小関としゆき議員の一般質問

2007.9.27

写真 日本共産党千葉市議団の小関としゆきです。通告にしたがい一般質問を行います。

1、公共建築物の安全対策について

 6月18日に、稲毛区柏台小学校で鉄筋コンクリート造り4階建て校舎(1977年建築)の、4階外壁表面のモルタル4センチ四方、厚さ5ミリ程度が剥離落下し、下校中の4年生男子の頭部に当り、頭部を5ミリ程度負傷する事故が発生しました。幸にも、切り傷の他に異状はなかったようです。
 日本共産党市議団は直ちに、教育長に対して全市立学校施設の点検と安全対策を申し入れました。その後、緊急調査が行なわれ、全校舎を点検し、危険箇所を夏休み中に改修したとのことです。
 また、アメリカではミシシッピー川に架かる橋が突然崩落し、車両50台以上が巻き込まれ、死者12人、行方不明1人という大惨事になりました。この事故で「アメリカの老朽化した橋に対する安全対策の遅れが浮き彫りになった」と指摘されています。台風9号による神奈川県の十文字橋の一部落下もありました。
 私は、99年の第4回定例会で、千葉市内の学校や鉄道・道路等の橋やトンネルなど公共建築物のコンクリート劣化による落下の危険性を指摘し、安全対策を求めましたが、残念ながら柏台小学校で危惧されていた事故が起きてしまいました。
 コンクリート構造物の耐用年数は60年から65年、橋脚で50年と定められています。コンクリートの落下や劣化の原因は、セメントに含まれるアルカリ分と、骨材に混ぜられた砂・砂利の中にある鉱物とが化学反応を起こして珪酸ソーダとなり、この珪酸ソーダがコンクリートのひび割れを引き起こすとされています。そこでうかがいます。
 第1は、99年の私の質問で、コンクリート落下などの調査を計画的に実施してきたとのことですが、その後どのような調査を行なって来たのか。今回、発生した柏台小学校のような危険な建築物は十分調査されてきたのでしょうか。
 第2は、安全確保のため必要に応じて迅速な修繕等を行うということでした。私の見た施設では、数多くコンクリートが落下した形跡がありました。どんな対応が行われてきたのか。
 第3は、各施設についてうかがいます。
 その1は、学校についてです。
 国土交通省告示第184号・耐震指標値(IS値)の評価では、地震の振動及び衝撃に対して、「0.3未満は倒壊又は崩壊する危険性が高い」「0.6未満から0.3以上は倒壊し又は崩壊する危険性がある」とされました。教育委員会は、これに基づいて調査したとのことです。うかがいますが、
 1に、IS値0.3未満の学校は、小学校3校5棟、中学校1校2棟ありますが、この学校は倒壊又は崩壊する危険性の高い学校です。これらの学校の改修繕計画は待ったなしです。この改修繕はどこまで進んだのでしょうか。
 2に、現場を確認して、「爆裂等あり」が115校でしたが、修繕必要確認済みが71校です。残り44校は、なぜ修繕が必要ないのでしょうか。
 3に、0.6未満から0.3以上でも、地震がなくてもコンクリート落下は鉄筋の腐食で発生します。今回の柏台小学校や花見川第2中学校では、生徒の通る場所の上部から長さ70センチ、太さ10センチ程のコンクリートが落下していました。このようなコンクリートが剥がれ落ちた学校は、私が見て回ったところでも何箇所かありました。専門家は、1960年から1985年頃までに建てられた建築物に、コンクリート落下の危険性があると指摘しています。千葉市には、1960年から1985年頃に建築された学校が159校ありますが、この学校に対する安全対策は万全にすべきです。お答えください。
 4に、学校体育館についてです。IS値0.3未満が4施設、0.3以上0.6未満が1施設あり、この体育館は耐震診断が行われ、改修繕が必要なのに建て替えで対応するとしていますが、これで安全だと考えているのでしょうか。
 5に、IS値0.3以上0.6未満の学校は110校、187棟あります。この学校の安全対策はどのように計画されているのか。生徒や職員の安全を守るために、計画を前倒しして早急な対策を取るべきです。
 つぎに、市営住宅についてうかがいます。
 私は、老朽化した若葉区の千城台第4団地と美浜区の高浜第4団地を見てきました。千城台第4団地2階建ての住宅は、2階からの水はけが悪く、コンクリートの継ぎ目に水が溜り、そこの劣化が見られました。高浜第4団地では、鉄筋のサビによりコンクリートが剥離落下していました。これらの安全対策は、耐震診断・改修も含めてどのようになっているでしょうか。 

 つぎは、その他の公共建築物についてです。

 蘇我コミュニティセンター、公園体育館、美浜区の磯浜大橋、美浜区高洲の都市再生機構(元公団住宅)など、コンクリート落下や橋の欄干付け根部分の亀裂などが見られました。これらに対する調査が行なわれたのか、また安全対策はどのようにされているのか。

2、住宅施策について

 第1は、市営住宅についてです。
 市営住宅の改善については、毎回のように議会で新築・建替え・修繕などの要望が出されています。特に最近は、住民税の大増税や社会保障の切捨て、年金給付の引き下げなどによって格差と貧困が広がるもとで、市営住宅への入居希望者が増えているにもかかわらず、なかなか入れないのが実態です。今年の入居競争平均倍率は、1期分29.7倍、2期分23.7倍、3期分26.9倍となっています。
 千葉市の市営住宅施策は、マスタープランからどんどん後退しています。2015年までに9,000戸にする計画ですが、現在の進捗状況では到底達成することはできません。住宅困窮者の願いに応える上でも、新築・建替え・改修繕で2015年までに9,000戸にする計画に戻し、整備するよう求め、以下質問します。
 1は、第2次5か年計画により宮野木第1団地の第1期建替え工事が行われています。ここは地盤が極めて軟弱です。どんな対策が講じられたのか。また、身障者・高齢者向け住宅を増やすよう求めてきました。6月議会の都市消防委員会では、他会派からも要望が出されていました。検討はされたのでしょうか。第2期工事計画はどのようになっているのでしょうか。
 2は、桜木町団地が第2次5か年計画で50戸の実施設計が計画されています。その計画では、いつまでに建替えられるのか。
 3は、轟町第3・第4団地と園生町第1団地の建替え計画が諸事情により、実施できなくなったとのことでした。昨年の第3回定例会では、「建替えにより戸数の確保に努める」とのことでした。今までの市営住宅の跡地を放置しておいて、どのように戸数を確保しようとしているのかうかがいます。
 4は、老朽化して空き家になっている住戸改善は、第2次5か年計画では、高齢者向けはわずか150戸です。これでは、市営住宅に入りたいという市民の願いには、とても応えられません。長期空き家の改修繕には、計画の前倒しなど予算をもっと増やす抜本策が必要ではないでしょうか。
 5は、市営住宅施策に対する第2次5か年計画の見直しは、どのように行われようとしているのか。見直して後退するようなことがあってはなりません。市民要望に応え、新築・建替え・改修繕は計画通り確実に実施すべきです。
 6は、空き家になっている県職員住宅、NTT社宅などの買い取りや借り上げについて、調査・検討するとのことでした。この問題については、どのように対応しているのでしょうか。
 7は、公共住宅でのペット飼育についてうかがいます。
 最近、ペットの飼育が可能なマンションなど集合住宅が増えていますが、公営住宅では「ペット飼育」でトラブルが発生している団地もあります。
 長年、自宅で猫を飼ってきた70代女性のAさんは、夫に先立たれ一人暮らしです。足が悪くなかなか外出できないため、「猫だけが友達」といっています。
 いまペットと暮らすことによって、安らぎや喜びを感じている世帯が増えています。神戸市では、試験的に市営住宅でペットの飼育可能住宅を設定しています。適切に飼育し、他人に迷惑をかけず、ともに楽しい共同生活を営むことを目的としています。飼い主としてのマナーを守りながら、ペットを精神的な支えにしようとするものです。
 1に、市営住宅でペットを飼育させてほしいとの要望はないでしょうか。
 2に、神戸市のように、ペット飼育住宅を千葉市でも取り入れることを考えてはどうか。

 第2は、都市再生機構についてです。
 今議会に、わが党と自民党から意見書が提出されています。都市再生機構が、現在の77万戸では「規模は過大」だと決め付け、2008年までに「削減計画を明確にする」結論を得て、措置するとしています。
 計画では、都市再生機構の賃貸住宅77万戸を20万戸削減する。対象は、全国の約600団地であり、全体の26%相当を削減するものです。これは、規制改革推進のための3か年計画で、6月22日に閣議決定されたものです。
 高齢者のみなさんは「公共の住宅だから安心して暮せると考えていたし、建替えの計画もあったので、引きつづきすみ続けられると思っていたのに」とか、「地域のコミュニティを壊して、住まいの安心を奪う機構のやり方は許しがたい」など、全国公団住宅自治会協議会は、「公団住宅売却・削減防止運動本部」を立ち上げて反対していく方針です。そこでうかがいます。
 1に、当面、千葉市内の削減計画はありませんが、この都市再生機構の削減計画にどのような認識を持っているのでしょうか。
 2に、今後の問題として、仮に千葉市内の削減計画が出てきた場合、どのような対応を考えているのか。
 3に、都市再生機構から地方公共団体に対し、譲渡するため協議するようなこともあるようだが、千葉市にはそのような連絡はないのか。

3、コミュニティバスについて

 近年、路線バスが採算性の理由から、地域住民に説明することなく本数の削減や廃止などを行い、車のない高齢者や障害者の足が奪われています。
 千葉市では1998年にバス路線のなかった若葉区に、千葉市初のコミュニティバスである「さらしなバス」が運行されました。その後、同じ若葉区に「おまごバス」が運行され、交通手段のない地域の高齢者や障害者の移動に重要な役割を果たしています。今後も若葉区では「ローズタウンバス」の計画もありますが、さらに市民の利便性を図るため、以下うかがいます。
 1に、総合交通ビジョンが現在作成中ですが、バス対応方針でコミュニティバスについての考え方をうかがいます。
 2に、いま運行されている「さらしなバス」「おまごバス」、予定の「ローズタウンバス」以外で、地域からの要望はないのか。あるなら、どの地域からの要望か。それに対する計画はどうか。
 3に、以前、わが党が求めてきた、幕張西地域から公共施設を結ぶ運行を求めてきましたが、その後の計画はどうなっているでしょうか。

4、交通安全対策について

 この間、稲毛区柏台小学校前に手押し式信号機が設置されることになりました。私どもが、地域や柏台小学校関係者のみなさんと一緒に要望してきたもので、ご尽力いただいた関係者に感謝申し上げます。さらなる安全対策がすすむよう願い伺います。
 第1は、信号機の設置についてです。
 場所は、稲毛区長沼町252−2ピュアステーション稲毛長沼店前の五差路交差点です。ここは、宮野木・園生町方面から16号への抜け道になっていて交通量の非常に多い交差点で、朝・夕の通勤時間と土・日のダイエー利用者の車で大渋滞となります。現在、この交差点の改良工事が実施されているようですが、信号機の設置は計画されているのでしょうか。
 第2は、障害者の交通安全対策についてです。
 「高齢者・障害者等の移動等の円滑化促進に関する法律」新バリアフリー法が、2006年秋に施行されました。この法律は、高齢者や障害者だけでなく、生活環境から障害を受けている人全てが対象者となります。
 この考え方を基にして、建物だけ、交通機関だけと分けて考えられてきたものを一体的なものとし、建物・道路・交通機関などを一まとまりとして整備することができるようになりました。
 しかし、必ずしもバリアフリー法だけでは、整備されない地域格差も生じており、高齢者・障害者が不便をきたしているのではないでしょうか。そこでうかがいます。
 1に、今年5月に地域公共交通の活性化及び再生に関する法律が成立しました。この法律に基づいて、千葉市は公共交通に対して,どのように考えているでしょうか。
 2に、障害者の要望についてです。
 先日、障害者の方からの訴えがありました。視覚障害者がバス停を認識できるよう、バス停へ点字ブロックを設置してほしい。スポーツセンター駅バス停で行われているように、行き先・経由などを車外案内してほしい。モノレールのホームでも行き先を放送で案内してほしい。JR稲毛駅東口のファーストキッチン前、多田屋書店前の横断歩道にエスコートゾーンを設置してほしい。JR千葉駅前ロータリーに障害者送迎用乗降スペースを確保してほしい。モノレール千葉駅のJR正面前にエレベーターを設置してほしい。運行時間表にノンステップバスかどうかを表示し、ホームページにも載せてほしい。障害者から歩道や施設の不都合箇所の通報や改善要望を受け付ける「窓口」を設置すること。これらの要望は、障害者が移動のため安心して交通機関を利用する上での切実な声です。千葉市として、バスや電車・モノレールなど公共交通のバリアフリー化対策を進める上で、どのように反映し応えていくのかお答えください。

<2回目>

1、公共建築物の安全対策について

 公共建築物でコンクリートが剥離落下している施設は学校、市営住宅、コミュニティセンター、元公団住宅など多くあることを示し、その安全対策を求めました。
 定期的に点検を行なって来たとの答弁でした。しかし、現に事故が発生したわけです。これは点検に問題があったのではないですか。そこで伺います。
 第1は、学校施設について伺います。
 1つは、学校施設の安全点検を職員が定期訪問するとともに、各学校月1回の安全点検し、落下物をチェックし、専門業者の定期点検を充実させるとしていますが、安全点検は、すべての学校を専門業者に点検させるべきです。見解を伺います。
 2つは、危険な建築物への対応で、外壁落下などの危険性を伴うものは最優先で、修繕にあたっていくのは当然です。しかし、IS値0.3以上0.6未満はまだ187棟残っています。柏台小学校のような事故は二度と発生させてはなりません。本年度末までに策定する「耐震改修促進計画」で検討するとしていますが、「促進計画」を待たずに進めるべきです。
 3つは、IS値0.3未満の緑町小学校についてです。この学校は、IS値0.15〜0.26と最も老朽化が進んでいて、雨漏りもひどい校舎です。にもかかわらず、改築計画は2009年度に実施設計、工事完了は2012年度になる計画です。
 この学校は、関係者から改修繕の要請が出されていましたが、その計画が遅れています。これでは、安全対策を怠っているといわざるを得ません。早急な改築を実施すべきです。
 4つは、学校体育館についてです。災害時の避難場所になる、その場所が安全性に問題があってはなりません。今まで、改築で対応するとしていましたが、「耐震補強も含めて検討する」というのは一歩前進した答弁ですが、具体的な耐震補強計画を持って進めるべきです。
 第2は、市営住宅の安全対策についてです。
 「中層住宅は耐震診断で耐震性を確認している」とのことですが、築40年以上の木造平屋建てが、居待屋、桜木町、園生第1、宮野木第1・第2、大宮町第1にありますが、そこに入居している方もいます。この木造住宅の耐震診断は行われたのでしょうか。安全対策は大丈夫なのかお答えください。

2、住宅施策について

 第1は、市営住宅への入居希望者にどう応えるかについてですが、今年に入っての入居競争倍率は約27倍です。「毎回申請するが当たらない。どうしてか」との苦情や問い合わせが寄せられるのは、私のところばかりではないと思います。
 この要因は、マスタープランに基づいた改修繕、建替え、新築の計画が進んでいないことにあります。
 1つに、桜木町団地は第2次5か年計画では、50戸の実施計画です。しかし、「建替え時期は未定」とのことです。実施計画に5年もかける。そして、建替え時期は未定。これでは「市営住宅に入居したい」という希望者は納得しません。第2次5か年計画内に建替える計画にすべきです。
 2つに、園生町第1団地は、宮野木町第1団地と統廃合し、園生町第1団地を廃止する計画だということですが、これでは市営住宅の戸数を増やすことはできません。今まであった団地を活用してこそ戸数を増やすことができるのではないでしょうか。
 3つに、空き家になっている県職員住宅やNTT社宅などの買取や借り上げは、「市営住宅の建替えを重点的に進めているので困難」といっていますが、建て替えなどが計画通り進んでいないから、買取りや買い上げを提案しているのです。再度見解をうかがいます。
 4つは、第2次5か年計画についてですが、現在見直しを検討中とのことですが、市民の「市営住宅に入りたい」との願いを後退させてはなりません。見直すのであれば、市民の要望に応え戸数を増やす計画に見直すべきです。
 第2は、都市再生機構(旧公団住宅)についてです。
 現在の入居者は、大変な不安を持っています。そこをしっかり受け止め、「削減計画が出された場合は適切に対応する」としていますが、居住者の要望に応えた対応をすべきです。

3、コミュニティバスについて

 現在、市民からの要望は6件あるとのことでした。これは、乗り合いバスの退出もあった「交通不便地域」です。代替交通としてコミュニティバスを求めているわけですから、その導入に着手すべきです。

4、交通安全対策について

 第1は、信号機の設置についてです。
 長沼町252−2ピュアステーション稲毛長沼店前に信号機の設置を求めましたが、いとも簡単に「設置の計画はありません」との答弁でした。
 ここの交通量の実態を調査してほしいと思います。今、交差点改良工事を行っているわけですから、この工事と合わせて行えば、工事費を軽減できると思います。「計画はありません」などと他人事のような答弁ではなく、市民の立場に立った考え方で県公安委員会に要請すべきです。
 第2は、障害者の交通安全対策についてです。
 障害者のみなさんから出された8項目の要望は、総合交通ビジョン、また公共交通活性化法にもうたわれている「移動の足の確保」、「どこでも、だれでも、自由に使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方の実現です。
 今までのように「事業者に伝える」という消極的な姿勢ではなく、行政から積極的に働きかけ、その実現に努力するのが法の主旨ではないでしょうか。お答えください。