佐々木ゆうき議員の一般質問

2007.12.10

写真 日本共産党千葉市議団の佐々木ゆうきです。通告に従い、一般質問を行ないます。

1、平和行政について

 まずはじめに、平和行政についてです。

 私は、「核兵器のない世界と非核平和の日本を」と、この目標の実現をめざして毎年広島と長崎で開かれる原水爆禁止世界大会に、大学生の時から参加をしてきました。今年の世界大会も参加者の6割が20〜30代の若い世代で占められ、「被爆者が生きているうちに核兵器をなくしたい」という思いを共有し、発信していく大会にもなりました。

 今もなお世界には約27,000発もの核兵器が存在し、その多くがいつでも使用できるようになっています。これは、「核兵器を生きているうちになくしたい」「もうこれ以上被爆者をつくらせない」と願う被爆者や多くの市民の思いに反するものです。

 日本に初めて原爆が落とされてから62年経った今でも、約26万人の被爆者が、原爆によって心身ともに苦しめられています。

 また、千葉市は2度の空襲により、多くの死傷者、被災者を出しています。被災者と被爆者の平均年齢は70歳をこえています。戦争や核兵器の恐ろしさを知らない私たち若い世代が、平和を受け継いでいくことを真剣に考えなければならない時期にあるのではないかと思います。

 そこで、平和行政の1つ目として、平和都市宣言についてです。

 千葉市は、平成元年2月28日に、平和都市宣言をおこなっています。平和都市宣言を、どれだけの市民が知っているでしょうか。市民が直接、目に触れるものでは、千葉市役所のロビー、京成千葉中央駅の平和都市宣言記念像、千葉駅地下道のモニュメントだけです。市政だよりに掲載された平和都市宣言は、最近では、終戦から60周年を迎えた年、平成17年7月1日付のみで平成18年、19年と市政だよりに載ることはありませんでした。平成14年から平成16年の間も掲載はされていません。

 千葉市は、7月7日の七夕空襲によって、多大な被害をうけています。千葉市にも戦争があったことを風化させないためにも、市民が日常的に平和への関心や意識をもってもらうように行政としての努力が求められていると思います。

 今年、政令市になった新潟市では、非核・平和都市宣言をおこなっています。非核・平和都市宣言を表したプレートを、平成17年と18年にわたって新潟市内に264ヶ所設置しております。こうした努力が必要だと考えますが、そこでうかがいます。

 1つは、市役所前および千葉駅前に平和都市宣言の宣言塔を設置してはどうですか。千葉駅前バスロータリー内の、花の都ちばと書かれた場所に、一緒に設置してはどうですか。

 2つは、京成千葉中央駅の平和都市宣言記念像ですが、私が直接見に行った時、何の像なのかわからない状態で、車の往来も激しく近くで見るのは危険です。設置場所の変更や、表示の改善をしてはいかがでしょうか。

 3つは、新潟市と同様に、各区役所や公民館、図書館、学校施設等に、平和都市宣言を記したプレートを設置または掲示してはいかがでしょうか。

 以上、お答えください。

 次に、平和を語り継ぐ問題と平和啓発事業についてです。

 平和を語り継ぐ問題は、待ったなしの課題です。私は質問に先立ち、市内にいる被爆者と戦争被害者の話を聞いてきました。

 9歳の時に長崎市で被爆し、現在は花見川区に住んでいるIさんは、疎開先で、閃光とともに爆風が襲い、被爆しました。長崎市の中心街から逃げてくる人たち、焼けただれた人たちの皮膚の感触が今でもトラウマ、被爆者というだけで差別され、また、被爆者は放射線による病気がいつ発症するかわからない中で苦しんでいると語ります。これが被爆者の実態です。

 私の大先輩である元市議会議員の千葉みち子さんから、当時の千葉空襲の体験を聞いてきました。焼夷弾が家々を焼き尽くし、黒焦げになった遺体が、崩れた家や道路に横たわり、都川は焼夷弾で火傷した体で、水を求めて、そして亡くなった人たちの死体が折り重なっていた光景は、まさに地獄絵です。62年前の7月7日の空襲は、私の記憶から生涯消えることはありませんと語っています。

 鶴岡市長も戦争体験をされていると伺っております。「あの悲惨な戦争を二度と繰り返してはならない、平和の尊さを知ってひろげてもらいたい」、この願いは鶴岡市長をはじめ、戦争を体験した方、遺族の方々は思い続けていると思います。

 若い世代はどうでしょうか。私は、夏に、千葉県の若者と一緒に、広島と長崎に行くピースバスチバというバスツアーの企画に取り組んできました。そこに参加した千葉市の青年の声を紹介します。

 原水爆禁止世界大会は、初めての参加でしたが、自分にとって大きな経験になりました。被爆体験を聞いているうちに、当時の惨状を体験したかのような錯覚がしました。戦争は人の自由や生活を奪っていくもの、世界からなくさなければならないものです。自分なりの平和を守る努力をしていきたい。

 こういう感想が出されています。直接目で見て、体験することで平和の思いは、より強いものになります。

 千葉市は、平和啓発事業として千葉空襲写真パネル展、平和講演会、平和ビデオ上映会、戦跡めぐりバスツアー、リーフレットの作成などに取り組まれています。これをもっと充実させることで、若い世代にも戦争の恐ろしさや平和の尊さを知ってもらえるようになると思います。そこでうかがいます。

 1つは、先ほどご紹介した被爆者と千葉空襲の被災者の話に対して、鶴岡市長はどんな感想を持たれましたか。また、今後どう若い世代に伝えていきたいとお考えですか。

 2つは、終戦50周年と終戦60周年の平和啓発事業予算と決算を示してください。

 3つは、千葉空襲のパネル、戦災遺品等を展示する平和資料館の建設、あるいは生涯学習センター・千葉市中央図書館へ来館する市民に対して、日常的に平和への関心・意識を高めるために、常設の展示ブースや資料室を設置してはどうですか。

 4つは、「きぼーる」のプラネタリウムで、市が作成した「平和の道しるべ」やアニメの「はだしのゲン」等を上映し、千葉空襲を考えるきっかけをつくってはいかがでしょうか。

 5つは、広島と長崎の原爆資料館と平和祈念式典へ若い世代を派遣することで、被爆者の話を聞く機会をつくることを求めますがいかがでしょうか。

 以上、お答えください。

 平和行政の最後に、戦没者追悼式のあり方についてです。

 戦没者追悼式は、昭和27年から行なわれ今年で56回目を迎えています。10月12日に行なわれた戦没者追悼式に私も参加しました。私自身の感想として、毎年のように戦没者に対して哀悼の意を表することは何よりも大切ですし、今後も継続していくことが必要だと思いますが、戦没者の追悼にも関わらず、来賓である国会議員、県議会議員、そして市議会議員と献花をする時間が長いのではないかと感じずにはいられませんでした。そう感じる一方で、遺族の方からの発言は、戦時下の千葉市や、戦後の千葉市での生活の困難さなどが、実感をもって伝えられ、多くの市民に聞いていただきたいと思いました。

 しかし、参列者の推移を見てみますと、年々減っており、遺族の方も高齢になり、参加が難しくなっています。そこで、いくつかの提案をしたいと思います。

 1つは、戦没者追悼式に、特に被害の大きかった地域にある小中学校の児童・生徒に参加の対象にしてはいかがでしょうか。より身近に戦争のことが子どもたちに伝わるのではないでしょうか。

 2つは、国会議員、県議会議員、市議会議員の献花時間を減らし、献花については議長や幹事長など代表者のみにし、遺族の方の献花時間を増やしてはどうですか。

 3つは、遺族の方や、実際に被災された方の発言する時間を拡充したり、子どもたちが発言する時間を設けてはいかがでしょうか。

 以上、お答えください。

2、美浜区のまちづくりについて

 次に、美浜区のまちづくりについて伺います。

 第1に、マンション建設にかかる諸問題について伺います。市内各地では、商業の施設跡地などに高層マンションが建設され、局地的な人口増加が起こっています。

 幕張西小学校の今後の推計では、平成19年度は、児童478人で16学級ですが、平成20年度には、児童721人で20学級という推計が出されています。公立と民間の保育所の待機児数は、11月1日現在千葉市全体で、713人。幕張西地域に近い幕張第三保育所の待機児数は、25人となっています。民間の保育園も幕張西地域に1つしかありません。増加するのは児童だけではありません。

 幕張西公民館で、サークルで大正琴をしている70代の男性に先日お話を聞きました。「月に2回のレッスンだけれども、公民館が他のサークルが利用しているので、サークルを2つに分けて、1つは花見川区の幕張コミュニティーセンターに行ってやっているので、何とかしてほしい」。私が、幕張西地域の方、何人かに聞いただけでも公共施設の充実を要望されています。

 また、千葉県企業庁は、美浜区若葉3丁目にある文教地区28ヘクタールについて、今年の6月に、居住機能を含む土地利用の見直しについての提言を出しており、この土地が、もし民間に売却され、打瀬地域と同様のマンション群ができれば、中学校区は、幕張西中学校ですので、子どもたちは、幕張南小学校と幕張西中学校への通学が余儀なくされます。

 子どもたちの安心安全を考え、また公共施設の不足が生じるのではないかという市民の不安に、千葉市は答えていかなければなりません。そこでうかがいます。

 1つは、保育所の待機児が増えることについて対策はあるのでしょうか。

 2つは、幕張西小学校が大規模化していく心配もあるときに、教育委員会は、市民に対し、将来プレハブをつくって対応するというと説明しています。そういうことにならないように対応する必要があるのではないですか。

 3つは、今年設置された幕張西小子どもルームは定員100名に対し、現在69人で、定員を超えるのは明らかです。対策を取るべきではないですか。

 4つは、急激な人口増によって、通学・学区の問題や小中学校の大規模化、子どもルームの待機児などの問題が生じないように、千葉市は、マンション建設の規制を考えていくべきではないですか。

 5つは、幕張新都心・文教地区の土地利用に対して、千葉市としての考え方を持って、千葉県企業庁に申し入れ等を行うべきではないですか。

 以上、お答えください。

 第2に、稲毛海岸公務員住宅跡地についてです。

 稲毛海岸公務員住宅跡地について、6月議会で、私は、千葉市が土地利用計画を持って、跡地の半分でも3分の1でも払い下げを受け、利用計画に基づいて進めるべきだと質問したのに対して、「跡地を取得して、本市が公共公益施設を整備する予定はありません」という市当局の答弁でした。

 その後の、9月議会では、国有地の利活用についての質問に対して、「土地の活用方策の提案内容によって売却先を選定する企画提案方式の採用等について国に申し入れてまいります」と、答弁がされています。

 9月22日には、地元の住民でつくる「公務員住宅を市民のために活かす会」が結成され、私も参加をしました。10月5日には「活かす会」のみなさんと、千葉市に跡地の現状と、今後の方針について説明を求めました。

 公務員住宅跡地11.8ヘクタールのうち、4.1ヘクタールは公務員住宅の建て替え、残りの7.7ヘクタールについては、千葉県や千葉市が取得しなければ一般競争入札で、処分をするという方向が打ち出されています。しかし、これについては、国からは正式な連絡はないということでした。

 また、活かす会のみなさんから、「市民の声を聞いた街づくりすすめてほしい」という声に対して、「周辺環境を配慮した活用がされるよう国に働きかけていきたい」と改めて市の姿勢を表明しました。

 私は、「活かす会」のみなさんと、11月26日に財務省に行きまして、国の動向を聞いてきました。

 財務省は、国の来年度予算が成立した後には、公務員住宅の建て替えを含めて、来年6月には、11.8ヘクタールのどの部分を、どの程度の規模の公務員住宅の建て替えをするのか決めるとしています。

 地元の住民からは、「跡地が民間に売却され、高層マンションになってしまうと風の向きが変わり、風害が心配」「高齢者が増えるので、特養老人ホームをつくってほしい」「老人や障害者、子育て世代が安心して住める住宅を整備してほしい」などの要望が出されています。そこで、うかがいます。

 1つは、千葉市は、企画提案方式の採用等について、国に申し入れていくとありましたが、具体的な提案を持って国に申し入れを行いましたか。また、いつ申し入れますか。

 2つは、企画提案の中身を決めるのは誰で、採用するのは国でしょうか。市でしょうか。

 3つは、財務省から公務員住宅の跡地の取得等の連絡があった場合、千葉市は、市民に対しての説明会を行なうよう求めます。

 4つは、すぐに跡地を取得することに至らなくても、千葉市の都市計画との整合性を持った跡地利用とすることと、跡地を市民に還元できるように土地利用計画を持つべきではないですか。

 以上、お答えください。

 これで1回目の質問を終わります。

<2回目>

 第1に、平和都市宣言についてです。

 平和というものは、日常的に考えなくてはならないものだと思います。その時々の催し物だけで終わらせるものではありません。他都市では、市役所の前や、人通りの多い駅周辺等に、平和都市宣言や非核・平和都市宣言の宣言を記したものが設置されているのをよく見かけます。千葉市にはそれがありません。改善が必要です。

 先ほど紹介した新潟市は、宣言を記したものを、市役所1ヶ所、支所14ヶ所、地区事務所7ヶ所で23万6,000円。公共施設、美術館、水族館、文化・芸術施設、市民プラザなど28ヶ所で10万3,000円。市立の小中学校、図書館、公民館、体育館214ヶ所で65万1,000円、総額で99万円の事業費で設置がされています。宣言をしたからもうそこで終わりではなく、なにか行動するということが、非核・平和都市宣言を市民に知ってもらうという市としての取り組みにつながっていったのです。そこでうかがいます。

 1つに、平和都市宣言記念像について、約1億円もかけて設置がされているにも関わらず、私が見ても何の像なのかわからなかったのに、市民にわかるのでしょうか。改善が必要だと考えないのでしょうか。表示板等を設置することを求めます。

 2つに、他都市に学び、新潟市ではこれだけの予算で設置しているのですから、千葉市も各公共公益施設に平和都市宣言を記したものを設置する検討してはいかがでしょうか。

 第2に、平和を語り継ぐ問題と平和啓発事業についてですが、被爆者や戦争体験者で語れる方が少なくなっています。平和啓発事業に触れる市民も少ないのが現状です。

 そこでうかがいます。

 1つに、千葉空襲写真パネル展を特定の時期だけでなく、時期をずらして、各公共施設をまわる巡回千葉空襲写真パネル展を行なってはどうですか。

 2つに、被爆者や戦争体験者がいるわけですから、語るつどいを計画的にひらくべきではないでしょうか

 第3に、戦没者追悼式のあり方ですが、参列者については遺族の方を対象と考えているとの答弁でした。遺族のみではなく、若い世代に継承していくには、参列者の枠をさらにひろげるべきだと思いますが、検討してはどうか。

 献花の方法の改善や遺族の方の発言時間の拡充については、今後検討していくとの答弁でした。議員が主役ではなく、遺族や市民が主役なのですから、あらためて改善を要望します。

 次に、マンション建設にかかる諸問題についてです。

 千葉市全体で、中高層住宅が一昨年から7,000戸を超えて推移しています。実際に、中央区問屋町・千葉港と美浜区幸町の間で、マンション建設によって、子どもたちが行政区を越えてまで通学をしています。子どもたちの安心安全を考えたまちづくりが考えられているのでしょうか。学校についても、いまある教室の数の枠で、対応すべきものなのに、増築や仮設を建てなければならない状況になっているということは、千葉市は、今の都市計画を軽視していると言わざるを得ません。マンション建設の規制をかけるのは必要だと考えます。

 東京都江東区では、平成13年度以降、マンション建設急増に伴い、公共施設が足りない状況があり、区として「マンション建設計画の調整に関する条例」をつくり、平成14年4月15日に、「学校等への受入れが困難な地域」を指定し、この地域において、建設事業者に対して、建設の中止や延期を要請しています。

 千葉市は、企業庁やマンション開発業者に対して、協議をおこなう際に学校問題が生じないよう適切に指導していくとしています。そこで、うかがいます。

 1つは、幕張西地域の方から、公共公益施設や学校、保育所についての不安の声が出されているのですから、地域住民の住環境整備、公共公益施設の充実を図るべきではないでしょうか。

 2つは、企業庁やマンション開発業者に対しての、適切な指導とはどういうものなのか。建築申請が出されたら受けざるをえないのではないですか。

 次に、稲毛海岸公務員住宅跡地についてです。

 答弁では、「本市のまちづくりや周辺環境に配慮した土地活用が図られるよう働きかけていくが、国の処分方法が明らかにされていないことから、提案条件等の内容及び採用案の決定など具体的な部分は不明」とのことです。

 私は、財務省の担当の方から、跡地の残りの部分について、どのようなまちづくりにするのか、具体的な土地利用計画や跡地に関わる規制や条例を持って、財務省に働きかけるのは千葉市であると聞きました。今の答弁では、ひと事のように聞こえます。一般競争入札となれば、周辺環境に配慮した土地の活用は難しくなるのではないでしょうか。

 特養老人ホームの待機者は、市全体で1,680人、美浜区の高齢化は、急激に進むことが予想されます。美浜区の保育所待機児数は、149人もいます。また、障害者施設も不足しています。跡地を市民のために使ってほしいという声がたくさん寄せられています。そこで、うかがいます。

 1つは、財務省の考え方からすると、跡地の利活用についての責任は、千葉市にあると思いますが、千葉市には責任はないと考えるのでしょうか。

 2つは、財務省は跡地について、来年6月以降に、千葉市にどのようなまちづくりにしたいのか聞き、それがなければ一般競争入札にかけるとしています。働きかけがあってから3ヶ月以内に土地利用計画は作れるのでしょうか。計画を作る気があるのでしょうか。

 3つは、千葉市が跡地の利活用について、市民の要望を早急に聞くなど説明会を開き、意見を集約するなどして、積極的に国に働きかけるべきではないでしょうか。

 以上、お答えください。