日本共産党提出の意見書

平成19年第2回定例会
Y1

 (提出年月日)平成19年5月29日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

タミフルによる健康被害の防止と被害者の救済を求める意見書(案)

 厚生労働省はさきに、インフルエンザ治療薬「タミフル」服用後、転落や飛びおりにつながりかねない「異常な行動」をとっていた人は、販売開始の2001年2月から本年3月20日までの間で、128人いたと報告していたが、その後さらに58人増えて186人いたことを明らかにした。このうち、厚生労働省が投与の「原則禁止」を打ち出していた「10代」は96人いるが、10歳未満は53人、20歳以上は37人と約半数が「10代」以外なのである。

 これは、これまで厚生労働省が「10代の使用を制限する」としてきた対策には、根拠がなかったことを示している。これだけ、「10代」以外にも多くの健康被害が出ていることから、使用制限をすべての年代に広げ、「ハイリスク患者と判断される場合」に限定した使用とするのが合理的である。

 また、厚生労働省はタミフルの副作用被害者のうち、肝機能障害や薬疹などの被害者へは救済給付を支給しているものの、「異常な行動」や突然死に対する被害者からの救済給付申請に不支給決定とするのは、この報告からみても不合理であり、直ちに改めるべきである。

 このような状況下、販売元である中外製薬と厚生労働省との間での金銭問題や天下りなど、癒着ぶりが明らかにされ、国民や健康被害者の強い不信を招いているが、求められているのは国民の生命と健康を守る真剣な対応なのである。

 よって、本市議会は国に対し、タミフルによる健康被害の防止と、被害者の救済を速やかに実施するよう強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成19年  月  日

千 葉 市 議 会


平成19年第2回定例会
Y2

 (提出年月日)平成19年5月29日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

生活保護制度の改悪を中止し充実させるよう求める意見書(案)

 政府は「骨太方針2006」に基づき、生活保護費から15歳以下の子供がいる一人親世帯への母子加算を段階的に廃止するため実施要領を改定した。今後さらに、生活保護基準の引き下げやリバースモーゲージ(自宅を担保にした生活資金の貸付)制度導入など、適用抑制が行われようとしている。すでに老齢加算は廃止され、16歳以上の子供がいる一人親世帯への母子加算がなくなっていることから、生活保護制度を利用する人たちからは、「これでは生きていけない」との悲痛な声が上がっているのである。

 1995年以降、急激に生活保護受給世帯が増加したのは、政府の「構造改革」によってリストラ推進や社会保障の連続改悪が行われ、失業者や生活困窮者が増加したことによるものであり、国民生活を悪化させ、被保護世帯を増大させた要因には目をつぶり、地方に責任と財政の負担を求めるのではなく、政府の責任で生活保護制度を充実させることが求められているのである。 

 そもそも、生活保護制度は憲法第25条の「健康で文化的な最低限度の生活」を国民に保障する「最後のセーフティーネット」なのである。昨年10月に開催された、日本弁護士連合会の「第49回人権擁護大会」で採択された「貧困の連鎖を断ち切り、すべての人の尊厳に値する生存を実現することを求める決議」では、生活保護制度について「さらなる基準額の切り下げや適用抑制による予算削減の動きが加速している」と批判し、生活保護制度の改善・充実を強く求めているように「最後のセーフティーネット」の改悪は重大な人権問題なのである。

 よって、本市議会は国に対し、生活保護制度の改悪を中止し充実させるよう強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成19年  月  日

千 葉 市 議 会


平成19年第2回定例会
Y3

 (提出年月日)平成19年5月29日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

教育3法の改定をやめるよう求める意見書(案)

 教育基本法の改悪に伴い、教育3法「学校教育法」、「教員免許法」及び「地方教育行政法」を改定し、教育への国家統制を強めるための具体化が図られようとしている。

 これらは、「国と郷土を愛する態度」など子供たちに特定の価値観を押しつけ、教員の身分を不安定にさせる期限付き免許制を導入し、国の地方に対する介入・指導権限を強めるものである。とりわけ、期限付き免許制の導入については、衆議院教育再生特別委員会における参考人質疑において、教員を多忙へと追い込むものと強く批判され、国の主導による免許更新講習や研修の導入は、与党推薦の参考人からさえも教員の自立性・自主性を不安視する意見が出されているのである。

 今でも教員は、授業の準備に十分な時間がとれず、子供と向き合う時間がとれないほど多忙であることは、文部科学省が全国的な調査では40年ぶりに実施し、5月23日に発表した「教員勤務実態調査」でも明らかにされているところである。

 学校現場が抱える学力やいじめの問題、教員の多忙化を解決する有効な方法は、30人以下の少人数学級の実施や国際的にも遅れていると言われる教育条件を抜本的に整備することである。

 よって、本市議会は国に対し、子供の未来と、憲法が保障した「教育の自由と自主性」を守るために、教育3法の改定をやめるよう強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成19年  月  日

千 葉 市 議 会


平成19年第2回定例会
Y4

 (提出年月日)平成19年5月29日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

自由と民主主義否定のテロ行為一掃を求める意見書(案)

 4月17日、伊藤一長・長崎市長が暴力団組員によって射殺された事件は、日本社会に大きな衝撃を与えた。動機や目的は何であれ、選挙期間中の自由な言論・政策戦を暴力で封殺することなど、絶対にあってはならない行為である。

 この間、「戦争責任」や「靖国問題」について発言した政治家に対するテロ行為が多数発生していながら、政府のテロ行為に対する姿勢には毅然としたものがなく、「危機意識が薄い」などの疑問の声が出されている。

 自由と民主主義は憲法の大原則であり、民主主義の根幹をなす言論の自由、政治活動の自由を守るために、テロ行為を容認する風潮は決して許されるものではない。

よって、本市議会は国に対し、自由と民主主義否定のテロ行為の一掃を強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成19年  月  日

千 葉 市 議 会


平成19年第2回定例会
Y5
 (提出年月日)平成19年5月31日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

「年金記録漏れ」問題を国の責任で解決するよう求める意見書(案)

 5,000万件を超える年金記録が「宙に浮いている」問題は、コンピューター化や基礎年金番号制度の導入に伴う事務処理の中で起きたものであり、保険料を納めてきた国民には何ら非はなく、責任はすべて国にあることは言うまでもない。

ところが政府は、記録をなくされた被害者に対し、過去の保険料納付の立証責任を負わせ、支給不足が判明しても5年の時効を盾に支払いを拒否してきたのである。

 国民の世論に押され、政府・与党は記録漏れ該当者がいないかを調査し、判明した場合は5年の時効を適用しない法的措置をとるとしているが、調査対象は60歳以上の2,880万件だけで、残りの2,000万件以上については注意を呼びかけ、申し出を待つだけとなっており、証明記録がなければ相変わらず救済はされないのである。

 さらに重大な問題なのは、政府自身が記録の確認作業は2010年までには終わらないと認めながら、2010年に社会保険庁を解体し、分割・民営化しようとしていることである。これでは、国の責任で解決することなど不可能となる。国の施策によって、年金加入者の不利益が起こるようなことは断じて許されない。

 よって、本市議会は国に対し、みずからの過失と責任を認めて問題の全容を明らかにし、国民に謝罪するとともに、すべての年金受給権を守るために、下記の対策を講ずるよう強く求めるものである。


1 調査対象は、特定の年齢層に限定せず全加入者とし、無年金者も対象とすること。

2 記録漏れの情報を該当者と思われる人には確実に提供し、国の責任で問題の解決を図ること。

3 被害者には、文書による記録証拠がなくても国の責任で調査し、状況証拠に基づき解決すること。

4 記録漏れの相談を受け付ける身近な窓口を、国の責任で設置すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成19年  月  日

千 葉 市 議 会