もりた真弓議員の決算不認定討論

2007.10.2

 盛田真弓です。日本共産党千葉市議団を代表して、決算議案18件中7件に不認定の立場から討論を行います。

 H18年度決算は、実質収支が一般会計で2億1,395万円黒字になったものの、普通会計では1億7,168万円(0.09%)の赤字となっています。
 H18年度決算は、実質公債費比率が24.8%で、横浜市に続き政令市2番目となり、H19年度見込みでは25.7%。その後も毎年増え続け、H22年度は27%を見込んでいます。
 千葉市が、決算で普通会計が赤字になり、実質公債費比率が25%を超える状態になってしまった原因は、第1に、政府が三位一体改革などで、交付税や国庫支出金を大幅に削減したからです。第2に、鶴岡市長が「大型開発」を優先して、多額の予算をつぎ込んできたからであります。
 鶴岡市長は就任以来、蘇我特定地区整備、中央第六地区市街地再開発、千葉駅西口地区市街地再開発、千葉中央港地区土地区画整理、新港横戸町線の大型開発5事業に莫大な予算をつぎ込み、借金を増大させてきました。
 この5つの事業で、市債を発行してきたH4年からの累計は、H19年度見込みで1,009億円ですが、H13年度は313億円でした。その後、急激に増え続け、鶴岡市長就任後の6年間で696億円も市債を増やしています。この他に、蘇我特定地区整備で債務負担行為が24億円設定されています。
 千葉市の実質収支が赤字となり、実質公債費比率が当分の間25%を超える「財政危機状況」を作り出した、千葉市としての最大の原因は5つの大型開発であり、それを進めてきた責任は鶴岡市長にある事は明白です。
 ちなみに、H18年度決算での全会計の借金元利合計残高は1兆3,148億円で、市民一人あたり144万円になっています。
 しかし、市長は「大型開発は都市の再生、雇用や税金の涵養につながる」と答弁し、財政危機を招いたことには、なんら反省をしないで、借金と財政危機のツケを市民に回そうとしています。このような対応は、認めるわけにはいきません。

 市長は、公債費負担適正化計画で第2次5か年計画を見直し、事業費を2分の1に削減する作業を進めています。また、子どもの保育や教育の視点より「行政改革」コスト削減色の強い、公立保育所を半減して民営化することや、学校適正配置実施方針などが具体化されようとしています。さらに、千葉市公共施設使用料等設定基準の概要では、公共料金の新設や値上げを新たに行うとしています。
 千葉市は今までも、財政危機を理由に建設事業などを抑制し続け、道路を維持・管理する土木事務所の主な事業費は、10年前に比べ2分の1に縮小され、減額した事業費は約40億円です。耐震診断の結果、倒壊の危険があるとされていた学校や屋内運動場、保育所の改修工事は進まず、早急な改善が望まれている古い市営住宅改修などの課題が山積みされています。
 こんな時に、第2次5か年計画の建設事業が50%もカットされたら、安全・安心の市民生活に重大な支障を来します。
 公債比負担の適正化は必要なこととしても、無駄を削ることを基本として、市民生活に必要な事業は計画通り実施すべきです。
 第2次5か年計画スタート時点には見通しがあった事業費を、2年後には2分の1に削ることになった原因をH18年度決算でみると、2年間の一般会計普通建設事業費総額、1,409億円のうちの36%、約500億円を蘇我臨海など大型開発5事業の普通建設事業費に投入しています。そのため、市民生活にかかわる計画事業が削られてきました。さらに今後3年間、市民生活に必要な事業を2分の1削るなどは許せません。
 第2次5か年計画の見直しに当たって、来年度からは大型開発5事業を思い切って抑制すること。急ぐ必要のない蘇我スポーツ公園の19年度以後の支出、約271億円の中止とモノレール延伸事業の176億円を凍結すること。第2次5か年計画のうち残事業費が10億円以上の事業、63件2,114億円は見直すことを求めます。
 そして、耐震改修など安全・安心の施策や福祉向上の事業は、削る事なく進めるべきです。

 市民生活の実態を正確に認識して、負担増などに苦しむ市民を救済することが必要です。「構造改革」によって広がった貧困と格差の中で苦しむ市民は大幅に増えています。納税義務者の中で年間所得200万円以下の市民が、9年間で53,124人増えて合計239,021人となり、構成比で56.7%にもなっている実態を示して、「納税義務者の過半数が、厳しい生活を余儀なくされている。この実態に光を当てた施策の実施を」と求めました。これに対して、市長は「いつの時代でも少なからず格差は存在する」と、市民生活の実態を見ようとしない驚くべき答弁でした。
 また、政府が強行した大増税で、2年前に比べ住民税が19倍になり、途方に暮れている人。わずかな年金から税金・介護保険料を引かれ、医者にもいけずに困っている人などを紹介し、救済を求めましたが「増税は社会共通の費用を国民全体で公平・公正に分かち合うもの」と答え、市民を生活苦追い込んだ国の政治を擁護しました。以上のことは、「構造改革」によって、市民の中に急激に広がった貧困と格差の実態を認めず、生活に困り病気で医者にも行けない市民に対して、「国民全体の公平・公正のためだから我慢しなさい」と言っているのと同じではないでしょうか。
 「住民の福祉の増進をはかる」ことが使命である、地方自治体の責務を放棄するような鶴岡市長の答弁は、許せない事であり認めるわけにはいきません。
 市長は、市民生活の実態を正確に認識するよう重ねて求めるものです。そして、緊急の対策として、所得の少ない市民への住民税の減税。国民健康保険料の一世帯平均1万円の引き下げと保険証取り上げの中止。介護保険料と利用料の減免の拡充。障害者応益負担を中止し応能負担に戻すよう国に求めるべきです。
 千葉市公共施設使用料設定基準案が「受益者負担の適正化」の名の下に、安易な使用料の引上げは、新たに負担増を強いるものであり中止すべきです。
 公共料金の徴収率の問題や納められない人への配慮についてでありますが、市営住宅家賃、国民健康保険料、給食費などの徴収率向上を図る事は当然ですが、貧困と格差の拡大の中で、納めたくても納められない市民と悪質滞納者は区別し、減免制度や就学援助などについて知らせ、親切な納付相談を実施するよう求めておきます。

 96年から2000年にかけて実施され、未公表だった学校や市立保育所の耐震診断結果の数値が明らかになりました。耐震指標の数値が低く「要改築」の指示を受けながら、長期間放置されていた施設があった事は極めて遺憾です。
 Is値が0.3未満は、震度6以上の地震で倒壊する危険が高いとされているにもかかわらず、2つの保育所の改修を長期間放置してきた理由を質したところ、「改築を要する0.3未満の施設7か所は、民営化の検討や財政事情から現在に至っている」との答弁でした。
 また、市長が診断結果を知ったのは、今年の7月だったと言うことです。このことは、子どもの命と安全よりも、行政改革による「民営化の検討」で、コスト縮減を優先させたものであり、許されないことです。さらに、10年以上も前から、保育所が地震で倒壊する危険がある実態を承知しながら、市長に知らせない危機管理体制の欠落も重大です。
 学校施設について千葉市は、神戸の震災を受けて、市有建築物の耐震診断を行ない、順次耐震工事を行っていると説明してきました。しかし、今回公表された中に、数値の低い施設が7校含まれていたことは、危険を承知しながら改修計画から外したことであり責任は重大です。
 学校屋内運動場は、災害時の避難場所になるものであり、日本共産党市議団は「耐震診断と緊急の整備」を求めてきましたが、耐震診断すらしてきませんでした。
 直ちに、全ての屋内運動場の耐震診断を行い、数値の低い順に至急対処するよう求めます。
 Is値0.3以下の保育所、学校施設については、直ちに緊急・応急対策を実施し、速やかな改修を求めるとともに、Is値0.3以上0.6以下についても、計画を前倒しすべきです。そして、改修工事に際しては、子どもの保育や教育を最優先し、保護者との合意に基づいて行うべきです。

 その1は、財政局・市税徴収率についてです。
 滞納税繰越額を改ざんし徴収率を公表していた事件は、納税への信頼を失墜させました。個別外部監査の指摘を受けて、H16年度決算の徴収率は88.3%に修正されています。それが、H18年度決算では90.3%になっていて、2年間で2%の伸びとなっています。さらに、H19年度決算見込みでは92.1%になると説明されました。滞納税繰越額改ざん事件は、市当局が実施したわけですが、併せてその予算・決算を議決してきた議会も責任が問われる問題です。
 決算分科会での質問に、「徴収率が引き上がる根拠は間違いない」と答えましたが、「滞納税繰越額改ざんは、だれが・いつ・何のために指示した事件なのか、今だに解明されていないが、その後の調査はどうなっているのか」との質問には、「調査は打ち切った」との答弁でした。市民は納得していません。第3者機関を設置して、事件の真相を解明するよう求めておきます。
 公契約についてですが、平成18年度における工事案件604件中217件が、落札率95%ということが明らかになり、最高でも98.40%の落札率です。落札率95%以上は談合の疑いがあると指摘されていることから、入札の透明性・競争性あるものにすることが求められます。
 18年度の官公需発注の割合は、75億9千万円のうち中小企業向契約実績は47億9千万円で63.1%です。地元業者支援のためにも地元業者への発注数を増やすことを求めます。

 その2は、総務行政についてです。
 「千葉市行政改革大綱」と同推進計画は、効率化、コスト削減、民営化など「構造改革」路線を基本としていて、市民サービスの低下や市民に負担を強いる計画となっています。これを改めて、大型開発などのムダを省き、効率的な行政を行うよう求めます。

 その3は、企画調整についてです。
 総合交通ビジョンについては、鉄道、モノレール、バスとともにコミュニティバスの運行を増やすことと、自転車の利用を広げていくことが必要です。そして、通勤通学対策と共に高齢者など在宅市民の社会参加を推進する視点を重視していくことが必要です。

 その4は、市民行政についてです。
 千葉市国民保護計画が策定されましたが、パブリックコメントで寄せられた意見は8通でした。市民の声が8通しか届かない意見集約の方法自体が問題です。そして、わずかな市民の声や意見でしたが、計画に反映されたものはゼロであり、計画案に批判的意見は、すべて切り捨てています。こんなやり方で、有事を想定した市民の平和と安全にかかわる計画を決定する理由はなんでしょうか。
 それは、千葉市国民保護計画の背景にある「国民保護法」や「武力攻撃事態法」が、アメリカの行う戦争に地方自治体と住民を協力させるものであり、その実施には基本的人権や国民の自由を制限する規定があることを市民に知らせないまま、計画を策定するためだったと言えます。憲法や地方自治法に抵触する「千葉市国民保護計画」の凍結を求めるものです。
 雇用対策では、就職相談室と無料職業紹介所は、雇用保険の手続き、労働条件・賃金等の相談が寄せられ、市民のための労働相談の役割はとりわけ大きな比重を占めています。職業紹介はすぐに成果としてむすびつかないが、若者の雇用対策を含めた市民の雇用促進の拡充をはじめ、他の部局とも連携し、いっそうの雇用促進事業の充実を求めます。
 区役所窓口の休日開庁と平日の時間延長は、市民の願いであり、時代の流れとなっていますので、早急な実現を求めておきます。

 その5は、保健福祉行政についてです。
 高齢者虐待では、「3件の通報があったが、いずれも虐待とは確認できなかった」とのことでした。孤独死対策では、公営住宅で29件の該当するケースがあったとのことです。痛ましいかぎりですが、虐待や孤独死問題は様々なケースを通じて、関係者が真剣に取り組まれています。こうした実例から学び、未然防止に向けての配慮を求めます。
 両市立病院の経営は厳しいものがあります。公的な病院として、不採算医療を担わなければならない使命があります。
 現在、小児科・産科は特に厳しい状況が続いています。市民の命を守るセンターとしての役割を果たすことが強く求められます。また、ジェネリック薬品の利用を増やして、市民負担を軽減すべきです。
 市民には、2次救急などが果たす両市立病院の実績などを示し、赤字解消のためには、市民の理解を得て改革を進めるべきです。今日、どこの自治体も病院経営には多大な予算を投入しています。単に経営の視点からではなく、市民の命と健康を守る立場からの改革を求めるものです。
 後期高齢者医療制度が、差別医療だとして問題になっています。医療費の削減を狙い、これまでの自治体健診から特定健診に変わり、メタボリック症候群と糖尿病の予防に特化される健診となります。自治体健診は、これまで以上に健診内容を充実するよう求めます。
 さらに、75歳以上の1,300万人で新しい医療保険が設立されます。「高齢者の身体の特徴に応じた医療を提供する」との名目で、「高齢者の病気はそう簡単には治らないから、そこそこの医療で我慢してもらおう」というものです。
 そして、75歳以上の高齢者がこれだけ負担しているのだから、現役世代ももっと負担をすべきだと、更なる負担増が予想されています。
 年齢区分で医療に差をつけることは、世界で例のない冷酷なことです。後期高齢者医療の導入は凍結・見直すよう国に求めるべきです。
 国民健康保険についてですが、政令市の中で、千葉市の滞納者における資格証明書発行割合が40.8%と、最も高いことが大きな問題になっています。これまで繰り返し、機械的な資格証明書の発行はやめるよう求め、質問や条例提案などを行ってきました。
 「公平を保つために」と、資格証明書の発行を当然のこととしている市政は、認められません。
 乳幼児医療費助成は、昨年8月から就学前までの無料化が実現し、子育て世代への直接の支援として喜ばれています。さらに、200円の窓口手数料の廃止と合わせて、小学校卒業まで助成対象を拡充することを求めます。
 公立保育所の半分を民営化する計画は中止して、千葉市が保育に責任を持つべきです。

 その6は、環境行政についてです。
 ごみの減量については、3清掃工場から2工場体制への移行は時代の流れです。古紙のステーション回収の開始などは評価できますが、ごみの3分の1減量化は、安易な有料化では発生抑制にはなりません。先進市に学び、廃プラスチックや家庭ごみの徹底した分別収集を市民の協力を得て行うべきです。
 また、自然エネルギーの取り組みも引き続き強化するよう求めます。

 その7は、水道事業についてです。
 千葉市は水利権確保のために、霞ヶ浦や房総導水事業に対して約187億4,000万円の負担を行っていますが、厳密な水使用量の将来需要予測を行うことなく、水源を確保するための多額の負担は問題です。
 命にかかわる水道事業については、多くの関係者の参加のもとに、将来ビジョンを確立するよう強く求めます。

 その8は、経済農政についてです。
 幕張メッセの負担金として、千葉県に毎年6億8,000万円も支出していますが、千葉市の財政状況からみて、義務のない負担でありキッパリと拒否すべきです。
 千葉市農業の発展のためにも、一定規模農家だけを保護し、4ヘクタール以下の農家は切り捨てる、農政改革法は中止するよう国に求めるべきです。
 安全・安心の「千葉市野菜」を奨励すべきです。消費者に、安全で安心な地元農産物の供給をはかり、農業を活性化するよう求めます。

 その9は、都市行政についてです。
 格差社会が深刻化し、安心して入居できる市営住宅の役割は、ますます重要になってきています。ところが千葉市では、市営住宅の募集戸数に対して平均倍率は24倍で、のべ6,600人のうちの275人しか入居できず、6年半近くで38回抽選しても入れない状況です。一刻も早く、市営住宅の戸数を増やし、住宅に困窮する市民が入居できるよう対策を図るべきです。
 千葉駅西口地区市街地再開発は、事業開始から19年間、544億円を投入しましたが、未だ空地がひろがっている状況です。千葉市が買収した用地は10,263u、買収費用は373億円に対して、時価は48億円との答弁がありました。差額は325億円であり、多額の損失を与えていることは明らかです。
 宅地開発の規制緩和で、駅から1km以内の市街化調整区域の開発が可能になったことにより、8月末までで46件472戸の開発が行なわれています。その結果、緑地が減り、周辺の住環境の悪化が起こり、議会への陳情も出されました。今後の開発許可にあたり、問題が生じないように指導することを求めます。
 市民住宅の耐震診断と耐震改修については、多数の議員から質問がありました。新潟中越沖地震などでは、耐震改修をしていた家屋、していなかった家屋とでは、倒壊などに格差があったと報告されています。18年度決算の実績では、耐震診断44戸、耐震改修14戸です。制度の利用率を高めるため構造評点を下げることや、周知の徹底を図ることが必要です。

 その10は、建設行政についてです。
 市内の12駅に、放置自転車対応の指導員が配置されていますが、指導員の増員と放置自転車の撤去回数を増やし、空きがある駐輪場は無料にするなど、効果的な自転車対策が求められます。光化学スモッグなど環境への影響も懸念される車社会を見直し、健康面でも優れた自転車施策の充実が求められています。
 18年度の土木事務所事業費決算額が約62億円に対して、平成14年度決算額は約81億円であり、5年間で20億円近くが減額されています。第2次5か年計画で、土木事務所の事業費が2分の1カットされたら、道路の維持管理をおこなえず、市民の安全安心を守れなくなります。事業費のカットではなく増額を求めておきます。

 その11は、下水道事業についてです。
 下水道事業会計の債務が2,767億円にもなっています。この間、繰上げ償還を行い6,900万円の利息分を軽減したことは評価します。
 限られた中での繰上げ償還ではありますが、引き続き、市民負担の軽減のために最大の努力を行うよう求めておきます。
 昨年、下水道使用の基本料金が10立方メートルから1立方メートルに下げられました。わが党は、平成17年2月議会で、使用量が少ない場合の基本料金を引き下げる条例を提案しましたが、一歩前進したものです。しかし一方で、基本料金以上の使用料が値上げとなり、全体では市民負担が増えたことは問題です。

 その12は、消防行政についてです。
 消防団員が全体として不足する状況のもとで、現在、793名中153名が女性団員です。きめ細かな配慮を行い、被災者をケアするには女性消防団員の役割は重要です。そのためには、多くの女性が参加できるよう、子育て支援の環境を整えるなどの工夫が必要です。また、機材置場にトイレや流しなどを整備するよう求めます。

 最後は、教育行政についてです。
 パワーハラスメントが原因で、教師が自殺する深刻な問題がおきました。「再発防止へ風通しを良くする」という答弁では不十分です。教育委員会の徹底した公開と、地域に開かれた学校をつくることが求められています。
 学校の芝生化についても消極的な対応でした。強制ではなく、自主的に芝生化を希望する学校から、まず進めるべきです。そして、自主的な管理を求めつつ、管理の基本は教育委員会が行うようにすべきではないでしょうか。こうした取り組みの中で、子どもたちの自然への興味がわき、環境教育にもなるのではないでしょうか。
 また、教室へのエアコン設置も時代の流れであり、設置を急ぐべきです。
 中高一貫教育については、市内すべての学校を同様の教育環境にすべきであり、特定の学校だけに特別の教育を実施することには疑問を感じます。
 「多様な教育」との名の下に行う中高一貫教育は、「人格の完成」をめざす本来の教育理念とは、離れているのではないでしょうか。
 学校適正配置として、小・中学校を対象にした小規模校の統廃合計画は、「経済効率を優先するものではない」とのことですが、今教育に望まれているのは、一人ひとりの子どもに行き届いた教育を行うことであり、1クラスの人数を減らし、教員を増やすなどの教育環境を整備することではないでしょうか。地域のコミュニティの場でもある学校の統廃合は、学校関係者はもちろん、地域住民の意見を充分に聞いて、進めることを求めておきます。

 以上、申し上げ討論を終わります。