助成については、既に高齢者へのバリアフリー化や耐震性向上への耐震改修等に助成しているので、難しい。

【教育長答弁】

○ アスベスト対策
 幸町第三小のアスベスト除去工事は、全ての工事を9月下旬に完了して仮校舎から引越しし、児童は10月始めから登校予定だ。在校生や卒業生からアスベストに関する相談等があった際は、「市アスベスト問題への総合的な対応策」で健康対策としての健診体制に沿い適切に対応する。

○ 教育行政
 今回の事件に関しての各方面からの指摘や批判に対し、千葉市の教育行政を預かる者として真摯に受け止め、深く反省し、教訓を今後に生かしていく。問題の原因は、個人や個別組織の対応に偏り、これに依存し、情報収集方法や組織での共有化等が不十分だった。事件・事故発生時の対応マニュアルが未整備だったために、適切な情報発信ができなかったものだ。今後「重大な事件・事故等発生時の対応手順等の整備」「対策会議の設置」を2本柱に対応策を講じていく。
 35人学級については、県教育委が学級編制基準を定めており、市独自の実施は困難だ。現在、県は小学1・2年生、中学1年生は38人学級編制を行っており、今年度からは小学3年生以上で、児童生徒の実態に応じ、少人数加配教員を活用し学級開設が認められた。
 大規模校の解消では、各学校の児童生徒数の推移や立地状況等を勘案し。保護者・地域の方々の意見を参考に、計画的・適切に対応していく。教職員の加配は、学級数や児童生徒数に応じて養護教諭などの配置増が認められており、更に配置が増えるよう県教委に要望していく。学校の生徒数が増加し、教育活動や学校運営に課題が生まれる場合があると承知しているが、反面、集団を通じて培われる教育効果、学校・学級集団の活性化が図れる利点もあるので、学校の大規模化が事件の直接要因だとは考えていない。
 おゆみ野地区の大規模校対策は、今後も生徒数の増加は予想されており、第2次5か年計画で鎌取第3中学校建設を位置付けている。