日本共産党提出の意見書

平成18年第4回定例会
Y1

(提出年月日)平成18年11月21日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

難病患者切り捨ての「公費補助適用範囲縮小」はやめるよう求める意見書(案)

 難病(原因が不明で治療方法が確立していない病気)患者の治療は困難で、特殊な検査や薬が必要となり、医療費は高額なものとなる。また、長期の療養を余儀なくされ、十分に働けないため所得が低い患者が少なくない。
 こうした背景から、厚生労働省は、難病のうち治療が極めて難しく、医療費が高額になる121疾患を「特定疾患」として定義し、このうち45疾患については、国と都道府県が、医療費の自己負担の全部または一部を補助してきたのである。
 ところが、厚生労働省の特定疾患対策懇談会では、45疾患のうちパーキンソン病と潰瘍性大腸炎は、患者数が多く「希少性がない」として、公費補助の適用となる特定疾患からの除外が検討されている。
 1973年の「特定疾患治療研究事業」開始以後、1998年と2003年の制度改定により、患者の6割が負担増となったばかりか、厚生労働省の調査でも、受診抑制が起きていることが明らかになっているのである。
 「患者数が増えたからといっても、原因や治療方法が不明なのは変わらないのに、公費対象から外すのは乱暴だ」、「数種類の薬を服用して、何とか日常生活が送れている実態をよく見てほしい」、「今回縮小されれば、他の病気にも波及する」など、パーキンソン病や潰瘍性大腸炎患者のみならず、全国の難病患者からも不安の声が出ているのである。
 「特定疾患治療研究事業」は、患者と家族の経済的な支えだけではなく、心の支えとなっているのであり、削減ではなく必要な予算を確保して、対象疾患の拡大など充実を図るべきである。
 よって、本市議会は国に対し、難病患者切り捨ての「公費補助適用範囲縮小」はやめるよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成18年  月  日

千 葉 市 議 会


平成18年第4回定例会
Y2

(提出年月日)平成18年11月21日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

教育基本法改正案の廃案を求める意見書(案)

 政府・与党は、今国会で教育基本法改正案を十分な国民的論議のないまま、強引に成立を図ろうとしている。前国会では、政府の改正案が憲法に背反する重大な問題があることが明らかになった。それは、憲法が保障する思想・良心・内心の自由を踏みにじり、「教育の目標」に「国を愛する態度」を掲げ、「徳目」を子供たちに強制することなのである。さらに、教育は、不当な支配に服することなく、「国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである」ことを削除し、時の政権党が決める「法律の定めるところにより行う」とするのは、国策に従う人間づくりを目指すものであり、多くの人々が憂慮し、批判するところである。
 日本弁護士連合会は9月15日、「改正」法案に反対する意見書を取りまとめたほか、全国の地方弁護士会の4分の3が「異議」を表明している。また、東大の基礎学力研究開発センターの調査では、「公立小中学校長の66%が改正に反対」との結果も示されているのである。
 今、相次ぐ子供のいじめによる自殺が深刻な問題となっている。文部科学省の調査では、1999年度からの7年間「いじめを理由とした自殺者はゼロ」とされてきたが、実際には、いじめの実態は隠されてきたことが明らかになった。その背景には、文部科学省による「いじめ、校内暴力などの「5年間で半減」を目指す」とした、数値目標の押しつけがあったと言われている。いじめ問題の克服は、数値目標で図るのではなく、現教育基本法に基づいて「学校での人間を大事にする教育」を中心に据え、家庭や地域ぐるみでの取り組みこそが重要なのである。
 ましてや、この改正案の審議の中で、文部科学省によるタウンミーティングでの「やらせ問題」が発覚し、「権力による国民の声をゆがめる卑劣な行為」まで行った上で強引に改正案を成立させることは、断じて認めることはできない。
 よって、本市議会は国に対し、教育基本法改正案は廃案とするよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成18年  月  日

千 葉 市 議 会


平成18年第4回定例会
Y3

(提出年月日)平成18年11月21日
(提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

障害者の福祉・医療サービスの利用に対する「定率(応益)負担」の中止等を求める意見書(案)

 障害者自立支援法に基づく、福祉・医療サービスの利用に対する「定率(応益)負担」制度が、2006年4月1日より実施された。この制度の導入に当たっては、原則1割負担としつつも、大幅な負担増にならないよう所得に応じた利用料の月額上限措置が講じられ、また、住民税非課税世帯に対しては、利用するサービスによって個別減免・社会福祉法人減免が実施され、さらに負担を軽減する措置が講じられている。
 しかし、障害者やその家族が将来のために、少ない収入を切り詰めてためた預貯金があることなどで、軽減措置の対象から除外されるなどの問題が残されている。たとえ軽減の対象になったとしても従来以上の負担増になり、しかも障害が重い人ほどサービス利用を必要とすることから、負担は重くなるのである。このことが、わずかな年金での生活を圧迫し、結果的にサービス利用を断念するといった、あってはならない問題を全国各地で発生させているのである。
 また、施設利用者に対しては、「定率(応益)負担」以外に、食費等が全額自己負担となり、「補足給付」などの措置があっても負担の不安は解消されず、施設の退所を余儀なくされる問題も発生している。こうしたことで、「地域移行」されることは大きな問題と言わなければならない。
 「定率(応益)負担」制度の導入は、障害者の生活実態とは相入れず、何よりも社会福祉の理念を根底から否定するものである。なぜ、障害者のサービス利用が「益」なのか、納得できる説明がない以上、この負担制度の抜本的な見直しが必要である。
 よって、本市議会は国に対し、下記の項目を早急に具体化するよう強く求めるものである。


1福祉・医療サービスの利用に対する「定率(応益)負担」は中止すること。
2住民税非課税世帯からの利用料徴収は中止すること。
3施設利用者に対する食費・光熱水費等の全額自己負担は中止すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成18年  月  日

千 葉 市 議 会