中村きみえ議員の条例提案説明

2007.6.7
写真 「千葉市子どもを虐待から守る条例」の提案理由を述べさせていただきます。
 昨今、子どもへの虐待をめぐる社会問題が深刻化しています。5月24日には、児童虐待防止法の改正案が全会一致で可決し、虐待の疑いが濃い保護者に、裁判所の許可を得た上で、強制的な立ち入り調査ができるようにすることが盛り込まれました。
 千葉市においても、自治体独自に、解決に向けて懸命な努力が払われていますが、児童福祉司や児童心理司などの専門職員が不足し、増加する虐待問題は深刻化しており、法改正だけでは、人員増など解決する手立てまでは取られておりません。
 子どもの時に受けた虐待の傷は、大人になっても大きな影響を及ぼします。そのため、千葉市が先頭になってきめ細かい対応をすることが、重要となります。
 この条例は、子ども虐待防止等に関する市や市民の責務を定めて、子どもの虐待を予防し、子どもの生命、人権を守り、子どものすこやかな成長、発達を保障することが目的となっています。
 市は積極的に、虐待の予防、早期発見など子どもの虐待防止などに努め、市民は、市の施策に協力し、自らも積極的な役割を果たすように務めるものと位置づけております。
 そのために、子育てしやすい環境整備をし、ネットワークを構築し、乳幼児健診を活用し、解決に向けて必要な事項を調査研究することを掲げております。
 虐待を受けた子どもや、虐待をした保護者への指導を充実させ、虐待から守る啓発活動など広報活動を強化します。また、虐待を早期に発見するために、市に通報することを位置づけています。
 虐待をめぐる問題は、家族背景、家族連鎖によるなど多くの困難をかかえております。日本子ども虐待防止学会が、虐待問題の対応には、社会の仕組みまで踏み込んだ検討が必要だと提言しています。
 その一歩として、自治体独自で条例として提案し、解決に向けて対策を立てることを述べ、提案理由とさせていただきます。