日本共産党提出の意見書

平成19年第1回定例会
Y1

 (提出年月日)平成19年2月13日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

千葉県の重度心身障害者(児)医療費助成制度の改悪はやめるよう求める意見書(案)

 千葉県は、これまで独自に実施してきた重度心身障害者(児)への医療費助成制度を改悪し、来年度から入院時の食事の自己負担分に対する助成を廃止するとともに、市町村民税(所得割)が20万円を超える世帯を公費助成の対象から外して、障害者の自己負担を増加させようとしている。
 県は、制度改悪の理由として「国の制度に合わせたもの」としているが、国の「障害者自立支援法」による「定率(応益)負担」の導入は、障害の重い人ほど負担が増えることになり、障害者の暮らしや「自立」を阻害する制度となっているのである。このため、県内では36市のうち、千葉市も含めた過半数の自治体が、深刻な事態を受けとめて独自の軽減策を講じているのである。国においても「障害者自立支援法」を強行した与党の中からさえ「見直し」の声が上がり、来年度予算に軽減策を盛り込まざるを得ないほどの悪法なのである。
 障害者の生活実態とかけ離れた「国の制度」に、千葉県が「合わせる」ことなど到底認められるものではない。
 地方自治体の本分は「住民福祉の増進」であり、県内の障害者とその家族が切望している制度の「現物給付化」や中・軽度障害者(児)までの対象拡大こそ追求すべきである。
 よって、本市議会は千葉県に対し、重度心身障害者(児)医療費助成制度の改悪はやめるよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成19年  月  日

千 葉 市 議 会


平成19年第1回定例会
Y2

 (提出年月日)平成19年2月13日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

「ホワイトカラーエグゼンプション」法案の提出を完全に断念するよう求める意見書(案)

 政府は、1日8時間を超えて働いても残業代を支払わない「ホワイトカラーエグゼンプション」の導入を盛り込んだ法案の提出を今国会においては先送りした。
 この法案は、「ホワイトカラー」労働者を現行の労働基準法の1日8時間・週40時間労働の原則や、休日・休憩・深夜労働の規制から除外するというものである。対象となるのは、専門的・技術的職業従事者、管理的職業従事者、事務従事者、販売従事者で、年収など一定の要件を満たす者とされているが、かねてより、この制度の早期実現を要求してきた日本の財界とアメリカ政府は、提出された政府案より、さらに「広範な労働者への普及」を求めているのである。
 日本経団連は「従業員の心身の健康の維持は、健全な企業経営の遂行に欠くべからざる課題」(2007年版「経営労働政策委員会報告」)と言うのなら、労働時間や休日規制を外すのではなく、ILO(国際労働機関)が示す「人間らしい尊厳ある働き方」や、日本の労働安全衛生法の「労働者の安全と健康を確保する」企業の責任を果たすべきである。
 今、サラリーマンの長時間労働による過労死や「心の病」の増加の温床となっている「サービス残業」が社会問題化し、政府も違法なサービス残業の「解消通達」を出して、是正に向けた努力が行われているところである。その最中に、政府みずからが残業代の不払いを合法化し、労働者の健康を損なう法案を提出することは、到底容認できるものではない。与党内からも「年収要件は、将来変更される可能性がある」とも言われており、一部でも「8時間労働の原則」が崩れたら、際限なく全業種・全労働者へと拡大されることは明らかである。
 よって、本市議会は国に対し、「ホワイトカラーエグゼンプション」法案の提出を完全に断念するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成19年  月  日

千 葉 市 議 会


平成19年第1回定例会
Y3

 (提出年月日)平成19年2月13日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

最低保障年金制度の創設等を求める意見書(案)

 2004年の年金制度の改定以降、医療保険制度、さらには、介護保険制度の改定と連続した社会保障制度の見直しの結果、高齢者は将来の生活に対し、不安を増大させている。現在、国民年金の保険料未納者・申請免除者及び未加入者は、1千万人を超える数となっており、この状態を放置すれば、60万人以上と言われている無年金者が、ますます増加することとなる。
 また、年金受給者のうち約910万人は国民年金しか受給しておらず、受給額は満額でも月6万6千円、平均すると月4万6千円という低額であり、さらに、医療や介護の費用負担も加わり、高齢者は暮らしを維持していくことが困難となっているのである。こうした状況において、指定都市市長会は、2005年7月に「生活保護制度の抜本的改革に向けての提案」で、「高齢者層に対する生活保障制度として、無拠出制で受給要件を一定年齢の到達とする最低年金制度を創設する」ことを提案した。さらに、全国市長会は、2006年11月に「将来に向けて持続可能な年金制度とするため、その在り方について、最低保障年金を含め国民的な議論を行い、適切な見直しを行うこと」を関係省庁、全国会議員に要望した。また、国連の社会権規約委員会は2001年8月、日本政府に対して「公的年金制度の中に最低年金を導入すること」を既に勧告しているのである。
 公的年金制度の崩壊を防ぎ、すべての国民に老後の生活を保障する年金制度の確立は、喫緊の課題となっているのである。
 よって、本市議会は国に対し、下記の事項について早急に実施するよう強く求めるものである。


1 無年金者・低年金者をなくすために、全額国庫負担の最低保障年金制度を創設すること。
2 基礎年金の国庫負担を、直ちに2分の1に引き上げること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成19年  月  日

千 葉 市 議 会


平成19年第1回定例会
Y4

 (提出年月日)平成19年2月13日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

生活保護費からの母子加算の廃止はやめるよう求める意見書(案)

 政府は「歳出削減」の名のもとに、社会保障関係費の大幅な削減を進めている。その中でも、生活保護費に対する抑制・削減の動きが加速しており、「社会保障の最後のセーフティーネット」としての役割が損なわれようとしている。
 最近では、70歳以上の高齢者に支給されていた老齢加算が廃止され、母子加算も16歳から18歳の子供がいる一人親世帯への支給を2007年度で廃止することになっている。さらに、「骨太方針2006」では、さらなる基準額の引き下げや適用抑制での予算削減の方向が打ち出されているが、新年度予算では、15歳以下の子供のいる一人親世帯への母子加算まで減額するとしており、「これでは暮していけない」との声が広がる深刻な事態となっている。今、日本社会には貧困と格差が広がり、政府には、その打開策が求められているにもかかわらず、追い打ちをかけるような生活保護費の削減は、断じて許されるものではない。
 また、昨年10月に開催された、日本弁護士連合会の「第49回人権擁護大会」でも、「貧困の連鎖を断ち切り、すべての人の尊厳に値する生存を実現することを求める決議」が採択された。決議においては、「健康で文化的な最低限度の生活を維持できない人々が増大」しており、生存権を保障した憲法第25条などに基づき、「生活保護の切り下げをやめ」、「生活保護法の積極的適用などにより社会保障の充実を進める」ことを、国や地方自治体に強く求めるものとなっている。
 政府は「低所得世帯の消費実態等を踏まえた見直し」としているが、これでは「ワーキングプア」の生活水準と生活保護費を引き下げ合う、まさに「貧困の連鎖」を促進しているようなものである。
 よって、本市議会は国に対し、憲法第25条に規定する「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障する責任を果たすため、生活保護費からの母子加算の廃止はやめるよう、強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成19年  月  日

千 葉 市 議 会


平成19年第1回定例会
Y5
 (提出年月日)平成19年2月13日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

「事務所費」疑惑の徹底解明を求める意見書(案)

 現職閣僚等18名もの国会議員に広がっている「事務所費」疑惑は、「政治とカネ」の醜い関係として国民の強い怒りと不信を募らせ、批判の声が高まっている。この問題は、家賃のかからない国会の議員会館内に、政治団体の主たる事務所を置きながら、政治資金収支報告書には年間数千万円もの巨額の「事務所費」支出を計上していたもので、「領収書の必要がない『事務所費』に、国民に知られたくない支出を処理したのではないか」、「政治資金規正法に反する虚偽記載が行われているのではないか」との疑惑が持たれているのである。
 問題の議員は、「法にのっとって適切に処理されている」、「違法ではない」などと言って、みずから進んで疑惑を晴らそうとしない態度に終始しているが、「朝日新聞」1月23日付の世論調査では、「実態が解明されていない」が85%に達しているのに対し、「解明された」はわずか2%と、圧倒的多数の国民は疑惑の解明を求めているのである。
 現行の政治資金規正法の不備を指摘し、責任を逃れようとする傾向もあるが、現行法のもとでも、虚偽記載等違法・脱法の疑いがあり、問題の徹底解明が必要である。また、「事務所費」は、政治献金だけでなく、年間300億円を超える国民の血税である「政党助成金」からも支出されているのである。あいまいな形での幕引きは、国民の疑惑と不信を一層深刻にするだけである。
 よって、本市議会は国に対し、「事務所費」疑惑の徹底解明を行うよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成19年  月  日

千 葉 市 議 会


平成19年第1回定例会
Y6
 (提出年月日)平成19年2月13日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

改憲手続法である「国民投票法案」の廃案を求める意見書(案)

 「5年以内の改憲」が政権の課題であるとする安倍首相は、今国会の施政方針演説でも、みずから「改憲手続法」と位置づける「国民投票法案」の「今国会成立を期待する」と明言した。これは、憲法擁護義務のある首相として重大な問題である。しかも、「なぜ・何のために」改憲が必要であるかの説明は一切なく、何の根拠も示さずに「時代おくれ」というだけでは、とても納得できるものではない。そればかりか一方で、防衛省への昇格を強行し、海外派兵を自衛隊の「本来任務」に格上げするなど、「戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認」を明記した憲法第9条に反する事態の進行と結びついており、今「日本は危険な道を突き進んでいる」との不安が国民の中には広がっている。
 「国民投票法案」の内容もまた極めて非民主的なものである。いかに低い投票率であっても、「有効投票総数の過半数」で承認されるとし、例えば、投票率が5割であった場合、結果的に有権者の2割台の賛成でも憲法は変えられることになる。また、多数を占める与党の主導で公報活動が行われるばかりか、所属議員数や資金力でマスコミの広告に不公平が生まれ、さらに、公務員の行動や発言まで規制するものであり、絶対に容認できるものではない。
 1月13、14日に実施されたJNNの世論調査では、通常国会で改憲手続法を「成立させる必要はない」との回答が47%と「成立させるべき」の41%を上回っている。また、1月29日付「毎日新聞」の世論調査では、今国会で最も議論を深めてほしい問題として、首相が重視している「憲法改正」はわずか6%にとどまっており、国民が、真剣な議論を望んでいるのは「貧困・格差の是正」や「政治とカネ」の問題なのである。
 よって、本市議会は国に対し、改憲手続法である「国民投票法案」は廃案にするよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成19年  月  日

千 葉 市 議 会