木田ふみよ議員の条例提案理由説明

2007.2.19

 上程されました発議第1号、千葉市下水道あり方検討委員会設置条例について、その提案理由の説明を行います。

 今日、下水道事業は、公衆衛生の向上や浸水を防ぐという役割のほかに、公共用水域の水質保全や水の循環システムの役割などを持ち、生活環境の改善と健全で良好な水環境の形成に向け、環境に配慮した取り組みが期待されているところです。

 また、下水道事業は、公営企業として独立採算制を採用した経営形態が取られていますが、本来の目的は、公共の福祉を増進させることにあります。

 本市の、H18年度末の下水道汚水処理普及率は96.7%に達し、ほとんどの市民が下水道を利用するに至り、欠く事のできない重要な都市基盤施設になっています。

 しかし、汚水整備が概ね整いつつあることや節水意識の高まりなどにより、下水道使用料が伸び悩みの傾向にある一方、管理運営費の増大や企業債の未償還残高は年々増加し、下水道経営を取り巻く環境は厳しいものとなっています。

 こうした中で千葉市は、経営健全化を図るため下水道局内に「下水道事業管理委員会」を設置し、H17年度からH21年度の5年間に渡る下水道事業の中期経営計画を策定しています。しかし、この計画は、行政側の一方的な意思で決められ、「下水道事業の健全化を図る取り組み」と銘打って、職員の削減や民間委託、下水道使用料の3年毎の値上げに見られるように、「公共の福祉の増進」とは相反するものが多くを占め、市民不在の計画となっています。

 今日、企業債残高は、10年前の約2倍、2,730億円で、千葉市の借金残高の約5分の1を占めています。こうした実態を市民に開示し、市民参加による検討委員会を設置し、市民の要望が反映されるような制度を確立することが、下水道事業の真の見直しになるのではないでしょうか。

 すでに、福岡市・横浜市では、市民や弁護士・公認会計士、および専門家で構成される第三者機関を立ち上げ、下水道事業の見直しを行っています。

 そこでは、経営改革の取り組みはもとより、費用対効果の検証などの事後評価を行うことや、市民に対して、整備指標や事業効果、使用料との関係などを十分に説明する事などが盛り込まれたものになっています。

 千葉市でも、このように市民も含めた委員会を設置しようとするものです。下水道事業のあり方検討委員会では、今後必要となる合流式の改善や古い下水管の更新も含めた、千葉市の下水道事業の健全化・効率化を図るために、行政が市民に押し付けるのではなく、情報公開・説明責任・市民参画を徹底した手法で論議し、決めていくことを基本とするものです。

 ご賛同の程、よろしくお願いします。