小関としゆき議員の代表質疑

2008.3.4

写真1、市長の基本姿勢について
 第1は、国の政治方針に対する考え方についておたずねします。
 まず、国の予算についてです。
 2008年度の予算案では、福田自・公内閣は、貧困と格差をつくり出した小泉・安倍「構造改革」路線を継承しています。社会保障費の削減や生活密着型公共事業を厳しく抑制しながら、「国際競争力の強化」などを口実に、大型公共事業は軒並み増額・温存しています。また、大企業には減税しながら、消費税の増税をねらっています。福田内閣は、新年度予算を「成長と改革の予算」というのなら、「大企業から国民・家計に軸足を移し、日本経済を立て直す予算」に転換すべきです。
 そこでうかがいます。
 1つに、国の新年度予算では、貧困と格差はさらに拡大し、千葉市民にも影響を及ぼすことになると考えませんか。
 2つに、導入時も、税率引き上げ時も「福祉のため」と国民を欺いてきた消費税ですが、今また同じ口実で引き上げを画策しています。最も不公平な税制である消費税の増税計画は、キッパリ中止するよう国に求めるべきです。
 次に、道路特定財源についてです。
 市長は、「市政だより」で「道路特定財源が一般財源化されると102億円減収する」といっています。2008年度の予測額68億3千万円ではなく、2006年度の決算額を使って危機感を煽るのは問題です。
 千葉市で道路特定財源を最も多く使っているのは、新港横戸町線です。新年度の当初予算と前年度繰越明許費の合計は約61億円ですが、総事業費は700億円です。たった4分の短縮のために、多額の事業費を注ぎ込んで作る緊急性も必要性も少なかった道路です。
 道路特定財源が一般財源化されれば、本当に必要な道路整備をすすめ、福祉や教育にも使えるようになるはずです。
 地方交付税が大幅に削減されているもとで、道路特定財源の一般財源化を求め、地方自治体が予算の使い方を選択できるようにすべきですが、いかがですか。答弁を求めます。
 第2は、千葉市と千葉県との関係についてです。
 千葉県の財政難を理由とした、重度心身障害者(児)医療費補助金の1億円打ち切り通知に対して、千葉市は幕張メッセ負担金6億8千万円の凍結で対抗すると、報道されました。この医療費補助金は、県が市町村に負担額の2分の1を補助する制度です。2006年度決算で試算すると、本来なら助成額は約6億2千万円となりますが、実際には毎年1億円の定額交付でした。新年度からは、乳幼児医療費補助と合わせて2億円になるようです。
 1992年の政令市への移行時に、県と市の協議によって市への補助金が軒並みカットされ、県が市に交付している補助金は、2006年度決算で9項目約1億2千万円です。県内の他の自治体と同じ扱いなら、26項目で約14億6千万円となります。他政令市と比較すると、大阪市は76億円で千葉市の63倍、少ない福岡市でも9億円で千葉市の7倍です。
 幕張メッセ負担金は1989年度から始まり、2006年度末で合計97億1千万円になっています。わが党は、負担金の中止を求めてきましたが、市長は「県との約束だから」と拒否し続けました。しかし今回、市が「幕張メッセ負担金を打ち切る」と、県に突き付けたのですから、その気になれば打ち切りは可能ということです。そこでうかがいます。
 1つに、千葉市の財政状況から見て、県との約束があるとはいえ、このような「不公平」な補助金については、毅然とした態度で是正を求めるべきです。
 2つに、県から当然受けられる補助金を大幅にカットされているにもかかわらず、幕張メッセの建設負担金はこれまで通りでは、市民は納得できません。この際、幕張メッセ負担金を打ち切り、市民生活に回すべきではありませんか。
 以上、お答えください。
 第3は、千葉市の新年度予算についてです。
 その1は、新年度予算の特徴と問題点についてです。
 新年度予算の一般会計は3,213億円で、前年度比10.1%、360億円の減額です。これは、政令市移行後最大の減額幅です。
 減額の原因は、国の「構造改革」により国庫支出金が約60億円減額され、基金からも取り崩すことができず、40億円の減額です。さらに、千葉市の「実質公債費比率」は25%を超える見通しであり、「公債費負担適正化計画」で市債を抑制したために、280億円減額しています。その結果、歳出面では土木費185億円、教育費117億円、民生費20億円など市民生活に直結する予算が前年度より大幅にカットされています。
 予算額が360億円も減り、普通建設事業費が333億円も減額したことについて、「きぼーる、千葉高校改築、市民ゴルフ場など大規模建設事業がほぼ収束したため」と説明していますが、これは問題です。
 大規模建設事業が収束したのなら、そこに使われていた事業費を2007年度並に確保していれば、333億円余りは市民福祉に振り向けることができたはずです。しかし、それはできず、その分を全額カットしたことになります。
 そうなった最も大きな原因は「公債費負担適正化計画」に縛られて、市債発行額の大幅抑制をせざるを得なかったことにあります。このような事態に至った背景には鶴岡市長就任以来7年間、蘇我臨海、「きぼーる」はじめ大型開発に莫大な予算を注ぎ込み、多額の借金を重ねてきた結果にあります。ちなみに08年度の計画上の実質公債比比率は、単年度で28.2%に膨れ上がっています。
 以上のように、予算総額と普通建設事業費の大幅減額という財政危機の原因を作った鶴岡市長は、その責任を認めるべきでありますが、お答えください。
 次に、鶴岡市長は2月25日の提案理由の説明で、財政の厳しさを述べましたが、市民生活予算を大幅にカットして、市民福祉の切り下げや、約束していた5か年計画事業を半減させることについて、市民に釈明する言葉は一言もありませんでした。
 また、報道によれば2月21日の記者会見で「財政再建と市民生活重視の予算」「就任以来、最も満足な予算」「自己採点も110点」と、述べたようであります。
 市民生活予算を大幅にカットして、なぜ「生活重視」の予算なのかお聞きしたい。
 自己採点も110点などの発言は取り消し、市民生活予算を大幅にカットしたことについて、市民におわびする気持ちはありませんか。
 その2は、新年度予算を市民生活優先にすることについてです。
 市長は「行政改革」と「第2次5か年計画」の推進を基本に、予算編成を行なったと述べています。
 「行政改革」の効果で90億円、そのうち経常経費は12.3%、約50億円カットし、その他の諸経費も削減しています。さらには、敬老祝い金と敬老乗車券の廃止。国民健康保険葬祭費を7万円から5万円に引き下げ。はり・きゅう・マッサージの施設利用助成は60歳から65歳に引き上げ。おむつ給付事業では一律8,400円支給だったものを要支援は0円に、要介護1〜3は4,000円、4〜5は8,000円に。要保護世帯慰問金事業を廃止するなど、高齢者や生活弱者への福祉切り捨てが強行されようとしています。そこでうかがいます。
 1つに、貧困と格差社会の広がりの中で苦しむ市民に、追い討ちをかけるようなことは中止するよう求めます。
 2つに、国民健康保険基礎賦課限度額の56万円を59万円に引き上げることや、健康度測定事業の料金値上げなど、医療や健康にかかわる負担増はやめるべきです。
 3つに、特定健康診査は保険者負担にして15億8,900万円の減額ですが、国民健康保険での特定健康診査や保健指導は無料とし、市民の健康増進に努めるよう求めます。
 その3は、第2次5か年計画の見直しについてです。
 総事業費4,058億円を2,818億円に圧縮し、今後3年間では2,656億円を半分の1,416億円に縮減させる計画です。
 見直しの基本的な考え方は、厳しい財政状況のもとで、全ての計画事業を対象に、「公債費負担適正化計画」を踏まえて、2010年までの財政収支見込みを検討し、「市民生活に大きな影響が出ないように配慮した」とのことです。
 見直し後の事業計画では、「全部先送り」されるのは、集中豪雨の対策として急がれていた、村田雨水ポンプ場、2級河川生実川・支川都川の改修、バス運行情報の提供などです。「一部先送り」は、小規模特養ホームの2か所58人を1か所29人に縮小、学校の大規模改造は教室改修も合わせると25校が先送りされます。その他にも、市営住宅の建替えと改修、生活道路・歩道・側溝整備が縮小され、住宅耐震改修の促進計画案の中では、一般住宅は年間計画580戸ですが、補助対象はわずか16戸です。うかがいます。
 1つに、このような市民の安全・安心に直接関わる事業が中止や先送りされるのに、「影響はない」などという根拠はなにか。
 2つに、第2次5か年計画は、市民要望最優先で計画を見直すよう求めます。
 第4は、大型開発予算等の見直しと自主財源確保についてです。
 大型開発や国・県事業への負担は、千葉市財政を危機的状況にしてきました。しかし、新年度でも相変わらず大きな予算が組まれています。
 千葉駅西口再開発は、当初予算の20億2,089万円と前年度繰越明許の2億4,020万円です。蘇我特定地区整備は、当初予算の3億1,000万円と前年度繰越明許の7億300万円です。新港横戸町線整備は、当初予算の33億5,060万円と前年度繰越明許の27億4,400万円です。合計すると、当初予算は56億8,149万円、前年度繰越明許は36億8,720万円で、その総合計は、93億6,869万円にもなります。そこでうかがいます。
 1つに、これらの事業は、緊急性も必要性も少ないものです。思い切って見直しを行い、市民福祉に回すことを提案します。
 2つに、幕張メッセ建設事業負担金6億8,000万円や港湾整備費など、地方財政法27条によって負担させられている県事業負担金8億8,000円の支出も中止すること。
 3つに、国直轄事業負担金は22億1,000万円になっております。これも中止することを求めます。
 4つに、資本金10億円以上の企業の法人市民税均等割を制限税率上限まで課税すれば約3億2,000円確保できます。これら予算組み替えや自主財源確保に取り組み、削られた市民生活予算を復活させるよう求めます。
 第5は、2007年問題と技術の継承、職員の適正な配置について伺います。
 職員の大量退職に加えて、下水道局、建設局などで「第2次5か年計画」の大幅な見直しや新年度予算の削減で、事業量が3割から5割も減ることになります。市民の切実な要望に答え、必要な事業は確保するべきです。そこでうかがいます。
 1つに、予算や職員が削減される中で、安心・安全のため市民に必要な下水道の整備や道路の新設、維持管理については、十分に対応できるのか。
 2つに、職員の大量退職で技術の継承も大きな問題です。実態を明らかにするとともに、具体的な対応について伺います。
 3つに、事業量の削減で職員の配置転換を行わなければならない事態となっています。市民の利益のために組織の活性化をどう図るのか。
 第6は、市民参加協働条例についてです。
 市政運営にとって、市政の主人公である市民の参加と協働は、もっとも重要なことです。この観点から、わが党は2003年2月、「千葉市市民参画条例(案)」を提出しました。今議会には、市長から「千葉市市民参加及び協働に関する条例(案)」が提出されています。この条例が市政の民主的運営に資するものとなるように、提案を含め質問致します。
 1つに、市政運営への参加は、市民の大切な権利であり、市民の責務や役割とともに、市政に参加・協働する市民の権利を明記すべきではないでしょうか。
 2つに、市政運営の責任は市長にあることから、市民の権利を保障する市長の責務についても、明記すべきではないでしょうか。
 3つに、直接、市民の意思を問う必要がある場合には、市民投票を実施できるようにすべきではないでしょうか。
 以上、見解を求めます。

2、市民行政について
 第1は、防災対策についてです。
 その1は、千葉市の液状化対策についてうかがいます。
 1987年の千葉県東方沖地震では、市内の49か所で液状化が確認されており、美浜区45か所、中央区3か所、稲毛区1か所で液状化が発生しています。
 電気・ガス・水道などのライフラインについては、一定の対策が進められていますが、建物の倒壊、地盤の流出などの危険性についての調査は、どのようにされているのか。液状化対策についても計画を明らかにしてください。
 その2は、学校体育館の耐震改修についてです。
 市内の小中学校体育館は180棟、その内、旧耐震基準で建設された131棟を2015年度までに改修する計画が耐震改修促進計画です。しかし、国の指導による耐震化優先度調査は実施されているものの、131棟のうち、耐震診断が行われたのはわずか5棟です。残り126棟の中にはIs値0.3未満の体育館もあるようです。新年度では、耐震診断や実施設計予算はありますが、改修されるのは1棟もなく、残り131棟を2009年度から7年間で改修する計画です。
 市長は、新年度予算で「小中学校の耐震診断や改修に積極的に盛り込んだ」と述べていますが、きわめて不充分な計画ではないでしょうか。耐震改修の実施を急ぐべきです。
 その3は、地域防犯街灯についてです。
 凶悪な犯罪等が増えています。市民の安全を守るために、町内自治会に属さない地域の防犯街灯の設置を求めます。

3、保健福祉行政について
 第1は、後期高齢者医療制度についてです。
 全国508自治体で制度の中止や見直しを求める意見書が提出され、独自に救済策を検討する市町村も生まれています。浦安市では、「後期高齢者支援事業」として、高齢者約6,000人を対象に医療費窓口負担の支援として1人年間1万円の支給を決めたそうです。
 そこで、4月実施を前に千葉市としての対応についてうかがいます。
 1つに、千葉市としても国に対し高齢者いじめの制度を中止するよう求めるべきですがどうか。
 2つに、滞納者からの保険証取り上げはやめ、保険料の減免制度を実施するよう広域連合に働きかけるよう求めます。
 3つに、制度の変更による混乱がないよう、対象世帯への周知徹底には特別の努力が必要です。どんな取り組みを行なっているのか、うかがいます。
 4つに、高齢者が安心して医療を受けられるように、市独自に保険料や医療費分への救済・支援制度を設けることを求めます。
 第2は、国民健康保険についてです。
 千葉市では、国民健康保険料の滞納が昨年12月末現在、36,355世帯あり、資格証明書発行は16,412件で、その率は45%で、17政令市中1番目です。多くの滞納者は、保険料を払いたくても払えないのが実態ではないですか。保険証を取り上げられ、病院にかかれず、命を失った人が全国で41人いるとNHKが報道していました。このような悲惨な事態を引き起こしてはなりません。
 1つに、機械的に保険証を取り上げることなく、市は実態調査を行ない、特に子どもへの資格証明書の発行はやめるべきです。
 2つに、国民健康保険への一般会計からの繰入を、せめて、政令市平均の約33,000円まで引き上げて、保険料を引き下げるよう求めます。
 3つに、国保被保険者が死亡した時の葬祭費、7万円から5万円への引き下げはやめるよう求めます。
 第3は、安心して受けられる医療制度についてです。
 全国各地で緊急時の医療体制が不十分のため受入を拒否され死亡するという事故が起きています。こうした事態を根絶するために、根本問題にメスを入れるべきです。そこでうかがいます。
 1つに、2007年中に、救急医療で受け入れを10回以上拒否されたのが、137件ありました。これに対する認識をうかがいます。
 2つに、受入拒否の主な要因は、医師・看護師不足などの医療体制が不十分なために起こっているのではないですか。その実態を市長自ら病院を訪問調査し、医師・看護師不足の解消に取り組むべきです。
 3つに、青葉病院は現在、耳鼻咽喉科診療を縮小しているが、市民から「市民の健康は守れるのか」など不安や疑問の声があります。一刻も早く耳鼻咽喉科を通常の診療に戻すことを求めます。
 4つに、妊産婦健診についてです。昨年の9月議会に、新日本婦人の会から妊産婦健診の拡充を求める陳情が出され、自民党と公明党が反対しましたが、常任委員会では賛成多数で採択されました。今回、助成が2回から5回に増えることになり、一定の前進です。安心して子どもを生み育てられる環境をつくるために、東京都の20区では、この4月から妊産婦健診が14回まで無料になります。千葉市も全ての健診を無料にするよう提案します。
 第4は、保育所「民営化」問題についてです。
 まず、情報公開・説明責任・市民参加についてうかがいます。
 千葉市の「保育所のあり方」(案)について市民から意見を募集したところ、407件もの意見が寄せられました。これはマスコミなどに発表もされず、保育所の掲示やホームページの掲載を見なければ、知ることはできないものでした。また、意見には「民間保育園の職員の離職率が高いのはデメリットではないか」「大東市や横浜市の裁判で損害賠償が認められた民営化には、問題ないのか」などの否定的なものが多くありました。
 こうした意見の人たちに、市は納得のいく説明をすることが求められています。3月から4月にかけて、区ごとの説明会を実施する予定だそうです。そこでうかがいます。
 1つに、市は説明会開催に当たり、どのような周知をし、市民にはどんな情報を公開して、説明責任を果たすのか。市民参加はどのように保障するのかうかがいます。
 2つに、区ごとだけでなく、保護者、保育所職員、地域住民などにも参加してもらえるよう、身近な保育所単位で説明会を開くことが必要です。その際は、日程も余裕を持ち、誰でも参加しやすい日程で行うよう求めます。
 3つに、説明会で市民が納得できない場合は、民営化を進めるべきではないと考えますが、いかがですか。
 つぎは、民営化による子どもたちへの影響についてうかがいます。
 民間の保育園でも地域住民と連携しながら、子育て支援を実施しているところがあります。名古屋市では、保育園の民営化が突如発表され、「良心的な保育の実践を」と手を上げた社会福祉法人が受託されました。しかし、資金面での困難さや、保育の質を維持することの難しさなどが生じて、子どもも親も保育士も混乱した状況が生まれています。
 土気の保育園でも、開園当初は園児に怪我が多く、職員も長時間労働で体調を崩し、休職や退職者がありました。半年近く担任が決まらないという事態も起こっています。こうした混乱は、全国どこでもあります。そこでうかがいます。
 1つに、保育所の民営化は、安上がりの保育で人件費を少なくすることがねらいですか。
 2つに、民営化することで保育の質が低下することになるとは考えませんか。
 3つに、長い時間と費用をかけて築いてきた「保育実践」や「人間の絆」は、千葉市の財産ではないでしょうか。簡単に壊してしまっていいのか、うかがいます。
 第5は、「中国産ギョーザ薬物中毒事件」の対応と今後の食の安全についてです。
 この中毒事件は、初期対応の問題や日本の食料自給率の問題、輸入食品に対する検査体制の問題、事件の真相究明など、各方面に課題を大きく広げています。
 そこでうかがいます。
 1に、今回の問題で、行政の対応が遅れた原因と改善すべき点はなにか。
 2に、千葉市の食品衛生監視員を増員し、検査体制を強化するよう求めます。
 3に、市民の食の安全・安心を確保する「千葉市食の安全条例」の制定を求めます。

4、環境行政について
 第1は、地球温暖化対策についてです。
  千葉市は「地球温暖化対策推進計画」を策定し、推進していますが、うかがいます。
 1つに、2010年度までに温室効果ガスの排出量を2000年比で6%削減し、可能な限り1990年度レベルを下回るよう抑制する計画ですが、現在の排出量は減少していません。特に環境保全対策費は、約25%の1,460万円減額されています。これで、地球温暖化対策に取り組んでいるといえるのでしょうか。
 2つに、JFEをはじめ、事業者の温室効果ガス削減については、削減目標を出させ、達成するために行政指導をすべきです。
 3つに、森林保全、緑化がCO2削減に効果があるといわれていますが、千葉市の森林は乱開発によって減少しています。都市緑化の推進計画は、もっと強化すべきです。
 4つに、新エネルギーの導入ですが、太陽光発電設置補助金の予算を増やすことと、バイオマスエネルギーや風力発電、小型水力発電の予算を減らさず、施策の拡充に努めるべきです。
 第2は、ごみの減量についてです。
 一般廃棄物処理計画では、2007年度からの10年間で、焼却ごみを3分の1削減する目標です。そこでうかがいます。
 1つに、焼却ごみを3分の1減量できる根拠はなにか。また、市民の協力を得るために、もっと市民にわかりやすく周知することが必要ではないでしょうか。
 2つに、ごみの分別をもっと増やすことが必要であり、特に、家庭から排出される生ごみの回収を行い、栃木県芳賀町のように堆肥化をすすめるべきです。
 3つに、大きな事業所や大型店舗から排出される事業系ごみについては、発生者責任を明確にして、自ら処理することを指導すべきです。

5、経済農政について
 第1は、千葉市の農業についてです。
 日本は、食料自給率が39%であり、食料のほとんどを輸入に頼る事態となっています。また、コメの価格が暴落し、稲作農家の時給は256円と異常な低労賃です。ところが、国は「品目横断的経営対策」をすすめ、中小農家を切り捨てる政策を行なっています。そこでうかがいます。
 1つに、食料自給率の向上と農業の担い手を育成するためにも、毎年減らされている農業後継者対策費を増やし、実際に収入が上がるように補助制度をつくるべきです。
2つに、一昨年の第1回定例会で、新規就農者への支援として3か年計画で月15万円まで増やすことを求めましたが、再度その実施を求めます。帰農者支援については、対象者を明確にして、成果が上がるようにすべきです。
 3つに、国が行なっている「品目横断的経営対策」の中止を国に求めるべきです。
 4つに、地産地消のさらなる拡大を図るとともに、遊休農地を活用して家庭菜園などの普及・啓発に努めるよう求めます。
 第2は、中小業者の支援についてです。
 商工振興費138億円のうち金融対策、企業立地、コンベンション対策を除くと、4億7千万円しか残りません。これでは、余りにも予算が少なく、千葉市全体の商工業者の活性化は望めません。2倍から3倍に予算を増やすよう求めます。
 中小業者は、消費税課税対象額が3千万円から1千万円に引き下げられたことや、原油高による原材料の値上げ、諸物価の高騰などで、倒産に追い込まれる事態が起きています。
 中小業者が営業を続けて行くためにも、物品の調達、生活道路・側溝の整備、市営住宅の改修などを、地元中小業者へ発注するとともに、資金融資制度を充実させて中小業者を支援すべきです。お答え下さい。

6、都市行政について
 第1は、駅やその周辺のバリアフリー化についてです。
 各駅のエレベーター設置は、第2次5か年計画で全ての駅に設置する計画でした。しかし、07年度に設計が終了していたにもかかわらず、新年度予算ではモノレール「みつわ台駅」エレベーターの設置予算がつきませんでした。利用者の強い願いであり、当初の計画通り設置するよう求めます。
 第2に、障害者のみなさんの要望である、バスの行き先案内、バス停周辺の点字ブロックの設置、稲毛駅出入口の段差解消とスロープ設置場所の改善を求めます。
 第3に、コミュニティバス路線を希望のある地域に拡大することを求めます。
 第4は、市営住宅についてです。宮野木第1団地の第2期計画が消えてしまいました。これを復活させることを求めます。また、既存住宅の整備予算が19年度から、約1億4千万円も減額されています。予算を増額して市民の願いに答えるべきです。
 第5は、特優賃住宅についてです。
 市の住宅供給公社に貸し付けた20億3千万円の請求権放棄を行なう議案が提案されています。この問題はきわめて重大な問題です。そこで伺います。
 1つは、なぜ20億3千万円もの請求権を放棄するのか。その原因、背景、責任はどこにあるのか。
 2つに、これまでの赤字の処理について、不正はなかったのか。
 3つに、今後、特優賃の赤字に対して、どのように解決するのか。
 4つに、財政が厳しい時に、請求放棄することは、市民の理解を得られるものではありません。請求放棄はやめるべきです。
 第6は、マンション建設についてです。
 マンションの建設ラッシュが続く中、住民から「日照権を守ってほしい」「階数を減らして、風害対策を」などの要望が出され、業者とのトラブルが増加しています。しかし、業者の中には「建築基準法に基づいている」として住民の要望を聞こうとせず、説明会を設定しない業者もいます。市は、近隣住民からの意見をよく聞き、業者による一方的な建築が行われないよう「中高層建築条例」に基づいて徹底した指導を行うべきです。

7、建設行政について
 生活道路などを整備する土木事務所の主な予算は、56億5,943万円で、前年度比で82%、12億円が減額されています。4年前に比べ、24億円も減っています。市民要望の多い生活道路などを整備し、安全・安心な街づくりをすすめるためにも必要な予算を配分するよう求めます。

8、教育行政について
 第1は、「学校適正配置」についてです。
 美浜区では、5つの地域で各2回ずつ、計10回の地元説明会が行われました。どこでも、疑問や不安、異論が多数出され、住民に理解されたとは到底言えません。それどころか、疑問や不安が増大しています。同時に、統廃合を中心とした「学校適正配置」が本当に必要なのか、改めて考える必要があります。
 そこでうかがいます。
 1に、教育委員会は「学校適正配置」の目的を、「よりよい教育環境の整備と教育の質の充実」と強調していますが、そもそも、よりよい教育環境とはどういうものなのか、教育の充実とはどういう内容なのか、具体的に明らかにして下さい。
 2に、小規模校は問題があるといいますが、具体的にどんな問題が千葉市の小規模校で起きているのでしょうか。また、小規模校を卒業した児童・生徒に、どんな問題があったのでしょうか。具体的な事例を示しお答え下さい。
 3つに、小規模校に問題があるとすれば、教育委員会がこれまで小規模校を応援してこなかったことが問題だったのではないでしょうか。
 4つに、どの説明会でも疑問と不安が増大しているのですから、地元代表協議会での議論に進むのではなく、地域住民の声を十分に聞くために、学校ごとの討論会やアンケートなどを実施することが必要と思いますが、見解を求めます。
 第2は、私立幼稚園就園奨励費補助についてです。
 今年度までは、所得制限がなく全ての保護者に33,000円支給されていました。しかし、新年度からは、市民税所得割額が301,000円を超える保護者には、支給を20,000円に引き下げます。これでは、子育て支援に逆行するものです。子どもはみんな平等であり、差別すべきではありません。制度の改悪はやめるべきです。
以上、1回目の質疑を終わります。

<2問目>

 大型開発事業の見通しについてです。
 1回目の質問でも指摘しましたが、千葉市の財政危機をつくった要因の1つは、市民の要望していない大型開発事業に多額の事業費が使われたことです。今年度だけでも、93億6,870万円です。これを見直すことを求めましたが、市長は「雇用の創出や税源の涵養につながり、都市再生と地域経済の活性化に大きな効果を発揮する」と答弁しています。
 しかし、西口再開発事業は、バブル期に取得した用地1u当たり1,000万円が現在は83万円で、1u当たり917万円の損失です。蘇我特定地区(ハーバーシティー)は、雇用創出目標2,300人に対して、2,800人が雇用されたと言いますが、80%が非正規雇用です。税収は40億円の見込が、2007年度は3億4,000万円で、見込額の10分の1以下です。中央港地区区画整理事業の雇用計画は、12,200人と言われていますが、どの事業も雇用の創出や税の涵養で目標から大きく後退しています。それでも市長は、これらの大型開発事業が市民の理解を得られると思いますか。
 千葉市の財政危機の実態を考えても、今まで進めてきた大型開発事業は抜本的に見直し、今後進めようとしている蘇我スポーツ公園建設は中止し、モノレール延伸計画は当分凍結し、その予算を市民生活に切り替えることを改めて求めます。
 次に市民福祉についてです。
 敬老祝い金や敬老乗車券の廃止をはじめ、市民への負担増の中止を求めたところ、市長は「目的と実態の乖離、他事業との整合性から見直した」「受益と負担の整合性に配慮した」などの答弁でした。また、市民の予算を2分の1にカットした予算について「市民生活にきめ細かい対応を図り、財政健全化に向けた取り組みを両立できて、満足のいく予算だ」と答えました。
 これらは、貧困と格差の広がりや、一昨年来の庶民大増税に加えて、原油高などに伴う物価高で、厳しい生活を強いられている市民の実態を考慮しない立場からの答弁であり、市民生活切り捨ての予算編成と言わなければなりません。
 鶴岡市長は、就任以来高齢者福祉を次々とカットしてきました。敬老乗車券は、2004年度に12,000円から8,000円に引き下げ、今回、祝い金とともに全面廃止。68歳・69歳の老人医療費助成は、2002年度に所得制限をして市民税非課税者のみに切り下げ、2007年度に全面廃止。在宅の要介護4、5の認定者に支給されていた福祉手当12,000円を2006年度に廃止。要介護・要支援者で常時、失禁の高齢者に月1万円支給のおむつ給付事業は、2004年度に8,400円に切り下げて、新年度は要支援0円、要介護1〜3は4,000円に切り下げ、さらに1割の自己負担。高齢者に対する住宅改修支援の対象者を2003年度に、要介護、要支援者だけに切り下げ。友愛訪問を2003年度に廃止。2006年度には、緊急通報システムの電話基本料を有料化し、配食サービスの自己負担を値上げしました。
 市長の言葉を借りれば、高齢者福祉は「きめ細かく」切り捨てられています。質問しますが、
 1つに、長らく社会に貢献した高齢者に対する福祉をなぜ切り捨てるのか。
 2つに、耐切れない厳しい市民生活の実態をなぜ考慮できないのか。
 3つに、提案している、敬老祝い金・乗車券の廃止、おむつ給付の切り下げ、要保護世帯慰問金事業廃止をはじめ、福祉の切り下げを中止するよう重ねて求めます。
 次に特優賃の問題です。
 社会情勢の変化で空き家が発生し、公社は欠損を抱えたからやむを得ないとの答弁でした。こうした答弁は、認められません。
 議会では1999年の予算審査特別委員長報告で、指摘要望事項として「特定優良賃貸住宅補助事業については、制度の周知やPRの充実に努め、空き家の解消を図ることにより、補助が有効に活用される事業内容とされたい」となっています。
 さらに、2000年の予算審査特別委員長報告でも同様の指摘がされています。
 2002年の予算審査特別委員長の指摘要望事項でも、同じく2002年の決算審査特別委員長報告でも、「家賃補助の拡充や所得制限の緩和を図るなど、市民の需要にこたえられたい」との、指摘要望事項になっています。
 ここでまず、鶴岡市長に伺います。
 1に、鶴岡市長は、初代の理事長であり、最後の1999年度には約6億円もの借入金がありました。そのことをどのように受けとめておられたのか。合わせて、「指摘要望事項」について、どのように受けとめ、対応、改善をはかったのか伺います。
 2に、林副市長に伺いますが、あなたは、3代目と現在の5代目の理事長を務め、約5年間もトップの座にあります。その責任はかなり重いと言えます。そこで伺います。
 1つは、平成14年の2回もの「指摘要望事項」について、どう受け止めたのか。軽く考えていたのではないか。そうでなければ、具体的な改善を図ったのか。
 2つに、20億3,000万円もの請求権を放棄するという市民の理解できない状況に、どうして住宅公社を追い込んだのか、まず伺います。さらに、そのことを踏まえて責任をどう取るつもりか伺います。

 次に、学校適正配置についてです。
 答弁では、「よりよい教育環境」と「教育の充実」について、「クラス替えができること」「多様な部活動ができること」「行事が活性化すること」などとしています。しかし、これらは教育の本質の問題ではありません。
 教育とは、児童生徒の人格の完成をめざすものであり、その見地から「よりよい教育環境」と「教育の充実」とは、一人ひとりの子どもたちに、教師のきめ細かい援助指導が行き届く条件をつくることです。その大切な一つが、少人数学級です。本市が小中学校の一部で38人学級を実施し、弾力的に36人や38人学級を可能にしたのも、その見地からではないでしょうか。
 日本教育学会の研究では、人間的成長や学力の向上にとって「学級規模の標準は、20人程度とするのがよい」としています。また、現実の教育問題では、不登校やいじめなどが問題となっています。「市政概要」によると、2006年度の「教育相談電話」への件数は2,074件で、うち不登校問題1,564件、75.4%、いじめ問題269件、13.0%となっています。こうした問題に応えることが、「よりよい教育環境」と「教育の充実」の方向であり、そのためにも、少人数学級が求められています。
 そこで伺います。
 1つは、「学校適正配置」の目的を、「よりよい教育環境」と「教育の充実」としながら、なぜ、少人数学級をまったく位置付けていないのでしょうか。
 2つは、小規模校についてです。小規模校は、実際に少人数学級が実施されており、教育委員会は美浜区の地元説明会で小規模校のメリットを認めています。それにもかかわらず、卒業生の調査もなしに、「友人関係に広がりをもたせるのが難しい」「学習の内容が制限される」などと答弁し、小規模校には多くの課題があり、そこを卒業した児童生徒には問題があるかのように説明しています。
 少人数学級のメリットを全面的に評価していない「学校適正配置」は、抜本的に見直すべきと思います。お答え下さい。