小関としゆき議員の反対討論

2007.12.17

写真 会派を代表して、提案されました議案167号に反対するとともに、発議16号と17号が否決されたこと。請願10号が不採択になったことへの討論を行います。

 まず、議案第167号・工事請負契約についてです。
 この事業は、千葉市営住宅宮野木第1団地B・C工区の建替えですが、私どもは議会の度に、市営住宅の建替え・改修を求めてまいりました。宮野木第1団地の建替えは評価します。しかし、予定価格6億4,485万7千円、落札率97.54%と極めて高い落札率です。
 一般的に、落札率90%以上は「談合の疑いがある」といわれています。この落札も談合による入札ではないのかと、疑問を持たざるを得ません。
 さらに、入札には6つの共同事業体が参加しましたが、その内の1社は自ら辞退し、1社は失格となるなど不自然です。2007年6月に契約されたA工区も92.11%と高率でした。これらを合わせて考えると、こうした高い落札率の工事請負契約は、市民の理解は得られないものと考えます。
 また、この工事では基準値を超える六価クロムが検出されました。10月11日には、基準値を超えていたことがわかっていたにもかかわらず、議会に報告されなかったことは、議会軽視といわざるを得ません。いま、近隣住民に大変な不安をもたらしています。徹底した調査と早急な対策を強く求めておきます。

 つぎに、発議16号・母子等の家庭の医療費助成に関する条例の一部改正についてです。
 この医療費助成制度は1989年に開始され、母子家庭・父子家庭世帯関係者から大変喜ばれていることを提案理由で申し上げました。しかし、現行の償還払いでは、申請が煩雑であり、仕事の都合や経済的事情など困難をかかえる家庭であることから、役所まで出かける時間や費用は大きな負担となります。「現物給付にしてほしい」との願いは、制度発足以来の利用者からの悲願です。その願いに背を向けて、否決されたことは遺憾であります。

 つぎに、発議17号・心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部改正についてです。
 私どもは、この制度も発足以来、現物給付を求めてきました。また、障害者団体からも「早急に、償還払いから現物給付に」との願いが寄せられています。
 すでに、政令市17市中12市では、母子・父子家庭や心身障害者の「窓口無料化」が実施されています。1日も早く、障害者が安心して医療を受けられるよう条例を提案しましたが、賛成したのは市民ネットワークと無所属の委員だけで、「趣旨には賛成」といいながら「千葉県で統一すべきだ」との理由で、自民・民主・公明・新政ちばが反対し、否決されたことは極めて遺憾であります。
 なお、千葉市は平成7年より、千葉県に申入れを行っているとのことですが、さらに強力な働きかけを求めておきます。

 つぎは、請願第10号・「いつでも誰もが安心して医療を受けられるよう国保資格証明書発行の中止を求める請願」についてです。
 国保料が高すぎるため「払いたくても払えない」人達から保険証を取上げ、病院の窓口で医療費の全額を払う「資格証明書」を交付していることで、医療費を気にして受診できず、手遅れとなって死亡する事例も起きています。
 資格証明書該当者の受診率は、被保険者証交付者の260分の1という驚くべき実態も明らかにされており、まさに生命が脅かされる状況となっています。
 千葉市の資格証明書の発行率が、全国最悪の8.7%だとマスコミにも取上げられる事態は、住民の福祉の増進を図るべき自治体の役割から見て、異常だといわざるを得ません。
 資格証明書の発行は、現物給付を主旨とする国民健康法36条に反するものであり、社会保障制度としての国民健康保険制度を守り、市民だれもが安心して医療が受けられるようにと願う請願でしたが、議論らしい議論もなく不採択となったことは遺憾であります。

 最後に、今議会で保育所問題が議論され、市民の大きな関心を集めています。そこで、陳情第11号・「千葉市のすべての子どもたちにゆきとどいた保育を求める陳情」について、ひとこと意見を申し上げます。
 千葉市は財政難を理由に、現在60か所ある公立保育所の半数を民営化する方針を打ち出しました。実施したパブリックコメントには、912件もの意見が寄せられ、「保育は市が責任を持って行なうべきであり、公立保育所を充実してほしい」「民営化で保育の質が低下するので」などの不安や疑問が多く出され、批判的な意見が多数を占めています。
 この間、「千葉市の保育をよくする会」のみなさんが、市内の保育所に子どもを預けている保護者の方々に、民営化の動きについてお知らせした所、「今なぜ、民営化なのか」「民営化で保育所はどう変わるのか」など、やはり不安や疑問の声が寄せられたといいます。この度の陳情には、保護者のみなさんが心配し、「公立保育所を守りたい」との思い、約15,000人分の署名が添えられたものでした。
 保護者や市民の願いである陳情が不採択となったことは、大変遺憾であることも申し上げて、会派を代表しての討論を終わります。