小関としゆき議員の一般質問

2007.6.18
写真1、高齢者医療について

 その第1は、後期高齢者医療制度についてです。
 この制度は、昨年の国会で自民・公明の両党が強行成立させた医療改悪の大きな柱です。75歳以上は、現在加入している国民健康保険や組合保健・政府管掌保険などから脱退させて、後期高齢者だけを対象にした新しい医療制度にするものです。
 新制度では、現在、子どもの医療保険の扶養家族となっていて、保険料負担がなかった人も含めて、75歳以上の全ての高齢者が保険料を支払うことになります。
 保険料の額は都道府県ごとに決められますが、厚生労働省の試算では、208万円の年金受給者で月平均6,200円、年間7万4千円になるとされています。
 月1万5千円以上の年金を受けている人は、保険料が「天引き」になります。厚労省は、75歳以上の約8割が「天引き」の対象になると見込んでいます。介護保険料の月平均3,780円と合わせて、毎月約1万円の保険料が少ない年金から「天引き」されることになるのです。
 さらに重大なのは、保険料が払えない高齢者から保険証を取り上げ、資格証明書を発行すると法律に明記していることです。
 これまで、75歳以上の人には発行しなかったものを、「公平性の確保」との理由で改悪したものです。
 この制度の最大の問題点は、後期高齢者の医療給付が増えれば、保険料の値上げにつながる仕組みを導入したことです。それは、高齢者の医療を縮小・抑制・自粛させることになり、高齢者の生命と健康に重大な影響をもたらすことになるのではないでしょうか。そこでうかがいます。
 1に、千葉市でこの制度の対象となる75歳以上の方は何人か。
 2に、そのうちの「年金から天引き」となる対象者数は何人か。
 3に、後期高齢者医療制度の財源構造についてですが、国は何パーセント、支援金は何パーセント、被保険者は何パーセントになるのか。
 4に、被保険者の保険料はいくらになるのか。
 5に、この制度は国民健康保険制度と同様に、保険料を滞納した場合は資格証明書や短期保険証の発行を保険者に義務づけています。単身者、夫婦とも年金生活者で保険料が払えない高齢者が多くなる可能性があります。短期保険証・資格証明書が発行されれば病院に行けない高齢者が増え、医療難民が生れることにもなりかねません。資格証明書・短期保険証は発行すべきではないと考えますが、見解をうかがいます。
 6に、庶民への大増税が連続し、高齢者から悲鳴が上がっています。こんな高齢者いじめの制度は、作るべきではないと考えないのか。見解をうかがいます。

 高齢者医療の第2は、68歳・69歳の医療費助成制度についてです。
 今年8月から廃止が予定されている68歳・69歳の医療費助成制度は、千葉市が独自に35年間、高齢者が安心して長生きできるようにと実施してきたものではないでしょうか。国の相次ぐ医療制度の改悪で、高齢者は病院から遠退く傾向にあるとき、市独自の助成制度まで廃止するのは、あまりにも高齢者に冷たいと思います。国の悪政の中でこそ、自治体本来の役割を果たすべきではないでしょうか。
 「今まで3割だったのが、ようやく1割負担になって助かっています」という稲毛区内に住む68歳のAさんは、内科と歯科へ先月2回通院し3,470円でした。慢性疾患ではないので継続した通院ではありませんが、3割負担になれば「とても病院には行けません」と訴えていました。
 68歳・69歳の助成対象者は、本年3月末で6,476人、その費用は18年度決算見込で7億5,621万円とのことです。そこで、医療費助成制度の復活を願ってうかがいます。
 1つは、昨年まで実施し、高齢者に喜ばれてきた制度をなぜ廃止しなければならないのか。その理由についてうかがいます。
 2つは、Aさんのような実態について、どのように掌握しているのでしょうか。
 3つは、無駄な開発事業を見直せば、財源の確保は可能であり、この助成制度を元に戻すことを求めます。見解をうかがいます。

2、独居高齢者の安否確認について

 高齢化が進むもとで、一人暮らしの高齢者は年々増え、2006年では17,522人にもなっています。この問題は、昨年の第2回定例会でも取り上げ、改善提案を行いました。しかし今年1月、稲毛区のある団地で70歳代男性の孤独死が起こりました。上の階に住んでいる方が、何日も新聞が取り込まれないので「様子がおかしい」と消防署に連絡し、消防署員が窓ガラスを割って中に入って見たところ、死後3日経った遺体で発見されました。
 2005年度には、市内の公的住宅で孤独死された方が25人。2006年度では、29人となっています。また、一般住宅での孤独死も含めますと大変な数の独居高齢者が孤独死しているわけです。
 このような不幸な事態をなくすためにも、全ての独居高齢者への安否確認を行うべきです。そこで、うかがいます。
 1つは、市内に住む17,522人の一人暮らしの高齢者の実態調査は行っているのか。
 2つは、一人暮らしの高齢者の安否確認は、「安心電話」や「配食サービス」の利用。また、民生委員の訪問などで実施しているようですが、これで一人暮らしの高齢者のうち、安否確認されているのは何人ですか。
 3つは、緊急通報装置についてですが、昨年3月まで行ってきた電話基本料金の助成は、行政改革推進計画によって廃止されてしまいました。今、高齢者は年金が減らされ、介護保険料や国保料などの負担が増えて厳しい生活を余儀なくされています。緊急通報装置の補助金を元に戻して、安心して暮せるようにすべきですが、どうか。
 4つは、一人暮らしの高齢者への安心電話の設置は4.5%ですが、これに対する今後の対策はどう考えているのでしょうか。
 5つは、一人暮らしの高齢者への安否確認は、「いろいろ行っている」といっても孤独死が発生しているのです。昨年第2回定例会で、私が提案した乳酸飲料の配達による安否確認を助成制度も考えて復活することや、新聞配達・郵便配達の際の安否確認などあらゆる施策を講じて、悲しい事態がなくなるよう取り組むべきです。お答えください。

3、地球温暖化防止対策について

 この問題は、これまで何度か質問してきました。連日のように、新聞・テレビ等で今日の危機的状況が報道されています。
 4月には「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)報告がだされ、「ほとんどの大陸・海洋で今まさに地球温暖化の影響を受けている」という最新の研究結果を公表しています。
 国立環境研究所の原沢氏は、「温暖化の影響は50年先、60年先の話しだったが、ハリケーン・カトリーナ被害や欧州熱波などの異常気象により、先進国の現在の問題となっている」と語っています。
 日本でも台風や集中豪雨などの異常気象が多発し、その頻度や強度が変化してきており、今後深刻な被害が予想されることから、CO2などの温室効果ガスの排出削減は緊急課題となっています。
 今回のドイツサミットで安倍首相は、2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量を半減させる目標を提案しているわけですが、千葉市もさらに、積極的な地球温暖化防止対策に取り組むよう願って質問します。
 その第1は、2002年に策定した「千葉市地球温暖化防止実行計画」の2005年度の実施状況によると、2000年から2005年までの5年間でCO2排出量は、本庁舎で12.6%削減されたものの、市役所全体では目標に対して25.9%も上回っています。その原因はどこにあるのでしょうか。
 第2は、地球温暖化対策地域協議会が設置されて、温暖化対策アクションプランを策定し活動を進めてきたようですが、その効果はどのようになっているのか。
 第3は、千葉市が実施してきた温暖化防止対策についてうかがいます。
 1に、太陽光発電を温暖化防止に有効な新エネルギーとして、普及を進めてきましたが、06年度の設置助成は49件でした。さらに、設置数を増やすため市民へのPRを強化し、助成すべきです。
 2に、風力発電を稲毛海岸に1基設置し、さらに新たな設置計画があると聞いていますが、稲毛海岸の稼動状況と今後の設置計画をうかがいます。
 3に、バイオディーゼル燃料の取り組みについてですが、バイオマス資源としてどのような物を研究しているのか。その支援事業の取り組みはどうなっているのか。ごみ運搬車などへの導入の計画はどうか。
 4に、天然ガスの利用状況では、公用車が58台、市全体で155台となっていますが、今後の普及目標はどうなっているのか。
 第4は、今後の千葉市の温暖化対策の進め方についてうかがいます。
 1に、新エネルギーの導入として、太陽光発電は公共施設の設置とともに進んでいるようですが、一般家庭への導入を増やすことを求めましたが、そのためには、政府もCO2削減計画を打ち出しているのですから、一般家庭の太陽光発電設置に対する補助金制度を国に強く要望すべきです。見解をうかがいます。
 2に、クリーンエネルギーの活用をもっと積極的に普及すべきです。天然ガス・メタノール・ハイブリット車などを公用車はもとより、企業や事業所での普及を促進すべきです。
 3に、企業や事業所に対するCO2削減目標の達成について、さらに指導強化を図るべきですがどうか。
 4に、緑地保全についてですが、市内ではマンション建設による乱開発が進み、樹林がどんどん減少しています。1年間でどの位、保存樹林が減少したのか。一定の努力はしているものの、緑地保全の取り組みは遅れているといわなければなりません。今後の緑地保全について地権者に強く働きかけることを求めます。

4、稲毛区の諸問題について

 第1は、小中台保健センター跡施設利用についてです。
 稲毛区保健福祉センターについては、現在整備が進められていますが、完成した後は現在の小中台保健センターが廃止になります。その跡施設が、今後どのように利用されるのかが注目されています。小中台はマンションが多く、子育て中のお母さんたちにとって保健センターは、乳幼児健診や小中台マザーズクラブなど交流の場としての大きな役割を果たしています。そこで、跡施設の有効活用を願いうかがいます。
 1つは、保健センターの廃止による跡施設利用の計画はあるのか。民間に売却せず、市が有効活用を図るべきです。
 2つは、跡施設利用については、現在の利用者や地域住民の声をよく聞き、反映させることを求めます。
 3つは、今まで行ってきた教室や相談などが引き続き実施できるようにするとともに、児童館として活用できるよう求めます。

 第2は、国道126号線穴川3丁目スズケン前の横断歩道整備についてです。
 ここは、以前から危険な交差点で事故の多い所でした。利用者や住民の改善要望で、横断歩道の信号が一部「歩車分離」となって以前よりは安全になりましたが、横断歩道が2か所しかなく、喫茶店「マックス」前からイナックス方向へ直接渡れず、障害者・高齢者はもとより一般の利用者も大変不便に思っています。
 また、スズケン前からガリバー前までの横断歩道は27メートルあり、歩行者用の信号は18.7秒で変わってしまいます。マックス前からイナックス側に横断歩道を復活させるとともに、スクランブル交差点とし歩行者用信号は30秒位へ改善するよう求めます。

 第3に、市道穴川犢橋町線園生店から鮎沢商店前交差点までの道路と縁石の整備についてです。
 ここの道路整備については、以前から改善を要望し、鈴木動物病院前からセブンイレブン前までは整備され、自転車や歩行者が通行しやすくなりましたが、その先の鮎沢商店前までは、地盤の軟弱があり道路のアップダウンもひどく、縁石が浮き上がっている状態で、歩道はあっても通行に支障がでています。
 この道路の整備を早急に行うよう求めますが、計画はどうなっているのか、うかがいます。

第4に、稲毛区内への郵便局の設置についてです。
 「稲毛区に郵便局を」という区民の要望をもとに、何度か議会で取上げてきましたが、進展は見られません。
 今年10月から民営化になりますが、新しい体制になったとしても郵便局の設置に向け、協議は行うべきです。その場合、用地の確保は千葉市が行うことを提案すべきです。見解をうかがいます。

 以上で、1回目の質問を終わります。

<2回目>

1、後期高齢者医療制度について

 厚労省は、この制度を導入した理由は「世代間の負担の公平を維持するため」「人口構成に占める後期高齢者と現役世代の比率の変化によって、それぞれの負担割合を変える」ためだとして、「このことによって高齢者の負担は高くなり、現役世代の支援の割合は減っていくことになる」といっています。そこでうかがいますが
 1つは、1回目の質問に対し「被保険者の保険料は1割」との答弁ですが、このままでは将来、2割・3割になってしまう危険性があるではありませんか。これで、高齢者の命と健康が守れると思いますか。お答えください。
 2つは、資格証明書の発行について「特別な事情」が無い場合は、発行するとしています。「特別な事情」とは、どのようなことを言うのか。
 3つは、15,000円のわずかな年金から、保険料や介護保険料が否応なしに天引きされことになります。今まで、苦労してコツコツと蓄えてきた預貯金も様々な負担増により、切り崩しながらの厳しい生活を強いられています。高齢者が、安心して医療が受けられない、このような制度を認めていいのか。お答えください。


2、68歳・69歳の医療費助成制度について

 助成制度を元に戻すことを求めましたが、「考えていない」と冷たい答弁でした。先日、私は、今年68歳になる稲毛区内に住む男性に「年金生活で糖尿病や高血圧などで、医療費が月1万円以上もかかっていたが、やっと助成される年齢になると思っていたのに、制度がなくなると聞いて驚いた。お金を心配せずに安心して病院に行けるようにして欲しい」と訴えられました。本当に切実なのです。政令市では、札幌市・川崎市・京都市・神戸市・北九州市では、助成制度を継続しているわけですから、千葉市も福祉の心を持って、元に戻すよう再度求めます。


3、独居高齢者安否確認について

 一人暮らしの高齢者の孤独死が増える原因について、「高齢者の貧困と孤立にある」と医療関係団体の実態調査でも報告されています。高齢者が貧困によって外出しなくなり、孤立して行く傾向にあるというのです。
 孤独死を予防するには、国・自治体に生存権を保障するセーフティネットづくりを進めることが必要ではないでしょうか。そこでうかがいます。
 1つは、一人暮らしの高齢者17,522人のうち、安心電話・配食サービス・緊急通報装置により安否確認されている方は3,211人とのことですから、わずか18%です。民生委員がどれだけ訪問しているかも把握されず、「乳酸菌飲料の配達による安否確認の復活も考えていない」という姿勢で、どうやって安否確認を徹底するおつもりですか。お答えください。
 2つは、昨年の公的住宅での孤独死は29人ですが、調査されていない一般住宅での孤独死も含めますと「2倍以上になる」といわれています。発見されたときには、死後3日も4日も経っているという不幸な事態があってはなりません。
 「有効な手法で調査研究する」との答弁でしたが、全ての一人暮らしの高齢者を対象に安否確認できるよう努めるべきです。


4、地球温暖化防止対策について

 地球温暖化の原因は、人間の活動によって排出されたCO2など温室効果ガスの大気中濃度の増加によるものですから、防止するには人間の活動で改善できるのではないでしょうか。「地球の未来の危機」であることは、誰もが認めるところですから、千葉市でできる施策を全て実施するよう求め、以下うかがいます。
 1つは、「千葉市地球温暖化地域推進計画」に基づく「実行計画」で、市も一事業者として、低公害の自動車や太陽光発電施設の導入は掲げているものの、バイオマスエネルギーを取上げていない理由はなんですか。茨城県土浦市では、ひまわりの油の活用が始まっています。千葉市も研究すべきです。
 2つは、千葉市のCO2排出量が上回った原因は、「一般廃棄物の焼却に伴うもので清掃工場における廃プラスチック焼却量の増加によるもの」との答弁でした。
 焼却量を減らすためにも、一般廃棄物の分別を徹底することが必要ではないでしょうか。
 3つは、地球上の緑地が減少していることも重大です。千葉市でもこの1年で、約1.1ヘクタール減少しています。緑地の減少を食い止めるとともに、屋上緑化なども含めて、緑地を増やす取り組みが急務です。具体化を強く求めます。
 4つは、JFEによるCO2の排出量も深刻です。具体的な削減目標も示して指導すべきです。
 5つは、低公害車普及への補助制度が拡大されますが、申請金額が予算の範囲を超えた場合は、受付期間内であっても募集を終了するとしていますが、申請があった場合は受け付けるべきです。