日本共産党の予算組み替え動議

「議案第1号平成18年度千葉市一般会計補正予算(第4号)」、「議案第2号平成18年度千葉市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)」、「議案第3号平成18年度千葉市老人保健医療事業特別会計補正予算(第2号)」、「議案第4号平成18年度千葉市介護保険事業特別会計補正予算(第2号)」、「議案第7号平成18年度千葉市市街地再開発事業特別会計補正予算(第1号)」、「議案第11号平成19年度千葉市一般会計予算」、「議案第21号平成19年度千葉市市街地再開発事業特別会計予算」、「議案第23号平成19年度千葉市公共用地取得事業特別会計予算」、「議案第25号平成19年度千葉市公債管理特別会計予算」、「議案第28号平成19年度千葉市水道事業会計予算」について、市長は、下記により速やかに組み替えを行い、再提出することを要求する。

1 組み替えを求める理由
 「規制緩和」、「構造改革」を推進してきた大企業と自民党・公明党の政治によって、雇用破壊が生じ低賃金雇用が増大している。
 また、所得の再配分によって貧困を減らす「税・社会保障制度」がほとんど機能していないもとで増大している貧困と格差は、千葉市民にも広がっている。
  新年度予算は、一般会計の投資的経費が約730億円であるのに、千葉駅西口地区市街地再開発事業、中央第六地区市街地再開発事業(保留床取得分等を含む。)、蘇我特定地区整備事業及び新港横戸町線事業の4事業に約262億円もの巨費を投入して、市民生活に必要な予算を削減するなど、国の予算と同様に、貧困と格差を広げる予算となっている。
  よって、日本共産党千葉市議会議員団は、この大型開発優先、市民福祉犠牲の予算を転換して、市民福祉向上の予算を求め、次の組み替えの基本方針及び内容により予算の再提出を要求する。

2 組み替えの基本方針
(1) 貧困と格差の広がりで影響を受けている市民を救済する予算とすること。
 「税制改革」での増税分27億円を市民に還元する。
(2) 福祉の機関としての地方自治体の役割を発揮し、市民福祉優先の予算配分とすること。
 
老人医療費助成事業(6,900万円)を廃止する一方で、大規模プロジェクト4事業に約262億円を投入するなどの、市民福祉削減、大型開発優先の予算を転換する。
(3) 市民とともに街づくりを推進するため、市民要望に応えた予算とすること。
 市民アンケートより要望の高い以下の主要事項に重点を置く。

 ア 税金のムダ遣いをなくす。
 イ 公正な税負担と納税の透明化
 ウ 介護保険料、国民健康保険料の引き下げ
 エ 防犯対策の強化
 オ 地球温暖化防止の取り組み
 カ 雇用対策の強化
 キ 道路、歩道、街灯の整備
 ク 教育を充実し、いじめをなくす。

3 組み替えの内容
(1) 不要不急な歳出を削減するとともに自主財源の確保を図る。

 ア 大型公共事業を見直して財源を確保する。
 千葉駅西口地区市街地再開発事業、中央第六地区市街地再開発事業(保留床取得分等を含む。)、蘇我特定地区整備事業及び新港横戸町線事業の見直し     (合計261億8,069万円)
国や県からの負担金押しつけを返上して財源を確保する。
 (ア) 幕張メッセ建設事業負担金の返上 (6億8,000万円)
 (イ) 千葉港整備事業負担金の返上     (6,142万円)
 (ウ) 道路直轄事業負担金の返上   (19億3,367万円)
不要な事業を中止して財源を確保する。
 (ア) 市議会議員の海外行政視察旅費    (1,200万円)
自主財源を確保する。 
 (ア) 資本金10億円超の法人市民税均等割制限税率の適用(3億998万円)
 (イ) 電柱の広告占用料の見直し     (1,644万円)

 以上、総額291億9,420万円を以下の施策に組み替える。

(2) 市民に広がっている貧困と格差を解消し、市民福祉の向上を図る。

 ア 低所得者の市民税の免除
障害者自立支援法に伴う市民税非課税世帯に対する利用料の自己負担額の無料化
入院入所者慰問金支給事業の継続
老人医療費助成事業の継続
大型開発公共事業を見直すための委員会の設置
公正な税負担と納税の透明化を図るための第3者機関の設置
公共施設の修繕費の増額及び指名登録されていない市内の零細業者への発注増
平和宣言都市にふさわしい施策の充実
防犯対策の強化(上からの押しつけや監視の強化ではなく、住民合意で進める)
災害対策を拡充し罹災家屋復旧などへの助成
平日の夜間及び土日休日の区役所窓口開庁促進
雇用対策の強化(ワーキングプアの実態調査、雇用対策室の設置)
低所得者、高齢者及び生活保護世帯への経済的支援
感染症対策の充実
市立青葉病院の夜間救急初期診療の実施
小学校卒業までの医療費無料化(200円の窓口負担を含む)を目指し、新年度は3年生まで拡充
経済的支援を主とした母子福祉の充実
子どもルームの増設
国保会計へ政令市平均額並みの繰り入れを行い、国民健康保険料における1世帯当たり1万円の引き下げ
介護保険料減免制度の拡充及び利用料減免制度の新設
特別養護老人ホームの増設
アスベスト、ダイオキシン対策の拡充
地球温暖化対策の充実(太陽光発電など再生可能エネルギーの拡充・ディーゼル車排ガス対策を推進)
駅前の市民トイレの設置
商店街振興対策及び中小企業支援の充実
耐震診断、改修補助制度の条件緩和及び補助額の増額
市営住宅の戸数の大幅増設
既存市営住宅の改修
生活道路の維持管理の充実
大雨による浸水対策強化及び雨水の循環促進
下水道あり方検討委員会の設置
消防職員の増員
学校の耐震補強及びトイレ改修の推進
給食センターのPFI方式の中止
就学援助制度の広報の充実による利用の拡大
30人学級の実現

(3) 不要不急の大型公共事業で、当初予算に計上した以下の事業に係る市債、企業債、債務負担行為を抑制する。

 
ア 千葉駅西口地区市街地再開発事業
 イ 中央第六地区市街地再開発事業
 ウ 蘇我特定地区整備事業
 エ 新港横戸町線事業
 オ 水道事業