野本信正議員の議案質疑

2007.6.11
写真議案第96号・97号・98号・101号・103号財産の取得について

 中央第六地区市街地再開発ビル「きぼーる」に設置する、千葉市中央保健福祉センター、子ども交流館、子育て支援館、ビジネス支援センター、科学館を取得する条例についてですが、「きぼーる」には以上の施設の他、大型店や個店など、行政施設から民間施設も入るいわゆる複合施設、雑居ビルの形態を成しています。
 1、「きぼーる」の利用者数についてですが、保健福祉センターや科学館、民間施設など、それぞれの予想人数と全体の合計人数を、年間と一日当たりで明らかにされたい。
 2、保健福祉センター利用者のうち、高齢者や障害者の一日当たりの人数はどれくらいですか。
 3、あわせて、健康診断実施日に来所する人数はどれくらいですか。
 4、また利用者数のうち、車での来所者数の一日当たりの想定はどれくらいですか。「きぼーる」の駐車台数は何台で駐車料金はいくらですか。
 5、H18年第3回定例会で、共産党の木田文代議員が「再開発ビルに入る公共施設は、気軽に来所できるように駐車料金は無料に」と質問したところ、古川保健福祉局長は「保健福祉センターは、一定の時間無料にする」と答えています。具体的にはどのようになるのですか。
 6、市が直接運営する施設、指定管理者の運営する施設、民間施設、店舗に来所する市民が同じ入り口で、それぞれの目的施設にエレベーターを利用することは、繁雑で混乱を来すのではないですか。
 7、中央保健福祉センターは、現在の狭隘施設が解消されるメリットと、中央区役所から離れて業務を行うことになるデメリットがあり、結果的に利用者が不便を来すことにならないですか。
 8、中央第六地区市街地再開発ビル「きぼーる」は、土地建物併せて約432億円という多額の事業費を注ぎ込み、財産取得が提案された施設は10月末にオープンすることになりますが、市長が今まで発言してきたような「中心市街地の活性化」につながるのかを改めて問いたいが、いかがですか。
 9、全部の施設が開所した後、年間の維持管理費はどのくらいになるのですか。
 以上、お答えください。

議案第100号 東部最終処分場臭気対策設備及び排水施設について

 1、活性炭処理設備他一式とは、どんな性格の設備でその役割はなんですか。
 2、建設費および耐用年数はどれくらいですか。
 3、臭期対策設備は他の処分場にはあるのか無いのか。東部最終処分場に設置した理由は何か。東部最終処分場に一番近い人家の距離はどれくらいかうかがいます。
 4、排水は、処分場の汚水をどの程度浄化して放流しているのか。どこへ流すのか。処分場の排水以外の工事をした理由はなにかをうかがいます。
 5、処分場の排水処理とそれ以外の排水工事それぞれの、建設費とその総額および買い戻しに当っての利息と利率についてうかがいます。
 以上、お答えください。

議案第104号 花島小学校大規模改造工事について

 1、工事内容、耐震工事の概要についてお聞きします。
 2、その他、どんな改善がされるのか。トイレの改修の概要をうかがいます。
 3、耐震工事に必要なブレースの必要個数とその価格及び製造業者名と住所を示してください。併せて、直近の耐震工事10校のブレースの製造業者名と住所および価格の合計はいくらですか。
 4、ブレースは鉄価格の高騰で影響は出ていないか。5年10年前に比べての価格差はどうか、うかがいます。
 5、アスベストの有無とその対策は。吹き付けアスベストの囲い込みはないか。アスベスト含有建材がどの程度使われているのか。工事におけるその対策はどうかについて、お答えください。

議案第105号 市立千葉高等学校改築外構工事について

 1、入札調書によれば、4億2,180万円で東急・小梛JVが落札しています。落札率は77.73%で、低入札価格調査対象となっているが、これは調査基準価格を何%下回り、価格はいくら下回ったのですか。
 2、調査基準価格は、誰がいつ決めるのか。入札の事前に、業者が知ることは出来るのかうかがいます。
 3、今までの入札で調査基準価格を下回り、低入札価格調査対象となった案件名について、何%下回ったのかを含めて明らかにされたい。
 4、落札業者がなぜ東急・小梛JVなのか。5億円以下の工事に、なぜ大手ゼネコンがJVで参加できたのかうかがいます。
 5、市立千葉高等学校改築工事及び改築に伴う舗装補修工事などで、今まで発注された工事件数と工事名及び落札業者名を明らかにされたい。
 6、そのうち、2件以上落札した共同企業体の構成員を含めた業者名と落札件数。
および、落札件数は土木舗装工事全体件数の何件中何件なのかうかがいます。
 7、市立千葉高等学校改築工事は、一部業者に偏って発注されているが、その原因はなんですか。昨年来から、市立千葉高等学校改築工事及び稲毛区の公共工事発注を巡っての公正な行政の在り方については、小梛組などの公共工事の受注で、議会でも大きな問題となったところです。議案第105号の発注に当たっては、その教訓が生かされているのかについて以下、質問します。
 1は、市立千葉高等学校改築工事は分割発注されているが、これを一括発注するように当局に執拗に迫り、新聞報道や議会質問になったことがあるが、その内容は何であったのか。一括発注を要求した議員はだれで、新聞報道や議会質問で指摘された言動は何であったのか、お答えください。
 2は、千葉市当局が一括発注を求める議員の言動について、議員に再発防止の申し入れを行っています。申し入れは、当時の小島助役が行ったと記憶しているが、いつ誰に対してどのような内容で行ったのか、お答えください。
 3、この時、市立千葉高等学校改築工事と合わせて問題となった稲毛停車場穴川線電線共同溝工事は、9回発注された工事を全て2つの業者が独占して受注し、そのうち一件は、公正取引委員会から談合として摘発されました。2つの業者名を明らかにされたい。
 4は、これまでの教訓はどのように生かされて、改善されているのかについてです。
 すなわち新聞報道や議会質問、議会運営委員会委員長不信任動議の採決が一票差、「議員からの言動に圧力があった」として、市議に再発防止の申し入れを行ったなど、一連の経過をふまえての教訓と反省が、議案第105号・市立千葉高等学校改築外構工事の発注に当たって、どのように生かされているのでしょうか。改善されているのですか。お答えください。

議案第107号 都市計画道路新港横戸町線京成電鉄千葉線交差部工事について

 1、新港横戸町線は、今回の工事委託契約によって進捗率は何%になるのですか。用地買収、工事など事業費の総額と使用した額についてうかがいます。
 2、新港横戸町線は沿線住民との協議会を設けているが、議案第107号についてはどのように知らせ理解が得られているのですか。
 3、沿線住民の中から、工事に伴う振動などに苦情がよせられているが、その対応はどうなっているのですか。
 4、また、当初計画では幅員20メートルであったのに、31メートルから52メートルに広げられたことによる騒音や大気汚染の被害への懸念、そして街が大型道路で分断されることに対して納得できない思いなど未解決の問題を残しながら、議案第107号を提案して工事を進めることは、住民軽視ではないか。お答えください。

<2回目>

議案第96号・97号・98号・101号・103号財産の取得について

 中央第六地区市街地再開発ビル「きぼーる」に設置する、千葉市中央保健福祉センター、子ども交流館、子育て支援館、ビジネス支援センター、科学館を取得する条例についてです。
 1、「きぼーる」の利用者数に付いてですが、保健福祉センターや科学館、民間施設全体の合計人数は年間約67万人。一日当たりでは1,900人プラス民間施設利用者。それで駐車台数が313台では不足になりませんか。
 若葉保健福祉センターでは、健康診断実施日には駐車場が足りなくなっています。 ダイエーが売り出しになった時など、あふれることにならないのかうかがいます。
 2、駐車料金は一時間300円。「保健福祉センターは一定の時間無料」なのに他は有料です。公的施設に来所して2時間で600円では、利用したい市民が手控え、利用者が伸びない原因にならないのかいかがいます。
 3、各施設を利用する時は、エレベーターを色分けしてあるので、目的施設にスムーズに到着できるとの答弁でした。子どもや若い市民は大丈夫だとしても、保健福祉センターに来所する高齢者や障害者などには厳しく、案内所だけでは無理ではないのかお答えください。
 4、中央保健福祉センターが、中央区役所から離れて業務を行うことでのデメリットと、11階・12階に保健福祉センターがあることは、高齢者や障害者はじめ利用者の不便をきたすことになります。
 他の区の保健福祉センター窓口は、みな一階に置いています。中央保健福祉センターの各課の窓口は、初めから一階にすべきではないのか、お答えください。
 5、「きぼーる」の各施設がオープンする事は、華やかなニュースとして市民に知らされると思うが、「中心市街地の活性化」につながるのは難しいのではないですか。
 あわせて、中央第六地区市街地再開発事業に投資された税金が、千葉市の財政運営に重くのしかかっています。
 年間の維持管理費は11億9,000万円との答弁であり、10年で119億円、30年で357億円になります。
 総事業費約432億円のうち、借金である市債は293億円が使われていて、借金の返済については、土地代と保留床代および利子を含めて30年間で394億円を償還することになります。このうち利子分が116億円です。
 この数字を足し算すれば、総事業費約432億円。市債償還利子116億円。維持管理費30年で357億円。合計905億円になります。中央第六地区市街地再開発事業が、こんな多額の費用に見合った効果があると考えられますか、お答えください。

議案第104号 花島小学校大規模改造工事

 1、耐震補強工事に使う鉄骨ブレースについてです。
 耐震補強工事に使う鉄骨ブレースは合計29枚で、合計価格円と製造業者は未定との事ですが、直近の耐震工事10校のブレースの製造業者名と住所は答弁で明らかなように、すべて千葉市以外の業者です。価格の合計は約9,000万円。この仕事が全部千葉市外の業者に発注されています。
 千葉市が発注する耐震補強工事に使う鉄骨ブレースが、市内業者に発注されれば千葉市の経済に波及効果が出ます。市民の税金を使っての公共事業は、可能な限り地元業者に発注されるように努力していくべきです。
 私は本会議場で、これまで2回に渡って耐震補強工事に使う鉄骨ブレースを市内業者にも発注できるように求めてきました。当時の建築部長、経済部長は「努力する」と答えてきました。改めて、千葉市内の鉄骨業者への発注を増やす努力を求めます。

 2、アスベストについて
 吹き付けアスベストの囲い込みはないが、アスベスト含有建材は工事の中で分析調査を行うとの答弁でした。アスベスト含有建材は、工事を始める前にも良く調査して対応することが必要です。
 「静かな時限爆弾」といわれるアスベストの健康被害は広がっていて、中皮種などで亡くなっている患者が増えています。日本のアスベスト使用の大半は建築材であり、今後アスベストによる健康被害を受ける最大の原因は、建物の解体などによることが指摘されています。
 とりわけ、市有建築物・公共施設の工事に当たっては万全を尽くすことが必要です。
 綿密な調査を重ねて求める事と、工事中の対策は付近への対策も含めて万全を求めますが、答弁を求めます。

議案第105号 市立千葉高等学校改築外構工事について

 東急・小梛JVの落札額4億2,180万円、落札率の77.73%は調査基準価格を0.02%下回り、価格は93,000円下回ったとの答弁でした。
 率を言い換えれば、1万分の2だけ下回ったことになりますし、調査基準価格を100%とすれば、99.98%で入札したことになります。
 価格で一桁下げて考えた場合、仮に調査基準価格を4,200万円の工事の落札に置き換えれば、9,300円下回ったことになります。また、調査基準価格が420万円の工事なら930円下回ったことになります。こう考えていくと東急・小梛JVが落札した額は、「闇の中で糸を針の穴に通すような神業」に近い応札ではないかと思われます。
 ここで考えられることは、調査基準価格の数字を正確に知っていないと入札できないと思います。しかし答弁では、「調査基準価格は入札当日に契約課長が決めるので、契約課以外は分からないはず」「入札の事前に業者が知ることなどは絶対有り得ない」とのことでした。
 つぎに「神業」に近い応札額がなぜ問題になるかというと、調査基準価格を下回る割合が少なければ少ないほど、落札した業者の利益は増えるわけです。すなわち東急・小梛JVは低入札価格で応札して、4億2,189万円の工事費の中から、わずか9万3,000円削られるだけで落札したことになります。
 これまでの入札案件と比較して見てもはっきりとしてきます。財政局長の答弁では、H18年度で調査基準価格を下回り、低入札価格調査対象となった案件は34件との説明がありました。
 調査基準価格を下回った割合は、16.9%、26.24%、31.5%、44.7%など2桁が多い事がわかります。1桁を見ても9.61%、6.31%で、最も率の低い案件で6.0%です。以上、比較して見ますと東急・小梛JVの0.02%は極めて異例のことと思われます。
 1、東急・小梛JVが調査基準価格を0.02%下回り、価格は93,000円下回って落札したことは、今までの千葉市の低入札価格調査対象案件と比較して、有り得る事なのか。そとも異例な事なのか、お答えください。
 2、入札当日に契約課長が決める調査基準価格は、100%外部には漏れないものなのか。契約課以外のセクションからも漏れることはないのかうかがいます。
 3、調査基準価格をほんのわずかに下回り落札した今回の入札は、先に議会で問題となった最低制限価格に1円とか100円とかで落札した問題と共通しているのではないですか。
 4、次に、市立千葉高等学校改築工事で、2件以上落札した業者名と落札件数をたずねたところ、小梛組が3件との答弁でした。この内容は、土木・舗装工事の発注件数3件中3件を小梛組が落札している事も明らかになりました。
 小梛組以外には、2件以上落札した業者はいません。市立千葉高等学校改築工事は、なぜ小梛組が3件も落札しているのか。なぜ土木・舗装工事は全部落札しているのか。答弁を求めます。
 5、稲毛停車場穴川線電線共同溝工事を独占して受注して問題になった業者名は、小梛組と泰伸建設であったとの答弁でした。市立千葉高等学校改築工事で、小梛組は3件落札しているが、その一次とか二次の下請けに泰伸建設が入っていることはないですか。
 6、市立千葉高等学校改築工事を一括発注するように、当局に執拗に迫った問題について質問したところ、「自民党市議団の幹部の市議が、一括発注を求めその言動を受けた職員が圧力を感じたかどうかの質問があった」が、千葉市当局は、一括発注を求める自民党市議団の幹部の市議に対して、「議員の言動に圧力を感じた職員がいたので、今後このようなことがないように」再発防止の申し入れを行ったとの答弁がありました。
 当局が議員に対して、異例の「再発防止の申し入れ」を行った後に、議案第105号・市立千葉高等学校改築外構工事が発注されています。
 だから、一回目の質問で「再発防止の申し入れ」を行ったなどの教訓が、どのように生かされているのか。改善されているのかを聞いたわけですが、答弁が要を得ません。再度質問しますが、その後職員に対する圧力などはなかったのか。また、議案第105号・市立千葉高等学校改築外構工事を、小梛組がJVで落札したことについて、教訓が生かされ改善されているのかについて、再度答弁を求めます。

<3回目>

第105号について

 東急・小梛JVが、調査基準価格を0.02%下回り、価格は93,000円下回って落札したことは、異例な事です。入札当日に契約課長が決める調査基準価格は、「100%外部には漏れない」というが疑問です。公共事業の入札は、公正な契約が常に問われています。
 談合問題では、緑資源機構の管制談合などがあり、千葉市も公正取引委員会から摘発されたような事例が多く、落札率95%以上は「談合の疑いあり」といわれています。
 最低制限価格での入札は、予定価格の事前公表がされていなかった、H14年度の1億円未満の入札で激しい競争となり、最低制限価格ぎりぎりで落札する契約が多数出て、中には最低制限価格を下回って失格する業者もかなりありました。この時、最低制限価格より1円高いとか10円高いとか、さらに全く同じ額で落札する業者があって問題になりました。
 2006年の第2回定例会で、当時の財政局長の答弁では、2,000円以内で落札した件数は47件・30社で、そのうち3件以上落札した業者は5社あって、今議会で議案第105号・市立千葉高等学校改築外構工事をJVで落札した小梛組は3件あります。この案件の最低制限価格戸の差は、61円と1円というものでした。
 この時にも「入札日当日に契約課長が決定する最低制限価格が漏れているのではないか」との疑問が出されました。
 低入札価格・調査基準価格ぎりぎりの入札は、どうしても仕事を取りたい時は、ある程度のリスクを抱えながら低入札を行います。激しい競争になれば20%も30%も下で取る例もあります。
 しかし、通常入札で各業者はできるだけ予定価格に近いところで落札を望んでいます。競争が激しくなると、他社より低い価格を入れるわけだが、できることなら調査基準価格を下回って低入札価格調査対象案件になることは避けたいと思うのではないですか。しかし、一社が絶対落札するために低入札価格の応札を考えた時、調査基準価格を下回る率が低いほど利益があるので、基準に基づいて計算すればかなり接近できます。でも、契約日当日に契約課長が決めて、他に漏れるはずのない調査基準価格に、1万分の2だけ下回った価格、調査基準価格を100%とすれば、99.98%に接近することはまさに「神業」だと思います。
 この疑問というか、「疑惑があるのではないかと思う市民もいる」と思われる問題点を解明していただきたい。
 小梛組の業者登録は、土木・舗装・とびだが、市立千葉高等学校改築工事のなかで、この業種に該当する工事は3件あります。
 該当する工事の全部100%を小梛組が落札するのは、出来すぎではないですか。
 なぜ、こういう事が起きるのか。「入札の結果です」では説明がつきません。職員への圧力の中止を求めるなど、一連の事態があっただけに、もっと踏み込んだ答弁を求めます。
 以上で、質疑を終わりますが、後は各委員会で問題点を明らかにしたいと考えます。